This presentation of which title is "Successful point for the IT Project Management" is for PMI Japan Monthly Seminar in March by Mr.Shinji, Notohara,Director,
IT innovation,inc,Japan.
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(続)ITプロジェクトマネジメント
成功のための勘どころ
~環境の変化に合わせて、進化するものとは~
株式会社アイ・ティ・イノベーション
http://www.it-innovation.co.jp
取締役 兼 専務執行役員
能登原 伸二
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講師プロフィール
能登原 伸二
株式会社アイ・ティ・イノベーション 取締役 兼 専務執行役員
名古屋工業大学 情報工学科非常勤講師
1960年生まれ、名古屋工業大学情報工学科卒業(1983年3月)。
株式会社ジャパンエナジー(現:JX日鉱日石エネルギー)の情報システム部門において、
長年、情報システムの企画、開発、運用までの幅広い業務に携わり、ITによる業務改
革、収益向上を支援してきた。現在はITベンダー、ユーザー企業の情報システム部門
へのプロジェクト管理標準導入、PMO(Project Management Office)の運営、ITプロ
ジェクトにおけるプロジェクト管理支援コンサルティングなどに加え、IT 構想・企画などの
超上流工程支援、IT戦略・ビジョン策定なども幅広く手がける。常に顧客と共に考え、
行動し、成果を上げることをモットーとしている。
大規模で、複雑なプロジェクト管理の専門家。
プロジェクトマネジメント協会(PMI)会員、PMP
【著書】
「プロジェクト管理大全(共著)」(日経BP)
日経SYSTEMSにて「のとはら先生」シリーズを連載
「プロジェクトマネジメント現場マニュアル 改訂版」(日経BP)
「”勝てる”IT構想・企画(共著)」(日経BPコンサルティング)
「医療現場のプロジェクトマネジメント 」(ビジネス双書)
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<現代の経営(THE PRACTICE OF MANAGEMENT) >
部下の育成には、技術の習得や責任の重要さの強調でさえ補うことの
できないある資質が、経営管理者側に要求される。すなわち真摯さである。
<経営者の条件(THE EFFECTIV EXECUTIVE)>
①なされるべきことを考える
②組織のことを考える
③アクションプランをつくる
④意思決定を行う
⑤コミュニケーションを行う
⑥機会に焦点を合わせる
⑦会議の生産性をあげる
⑧「私は」ではなく「われわれは」を考える
おまけ、聞け、話すな
私の好きなドラッカーの言葉
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目次
昨今のITプロジェクトを取り巻く環境変化
今後の情報システムに求められること
今後のITプロジェクトに求められること
プロジェクト・マネジャーに求められることの変化
変化していないもの
プロジェクト・マネジャーとして何を磨くか
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昨今のITプロジェクトを取り巻く
環境変化
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1. 人手に依存
工業製品と比べて、人手で作る割合が高い。
(影響)人のスキル・経験、モチベーション、
リーダの指導・支援によって生産性が変化
2. 要求機能が変動
最終成果物である情報システムが 「モノ」 でなく、
目に見えない「機能」であること、及びビジネスが
変化することにより、要求されている機能が開発
途中で大きく変動する。
(影響)発注側が要求した機能が目に見えないため、
追加要求が多発し想定以上に開発規模が膨張
3. 品質測定が困難
中間成果物が設計書やプログラムであるため、
実体が見えず、品質も測定し難い。
(影響)中間での品質が把握できないため、開発の
終盤で、突然システムの不良が発覚
システム開発の特徴
VS.
VS.
VS.
情報システム 輸送機械、建築物など
人がチームで作る 機械が機械を作る
自動化が進んでいる
全体像が見える全体像が見えない
プログラムを動かすまで
品質が見えない 途中経過が見える
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IT業界の変化
人材育成
の遅れ
ITプロ
ジェクト
の増加
プロフェッショナ
ル人材の不足
(PM、BA、ITA)
企業の収益力アップ
システムの老朽化
IT領域の広がり
(ゲーム、Web、組み込
み、エンタープライズ)
オフショア開発
(下流工程の外注)
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レガシーシステムの刷新
プロジェクト
グロバールシステムの
開発プロジェクト
アジャイル
プロジェクト
複数のプロジェクトが
連携するプログラム
IoTに関する
プロジェクト
M&Aプロジェクト
プロジェクト形態の多様化
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今後の情報システムに求められること
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情報システム部門の目的
多様化する要求に対して、柔軟にスピーディーに対応する
安定したITサービスを提供する
ITサービスの導入にあたり、高品質、短納期、低コストを実現する
ITサービスにおけるセキュリティ、コンプライアンスを統制する
グローバルの観点は必要
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果たすべき機能
• 情報体系と情報基盤を使ってどのように課題・
問題を解決するかを決定する。
• 全社横断的な視点から、業務改善を推進する。
ビジネス上の
課題・問題解決
• ユーザから要求される情報を、正確かつ効率的に
提供するために、情報システムで扱われるデータ
(意味、属性)全体を整備する。
情報体系の管理
• 情報基盤(インフラ、アプリケーション)の
アーキテクチャを整備する。
• 情報基盤の構築、運用の方針を決定し、常に最
適な状態となるように管理する。
情報基盤の管理
• 情報戦略を立案する。
• 情報システムの企画、開発、運用プロセスを整備する。
• 情報システムに係わる組織を管理する。
• 情報システムの投資対効果を管理する。
情報システムと
組織の管理
情報システム部門が果たす4つの役割
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情報システムに求められるもの
ビジネスの
変化が激しい
• ITの重要性UP
• 想定外の変化
• グローバル対応
• 人材の流動化
• 情報システム部門
の弱体化
柔軟なITアーキ
テクチャの構築
(都市計画)
• システムの見える化
• 適切なIT戦略とその
実行
ビジネスに俊敏
に対応してシス
テムを構築
(アジャイル)
• ビジネスに必要な部
分を必要なだけ作る。
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今後のITプロジェクトに求められること
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構想・企画の戦略・計画に時間を取って、正しい方針を導く。
1.要求の
取りまとめ
(Why)
2.業務・システ
ムの概要定義
(What)
3.実現シナリ
オの策定
(How)
IT構想・企画
IT構想・企画のプロセスIT構想・企画で思考する
要件定義~ 開発
プロジェクトの実行
プロジェクト計画
プロフェッショナル(PM、BA、ITA)を
集める。
プロセスに従い、検討する。
多数の代替案を多面的に検討する。
レガシーシステムの刷新
グローバルシステム開発
アジャイル
複数プロジェクト連携のプログラム
IoTに関するシステム開発
適した
アプローチ
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リーン製品開発
時間
代
替
案
Start
セットベース開発:多数の代替案を並行して評価しながら、
徐々に絞り込んで、設計していく方法
LAMDAサイクル
Look:観察する
Ask:問いかける
Model:モデル化する
Discuss:話し合う
Act:行動する
製品開発:イノベーションを起こし、価値を生む
生産:製品開発が生み出した設計情報に基づいて、繰り返し生産する
構想設計 詳細設計~
LAMDA
LAMDA
LAMDA
LAMDA
LAMDA
LAMDA
※稲垣公夫著:“開発戦略は「意思決定」を遅らせろ!”を参照。
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システム開発
時間
代
替
案
Start
目的:ビジネスに役立つ情報システムを作る
(システム開発も、製品開発と同様にプロジェクト)
IT構想・企画 開発工程
目的・要求
ソリューション
・要件
アーキテクチャ
体制・ベンダー
アプローチ
多数の代替案を多面的に検討して、
システムを企画する
確定した要件に基づき、
設計・プログラミング・テストを実施
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IT構想・企画でやること
何のために
Why
どのような業務・システムを
どのように実現するか
What
How
ビジョン・戦略
ITプロジェクト
本気で目的・要求を
考える
正しいプロジェクトを創る
(実現可能性の検証)
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Business
ITアーキテクト
AsIs
MODEL(Blue-Print)
System
ToBe
Migration Plan
Business
ITの課題ビジネスの
特性分析
Analyze Describe
・レガシーシステムの刷新では、ToBeモデルの明確化と開発アプローチの設計が重要
MODEL
MODEL
アーキテクチャ設計の重要性
25. 25 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
Business
System
・アーキテクチャは、様々な事情で最適化を阻害される。
ビジネス上の期限が切
迫していて最適化して
いる暇がない。
選択した製品がユー
ザーの業務やニーズ
と合っていない。
昔作ったシステムがその場
限りの仕様になっている。
そもそも仕様が残っていない
。
製品のアーキテクチャは全
体最適とは無関係で身
勝手に作られている。
・機能やデータが重複し、複雑でスパゲ
ティ化したシステム。
・ちょっとした改変でも多大な時間とコス
トが掛かる。
プロジェクト失敗の例
26. 26 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
プロジェクト・マネジャーに求められ
ることの変化
27. 27 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
プロジェクトマネージャーとは
プロジェクトの推進責任者
プロジェクトの目標を達成する責任を負う
与えられたリソースの範囲で、プロジェクトを計画し、
推進する。
28. 28 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
プロジェクトマネージャ(PM)の資質と能力
プロジェクトの目的・目標
管理・調整力
プロジェクトマネジメント
の知識・手法
正しい考え方(信頼、誠実……)
コミュニケーション力
コミットメントを達成する力
リーダーシップ
何としても、
成功に導くという
熱意、必死さが
最も重要な
要素
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具体的なリーダー像とは
『苦労している人を励ますのがリーダーの仕事・・・と言ってい
る人のもとでは働きたくない。 私の能力を認め、それを伸ばす
人の下で働きたい。』
(トム・デマルコ:米国の著名なITプロジェクト専門家)
どういうプロジェクトマネージャー(PM)と
一緒に働きたい?
『危機管理は、通常の場合、集団のルールに則って実施すれ
ば良いが、いざとなった場合、指揮官が現場に降りて実践する
ことも必要である。』
(香月智 防衛大学校教授)
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ステークホルダー・マネジメント
多様なプロジェクト形態により、ステークホルダーとの良好な関係が重要
プロジェクト
マネジャー
レガシーシステムの
刷新
・アプローチ方針の理解
・既存システム運用担当
との関係
グローバルシステムの
開発
・グローバル人材との関係
アジャイル
・アジャイル・アプローチへの
理解
複数プロジェクト連携
のプログラム
・IT以外の担当者との関係
・他社との関係
対応領域が広く、政治的な対応も実施
(PMだけでなく、経営層も含めたチームで対応)
チームの認識を一致するために、十分な時間が
必要
(コミュニケーション、ファシリテーション)
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ビジネス上
の問題を定
義し解決が
できる
やり方に従って
実行できる
学習中
運用スペシャリスト 開発スペシャリスト
プロジェクトマネジャービジネスアナリスト
ITアーキテクト
エンジニア
IT構想・企画に必要なスキル
実務
実務
実務
実務
実務
実務
実務
様々な立場での実務を経験し
、幅広いスキル、経験をする必
要がある
対象範囲が広く、複雑なシステムに対応するためには、幅広いスキルが必要
ビジネス分析や
アーキテクチャ設計
についての知識も
習得する
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品質管理のPDCAサイクル
開発現場での主体的な品質管理と、統括的な品質管理をうまく
組み合わせ、それぞれのPDCAサイクルをしっかり機能させる
各工程各工程
品質状況の把握
計画の見直し
Action
開発現場での主体的な品質管理プロジェクト計画
・品質管理計画
・品質目標
Plan
作業
(レビュー
・テスト等)
Do
品質状況報告
(週次,月次)
Check
品質保証活動
の計画
品質の
測定・評価
原因分析
対策の実施
Plan Do
CheckAction
品質を作り込む担当(設計・プ
ログラミング・テスト)は現場
プロジェクト
計画書
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変更の手順
変更要求の受付
変更可否の判断
影響範囲の特定:
変更に伴い必要となる成果物の修正箇所
(直接の変更箇所だけでなく、影響を受ける成果物や作業の全てを見通す)
スケジュール、品質、コスト、体制・要員、リスクなどへの影響:
変更作業、および影響を受ける全ての作業の負荷(工数)を見積る。
必要な手順・体制・要員計画や、リスクへの影響なども検討する。
大規模な変更は、プロジェクト計画の変更の必要性の有無も判断する。
※ プロジェクトの終盤に発生した変更は、成果物の修正による手戻りが多く、影響
度が大きい
影響度分析
変更要求は必ず公式な手順で受付け、影響度を分析の上、変更可否
を判断する。
変更の実施
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変更管理の重要成功要因
変更要求の受付
変更可否の判断
影響度分析
変更の実施
変更管理手順や
管理の仕組みを
定義している
公式の意思決定
の場(プロセス)
が事前に設定さ
れ、関係者の合
意を得ている
変更管理のため
のツールが用意
されている
(例)変更案件がDB/プログ
ラムなどに与える影響範囲
の調査ツール
変更に関する情
報(要求、影響、
実施状況等)が
一元管理され、
関係者と共有化
されている
変更対応のため
の余裕コストが
確保されている
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変更の多発を抑え込む対策
多少の変更はやむを得ない。しかし、
多発はプロジェクトを混乱に!
詳細
設計
・・・
基本
設計
要件
定義
要件凍結 仕様凍結
変更管理
要件定義、設計
の品質を高める
プロジェクト目的・目標と
の整合性を重要視して、
変更可否を決定する
要件/仕様凍結
後は、必ず変更
管理手順に基づ
き運営する
プロジェクトに変更が与
える影響(ある時点から
コスト追加になること)を
ユーザにもよく説明する
変更要求
変更要求
変更要求
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プロジェクトとして一つのチームになる
事業部門
プロジェクトを成功させるためには、発注側(事業部門、情報シス
テム部門)、受注側(開発部門)で信頼関係を築き、一つのチーム
となってプロジェクトを進めることが必須。その要がPM。
発注側
受注側
情報システム
部門
開発部門
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プロジェクト・マネジャーとして何を磨くか
56. 56 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
変革を達成
現状の維持
出来事/事象
人の持つ
最大の力は
選択の力
成長に対して真摯な態度とは
オープンで創造的、積極的、粘り強い行動
機会(チャンス)と考える
現状の枠内で安全な行動、抵抗
どうすれば良いかわからない
リーダーシップ
リスクを冒すことで
成長できる
※ニュージーランド企業である
IASラーニング・グループの考え方を参照。
57. 57 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
プロジェクトで構成される組織
機構、規範、機能の面から
組織を捉える伝統的な組
織論
• 権限、責任、専門分業、ライン、
スタッフなどの機能規定
• 命令の一元化、階層、秩序、
調整などの運用ルール
組織は複数の個人が協働
する体系
• 人間は自由意志によって行動する。
• 個人では目標を達成できないので、
組織を作り、目標を達成する。
※チェスター・バーナードの「行動科学的組織論」の考え方を参照。
目的を共有すること
目的を実現しようとする協働意欲を持つこと
協働のためのコミュニケーションがあること
プロジェクトに適した組織
58. 58 Copyright(C) IT innovation, Inc. All rights reserved.
ファシリテーション能力を磨く
目的を共有すること
目的を実現しようとする協働意欲を持つこと
協働のためのコミュニケーションがあること
プロジェクト目的を
説明し、周知する
プロジェクトに置き換えると・・・・。
話し合いの場を
作り、メンバーの
認識を一致させる
重要なステーク
・ホルダーと緊密な
コミュニケーションを
図る
ファシリテーションのスキルを利用し、実現する
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ご清聴、ありがとうございました。