SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 5
静的釣合い方程式
1.「静的釣合い方程式」を説明できる
2. 静的釣合い方程式を記述できる
3. 未知反力と未知反モーメントを求められる
目標
1/5
「静的釣合い方程式」
力を全て足すと0 ΣFi, d
=
i
0
( 方向成分: d = x, y, z , 番目: i, j = 1, … )
モーメントを全て足すと0 ΣMj, d =
j
0
静止した物体の状態が変化しないための条件式
F1, x F2, x
F1, x+ F2, x = 0−
向きが異なる → 異符号
移動しない
x
y
M1, z M2, z
M1, z− + M2, z = 0 回転しない
2/5
静的釣合い方程式の記述
垂直水平回転
を拘束
x
y
R
N
M
水平方向 N = 0
垂直方向 R− +W = 0
M+ Wℓ = 0モーメント
釣合い方程式
① 支点反力・反モーメントを図示
② 外力・外力によるモーメントを図示
③ 足し合わせて=0の式を作成
モーメントの回転中心に注意
支持条件に注意
成分と方向(符号)に注意
W
外力
Wℓ
外力による
モーメント 3/5
未知反力と未知反モーメントの決定
W
R
N
M
Wℓ 水平方向 N = 0
垂直方向 R− +W = 0
モーメント
釣合い方程式
N = 0
R = W
M = Wℓ−
水平方向反力
垂直方向反力
左端周りの反モーメント
釣合い方程式を解く
M+ Wℓ = 0
と同じ向き
と反対の向きM
R
4/5
まとめ:静的釣合い方程式
1.「静的釣合い方程式」
2. 静的釣合い方程式の記述
3. 未知反力と未知反モーメントの決定
静止した物体の状態が変化しないための条件式
ΣFd, i
=
i
0 ΣMd, j
=
j
0
① 支点反力・反モーメントを図示
② 外力・外力によるモーメントを図示
③ 足し合わせて=0の式を作成
釣合い方程式を解く
( d = x, y, z , i, j = 1, … )
モーメントの回転中心に注意
支持条件に注意
成分と方向(符号)に注意
5/5

Mais conteúdo relacionado

Mais de Kazuhiro Suga

Mais de Kazuhiro Suga (20)

【材料力学】特別な丸棒のねじり (II-02-1 2020)
【材料力学】特別な丸棒のねじり (II-02-1 2020)【材料力学】特別な丸棒のねじり (II-02-1 2020)
【材料力学】特別な丸棒のねじり (II-02-1 2020)
 
【材料力学】ねじり剛性 (II-01-3 2020)
【材料力学】ねじり剛性 (II-01-3 2020)【材料力学】ねじり剛性 (II-01-3 2020)
【材料力学】ねじり剛性 (II-01-3 2020)
 
【材料力学】許容応力と安全率 (I-12-1 2020)
【材料力学】許容応力と安全率 (I-12-1 2020)【材料力学】許容応力と安全率 (I-12-1 2020)
【材料力学】許容応力と安全率 (I-12-1 2020)
 
【材料力学】重ね合わせの原理を用いた不静定はりの解法 (I-11-3 2020)
【材料力学】重ね合わせの原理を用いた不静定はりの解法 (I-11-3 2020)【材料力学】重ね合わせの原理を用いた不静定はりの解法 (I-11-3 2020)
【材料力学】重ね合わせの原理を用いた不静定はりの解法 (I-11-3 2020)
 
【材料力学】幾何学的条件を用いた不静定はりの解法 (I-11-2 2020)
【材料力学】幾何学的条件を用いた不静定はりの解法 (I-11-2 2020)【材料力学】幾何学的条件を用いた不静定はりの解法 (I-11-2 2020)
【材料力学】幾何学的条件を用いた不静定はりの解法 (I-11-2 2020)
 
【材料力学】はり のたわみとたわみ角の求め方 (I-10-2 2020)
【材料力学】はり のたわみとたわみ角の求め方 (I-10-2 2020)【材料力学】はり のたわみとたわみ角の求め方 (I-10-2 2020)
【材料力学】はり のたわみとたわみ角の求め方 (I-10-2 2020)
 
【材料力学】はり のたわみ (I-10-1 2020)
【材料力学】はり のたわみ (I-10-1 2020)【材料力学】はり のたわみ (I-10-1 2020)
【材料力学】はり のたわみ (I-10-1 2020)
 
【材料力学】はり (I-08-1 2020)
【材料力学】はり (I-08-1 2020)【材料力学】はり (I-08-1 2020)
【材料力学】はり (I-08-1 2020)
 
【材料力学】(補足)仮想切断 (I-note-virtual_cut 2020)
【材料力学】(補足)仮想切断 (I-note-virtual_cut 2020)【材料力学】(補足)仮想切断 (I-note-virtual_cut 2020)
【材料力学】(補足)仮想切断 (I-note-virtual_cut 2020)
 
【材料力学】(補足)力のモーメント (I-note-moment 2020)
【材料力学】(補足)力のモーメント (I-note-moment 2020)【材料力学】(補足)力のモーメント (I-note-moment 2020)
【材料力学】(補足)力のモーメント (I-note-moment 2020)
 
【材料力学】熱ひずみと熱応力 (I-07-3 2020)
【材料力学】熱ひずみと熱応力 (I-07-3 2020)【材料力学】熱ひずみと熱応力 (I-07-3 2020)
【材料力学】熱ひずみと熱応力 (I-07-3 2020)
 
【材料力学】フックの法則 (I-05-1 2020)
【材料力学】フックの法則 (I-05-1 2020)【材料力学】フックの法則 (I-05-1 2020)
【材料力学】フックの法則 (I-05-1 2020)
 
【材料力学】ひずみ (I-03-2 2020)
【材料力学】ひずみ  (I-03-2 2020)【材料力学】ひずみ  (I-03-2 2020)
【材料力学】ひずみ (I-03-2 2020)
 
【材料力学】内力の決定 (I-02-2 2020)
【材料力学】内力の決定 (I-02-2 2020)【材料力学】内力の決定 (I-02-2 2020)
【材料力学】内力の決定 (I-02-2 2020)
 
【材料力学】内力 (I-02-1 2020)
【材料力学】内力 (I-02-1 2020)【材料力学】内力 (I-02-1 2020)
【材料力学】内力 (I-02-1 2020)
 
【材料力学】支点支持と反力・反モーメント (I-01-2 2020)
【材料力学】支点支持と反力・反モーメント (I-01-2 2020)【材料力学】支点支持と反力・反モーメント (I-01-2 2020)
【材料力学】支点支持と反力・反モーメント (I-01-2 2020)
 
【材料力学】内力 (I-04 2019)
【材料力学】内力 (I-04 2019)【材料力学】内力 (I-04 2019)
【材料力学】内力 (I-04 2019)
 
【材料力学】静的釣合い方程式 (I-03 2019)
【材料力学】静的釣合い方程式 (I-03 2019)【材料力学】静的釣合い方程式 (I-03 2019)
【材料力学】静的釣合い方程式 (I-03 2019)
 
【材料力学】支点の反力と反モーメント (I-02 2019)
【材料力学】支点の反力と反モーメント (I-02 2019)【材料力学】支点の反力と反モーメント (I-02 2019)
【材料力学】支点の反力と反モーメント (I-02 2019)
 
【材料力学】力とモーメント (I-01 2019)
【材料力学】力とモーメント (I-01 2019)【材料力学】力とモーメント (I-01 2019)
【材料力学】力とモーメント (I-01 2019)
 

【材料力学】静的釣合い方程式 (I-01-3 2020)

Notas do Editor

  1. 静的釣合い方程式 この項目では,次の3つの目標を設定しています. 一つ目は,「静的釣合い方程式」を説明できるようになることです. 二つ目は,静的釣合い方程式を記述できるようになることです. 三つ目は,反力と反モーメントを求めることができるようになることです.
  2. 静的釣合い方程式 について説明します. 静的釣り合い方程式とは,静止した物体の状態が変化しないために満足すべき条件式です. 静的とは,静止している状態と考えてください. 式で書くと, 力を成分ごとに足し合わせたものが0になるという式と モーメントを成分ごとに足し合わせたものが0になるという式です. 両方の式が成立して,静的釣り合い条件が達成されます. 力の式中のFd,iは,d番目の力のi方向成分を表します. モーメントの式中のMd,j番目のモーメントの,d方向成分を表します. [click] 力の釣り合いについて,具体例を見てみましょう. 棒に,2つのx方向の力F,1,xとF2,xが作用している場合を考えます. このとき,力の釣り合い方程式は, 「マイナスF,1,x,プラス F,2,x イコール 0」となります. F,1,xとF,2,xは,同じx成分なので,足し合わせることができます. また,F,1,xとF,2,xは,力の向きが異なるので,異符号で足し合わされることに注意しましょう. 力の釣り合い式が満足されている場合には,棒は,右にも左にも移動しません. この例では,力がx方向成分しか持たない場合を扱いました. 力が,yやz方向成分を持つ場合には,y成分,z成分についても足し合わせてイコール0の式をつくる必要があります. [click] 次に,モーメントの釣り合いについて,具体例を見てみましょう. 棒に,左下の点に回転中心があり,2つのz方向のモーメントM,1,zとM,2,zが作用している場合を考えます. このとき,モーメントの釣り合い方程式は, 「マイナスM,1,z,プラス M,2,z イコール 0」となります. M1,zとM2,zは,同じz成分なので,足し合わせることができます. また,M,1,zとM,2,zは,力の向きが異なるので,異符号で足し合わされることに注意しましょう. モーメントの釣り合い式が満足されている場合には,棒は,時計回りにも,反時計回りにも回転しません. 力の釣り合い式と同様に, モーメントが,xやy方向成分を持つ場合には,x成分,y成分についても足し合わせてイコール0の式をつくる必要があります.
  3. 静的釣合い方程式を記述する手順 について説明します. ①支点に作用する反力と反モーメントを図示します. このときは,支点の支持条件に注意します. ②物体に作用する外力と外力によるモーメントを図示します. このときは,外力のモーメントの回転中心がどこにあるのかに注意します. ③力とモーメントを足し合わせて,=0となる式を作成します. このときは,成分ごとに足し合わせること,力の方向に注意します. 左の図に示すように,上に人が載っている飛び込み台に対する,静的釣り合い方程式を記述することを考えてみましょう. [click] まず①です. この飛び込み台は,左端が固定支持され,垂直,水平,回転移動が拘束されます. したがって,左の下の図に示すように,垂直R,水平反力Nと,反モーメントMが左端支持点に生じます. [click] 次に②です. 人が載っているため,飛び込み台の右端に外力Wが生じます. この外力Wは,「外力によるモーメント」を発生させます. 回転中心を左端の支持点すると,大きさはlWになります. Wが下向きに設定されているので,モーメントの向きは,時計回りとなる矢印で図示しています. [click] 最後に③です. 力の垂直方向,水平方向,モーメントをそれぞれ足し合わせて釣り合い方程式を完成させます. 垂直方向には,反力Rと外力Wが作用しています. 反力Rは外力Wと矢印が反対向きなので,符号を変えて足し合わせます. 水平方向には,反力Nのみ作用するので,N=0となります. モーメントは,反モーメントMと外力によるモーメントlWが作用しています. いずれも,時計回り矢印なので,同符号で足し合わせます. 以上から,この飛び込み台に対する,釣り合い方程式が右下のように求まります.
  4. 未知反力と未知反モーメントの決定 について説明します. これまで,支点に設定していた,反力RとNや反モーメントMは,未知数でした. これらの未知数は,先ほど求めた釣り合い方程式を解くことで決定されます. 釣り合い方程式を解くと,左下のように,反力と反モーメントが決定できます. [click] ここで,反力Rは,正の符号をとっています. このことは,実際に生じる反力Rの向きが,仮定した矢印の向きと同じであることを意味しています. 一方,反モーメントMは,負の符号をとっています. このことは,実際に生じる反モーメントMの向きが,仮定した矢印の向きと反対であることを意味しています.
  5. 静的釣合い方程式 のまとめです. 静的釣り合い方程式とは,「静止した物体の状態が変化しないための条件式」です. 釣り合い方程式は,物体に作用する力とモーメントを各成分ごとに足し合わせて=0とした式です. 静的釣り合い方程式の記述は,①支点反力と反モーメントを図示,②外力と外モーメントを図示,③足し合わせて=0の式を作成するの手順で進めます. 未知反力と未知反モーメントの決定するためには,釣り合い方程式を解くことが必要です.