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サーバサイド Kotlin
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サーバサイド Kotlin
1.
サーバサイド Kotlin おおたに @liris
2.
まえおき ●言語自体に特にこだわりはないです ●Kotlinはそれほどとんがった言語ではないです ●将来的にはJava自体がKotlinに似てくるんじゃないですかね?
3.
結論 サーバサイドでも 問題なく Kotlinは使えます
4.
今日しゃべること ●なぜ、Kotlinにしたのか? ●サーバサイドでのミドルウェアとか ●実際にKotlinで開発してみて
5.
自己紹介 おおたに・2001 アリエルネットワークの創業メンバーになったお。
6.
自己紹介 おおたに・2013 パーフェクトPythonを少しだけ書いたお おおたに・2001 アリエルネットワークの創業メンバーになったお。
7.
自己紹介 おおたに・2017 (株)ビズリーチに入社したお 新製品を開発してるお おおたに・2001 アリエルネットワークの創業メンバーになったお。 おおたに・2013 パーフェクトPythonを少しだけ書いたお おおたに・2001 アリエルネットワークの創業メンバーになったお。 ● 仕事の開発言語 ○ Java
→ Kotlin
8.
作っているもの まだ、リリースしていないので 秘密です
9.
サーバのインフラ構成 PostgreSQL App Server (BeansTalk) Cognito 認証 AWS SNS ・・・
Lambda cron (Cloud Watch) schedule manager (Lambda) Kotlin Kotlin Kotlin
10.
Kotlinの利用箇所 ● Webアプリケーションサーバ ● Lambdaの処理 ➔
サーバ側でコードを書くところは全てKotlin ➔ クライアント側はKotlinはまだ使っていない
11.
なぜ、Kotlinを採用したか?
12.
Javaの言語について ● 1996年 JDK1.0から20年以上 ○
記述が冗長である ■ 関数を書く時、常にclassの中に入れないといけない。 ■ 関数ポインタがない ■ getter/setterはめんどくさい ○ 検査例外は本当に効率的なのか? ■ streamと相性が悪くない? ○ ヌルポからは解放されるのだろうか? ➔ Java7ぐらいまでは書いていて楽しくない!!!
13.
classの中にメッソドを書くのはめんどい public class StaticClass
{ static LocalDate today() { return LocalDate.now(); } } ‣ パッケージが名前空間を定義しているので、わざわざclassで囲まなくても いいよね。 ‣ Kotlinならこれだけ fun today(): LocalDate = LocalDate.now()
14.
getter/setter public class Sample
{ private String s1 = ""; public String getS1() { return s1; } public void setS1(String s1) { this.s1 = s1; } } ‣ IDEが自動生成してくれるけど、めんどい
15.
検査例外、しんどい public void doSomething()
throws OtherException { try { // do something } catch (SomeException e) { throw new OtherException(e); } } ‣ 例外は結局はフレームワークなり、呼び出し元で処理され るだけ ‣ Kotlinなら検査例外がない
16.
LombokはJavaでの開発をどう変えたか ● Javaの冗長性からある程度解放 ○ Getter/Setterの自動生成 ○
val/var による型推論 (純粋なJavaにもそのうちくるよね) ○ Builderパターンなどの自動生成
17.
lombokでなら @AllArgConstructor public class LombokSample
{ @Getter @Setter private String s1 = ""; } ‣ かなりスッキリ。 ‣ でも、まだ、余分な装飾がある ‣ Kotlinならより簡潔に class Test(val s1: String="")
18.
LombokはJavaでの開発をどう変えたか ➔ Javaでもある程度はハッピーになれたかも ◆ 関数がファーストクラスオブジェクトになれない ◆
関数がオブジェクトではない ◆ 荒ぶるlombok ● なぜかコンパイルが通らないことがあった ● eclipseがいうことを聞いてくれないことがあった
19.
不満はあってもJVM自体は悪くない ● API /
バイトコードの互換性の安心感 ○ 例: pythonの2 -> 3の互換性問題は悲しい ● Javaの豊富なライブラリ・ミドルウェア ● ビルド環境やディプロイなどの周辺環境 ➔ JVM言語で、Better Javaを探している
20.
JVM言語 ● Jython ● JRuby ●
Scala ● Kotlin ● Clojure ● Rhino ● … ➔ JVM言語はたくさんあるけど、ほしいものはBetter Java
21.
Better Javaとは ● 僕の不満を解消してくれてJavaからの学習コストが低いこと ○
関数・メソッドがオブジェクトである ○ val/varがあること ○ null安全性 ○ lombokのように荒ぶらない ○ 一つのファイルの中に複数のクラスを定義できる ○ いい意味でJavaっぽさも出せる
22.
これまでの社内でのJVM言語の利用 Javaがメイン Scalaがいくつかのプロダクトで利用
23.
Scalaは悪くない、でも、難しい… ● Python使いなので、implicitは好きになれない ● 言語が複雑 ○
Better JavaとしてJavaっぽくはできる ○ それは、プログラマの規約で言語が強制できない ○ 学習が容易ではない ● 型合わせゲームが好きになれない ➔ 僕が言語をちゃんと理解した気分になれない
24.
そこでKotlinですよ ● 言語自体はJavaとScalaの中間の子(私見) ○ Scalaプログラマなら数時間で学習できる ○
普通のJavaプログラマでも一週間ぐらいで学習できる ● Javaでの不満をある程度解消 ● Scalaほど複雑ではない
25.
Kotlin ● 2011年JetBrain社からKotlin登場 ● 2016年2月バージョン1がリリース ●
2017年GoogleがAndroidの開発言語に正式に採用 ○ 言語自体の良さとは別にAndroidの正式採用が選択の理由 ○ 開発者の母集団が増える = 教育コストの低減 ○ 言語自体の安定性の担保
26.
Kotlinの特徴とか文法とか ✤Javaとの相互運用性 ✤nullに対する安全性 ✤冗長性の排除 ✤あとは、ググってください
27.
開発環境・フレームワーク・ライブラリ とか
28.
開発環境(IDE) ● Eclipse ○ 僕は2005年ぐらいからEclipseユーザ ○
時々、壊れる ● JetBrainの製品(IntelliJ, Android Studio) ○ ちゃんと動く ○ ネットに落ちているJavaのコードをコピペすると、Kotlinのコードに自動で変換される ○ デバッグでシームレスにJavaの世界と行き来できる
29.
Webフレームワーク ● Kotlin製 ○ Ktor
→ JetBrain社製。 ■ 個人での開発ならOK ■ チームでの開発は未知数 ○ wasabi → Ktorに取り込まれた ○ Kara → JetBrainの人が開発。でも開発は続いているの? ● Java製 ○ JavaEE (Jerseyなど) ○ Spring Boot ■ Javaのフレームワークは実績や開発体制など安定感があって◎
30.
● Kotlin製 ○ Exposed
→ JetBrain製 ○ Kwery → 個人で開発 ○ kotoliquery → 個人で開発 ● Java製 ○ Hibernateなど色々 ➔ Exposedを使ってみた OR Mapper
31.
Exposedを使ってみた結果 ● spring-transactionで@transactionalアノテーションが使える ● kotlinっぽく書ける ●
バグが多い ○ データベースに書き込む時のスケジューラに問題 ● ドキュメントが不十分 ○ ソース読め ● 機能不足 ○ Array型がないなど ➔ 割といばらの道なので、Java製のORMを使った方がいい
32.
ビルド環境など ● maven ● gradle
+ Kotlin plugin ○ 既存のJavaのエコシステムに乗ります ○ + AllOpen plugin ■ SpringはDIの時に既存のクラスを自動で継承して拡張する ■ kotlinのクラスはデフォルトでfinal ■ pluginでkotlinのクラスをopen(継承可能)にする
33.
ここまでのまとめ ● フレームワークやライブラリはサーバサイドで利用するには未成熟か開発体 制が不十分 ● 無理をせずにJavaのエコシステムにのって広く利用されているものを利用す るのがよい ●
人柱になりたい人は、ぜひKotlin製のものを使うか、作ってください
34.
Kotlinを実際に使ってみて
35.
Kotlinのstream的なもの ● KotlinにはJava 8のStream
APIのようなメソッドがiterbleに定義 ○ mapやfilterなど名前や機能が似ている = かなり混乱する ○ kotlinのiterableのmapやfilterでは戻り値がList型になる ■ 常にListが生成されている。 ■ mapやフィルタのたびに、iterableの要素数だけループが回る ● それじゃ、StreamとKotlinのmapなど速度差はどれくれい?
36.
ベンチマークのテスト Stream list.stream() .map { it
+ 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } .collect(Collectors.toList()) Kotlin list .map { it + 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } listは0から10,000,000のIntの配列
37.
ベンチマークの結果 ← 縦軸はmsec ● チェーンをたくさん繋げるとやっぱり kotlinは遅くなる ●
少なければ誤差の範囲内 ● kotlinはstream()とtoList()は書かなくても よいので、少し楽 ● 速度を求めるならstream() ● コレクションの大きさとチェーンの数に よって使い分けるべき
38.
KotlinのItearable.map/filterなどは遅いが… ● Iterableではなく、Sequenceとして扱うこ とでJavaのStreamと同等の速度になる ○ Sequenceにすることで、mapのたびにい リストを作らずに、ループの回数がリスト のサイズと同等になる。 list.asSequence() .map
{ it + 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1 } .map { it + 1 } .map { it - 1} .map { it + 1 } .toList()
39.
annotationの違い ● scalaも基本は同じ ● コンストラクタ、メンバー変数のval/varはフィールド定義・getter/setterにな る ●
アノテーションをつける時にどこに対してアノテーションをつけるか明示し ないといけない
40.
アノテーションの例 class Example(@field:Hoge val
foo, // field @get:Hoge val bar, // getter @param:Hoge val buzz) // パラメータ ケースによっては @get:Hoge @param:Hoge val foo のように同じアノテーションを複数つけなければならない
41.
letの使いすぎ ● if文でnull判定するのを悪だと感じてしまう ● 複数の変数を?.let
(JavaのOptional.ifPresent的なもの)で判定して入れ子にす る
42.
こんな感じ return someBar?.let {
bar1 -> otherBar?.let { bar2 -> bar1 + bar2 } ?: 0 } ?: 0 return if (someBar != null && otherBar != null) { someBar + otherBar } else { 0 } if文を使っても負けじゃない!
43.
デフォルト引数とDI ● DIはKotlinで書いたクラスのオブジェクトを自動生成する ● コンストラクタにデフォルト引数を設定すると、自動生成できない ○
Javaの世界からKotlinのデフォルト引数が扱えない ● @JvmOverloadsをつけてあげる
44.
不満なところ ●ElixerのPipelineのようなものが欲しい ●()は省略したい ●Javaのクラスにstaticなメソッドも生やしたい ●lombokのようにbuilderパターンを簡単に実装したい
45.
結論 サーバサイドでも 問題なく Kotlinは使えます
46.
おしまい
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