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第1回生産性セミナー開催                                      

                「社員の幸せ、北海道の幸せ、日本の幸せ」
    本部は 5 月 23 日(水)札幌パークホテルにて 2012 年度第 1 回北海道生産性セミナーを開催した。 講師は、イケ
ア新三郷店ストアマネージャー・泉川 玲香氏と東海大学国際文化学部教授・川崎 一彦氏のお二人。「社員の幸せ、
北海道の幸せ、日本の幸せとは?」と題して両氏の講演の後、川崎氏が聞き手となり、対談形式で行われた。
	
 
[講演Ⅰ]川崎一彦氏	
 
幸せの議論の高まりと背景
    最近、世界中で幸せの研究、議論が盛んである。例えば「ニッポンを幸せにする
会社」、「新・幸福論」、「反・幸福論」、「ブータン、これでいいのだ」、「幸福優位7つ
の法則」、「幸福の研究」といったタイトルの本や「ハッピー」という幸せをテーマにし
た映画。11 月開催予定の北ヨーロッパ学会・研究大会のテーマも「幸せの尺度と条
件」である。
    その背景として①幸福のパラドックス現象②制度疲労の日本③昨年の 3.11 東日
本大震災の 3 点を指摘できる。 「幸福のパラドックス現象」とは、所得や経済的な
要因が上昇しても国民の幸福度、満足度が上昇しないということで、先進国に共通
の現象である。「制度疲労の日本」とは、課題先進国・日本とか新興衰退国・日本と
言われても、あまり反論出来ず課題も山積している状況をいう。3 点目の「3.11 東日                川崎	
  一彦氏	
 
本大震災」は、幸せとは何かを改めて考える契機となったように思う。
幸せの構成要因                                             略歴:1947 年滋賀県生まれ。日
    幸せの構成要因としてバーナンキFRB議長は、①適度のお金を持っていること②           本貿易振興会(ジェトロ)ストックホ
                                                    ルム事務所勤務、北海道東海大
人間関係が豊かであること③自分を忘れるほど何かに熱中すること④自分自身の人
                                                    学教授を経て現職。現在、北ヨー
生を他の人にコントロールされていないこと⑤幸せを忘れないため感謝日記を書き               ロッパ学会理事、(社)スウェーデ
続けること挙げ、スイスの心理学者・ユングは、①健康であること②適度のお金を持              ン社会研究所常任理事、北海道
っていること③美しい事を知る能力があること④人間関係が豊かであること⑤朝起き              スウェーデン協会常任理事、(公
た時にやらねばならない仕事があることを挙げている。またハーバード大学のボジ               社)北海道国際交流・協力総合セ
ティブ心理学者は、①徳②感謝すること③時間(スローな時間を楽しむ)④熱中する              ンター専門委員、北海道生産性
                                                    本部理事。はまなす財団北海道
こと⑤意味のある人生を送ることを挙げている。
                                                    スタンダード検討委員会座長、北
幸せを得るためのアクション・プラン                                   海道産業クラスター創造研究会
    ショーン・エイカー氏は、ハーバード・ポジティブ心理学の本の中で「まず幸せに           委員等の公職を勤めた。主な関
なりなさい、そうすると成功する。」と説いている。そして幸せになるアイデアとして、            心分野は内的起業家精神教育、
①毎日感謝することを 3 つ書くこと(感謝日記)、②毎朝家族、友人などに感謝、賞            北欧と日本の企業経営の比較、
賛のメールを書くこと、③1 日 10 分間体を動かすこと、④2 分間、メディテーション         地域活性化など。著書多数。
(瞑想して深呼吸)すること、⑤過去 2 日間以内に最も人生が有意義と感じた経験を
2 分間でメモすること、の 5 つを 3 週間続けるよう提示している。
                    略歴:NHKアナウンサー、       [講演Ⅱ]泉川	
 玲香氏	
 
                    英国・台湾・カナダ・スペイン      シンプル、質素倹約がイケアの価値、企
                    等における教育機関 M&A
業理念                 プロジェクト、外資系映画会
                    社人事部長、映画館運営会       IKEA という会社名は、イングバル・カンプラードと
                    社人事総務部長を歴任。       いう創始者自身の名前と出身地のエルムタリードの
                    2004 年からイケア船橋店人   アグナリード農場の頭文字から名づけられた。この
                    事マネジャー、2006 年から   ような名づけ方に象徴されるようにスウェーデン、イ
                    イケア・ジャパンの人事マネ
                                      ケア、創業者に共通する価値は「シンプル」というこ
                    ジャー、2008 年からイケア
                    新三郷店ストアマネジャー
                                      とだ。また発祥の地であるスモランドという地域は非
                    (日本人女性初)。         常に荒れた土地であり、何を行うにも創意工夫、頭
                                      を使い、勤勉に働かなければならない。このため質
      泉川 玲香氏
                                      素倹約もイケアの企業理念の大きなポイントとなっ
                                      ている。

イケアのカタログは聖書に次ぐ発行部数
 世界 40 ヶ国、334 ストアを展開するイケアの昨年度の総売上高は、247 億ユーロ(約 2.8 兆円)。年1回自宅に送付
                                                                    1
するカタログの発行部数は 2億9千万部に上り、聖書に次ぐものと言われている。イケアのウェブサイトへの年間アク
セス数は 8 億 7 千万件、年間来店者数は 6 億 5 千 5 百万人。共に働くという意味で「コ・ワーカー」と呼ぶ従業員数
は 13 万 1 千人である。
イケアの女性マネージャー比率は40%
  イケア・ジャパンのコ・ワーカーは 2,863 名で平均年齢は 33.9 歳。女性比率は 64%で女性マネージャー比率は 40%
(日本の平均11.1%)。イケアは女性マネージャーに重きを置いている。また海外からの従業員は全体の5%程度で33
ヵ国の人間が働いている。一方、フルタイマー比率 38.8%、セミフルタイマー比率 3.1%、パートタイマー比率 58.1%と
なっている。
ドリームを持って動くことが何よりも大事
  イケアのビジョンは、「より快適な毎日をより多くの方々にお伝えしお届けすること」、ビジネス理念は、「優れたデ
ザインと機能性を兼ね備えたホーム・ファニッシング製品を幅広く取り揃えてより多くの方々にご購入頂けるよう、で
きる限りお手頃な価格で提供していくこと」、人事理念は、「真摯で前向きな方々に人間としてプロフェッショナルとし
て成長する機会を提供し、コ・ワーカー全員が協力しお客様はもちろん自分自身のためにもより快適な毎日を創り出
すこと」である。
  イケアのビジョンに到達するには、しっかりしたビジネス理念が必要であり、それを担っていく人間もしっかりして
いなければならない。このためには常にドリームを持ってその実現に向かって動いていくことが大事である。
家は世界で一番大切な場所、子供達が世界で一番大切な存在
  イケアの日本に対するメッセージは、「家は世界で一番大切な場所」と「子供達が世界で一番大切な存在」であり、
「オフィスは世界で最も大切な場所ではないはず」である。スウェーデン人男性は 6 時以前にほとんどが帰宅してい
るが、東京の男性は、7 時でも 50%の人が帰宅せず、9 時を過ぎてようやく 60~65%の人が帰宅する。
日本の会社に足りないものは?
  8 年前日本進出した際、スウェーデンの会社が持っていて日本に不足しているものを議論した結果、ワーク・ライ
フ・バランス、ダイバーシティ(多様性)、シンプリシティの3つが指摘された。
ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティ実現のためのシステム整備
  年次有給休暇は通常初年度 10 日に対して 15 日、また通常の休暇数も日本の平均 111 日に対して 127 日。また、
育児時間延長などのニーズに合わせるため、会社とコ・ワーカーがオープンに十分話し合い、労働時間を柔軟化す
るなどの解決策を見出している。また、マタニティ・リーブ(母親の育児休暇)やパタニティ・リーブ(父親の育児休
暇)、また父親も含めた妊娠休暇(女性は 3 ヵ月間有休となる仕組み)などのシステムを用意するとともに企業内にダ
ーギスという託児所を設け、生後 57 日から預ることが出来るようにした。
働く人間の幸せがなければ企業は伸びない
  イケアの教えは、①何事もシンプルに②一人一人が責任を持つ③変化に柔軟に対応する④違うやり方でやって
みる⑤力を集中させる⑥連帯する⑦ゆとりと活力を持つ、というもの。これらはイケアの価値観、ビジネス理念、人事
理念そのもの。企業は、どんなに大きなビジョンやいいビジネスモデルがあっても、そこに働く人間に幸せがなけれ
ば成功はなく、伸びていくこともできない。イケアの価値観と理念が意味するものは、人や企業としてのイケアのあり
方そのものであり、それが一人一人の幸せにつながり、より良い結果へ結びつくのである。
グローバリゼーションの中でのコ・ワーカーの幸せ施策
  グローバリゼーションは、①社会に優秀な個人の受け皿としての正しい機能が備わっているのか、②個人個人が
社会の流れに向かって変化しようと努力しているのか、という 2 方向から考える必要がある。グローバリゼーションの
中でイケアがコ・ワーカーの幸せのために取り組んでいることは、ダイバーシティーの尊重、オポチュニティ(機会)
の付与、イコーリティ(平等)の確保である。
我が家が世界で一番大切な場所という価値観を得たことが人生最大の贈り物
  新三郷店オープン前の産経新聞のインタビューの中で話したことは、次のとおり。「我が家が世界で一番大切な
場所という、ここで得た価値観が人生最大の贈り物だと思っています。・・・イケアはオープンでフラットな組織、パー
トやアルバイト、男女、年令とか関係なく、それぞれの可能性を伸ばすチャンスがあります。駄目な所を見つけるの
ではなく、チームでカバーし合って作り出す喜び、成長する喜びを味わって頂きたい。・・・」(抜粋)
人生そのものが幸せ
  異なる個人一人ひとりが尊重され(ダイバーシティ)、仕事も家庭も大切にしながら成果を上げられ(ワーク・ライフ・
バランス)、常に自分の夢を持ってチャレンジできるということが「幸せ」ということではないか。私も自分が今生きて
いること、周りの人間との関わり合いに感謝・満足し、いつも夢を持っていること、つまり人生そのものが「幸せ」のよう
な気がする。大好きな詩がある。これを最後のポイントにしたい。「あなたの足元に大切な大切な幸せ。本当に大切
なものは目には見えない。元気~幸せ、笑顔~幸せ、夢がある幸せ、お天気~幸せ、 無事~幸せ、幸せ、雨~幸
せ、夢中になれる幸せ、感謝~幸せ、 あなたにたくさん幸せ、届きますように」


                                                                2
◎対談(聞き手:川崎氏、回答:泉川氏)
Q(川崎氏)
   スウェーデンのビジネススクールの学生の就職希望先ランクでイケアが 10 年連続トップ。工学部の学生のラン
   キ
   ングでも今年は NO.2。学生の人気が高いことについてどう解釈するか?
A(泉川氏)
     要因として考えられるのは、①イケアが世界 40 ヵ国以上に進出しグローバル化を成し遂げたことにより、スウ
   ェーデン在住のスウェーデン人から見て世界へ出て行く大きな足掛かりとなれる企業であるということ、②スウェ
   ーデン人にとって家とか家族は非常に大事であり、家が世界で一番大切な場所というイケアのメッセージやそ
   の家に関係する物を全て取り揃えている企業であるという2点である。
Q(川崎氏)
     新三郷店のコ・ワーカーの満足度がイケアジャパンの中でもトップと聞いている。その背景に泉川さんのやり
   方があると思うが、その辺を教えていただきたい。
A(泉川氏)
     現在はストアマネージャーであるが、元々人事からスタートし、イケアジャパンにも人事の仕事で移ってきた。
   このように人に関する経験値が高いため他店より採用にエネルギーを注いだ。通常 3 回の面接を 4 回実施した
   り、選考のポイントも企業理念からあまり遠くない人達をメインに選んだ。この結果、イケアで何かをやりたいとい
   う思いを持った人間が集まり、満足度も高くなっているということかと思う。もう一つは、自分の考えがブレなかっ
   たことだ。この 5 年間最初から言ってることは、何か言われてやるのではなく、自分のやりたいと思うことを見つ
   けて責任を持ってやる体制を作りたいということ。これがブレてないところが従業員に喜ばれているものと思う。
Q(川崎氏)
     法政大学の研究者が昨年 11 月に公表した 47 都道府県の幸福度に関する研究結果では、北海道は下から 4
   番目の 43 位であったが、この結果に対してどのような感想を持っているか?
A(泉川氏)
     何となく腑に落ちない。北海道の方々は、人生を楽しんでいる方が沢山いるし、チャレンジングでパイオニア
   精神をいつも持っている。北海道にはすごく高い幸福感を持っている人達が多いのではないかと思っている。
Q(川崎氏)
     泉川さんは、極めてグローバルなキャリアを持っている。日本人の幸せについてどう考えるか?
A(泉川氏)
     日本人は他人がどう見てるかということを幸せの尺度とする傾向があるのに対して、外国人は自分の幸せの
   尺度を持ちながら自分らしく動いている。その違いがすごく大きいと感じる。




          セミナー風景
                                          泉川氏


◎参加者との質疑
Q(参加者)
    イケアの企業価値の浸透のために日頃行っていること、人事評価のポイントは何か?また、日本人労働者の
   不幸を 3 つ挙げるとすれば何か?
A(泉川氏):
    企業価値浸透のために日頃実践していることはブレないということ。ストアマネージャーは、400 人の従業員
   のトップという考えではなく、一番ボトムで彼らを支えている人間だという感性を常に持っており、これが最終的
   に
                                                         3
は平等(イコール)となる。人事評価は、年 1 回、ゴールレターというものに基づいて定量的に評価するのが
  50%、イケアの中でどのような価値観を持ちながら、どう動いてきているかを本人申告に基づいて評価するのが
  50%。もう一つとしてデベロップメント・トークがある。これは 1 対 1 で、パートタイマーも含めて実施している。こ
  れは年1回必ず実施することになっているが、大体 2 回実施している。ここでは、従業員の夢の実現に会社が
  どうサポートできるか、また彼らがイケアに対して何ができるのかについてアグリメントを取るということをやって
  いる。このような人事評価とデベロップメント・トークというのは、日本にはあまりないやり方である。3番目の日本
  人労働者の不幸については長時間労働の社会体制に慣れて、ワーク・ライフ・バランスにあまり価値観が置か
  れていない社会状況の中に身を置かなければならないということが大きな不幸の一つであると思う。
Q(参加者)
    個人を大事にすることとチーム全体で仕事をやることのバランスの取り方をどう考えるか?また、イケアのバ
  ックヤードの机の上がすごく綺麗だということだが、その意味合いはどういうことか?
A(泉川氏):個人を大事にしながらチームワークで仕事をするところが大きなポイント。それぞれの人間の強みを
 生かした時、1+1 は 2 ではなく、5 にも 10 にもなるというのが本当の意味でのチームワークである。従ってマイナ
 スを埋めるという考え方よりは、プラスの点を集めてもっとプラスにしていくという感覚である。机はフリーアドレス
 で 400 人の従業員に対して机の数は 60 弱。このためいつも綺麗に使える状態を保っていなければならないと
 いう事情がある。
Q(参加者)
    イケアの価値観がすんなり40ヵ国に受け入れられているとは思えない。店舗作りでの工夫や苦労について
  伺いたい。また、ヨーロッパの中でのイケアの売り上げトップがドイツと聞いているがそれは人口が多いから
  か?
A(泉川氏)
    イケアのバリューとか文化とか価値観、文化全てが、そのまま他の国に入るわけではない。しかし、一人の
  人間として見た場合、シンプルでありたいとか、非常に情熱が深いとか、チームワークで働きたいとかという文
  化に国境はないような気がする。またイケアの40ヵ国にある店舗の売れ筋商品のトップ10、トップ30は同じ物。
  大量生産によってより安く皆さんにお届けできるという意味では、その国特有のニーズに対応するということで
  はなく、イケアの 1 万 5 千アイテム位の中から日本で使って頂ける物ということで約 8~9 千アイテムを提供して
  いる。2点目についてドイツには 47 店舗あり、ヨーロッパの中で最も多い。このため人口というより店舗数が多
  いことが売上につながっていると思う。加えてシンプルな家具に対するニーズが非常に高いことが理由として
  考えられる。
Q(参加者)
    イケアには労働組合はあるか?また労働組合に対する印象、労働組合に求めているものが何か?
A(泉川氏)
    労働組合は他の国のイケアには結構あるが、イケアジャパンにはない。イケアでは 1 対 1 で色々なことを解
   決したり、問題や疑問点、自分の中で腑に落ちないものがあった時には、必ず 48 時間以内に自分の上司や
  チームの人間に伝えるという 48時間ルールを設けている。このため労働組合を作るまでのニーズがないのかな
  と思う。
Q(質問者)
    イケアの人件費比率は、同規模の会社と比べて高いか?また、リラックスと集中のアクセントで能率が上がる
   というようなお話もあったが、果たしてそれだけで埋まるものなのか?
A(泉川氏)
    人件費比率は他のリテールと比べて大きく変わらないという認識である。ワーク・ライフ・バランスで非常に重
  要なことは、本当にやらなければいけないMUSTと本当はやる必要がないのにやってしまっているもの(C
   ANとWILL)を分けることだ。MUSTを抽出し集中すべきポイントを決め、それ以外の事はやらないという形
   でワークとのバランスを取っている。つまり、人を沢山雇って沢山のことをやるというより、何が削れるのかに力
   を集中している。
◎まとめ
(川崎氏)
 イケアは、昨年も史上最高益を出しており、すごく説得力がある。日本の企業では今でもワーク・ライフ・バランス
はコストであり、利益にはつながらないとしてワーク・ライフ・バランスか利益かの二者択一と考えている経営者も多
い。少なくともイケアの事例を見ていると、ワーク・ライフ・バランスと利益は相互補完関係にあることが見えてくる。

                                                  (文責:南 幸衛)

                                                               4

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  • 1. 第1回生産性セミナー開催   「社員の幸せ、北海道の幸せ、日本の幸せ」 本部は 5 月 23 日(水)札幌パークホテルにて 2012 年度第 1 回北海道生産性セミナーを開催した。 講師は、イケ ア新三郷店ストアマネージャー・泉川 玲香氏と東海大学国際文化学部教授・川崎 一彦氏のお二人。「社員の幸せ、 北海道の幸せ、日本の幸せとは?」と題して両氏の講演の後、川崎氏が聞き手となり、対談形式で行われた。 [講演Ⅰ]川崎一彦氏 幸せの議論の高まりと背景 最近、世界中で幸せの研究、議論が盛んである。例えば「ニッポンを幸せにする 会社」、「新・幸福論」、「反・幸福論」、「ブータン、これでいいのだ」、「幸福優位7つ の法則」、「幸福の研究」といったタイトルの本や「ハッピー」という幸せをテーマにし た映画。11 月開催予定の北ヨーロッパ学会・研究大会のテーマも「幸せの尺度と条 件」である。 その背景として①幸福のパラドックス現象②制度疲労の日本③昨年の 3.11 東日 本大震災の 3 点を指摘できる。 「幸福のパラドックス現象」とは、所得や経済的な 要因が上昇しても国民の幸福度、満足度が上昇しないということで、先進国に共通 の現象である。「制度疲労の日本」とは、課題先進国・日本とか新興衰退国・日本と 言われても、あまり反論出来ず課題も山積している状況をいう。3 点目の「3.11 東日 川崎 一彦氏 本大震災」は、幸せとは何かを改めて考える契機となったように思う。 幸せの構成要因 略歴:1947 年滋賀県生まれ。日 幸せの構成要因としてバーナンキFRB議長は、①適度のお金を持っていること② 本貿易振興会(ジェトロ)ストックホ ルム事務所勤務、北海道東海大 人間関係が豊かであること③自分を忘れるほど何かに熱中すること④自分自身の人 学教授を経て現職。現在、北ヨー 生を他の人にコントロールされていないこと⑤幸せを忘れないため感謝日記を書き ロッパ学会理事、(社)スウェーデ 続けること挙げ、スイスの心理学者・ユングは、①健康であること②適度のお金を持 ン社会研究所常任理事、北海道 っていること③美しい事を知る能力があること④人間関係が豊かであること⑤朝起き スウェーデン協会常任理事、(公 た時にやらねばならない仕事があることを挙げている。またハーバード大学のボジ 社)北海道国際交流・協力総合セ ティブ心理学者は、①徳②感謝すること③時間(スローな時間を楽しむ)④熱中する ンター専門委員、北海道生産性 本部理事。はまなす財団北海道 こと⑤意味のある人生を送ることを挙げている。 スタンダード検討委員会座長、北 幸せを得るためのアクション・プラン 海道産業クラスター創造研究会 ショーン・エイカー氏は、ハーバード・ポジティブ心理学の本の中で「まず幸せに 委員等の公職を勤めた。主な関 なりなさい、そうすると成功する。」と説いている。そして幸せになるアイデアとして、 心分野は内的起業家精神教育、 ①毎日感謝することを 3 つ書くこと(感謝日記)、②毎朝家族、友人などに感謝、賞 北欧と日本の企業経営の比較、 賛のメールを書くこと、③1 日 10 分間体を動かすこと、④2 分間、メディテーション 地域活性化など。著書多数。 (瞑想して深呼吸)すること、⑤過去 2 日間以内に最も人生が有意義と感じた経験を 2 分間でメモすること、の 5 つを 3 週間続けるよう提示している。 略歴:NHKアナウンサー、 [講演Ⅱ]泉川 玲香氏 英国・台湾・カナダ・スペイン シンプル、質素倹約がイケアの価値、企 等における教育機関 M&A 業理念 プロジェクト、外資系映画会 社人事部長、映画館運営会 IKEA という会社名は、イングバル・カンプラードと 社人事総務部長を歴任。 いう創始者自身の名前と出身地のエルムタリードの 2004 年からイケア船橋店人 アグナリード農場の頭文字から名づけられた。この 事マネジャー、2006 年から ような名づけ方に象徴されるようにスウェーデン、イ イケア・ジャパンの人事マネ ケア、創業者に共通する価値は「シンプル」というこ ジャー、2008 年からイケア 新三郷店ストアマネジャー とだ。また発祥の地であるスモランドという地域は非 (日本人女性初)。 常に荒れた土地であり、何を行うにも創意工夫、頭 を使い、勤勉に働かなければならない。このため質 泉川 玲香氏 素倹約もイケアの企業理念の大きなポイントとなっ ている。 イケアのカタログは聖書に次ぐ発行部数 世界 40 ヶ国、334 ストアを展開するイケアの昨年度の総売上高は、247 億ユーロ(約 2.8 兆円)。年1回自宅に送付 1
  • 2. するカタログの発行部数は 2億9千万部に上り、聖書に次ぐものと言われている。イケアのウェブサイトへの年間アク セス数は 8 億 7 千万件、年間来店者数は 6 億 5 千 5 百万人。共に働くという意味で「コ・ワーカー」と呼ぶ従業員数 は 13 万 1 千人である。 イケアの女性マネージャー比率は40% イケア・ジャパンのコ・ワーカーは 2,863 名で平均年齢は 33.9 歳。女性比率は 64%で女性マネージャー比率は 40% (日本の平均11.1%)。イケアは女性マネージャーに重きを置いている。また海外からの従業員は全体の5%程度で33 ヵ国の人間が働いている。一方、フルタイマー比率 38.8%、セミフルタイマー比率 3.1%、パートタイマー比率 58.1%と なっている。 ドリームを持って動くことが何よりも大事 イケアのビジョンは、「より快適な毎日をより多くの方々にお伝えしお届けすること」、ビジネス理念は、「優れたデ ザインと機能性を兼ね備えたホーム・ファニッシング製品を幅広く取り揃えてより多くの方々にご購入頂けるよう、で きる限りお手頃な価格で提供していくこと」、人事理念は、「真摯で前向きな方々に人間としてプロフェッショナルとし て成長する機会を提供し、コ・ワーカー全員が協力しお客様はもちろん自分自身のためにもより快適な毎日を創り出 すこと」である。 イケアのビジョンに到達するには、しっかりしたビジネス理念が必要であり、それを担っていく人間もしっかりして いなければならない。このためには常にドリームを持ってその実現に向かって動いていくことが大事である。 家は世界で一番大切な場所、子供達が世界で一番大切な存在 イケアの日本に対するメッセージは、「家は世界で一番大切な場所」と「子供達が世界で一番大切な存在」であり、 「オフィスは世界で最も大切な場所ではないはず」である。スウェーデン人男性は 6 時以前にほとんどが帰宅してい るが、東京の男性は、7 時でも 50%の人が帰宅せず、9 時を過ぎてようやく 60~65%の人が帰宅する。 日本の会社に足りないものは? 8 年前日本進出した際、スウェーデンの会社が持っていて日本に不足しているものを議論した結果、ワーク・ライ フ・バランス、ダイバーシティ(多様性)、シンプリシティの3つが指摘された。 ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティ実現のためのシステム整備 年次有給休暇は通常初年度 10 日に対して 15 日、また通常の休暇数も日本の平均 111 日に対して 127 日。また、 育児時間延長などのニーズに合わせるため、会社とコ・ワーカーがオープンに十分話し合い、労働時間を柔軟化す るなどの解決策を見出している。また、マタニティ・リーブ(母親の育児休暇)やパタニティ・リーブ(父親の育児休 暇)、また父親も含めた妊娠休暇(女性は 3 ヵ月間有休となる仕組み)などのシステムを用意するとともに企業内にダ ーギスという託児所を設け、生後 57 日から預ることが出来るようにした。 働く人間の幸せがなければ企業は伸びない イケアの教えは、①何事もシンプルに②一人一人が責任を持つ③変化に柔軟に対応する④違うやり方でやって みる⑤力を集中させる⑥連帯する⑦ゆとりと活力を持つ、というもの。これらはイケアの価値観、ビジネス理念、人事 理念そのもの。企業は、どんなに大きなビジョンやいいビジネスモデルがあっても、そこに働く人間に幸せがなけれ ば成功はなく、伸びていくこともできない。イケアの価値観と理念が意味するものは、人や企業としてのイケアのあり 方そのものであり、それが一人一人の幸せにつながり、より良い結果へ結びつくのである。 グローバリゼーションの中でのコ・ワーカーの幸せ施策 グローバリゼーションは、①社会に優秀な個人の受け皿としての正しい機能が備わっているのか、②個人個人が 社会の流れに向かって変化しようと努力しているのか、という 2 方向から考える必要がある。グローバリゼーションの 中でイケアがコ・ワーカーの幸せのために取り組んでいることは、ダイバーシティーの尊重、オポチュニティ(機会) の付与、イコーリティ(平等)の確保である。 我が家が世界で一番大切な場所という価値観を得たことが人生最大の贈り物 新三郷店オープン前の産経新聞のインタビューの中で話したことは、次のとおり。「我が家が世界で一番大切な 場所という、ここで得た価値観が人生最大の贈り物だと思っています。・・・イケアはオープンでフラットな組織、パー トやアルバイト、男女、年令とか関係なく、それぞれの可能性を伸ばすチャンスがあります。駄目な所を見つけるの ではなく、チームでカバーし合って作り出す喜び、成長する喜びを味わって頂きたい。・・・」(抜粋) 人生そのものが幸せ 異なる個人一人ひとりが尊重され(ダイバーシティ)、仕事も家庭も大切にしながら成果を上げられ(ワーク・ライフ・ バランス)、常に自分の夢を持ってチャレンジできるということが「幸せ」ということではないか。私も自分が今生きて いること、周りの人間との関わり合いに感謝・満足し、いつも夢を持っていること、つまり人生そのものが「幸せ」のよう な気がする。大好きな詩がある。これを最後のポイントにしたい。「あなたの足元に大切な大切な幸せ。本当に大切 なものは目には見えない。元気~幸せ、笑顔~幸せ、夢がある幸せ、お天気~幸せ、 無事~幸せ、幸せ、雨~幸 せ、夢中になれる幸せ、感謝~幸せ、 あなたにたくさん幸せ、届きますように」 2
  • 3. ◎対談(聞き手:川崎氏、回答:泉川氏) Q(川崎氏) スウェーデンのビジネススクールの学生の就職希望先ランクでイケアが 10 年連続トップ。工学部の学生のラン キ ングでも今年は NO.2。学生の人気が高いことについてどう解釈するか? A(泉川氏) 要因として考えられるのは、①イケアが世界 40 ヵ国以上に進出しグローバル化を成し遂げたことにより、スウ ェーデン在住のスウェーデン人から見て世界へ出て行く大きな足掛かりとなれる企業であるということ、②スウェ ーデン人にとって家とか家族は非常に大事であり、家が世界で一番大切な場所というイケアのメッセージやそ の家に関係する物を全て取り揃えている企業であるという2点である。 Q(川崎氏) 新三郷店のコ・ワーカーの満足度がイケアジャパンの中でもトップと聞いている。その背景に泉川さんのやり 方があると思うが、その辺を教えていただきたい。 A(泉川氏) 現在はストアマネージャーであるが、元々人事からスタートし、イケアジャパンにも人事の仕事で移ってきた。 このように人に関する経験値が高いため他店より採用にエネルギーを注いだ。通常 3 回の面接を 4 回実施した り、選考のポイントも企業理念からあまり遠くない人達をメインに選んだ。この結果、イケアで何かをやりたいとい う思いを持った人間が集まり、満足度も高くなっているということかと思う。もう一つは、自分の考えがブレなかっ たことだ。この 5 年間最初から言ってることは、何か言われてやるのではなく、自分のやりたいと思うことを見つ けて責任を持ってやる体制を作りたいということ。これがブレてないところが従業員に喜ばれているものと思う。 Q(川崎氏) 法政大学の研究者が昨年 11 月に公表した 47 都道府県の幸福度に関する研究結果では、北海道は下から 4 番目の 43 位であったが、この結果に対してどのような感想を持っているか? A(泉川氏) 何となく腑に落ちない。北海道の方々は、人生を楽しんでいる方が沢山いるし、チャレンジングでパイオニア 精神をいつも持っている。北海道にはすごく高い幸福感を持っている人達が多いのではないかと思っている。 Q(川崎氏) 泉川さんは、極めてグローバルなキャリアを持っている。日本人の幸せについてどう考えるか? A(泉川氏) 日本人は他人がどう見てるかということを幸せの尺度とする傾向があるのに対して、外国人は自分の幸せの 尺度を持ちながら自分らしく動いている。その違いがすごく大きいと感じる。 セミナー風景 泉川氏 ◎参加者との質疑 Q(参加者) イケアの企業価値の浸透のために日頃行っていること、人事評価のポイントは何か?また、日本人労働者の 不幸を 3 つ挙げるとすれば何か? A(泉川氏): 企業価値浸透のために日頃実践していることはブレないということ。ストアマネージャーは、400 人の従業員 のトップという考えではなく、一番ボトムで彼らを支えている人間だという感性を常に持っており、これが最終的 に 3
  • 4. は平等(イコール)となる。人事評価は、年 1 回、ゴールレターというものに基づいて定量的に評価するのが 50%、イケアの中でどのような価値観を持ちながら、どう動いてきているかを本人申告に基づいて評価するのが 50%。もう一つとしてデベロップメント・トークがある。これは 1 対 1 で、パートタイマーも含めて実施している。こ れは年1回必ず実施することになっているが、大体 2 回実施している。ここでは、従業員の夢の実現に会社が どうサポートできるか、また彼らがイケアに対して何ができるのかについてアグリメントを取るということをやって いる。このような人事評価とデベロップメント・トークというのは、日本にはあまりないやり方である。3番目の日本 人労働者の不幸については長時間労働の社会体制に慣れて、ワーク・ライフ・バランスにあまり価値観が置か れていない社会状況の中に身を置かなければならないということが大きな不幸の一つであると思う。 Q(参加者) 個人を大事にすることとチーム全体で仕事をやることのバランスの取り方をどう考えるか?また、イケアのバ ックヤードの机の上がすごく綺麗だということだが、その意味合いはどういうことか? A(泉川氏):個人を大事にしながらチームワークで仕事をするところが大きなポイント。それぞれの人間の強みを 生かした時、1+1 は 2 ではなく、5 にも 10 にもなるというのが本当の意味でのチームワークである。従ってマイナ スを埋めるという考え方よりは、プラスの点を集めてもっとプラスにしていくという感覚である。机はフリーアドレス で 400 人の従業員に対して机の数は 60 弱。このためいつも綺麗に使える状態を保っていなければならないと いう事情がある。 Q(参加者) イケアの価値観がすんなり40ヵ国に受け入れられているとは思えない。店舗作りでの工夫や苦労について 伺いたい。また、ヨーロッパの中でのイケアの売り上げトップがドイツと聞いているがそれは人口が多いから か? A(泉川氏) イケアのバリューとか文化とか価値観、文化全てが、そのまま他の国に入るわけではない。しかし、一人の 人間として見た場合、シンプルでありたいとか、非常に情熱が深いとか、チームワークで働きたいとかという文 化に国境はないような気がする。またイケアの40ヵ国にある店舗の売れ筋商品のトップ10、トップ30は同じ物。 大量生産によってより安く皆さんにお届けできるという意味では、その国特有のニーズに対応するということで はなく、イケアの 1 万 5 千アイテム位の中から日本で使って頂ける物ということで約 8~9 千アイテムを提供して いる。2点目についてドイツには 47 店舗あり、ヨーロッパの中で最も多い。このため人口というより店舗数が多 いことが売上につながっていると思う。加えてシンプルな家具に対するニーズが非常に高いことが理由として 考えられる。 Q(参加者) イケアには労働組合はあるか?また労働組合に対する印象、労働組合に求めているものが何か? A(泉川氏) 労働組合は他の国のイケアには結構あるが、イケアジャパンにはない。イケアでは 1 対 1 で色々なことを解 決したり、問題や疑問点、自分の中で腑に落ちないものがあった時には、必ず 48 時間以内に自分の上司や チームの人間に伝えるという 48時間ルールを設けている。このため労働組合を作るまでのニーズがないのかな と思う。 Q(質問者) イケアの人件費比率は、同規模の会社と比べて高いか?また、リラックスと集中のアクセントで能率が上がる というようなお話もあったが、果たしてそれだけで埋まるものなのか? A(泉川氏) 人件費比率は他のリテールと比べて大きく変わらないという認識である。ワーク・ライフ・バランスで非常に重 要なことは、本当にやらなければいけないMUSTと本当はやる必要がないのにやってしまっているもの(C ANとWILL)を分けることだ。MUSTを抽出し集中すべきポイントを決め、それ以外の事はやらないという形 でワークとのバランスを取っている。つまり、人を沢山雇って沢山のことをやるというより、何が削れるのかに力 を集中している。 ◎まとめ (川崎氏) イケアは、昨年も史上最高益を出しており、すごく説得力がある。日本の企業では今でもワーク・ライフ・バランス はコストであり、利益にはつながらないとしてワーク・ライフ・バランスか利益かの二者択一と考えている経営者も多 い。少なくともイケアの事例を見ていると、ワーク・ライフ・バランスと利益は相互補完関係にあることが見えてくる。 (文責:南 幸衛) 4