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Semelhante a 論文書き方セミナー Ao t公開講座 29may2017(公開) (20)
論文書き方セミナー Ao t公開講座 29may2017(公開)
- 2. © IBM Japan 2
技術論⽂を書くことの意義1.
論⽂の種類と三要件2.
論⽂執筆の基本と実践3.
- 7. 技術は科学と実装という⾯に接している
© IBM Japan 7
Engineering
技術
Science
科学
Deployment
実装
⾮次元的な進化
Disruptive
change
次元的な進化
次元的な価値
Commodity
社会的な実装
Socio Technical
経験から得られる教訓
Client Expertise
新しい技術の利⽤法
Socio Technical
創意・⼯夫
Technical Competency
現場で得られる知⾒
技術動向
Technical Trend
従来技術の研究
Existing Technology
未解決の課題
Problem Statement
科学の領域
- 8. © IBM Japan 8
技術論⽂を書くことの意義1.
論⽂の種類と三要件2.
論⽂執筆の基本と実践3.
- 9. 論⽂の種類と経験事例などの報告
• ⼀般に論⽂は以下の種類と区別があります。
– ⼀般論⽂ (Paper)
• 著者⾃⾝の研究・開発・検討等の成果をまとめた報告で、
新規性・有⽤性・信頼性の⾼いもの
– 解説論⽂ (Review)
• ある技術分野の歴史的背景と技術動向を、著者の主張を交えて、総
合的に体系付け、将来展望を論述したもの。 特に、有⽤性と信頼
性を重視。
チュートリアル(⼀般読者向け解説記事)と異なり、専⾨分野の読
者にも役⽴つ、技術的な深さが要求される。
• 経験事例報告(Report)
– プロジェクト実施や業務改善等の
経験・ノウハウの共有・再利⽤が主⽬的
– 資料的価値のある報告書タイプの知的資産
(横展開できる具体的データを重視)
9© IBM Japan
- 10. 論⽂の基本3要件 – 査読者の視点から
• 新規性(独創性、創造性、創意性、Originality, Novelty, Creativity):
– 著者⾃⾝の新しいアイデアや知⾒などが提⽰されていること
• 有⽤性(有効性、Usefulness, Practicality, Significance, Contribution):
– 産業・学術の発展に役⽴つこと、対象読者に有益なこと
• 信頼性(正確さ、Reliability, Validity, Accuracy, Technical Soundness):
– 主張点や結論等を信ずるに⾜る根拠が明確なこと
– 構成・表現の適切さ、わかり易さ --- 明瞭性
• JGS論⽂評価基準
– ⽂書構成:論旨ならびに起承転結の明快さ
– 説得⼒/表現⼒:図・表の活⽤の仕⽅、⽂献・出展の明⽰
– 独創性:独⾃の意⾒、新しい観点やアイデアの有無
– 有⽤性:他の会員にも役⽴つ内容かどうか
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*新規性と有⽤性は、加法的評価、つまり、どちらかが⼗分⾼ければよいが、
信頼性は必須条件
© IBM Japan
- 11. 新規性と有⽤性は既存技術との差が⼤きいもの
• 新たに開発された技術
– 新しい概念、新しいアルゴリズム、
新しい実現⽅式が提案されている
– 概念や⽅式の新しい組み合わせ⽅、
要素技術の新しい利⽤法
• 実践的な技術領域の新しい取組み
– 実践的システムへの最新技術の新し
い適⽤例が提⽰されている システ
ム開発経験に関する新しい知⾒が述
べられている
– 新しい解釈、新しい事例、新しい問
題領域が提⽰されている
– 新しいデータが(それを得るに⾄っ
た⽅法に関する議論とともに)提⽰
されている
• 従来技術・論⽂に類似のものがあ
る場合や、それらから容易に導け
る場合は、新規性が低い。
• 直接的効果
– 効果が⼤きい、適⽤できる領域が広
い、適⽤した⼈が多い、得られる利
益が⼤きい
– ⼤きな利益が得られたことが,客観
的に⽰されている
– 実践的システムへ最新技術を適⽤し
た場合に,当該技術を適⽤したこと
により得られた利益が⼤きかったこ
とが客観的に⽰されている.
• 間接的効果
– 新しい研究につながる可能性が⾼く、
他の研究へ⼤きな刺激を与える可能
性が⾼い。新しい研究分野を開く可
能性が⾼い
• 従来技術・論⽂と同等か不明な場
合は、有⽤性が低い。
© IBM Japan
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© IBM Japan
新規性
著者自身の新しいアイデア、新しく見つけた知見
有用性
技術コミュニティや業界に役立つか
- 14. © IBM Japan 14
技術論⽂を書くことの意義1.
論⽂の種類と三要件2.
論⽂執筆の基本と実践3.
- 15. 論⽂執筆のアウトライン
© IBM Japan 15
提案技術
提案内容/従来技術との違い
課題に対する従来の解法
従来技術/他プロジェクトの取組み
違いを明確に
à 新規性
à 有効性
論⽂の位置づけ
を明確にする
背景
社会のニーズや課題
検証の妥当性を
à 信頼性
違いの効果を⽰す
à 有効性
技術の検証
検証の⽬的、⼿段、⼿順、結果
検証結果の分析と考察
従来技術との違いの効果
まとめ
主張点、貢献、今後の課題
参考⽂献
参考⽂献
検証データや
被験者など数など
横展開の可能性や
今後の課題を⽰す
à信頼性
図、表
客観的に⽰す
à 信頼性
論旨の⼀貫性、明瞭性
à 信頼性
à 明瞭性
1. 論旨の組み⽴て
2. アウトラインの作成
信頼性の獲得
- 16. よい論⽂作成の効率的な⽅法は?
• 同じ分野のよい論⽂を10編以上読むこと
– 技術動向の把握 ⇒ 「はじめに」での背景説明
– 論⽂で主張すべき点(違い)の把握 ⇒ 新規性
– 取り組むべき課題の把握 ⇒ 新たな論⽂ネタの候補
– 参考⽂献の候補 ⇒ 「参考⽂献リスト」
– 書き⽅の具体的お⼿本 ⇒ 良い書き⽅はまねしよう!
• どうやって探す?
・正攻法: 関連学会等に加⼊して、絶えず動向に着⽬
・速攻⽅: 2〜3編⾒つけたら、参考⽂献リストで「芋づる式」
16© IBM Japan
- 17. 論⽂本体に⼊る前に...
© IBM Japan 17
広すぎず「⾳声認識システム」→「xxを可能にする⾳声認識システム」
狭すぎず「製品名」「社内でだけ通⽤する⽤語、略語」
簡潔に 「〜⼀考察」「〜について」はムダ
「〜における品質の向上についての⼀考察」→「〜の品質改善 」
主張点(新規性、有⽤性)を明⽰
「〜の効率化」「 〜 のための設計⼿法」「 〜 を強化した〜システム」
表題
著者 論⽂の主張点への貢献者。単なる執筆者ではない。
要旨
Abstract
この論⽂が新聞記事として掲載されても要点がわかるように。
社会的背景や他の研究を⾔及する必要はほとんどない。
内容 ・・・短い要旨ならば、次の各項⽬1⽂で⼗分
• 前提(背景、経緯など)・・・必要最⼩限。省いてもよい。
• ⽬的(主題/課題の明確化、それに取り組む観点)
• ⽅法 (アプローチの特徴、解決⼿段、⽴証⽅法など)
• 結果 (得られた知⾒、効果など)
⽬的は簡潔に (例:「・・・の課題を解決する⼿法を提案する」)
⽅法と結果を重点的に(特に、新規性、有⽤性のある内容)
キーワード ⼿法、適⽤対象など、広すぎる⼀般語は不適当。(査読者選定)
別途
解説
あり
別途
解説
あり
- 18. 論⽂タイトルは論⽂の顔
• 環境特有な論⽂なのか?
– 「製造業のサービスセンターにおける顧客満⾜度の向上」
• 製造業特有の要件がないのであれば、製造業とは謳わない。
• 流通業、サービス業、農業、⾦融とどう異なるのか明らかにする必
要がある。
→「サービスセンターのコミュニケーション改善による満⾜度向上」
• クラウドとかモバイルとか →バズワードは注意深く
– 「新規配送事業を⽀えるXXクラウドシステム
〜スマートフォンを活⽤した現場の⾒える化〜」
• 単にシステムをクラウドに実装しただけ
• スマートフォンのアプリケーション効果は殆ど無い
• 効果のほとんどが配送計画機能によるもの
→「データを活⽤した効率的な配送計画アプリケーション」
© IBM Japan 18
- 20. 論⽂のテーマ(ネタ)を改善する
© IBM Japan 20
⼿順の⼯夫はどうだったか?
他の問題解決にも利⽤できないか
事実列挙 <Report>
与えられた課題を作業⼿順で取組み、⽬
標通り解決した。
その課題はなぜ発⽣したのか?
改善のための独⾃の⼯夫はあるか?
苦労話 <Report>
製品品質などの困難を克服し、短時間で
解決に導きました。
実験結果に予期しなかった点は?
実験条件の⼯夫は?
やりっぱなし <Report>
実験したらこうなりました。
課題を⾒つめ直し、⼯夫した点をみ
つけること。
(第三者的な態度からの改善が求められる)
マニュアル <Manual>
システム全体のアーキテクチャ、機能の
解説、設定パラメーターなど
新しい視点で整理し直し将来展望を述べ
る。新しい組み合わせ⼯夫が⽣まれない
か?
切り抜き、⽂献紹介 <雑誌記事>
著者の付加価値は不明だが、関連情報を
収集し有益そうに並べたもの(著作権注意)
独断的な意⾒ではなく、どこが新しいの
か真因はなにかを⾃問する。
意⾒書、随筆 <雑誌記事>
著者の主張、感想が述べられていて、根
拠の裏付けがない
- 21. 本⽂の構成
© IBM Japan 21
序論
(はじめに)
論⽂の位置付け(特に重要性と新規性)
背景、課題、従来技術、⽬的、アプローチ、結果の要点、本論構成
本論との重複を避けること。最後にもう⼀回推敲すべき。
参考⽂献
論⽂位置づけのための情報源。主要関連論⽂の明⽰。読者が⼊
⼿できるだけの⽂献情報。(参考書ではなく、主張の⼟台)
参考⽂献があまりないのは信頼性が弱い。
本論
主張点の内容と根拠の具体的な展開。論旨の⼀貫性が重要。
章⽴ては章タイトルを拾い読みすれば論旨展開がわかるように。
× 「提案システムの概要」「具体的な機能」…
◯ 「・・の要件と課題」「システムの要点と効果」「適⽤評価」
章⽴ての階層は深すぎない(6ページなら3階層以下に)
結論
(おわりに)
主張点や結果(新規性、有⽤性)の定量化とまとめ。
技術限界や今後の課題の明記は有⽤性、信頼性が増す。
(前向きな表現を⼼がける:問題点 → 残された課題)
主観的な⾃画⾃賛「役⽴てば幸いである」は不要。
謝辞 共著者か謝辞か。資料提供、書き⽅の助⾔などは謝辞
別途
解説
あり
- 22. 「はじめに」(序論)は 論⽂の位置付け
l 背景 (社会的/産業的背景)
– 少し広い⼀般的な視点から、書き始める
(狭い専⾨的な位置づけだけでは理解しづらい)
– どうしてそれを研究/開発するのか、それによって何がもたらせるか?
– 場合によっては専⾨⽤語の定義、略語の説明も忘れずに
l 関連研究・開発の紹介と本論⽂の位置付け/関連
– 過去の関連研究の到達点(最も関連・類似する先⾏研究)を紹介
(批判的に書かないこと)
– 主要な参考⽂献は「はじめに」で引⽤
– 著者⾃⾝の既発表論⽂からの進歩(差異)を明⽰
l 論⽂の⽬的と提案⼿法
– 論⽂で何を書くか、何が⽰されるか、何が明らかになるか
– 解決される問題の重要性(解決する意義)
l 結果の要点
– 結論の要点を先に述べておいた⽅が本論を読みやすいことも多い。
l 本論の構成
– 説明の流れに重点をおいて簡潔に (各章の概要ではない)
例: 以下、2章で〜の要件を述べ、3章でその解決案を⽐較検討し、4章で提案⼿法を実験
して、・・・
© IBM Japan 22
はじめにを読んだ
ら論⽂全体がどう
進むのか分かる。
ワクワクさせる
参考⽂献は参考に
した⽂献ではなく
論拠の証明
(最低でも10編)
- 23. CS活動の報告書を汎化してモデル化
© IBM Japan 23
固有の組織の紹介を汎化
サービスセンターを機能で分解する。どの
ような機能があり、機能間のやり取りがあ
るかをモデル化する。→「実施環境」
組織の紹介
サービスセンターの組織は、問い合わせ受付と
ヘルプデスク、サポートセンター、テクニカル
センターからなっています。
機能ごとの果たすべきミッションに展開す
る。ミッションごとの測定可能な品質KPIを
セットする。→「研究の⽬的」
組織の特徴
サービスセンターは多様なITサービスを⽀え、
24365でグローバルなビジネスに対応し、安
⼼安全を提供します。
顧客満⾜を構成している要素に分解
満⾜度向上を阻害している要素や類似事例
や従来の解決策を調査し、本論独⾃の改善
活動を位置付ける。→「はじめに」
顧客満⾜度調査の実施
調査の⽬的、アンケートの計画、実施、改善対
象の選定、改善活動計画等のPDCAサイクルを
回します。
施策ごとの効果が測定できるように⼯夫す
る。情報公開WEBのアクセス数の測定や障
害時KPIの変動などを確実に測定
→「結果の測定」と「考察」「おわりに」
改善結果と考察
コミュニケーションの改善のために情報公開を
強化し、障害対応速度を向上させるためにダッ
シュボードを導⼊。今後はITIL対応したい。
- 24. 松尾ぐみの論⽂の書き⽅ http://ymatsuo.com/japanese/ronbun_eng.html
© IBM Japan 24
推敲5〜6回までが
通る確率が⾼くなる
執筆時間と推敲回数は
等⽐級数となっている
当然、推敲5〜6回
程度が最も時間効率
が⾼い
[執筆準備] →
スタイルファイルに筆
者とタイトルを書いて
みる。Call for Paper
を読んで論⽂のキー
ワードを考える。
[ストーリー作り] →
タイトルとアブストラク
トは論⽂の顔なので、
真っ先に考える。関連⽂
献や過去論を調査し論旨
展開と構成を考える。
[初稿を作る] そして
↙
ひたすら埋める。⾔いたいことをす
べて書き、材料やデータを全て書く。
⽂献などの調査をして冗⻑な部分を
削り、段落を移動します。規定量の
±2ページ程度になるように。
[推敲する]
2稿 論⽂の意義を明らかに、他論⽂との位置付け明確に⼀貫した主張になるように修正。
3稿 スコープを明記して統⼀的な記述にする。図表や数式を直す。
4稿 反論を想定して予防線を張る。⽂章のつながりや表現に気をつけて直す。
5稿 最初から読んでこの論⽂だけで正しく伝わるか、略語や初出の説明を加える。
6稿 ⼀貫性のないところなどを修正します。⽇本語を正しく⾒直す。
7稿 ⾳読して⽂章のリズムを確認する。
⼈⼯知能研究で有名な松尾豊東⼤准教授→
- 28. 洗練された⽇本語を書く(3)
• パラレリズム・・・対⽐・並置は同じ構造の表現
データの⼊⼒/編集・管理/出⼒ → データの⼊⼒・編集・出⼒
• 英語やカタカナ語の乱⽤(⼀般語は英語表記しない)
– 「Application」 ⇒ 「アプリケーション」
– 「インプットする」⇒「⼊⼒する」
• ⼝語表現やあいまいな修飾語はさける
– ⼤量の,たくさんの,かなりの,いくつかの
⇒何に対して⼤量なのか? 世界最⼤の、秒⼀万を超える
• 曖昧さを避ける
– 「本番データ移⾏システム」
本番データの移⾏システムなのか? 本番のデータ移⾏システムなのか?
– 無理な造語(「〜的」「〜性」「〜化」など)を避ける
デザイン性に優れたデジタルカメラ → 優れたデザインのデジタルカメラ
– 無⽣物主語を使う
このシステムによって、作業効率が⼤幅に改善しました。
→このシステムは作業効率を⼤幅に改善しました。
© IBM Japan 28
- 32. まとめ
• 主張したい新規性・有⽤性を明確にして、その根拠をわかりやすく論述するのが基本
・ まず、「何が新しく、読者に有益な情報か」を⾃問してみよう
・ 論旨展開は、具体的、客観的、論理的に。信頼性は必須要件
• 表題は、狭すぎず、広すぎず、簡潔に
・ 「〜についての⼀考察」などは冗⻑で弱々しい
• 「著者=執筆者」ではない。著者は論⽂の主張点への貢献者。
・ ⼀般に、技術論⽂では2〜3⼈の共著が多い
• 要旨は、前書きではない。⽬的、⽅法、結論の要点を各1⽂で(前提は任意)
• 「はじめに」は、論⽂の位置づけ。専⾨分野以外の読者にもわかりやすく。
推敲を⼗分に!
・ 背景・⽬的は、少し広い視点から、わかりやすく
・ 専⾨⽤語や略語は初出で定義・説明して⼀貫して使う
・ 関連既存論⽂・技術との対⽐・位置づけが重要 (これが不⼗分な論⽂が多い)
• 参考⽂献は最低5編 (解説論⽂は最低10編)。
・ ⼀般論⽂・報告書の引⽤は効果的
・ 社内だけでなく、学界や業界の動向にも着⽬して、引⽤・位置づけすれば、完璧
• 関連論⽂を引⽤した位置付けは重要だが、内容の引⽤は著作権法の「引⽤」条件遵守
・ 引⽤元明⽰、引⽤箇所明確化、必要最⼩限、など、
* 発明処理は論⽂応募より優先
・ 論⽂応募前に発明開⽰書を提出
© IBM Japan 32
- 33. © IBM Japan 33
Open
Standard
Processor
Speed
Storage Network Device Application
私たちのテクニカルキャリアとはテクノロジーの探求です。