Hyperledger Fabric活用事例：貿易プラットフォームTradeWaltz

© 2021 NTT DATA Corporation
Hyperledger Fabric活用事例：貿易プラットフォームTradeWaltz
2021年9月8日
株式会社NTTデータ
清水俊平
Hyperledger Tokyo Meetup

© 2021 NTT DATA Corporation 2
アジェンダ
1. NTTデータの取り組み
2. 貿易プラットフォームTradeWaltz
3. ソリューション紹介 BlockTrace® DMP
4. 最後に

NTTデータの取り組み

NTT DATA Blockchain Initiative
Singapore
Japan
India
USA
Peru
Australia
China
Philippines
Thailand
Portugal
UK
Denmark
Romania
Netherland
France
Spain
Germany
Italy
Austria
Brazil
Canada
Argentina
Chile
Colombia
Saudi Arabia
世界25の国と地域で500名超のメンバで推進
ブロックチェーンへの取り組み：Blockchain CoE（Center of Excellence）
様々なバックグラウンドを持つ世界中のチームメンバがビジネス動向・技術ナレッジを共有
お客様にとって最適なプラットフォームを提供できる体制を確立
各国の多様な価値
社会インフラ
新しい技術を用いた
研究開発力
2020年3月現在

• ブロックチェーン基盤、
周辺技術調査
• 社外ワーキンググループ
活動
• 技術開発
R&D Solution Project
• ソリューション・サービス
開発
• コンサルティング
• デザイン
• システム開発
ブロックチェーンアクティビティ

ブロックチェーン関連の活動に関する評価
複数の調査会社のレポートにて高い評価を獲得
Avasant Report
Refs: Blockchain Services 2020 RaderView™ (Dec. 2020)

ブロックチェーン技術を活用したDX推進ソリューション“BlockTrace®”
ビジネスシーン/ユースケースに応じたブロックチェーンプラットフォーム上に、お客さまの適用シーンに
応じたアプリケーションを構築・提供するソリューション「BlockTrace®」を展開
Solution
課題解決/価値創造ソリューション
Platform
BlockTrace® データ管理プラットフォーム
BlockTrace®
for
Cold Chain
BlockTrace®
for
SecurityToken
BlockTrace®
for
Supply Chain
BlockTrace® for
Cold Chain
• 食品の品質保証ソリューション
BlockTrace® for
Security Token
• 証券デジタル化ソリューション
BlockTrace® for
Supply Chain
• サプライチェーンにおける
企業間情報共有ソリューション
BlockTrace®
データ管理プラットフォーム
• エンタープライズBlockchain基盤に対応
(Hyperledger Fabric、Corda、Quorum）
• NTTの研究所技術活用により、「大容量ファイ
ル登録」、「ユーザ毎にデータアクセス制御」が
可能
BlockTrace®
for
X
Coming Soon・・

貿易プラットフォームTradeWaltz

ブロックチェーンが導くペーパーレス化
世の中のトレンドが「非接触／非近接志向」に向かっている中、業務のペーパーレス化が
注目されている。ブロックチェーン技術は電子データに『原本性』を付与し、紙業務の
本質的なデジタル化を可能にする
取引書類が法的な効力をもつためには、単一性、占有性、完全性の3つの要件からなる『原本性』の確保が求められる。
従来の電子書類は、改ざんや複製が容易にできてしまうため、『原本性』のもつ要件を満たすことができなかった
紙による原本性ブロックチェーン技術（分散型台帳技術）による原本性
これまでは、紙という物理的・単一な媒体を受け
渡すことで、『原本性』を担保していた単一のデータを皆で共有する一方で、権限のある参加者のみをアクセス可能にし、
かつデータの編集履歴を皆で共有し透明性を確保することで『原本性』を担保する
物理的な受け渡し
会社B
会社A 会社A 会社B
分散型台帳
ブロックチェーン
編集履歴
1.Aが編集
2.Bが編集
編集履歴
1.Aが編集

貿易プラットフォーム “TradeWaltz”の事業化
ブロックチェーン技術を用いて貿易文書を電子化する貿易情報連携プラットフォーム
「TradeWaltz」を運営する会社を2020年10月に設立
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2020/102700/
トレードワルツ社出資会社
• 株式会社NTTデータ
• 三菱商事株式会社
• 豊田通商株式会社
• 東京海上日動火災保険株式会社
• 株式会社三菱UFJ銀行
• 兼松株式会社
• 損害保険ジャパン株式会社

これまでの活動
2017年8月に国内大手企業の参画する業界横断コンソーシアムを設立以来、
貿易業務のデジタル化を推進
2020年度
2017年度  4業界横断13社のコンソーシアム結成
 PoC実施
 シンガポール貿易プラットフォームNTPとの接続実証実験
2018年度  経産省（NEDO）より三港湾を対象とした実証実験
 セマンティックAI技術を使った信用状自動チェック
機能の実証
 タイ税関システムとの接続実証実験
 船荷証券実施に向けた法整備に関する調査及び
関係官庁への要望提出
 試行運用開始
 タイJSCCIBのNDTPプロジェクトと共同実証実験
2019年度
業態会員（業態別五十音順）
銀行
株式会社みずほ銀行
株式会社三井住友銀行
株式会社三菱UFJ銀行
保険
損害保険ジャパン株式会社
東京海上日動火災保険株式会社
三井住友海上火災保険株式会社
荷主
伊藤忠商事株式会社
兼松株式会社
住友商事株式会社
双日株式会社
豊田通商株式会社
丸紅株式会社
三井物産株式会社
三菱商事株式会社
船会社
総合物流
川崎汽船株式会社
日本通運株式会社
日本郵船株式会社
Ocean Network Express Pte. Ltd.
事務局株式会社NTTデータ
 ダボス会議併催イベントにて国際商業会議所、シンガ
ポール当局とコンソーシアム参加企業による共同声明
 トレードワルツ社事業開始（10月）

TradeWaltzの特長
TradeWaltz：貿易プラットフォーム
関連業界横断の
プラットフォーム
幅広い貿易書類をサポート
PDFではなく構造化データとして
保存、利活用可能
プラットフォームに
蓄積された情報の活用
による新たなエコシステム
輸出者買取銀行発行銀行
輸入者保険会社船会社
物流会社
原産地証明書
発行者
添付ファイル
（PDF 等）
Letter of
Credit
Invoice
Sea Way
Bill
Shipping
Instruction
Export
Permit
Packing
list
Certificate of
Origin
Bill of
Exchange
Insurance
Policy
EPA/FTAの最大活用
サプライチェーンファイナンス
アンチマネーロンダリング
等

分散型台帳を使うメリット～貿易業務・導入前～

分散型台帳を使うメリット～貿易業務・導入後～
ブロックチェーンを用いて国・業界を跨り、一気通貫で貿易データを共有

What is required for Trade Digitalization
COVID-19（新型インフルエンザ）が世界的に流行している中で、貿易のデジタル化はこれまで以
上に必要とされている。
貿易手続のデジタル化には、以下のような多くの利点がある：
データ管理の合理化
コスト削減と運用効率の向上
違法行為の防止
貿易デジタルプラットフォームの要件

TradeWaltz導入による期待効果
業界横断でのPoCの結果を受けてヒアリングを実施。
貿易プロセス改善およびコスト削減に向けて大きな期待を得ることができた
業態貿易プロセス作業効率化・コスト削減削減程度
荷主
C/O申請 I/V等データ引き込みによる申請書作成時間の削減 60％以上
荷為替手形
買取依頼
書類チェック機能による、書類間の整合性確認作業時間の削減 60％以上
銀行
荷為替手形買取書類チェック機能による、書類間の整合性確認作業時間の削減 60％以上
荷為替手形引渡
顧客への書類受渡し業務時間の削減 30~60％
書類の原本管理コストの削減 30~60％
保険会社保険証券発行
L/C等データ引き込みによる保険証券作成時間の削減 60％以上
ペーパレス化による書類送付・管理コスト、保険証券訂正時の回収コストの削減 60％以上
船会社・
総合物流会社
SWB（B/L）
発行
ペーパレス化によるSWB（B/L）印刷・受取人対応等の業務効率化 60％以上
用語説明 C/O：原産地証明書 I/V：インボイス、送り状 L/C：信用状 SWB：海上運送状 B/L：船荷証券

課題解決の事例（１）
重複作業や入力ミスの問題を解決
輸出にかかるデータ入力の大半は、Purchase Order及び
Invoiceから生成されるにも拘らず、相互のシステム連携が
ないために、重複入力が横行し、誤りが多い
現状（事例）
通関依頼通関申告
保険申込
輸出者税関
保険会社
物流企業
船会社
船積依頼
B/L発行
再入力
再入力
再入力
再入力
輸出者
貿易プラットフォーム導入後
保険会社物流企業船会社
データ活用データ活用データ活用
税関
P/O、I/V登録
保険申込
保険実行
通関依頼船積依頼
B/L発行
税関申告
P/O、I/Vのデータを最大限活用することで、重複入力の
排除、入力ミスの撤廃を実現

課題解決の事例（２）
入力誤りや即時連携による認識齟齬を解消
現状（事例）貿易プラットフォーム導入後
同一データを国内外でシステム連携することで人の介在余
地がなく、正しいデータの入力が可能
本来は同一Invoiceにもかかわらず、入力誤りによりKey項
目が異なるため、入金予定日相違で不整合。誤りを輸出
者から検知も難しい
AR入力
海外貿易
システム
Invoice
③AP入力
入金予定日
2019/8/31
国内貿易
システム
Invoice
①
Invoice Date
2019/7/31
支払予定日
2019/9/10
Invoice Date
2019/8/10
不整合
輸出者輸入者
AR入力
海外貿易
システム
③AP入力
入金予定日
2019/8/31
国内貿易
システム
①
Invoice Date
2019/7/31
支払予定日
2019/8/31
Invoice Date
2019/7/31
入力相違ナシ
輸出者輸入者
貿易プラットフォーム
② Invoice Data取り込み、
AP転記

ソリューション紹介
BlockTrace® DMP
(DMP：データ管理プラットフォーム)

ブロックチェーンとデータ管理について
一般的に、ブロックチェーン上でのデータ管理には
以下の特性がある
参考: http://dtdweb.digitech.tig.nttdata.co.jp/2020/04/15/post-9588/
ブロックチェーン上の
データは
ネットワーク参加者
全員が参照できる
ブロックチェーン上に
記録したデータは
削除できない
特定のメンバー間だけで
データアクセスしたい場合
別途作りこみが必要です
ブロックチェーン上に
一度登録したデータは
その特性によって
変更・削除が困難です
NTTデータは
上記ブロックチェーンの特性を踏まえた
データ管理プラットフォームを開発

概要： BlockTrace® DMPとは
データ管理・制御機能があるブロックチェーンベースのプラットフォーム
制御ミドル
ユーザアプリ
ユーザ
BlockTrace® DMP
データ書き込み
メタデータのみ書き込み
制御ミドル
分散ファイル
ストレージ
特徴 2
ユーザごとにデータへの
アクセス権限を制御可能
特徴 1
システムとして大量の
データを扱うことが可能

概要： BlockTrace® DMP 利用イメージ
BlockTrace® DMPを利用することで、企業間でのデータ連携を実現
組織A 組織B 組織C
BCノード
ユーザアプリ
制御ミドル
ユーザアプリユーザアプリ
制御ミドル制御ミドル
分散ファイル
ストレージ
分散ファイル
ストレージ
BCノード
分散ファイル
ストレージ
BCノード
【操作情報管理】
ネットワークで共有
【データ管理】
ネットワークで共有

特徴① : システムとして大量のデータを扱うことが可能
ブロックチェーンシステムとして大量データを扱うことが可能
GB class MB class
取扱可能な
データのサイズ:
データ格納先:
削除可能削除不可能
データ削除:
BlockTrace® DMP
分散ファイル
ストレージ
ブロックチェーン単体
例 Hyperledger Fabric

例 Hyperledger Fabric
特徴② : ユーザごとにデータへのアクセス権限を制御可能 (1/2)
ファイルごとのユーザアクセス制御機構を実装
ユーザ、ファイルごとにアクセス制御
各チャネル内の全てのメンバが
同じアクセス権限を持つ
組織YのBobに
読込権限を付与
BlockTrace® DMP
≈
組織 X
組織ZのCarryには
あらゆる権限を与えない
データ格納およびアクセス制御を設定可能
チャネルごとにアクセス制御が共通
チャネル A
チャネル B
チャネル C
ノードチャネルデータ
Alice
≈
組織 Y
Bob ≈
組織 Z
Carry
X
User

特徴② : ユーザごとにデータへのアクセス権限を制御可能 (2/2)
ファイルバージョンごとにもアクセス権限を詳細に設定可能
Carry
Ver.1 : 全権限あり (Owner)
Ver.2 : 権限無し
Ver.1 : 読込可能
Ver.2 : 全権限あり (Owner)
Ver.1: 権限無し
Ver.2: 読込可能
Ver.1: 権限無し
Ver.2: 権限無し
名前概要
文書登録ファイルを登録する
文書参照ファイルを読み出す
履歴参照
ファイルの操作履歴を
読み出す
削除ファイルを削除する
BlockTrace® DMP の主な機能
ファイルのバージョンアップに伴い
権限を”Alice”から”Bob”に委譲する
David
例
Bob
Alice
ファイル A
Ver.1
ファイル A
Ver.2

最後に

デジタル化された社会に向けて、ブロックチェーンが目指すところ
業界全般課題を解決するオンリーワンのプラットフォーム形成をつくる
個別最適システム
これまで
アナログプロセス
データモデルの相違
これから

To-Be: デジタル化されたOpen Ecosystemに向けて
• 業界・国を跨ぐ連携により
新規サービスを創出・提供
• ガバナンス・法規制対応
• コンソーシアム運営
• シンプルかつ
シームレスなユーザ体験
• 各企業間のシステム連携
• ブロックチェーン
ネットワーク運用
System
User Employee
Infrastructure
Company
Organization Government
Citizen
Application
Blockchain Network
NTTDATAが組織/システムレイヤの連携をリード

・・・
他コンソーシアムとの
接続
Open Ecosystemの実現に向けた課題
Company
Organization
Government
System
Infrastructure
Application Network
同業社、異業種の巻
き込み
ガバナンスモデル
レベニューシェア
法規制
対応
他コンソーシアムと
の連携
グローバルプレゼンスの
獲得
資金調達
スケーラビリティ
アプリケーション、
ミドルウェアの維持・保守
ネットワークの運営
人材育成
・・・
・・・
・・・
・・・
NTTDATAが課題の最前線に立ち、繋ぐ、役割を果たす
事例A 事例B 事例C ・・・
一つの事例をきっかけに次に繋げる

BlockTrace® はNTTデータの登録商標です。
本資料に掲載の会社名、製品名、サービス名は､それぞれ各社の登録商標です。

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