2009-10-23 FITEA最新技術ミニセミナー http://fitea.org/?p=112

1. 最新C#動向と関数型言語Haskell
～命令型/静的プログラミングから
関数型プログラミングへのシフト～
十
月
二三
日
（金
）
日直
小島
富
治
FITEA最新技術ミニセミナー雄

2. 自己紹介
2

3. 3

4. FITEA
福井情報技術者協会[FITEA]
http://fitea.org
4

5. マイブーム
自転車通勤
“bicycle commute”
ジャグリング
“juggling”
英語の勉強
“learning English”

6. アジェンダ
マルチパラダイム!
関数型プログラミング!
C# vs. Haskell!

7. マルチパラダイム!

8. プログラミング言語のトレンド
マルチパラダイム

9. マルチパラダイム
関数型
⇔ 手続き型
⇔ オブジェクト指向型
宣言型⇔ 命令型
動的型無し⇔ 静的型付き
Generic
並列プログラミング
9

10. (噂によると、マルチパラダイム
な言語として、
“Scala ”
というのが
いけてるらしい。)

11. 背景
マルチパラダイム
プログラミングが現実的に。
• C# など言語の進化
• Visual Studio などツールの進化

12. C# は、
最新のものほど、
マルチパラダイム
プログラミング言語化

13. C#の進化
C#1.0
C#2.0
C#3.0
C#4.0
オブジ
ェクト
指向!
ジェネ
リック!
宣言型!
関数型!
動的!
並列処
理!

14. 並列プログラミング
14

15. ムーアの法則の破れ
15
「半導体に集積される
トランジスタの数は
18～24カ月ごとに
「今から10年後、15年後に、
われわれは極めて根本的な
問題に直面する」
2007/09/18
倍増する」
ムーアの法則1965
ゴードン・ムーア
(インテルの共同創業者)

16. マルチコアCPU
16

17. プログラマは
どうすればいいか
17
James Hughes氏
(サンマイクロシステムズ副社長)
マルチスレッディング
を有効に活用するため
の並列プログラミング
技術が必要
2008/12/03

18. 宣言型プログラミング
“What” を記述
⇔ 命令型プログラミング
•“How” を記述
(C# ２.0以前など)

19. 各のパラダイムの限界
手続き型の限界
オブジェクト指向の限界
→ 適材適所のパラダイム
→ マルチパラダイム
19

20. Q.パラダイムによって
ソースコードは
大きく変わる?

21. デモ
命令型・オブジェクト指向型
• 例. “OOPアンケート”
宣言型・関数型
•例. “FPアンケート”

22. まったく同じ
実行結果だが…

23. 美しさが異なる
保守性が異なる
•変更容易性
•テスト容易性

24. 別の例

25. アセンブリ言語
mov dx, msg
mov ah, 0x09
int 0x21
xor al, al
mov ah, 0x4C
int 0x21
msg db "Hello World!$"

26. を、なんで

27. C#
class Program
{
static void Main()
{
System.Console.WriteLine("Hello World!");
}
}
printfn "Hello world!"
F#

28. のように書く
ようになってきたのか?

29. 「動けばいい」のなら、
どっちでも良いはず。

30. 何の違いが
ソースコードの違いを
生むのか?

31. ソースコードが異なる
↑
プログラマーが
意図したモデル
が異なる。

32. モデル
(＝関心のある/コミュニケーション
したい部分を抽出したもの)
の記述により近いもの
が使われる。

33. 私の認識

34. プログラミング
というのは、実装のみを行う
のではない。

35. プログラミング
は、
「設計＋実装＋テスト」。

36. プログラミング
というのは、
「検証可能な
設計/実装モデル」
を作ること。

37. プログラミング
という行為は
モデリング。

38. モデリングなので、
モデリングのための
言語・ツールが重要。

39. プログラミング言語が重要
モデルを書くのに適した言語
• 進化したC# など

40. 「プログラミングで
作られるモデル」
＝ソースコード
(が理想)

41. モデルとは
そのコンテキストでの関心事を
抽出したもの。
モデルの目的:
•関心事に限定した
コミュニケーション。

42. 誰とのコミュニケーション?

43. ソースコードで誰とコミュニ
ケーションするのか?
古くは:
• コンピュータとコミュニケーション
時代が進んで:
• コンパイラとコミュニケーション
今は:
• 人とコミュニケーション
• 人=ステークホルダー

44. プログラミングでは:
Q. 何をモデリングするのか?
＝何を関心事として抽出するか?
A. 意図をモデリング。
意図がソースコード(＝モデル)
で表現されるべき。

45. 例

46. 例えば…
C# では、
「従業員名簿内の全ての各従業員を
画面に出力する」
のソースコードは、
従業員名簿.ForAll(各従業員=> 各従業員.出力(画面));
と書かれたりする。
宣言型プログラミング

47. なんで
従業員名簿.ForAll(各従業員=> 各従業員.出力(画面));
このソースコードが、
for (int i = 0; i < 従業員名簿.Count; i++)
出力(従業員名簿[i]);
より良いか? 命令型プログラミング

48. 「この場合は」、
「整数i を0 にし、i が従業員名簿のCount ま
での間、i をインクリメントしながら、従業員名簿
のi 番目を出力」
という意図のモデルじゃなく、
「従業員名簿内の全ての各従業員を
画面に出力する」
のモデルだから。

49. つまり、
「従業員名簿内の全ての各従業員を
画面に出力する」
のモデルとしては、
従業員名簿.ForAll(各従業員=> 各従業員.出力(画
面));
の方が(ベストではないが) ベター。

50. もし仮に、
「整数i を0 にし、i が従業員名簿のCount までの間、
i をインクリメントしながら、従業員名簿のi 番目を出力」
という意図のモデルだったら、
for (int i = 0; i < 従業員名簿.Count; i++)
出力(従業員名簿[i]);
の方が、ベター。

51. よりピュアなモデルが
書けている方がベター。

52. モデルがピュアである
ことが重要か?
そう。
モデルはピュアであることが重要。

53. なぜならば、

54. モデルとは
「関心事を抽出したもの」
だから。

55. 例えば…
「従業員名簿内の全ての各従業員を画面に出力する」
が意図なら、
for (int i = 0; i < 従業員リスト.Count; i++)
出力(従業員リスト[i]);
の場合、
「int」、「i」、「=」、「<」、「Count」、「i++」、「[i]」
は「意図以外」のもの。
(＝モデルにとっては「ノイズ」)

56. 「この場合は」、
for (int i = 0; i < 従業員リスト.Count; i++)
出力(従業員リスト[i]);
よりは、
命令型プログラミング
従業員リスト.ForAll(各従業員=> 各従業員.出力(画面));
の方がノイズが少ない。
(=SN比が高い)
宣言型プログラミング

57. どんな風に
プログラミング
したいか
57

58. どんな風にプログラミングしたいか
シンプルに書きたいこと
だけを書く
•モデル記述
(モデル＝ 関心事が分離されたもの)
58

59. どんな風にプログラミングしたいか
CPUに指示するようでなく
コンパイラに指示するよう
でなく
人が人に話すように
59

60. そのためには

61. 状況に適したパラダイムの採用
手続き型プログラミング
⇔ オブジェクト指向型プログラミング
⇔ 関数型プログラミング
命令型プログラミング
⇔ 宣言型プログラミング
テキスト型プログラミング
⇔ 図解型プログラミング
ジェネリック・プログラミング
並列プログラミング
などの組み合わせ

62. 関数型プログラミング!

63. 関数型言語
純粋ハイブリッド
静的型付けHaskell Scala
動的型付けScheme
C#
OCaml
F#
Erlang
LISP

64. 関数型プログラミング
宣言的
数学的

65. 関数型プログラミング
プログラムは関数の集まり
⇔ 手続きの集まり
⇔ オブジェクトの集まり

66. 関数型プログラミング
関数脳が必要?
⇔ 手続き脳
⇔ オブジェクト脳

67. 見える化
してみた

68. Haskellの脳内
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数
関数

69. C#の脳内
物
物
物
物
物
物
物
物
物手続
関数関数
物
物
物
物
物
物
物
物
手続
手続
手続
物
物
関数

70. より
分かりやすく
見える化

71. Haskell
たん

72. C#たん

73. 関数型プログラミング
代入文がない
•副作用がない
•状態を持たない

74. 関数型プログラミング
参照透明
•実行順序を気にしなくてよい
•副作用がないので、いつどの
式を評価しても同じ
•制御フローがない

75. C# vs. Haskell!

76. C# vs. Haskell
C# はHaskell に
近づけたのか?

77. C#
マイクロソフト社によって
同社の.NET戦略の一環とし
て開発されたオブジェクト
指向プログラミング言語

78. Haskell
純粋関数型言語。
名前は、米国の数学者
Haskell B. Curry に由来。

79. Haskell
遅延評価
強い静的型付け
型推論
静的多相型付け
高階関数
参照透過性
再帰的関数
副作用がない
パターンマッチング
カリー化

80. Haskell
『ふつうのHaskell
プログラミング
ふつうのプログラマのため
の関数型言語入門』
392ページ
ソフトバンククリエイティブ
2006/06/01

81. Haskell
『Real World
Haskell
―実戦で学ぶ関数型言語
プログラミング』
720ページ
オライリージャパン
2009/10/26

82. 第一試合.
再帰的関数
お題
「階乗」
•サンプル“Factorial”

83. 第二試合.
パターンマッチング
そのままサンプル
“Factorial”

84. 第三試合.
遅延評価
お題
「無限長のリストを扱う」
•サンプル“YieldSample”

85. 第三試合.
遅延評価
お題
「一から十まで足す」
•サンプル“Sum”

86. 第四試合.
宣言的プログラミング
お題
「クイックソート」
•サンプル“QuickSort”

87. 参考: クイックソート
5 3 8 2 9 1 6 4 7
3 2 1 4 5 8 9 6 7
2 1 3 4
1 2
6 7 8 9
6 7

88. ご清聴ありがとう
ございました