介護不安の大きな要因は時間と負担 時間は本人がどういう最期を迎えたいのか決めることで決まる 負担は国が用意している医療保険と介護保険を適切に使うことで軽減できる

1. 介護の不安はどこから
来るのか？
公益財団法人 慈愛会
認知症疾患医療センター 谷山病院
介護老人保健施設 愛と結の街
黒野 明日嗣

2. 自己紹介

3. 介護の不安はどこからくる？

4. 介護する期間が伸びた
昔の高齢者は元気か死ぬ間際の２通り
現在の高齢者は元気か、虚弱または病気、死ぬ間際の３通り

5. いつまで続くのか？
手厚い医療をすればするほど伸びていく
呼吸が弱くなった → 人工呼吸器
食事が摂れなくなった → 胃瘻
血圧が下がった → 昇圧剤
尿が出なくなった → 利尿剤、バルーンカテーテル
etc

6. 昔はあまり考えなくてよかった
介護を家族がしないといけないので大変だったけど。。。
介護が必要になっても半年ぐらいで亡くなっていた
受けられる医療の選択肢がなかった

7. 今の時代しなければいけないこと
それは。。。

8. 手厚い医療は必要か？

9. どうするか決めているか？
もしあなたが人工呼吸器がないと生きられない状態になったら
もしあなたが胃瘻でないと生きられなくなったら

10. 手厚い医療を受けるか否か
決めるのは本人

11. どのくらい伸びるかは

12. 大事なこと

14. 選択するときに必要な情報
認知症診療における適切な情報提供と対応 : 患者と家
族の安心と納得を左右する要因
首都大学東京 繁田ら 2011.11.

15. B. Reisberg, et al.: Springer-verlag, 18-37（1985）より引用
FAST：Functional Assessment Staging
●同じことを何回も言う、聞く
●しまい忘れや置き忘れが目立つ
●夕食の準備や買い物で失敗する
●季節に合った服を自分で選べない
●お風呂に入ることを時々忘れる
●家の近所以外では迷子になる
●服を着る時に手助けが必要
（靴ひもが結べない、シャツの袖やえりのボタンを自分で留め
られない、左右間違えて靴をはく など）
●入浴の際に手助けが必要
（お風呂に入るのを嫌がる、お湯の温度、量の調節ができない、
自分で髪を洗えない、お風呂から出てもきちんと体を拭けない）
●お手洗いの後、水を流すのを忘れる
●失禁
FAST４：
軽度のアルツ
ハイマー型認知症
FAST５：中等度のアルツハイマー型認知症
FAST６：やや高度のアルツハイマー型認知症
FAST７：高度のアルツハイマー型認知症
認
知
症
症
状
の
強
さ
罹病期間
軽度ＡＤ
２年間
中等度ＡＤ
1.5年間
高度ＡＤ
５年間
ＦＡＳＴによるアルツハイマー型認知症の自然経過
ART329008A

16. 介護不安の正体

17. 大事なこと

18. 国が用意している仕組み 医療保険と介護保険

19. 医療保険
国民皆保険は世界でも珍しい仕組み
すべての人が平等に医療を「受けようと思えば」受けられる
医療を受けるか受けないかからまずは考える
医療を受けないという選択肢も世の中にはある

20. 介護保険
介護を個人の負担から社会の負担へと変えた素晴らしい仕組み
皆でお金を出し合って介護負担をお互いに減らす仕組み
家族の介護負担が増した場合、この仕組を上手に使えば、その負担を軽減す
ることが出来る
介護保険は生活を支える仕組み

21. 介護老人保健施設とは？
在宅と病院の中間施設
在宅に帰る準備をする施設
在宅生活を支援する施設

22. 多職種がいる＝よろず相談可能
医師、看護師
社会福祉士
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
管理栄養士
介護福祉士
歯科衛生士
介護支援専門員

23. 生活の問題を解決する：入所編
介護保険を申請し、要介護度１以上であれば利用可能
入所するのに理由は必要ないが、目的は必要
目的を達成するために専門職が協働でサポートする
なにか一つでも自立できることはすべてのご利用者の目標

24. 生活の問題を解決する：通所編
介護保険を申請し、要支援１以上であれば利用可能
どういう暮らしがしたいのかによってリハビリが変わる
最近の共通する目標はサルコペニア対策
体を動かして栄養を摂る事が大事

25. 地域包括ケアシステム
医療と介護は両輪

27. ケアマネジャーの役割
介護保険を申請し、要支援1以上でケアマネジャーと契約できる
ケアマネジャーはどういう暮らしをしたいのかを一緒に考える
その実現のために必要なサービスをコーディネートする

28. 介護不安を吹き飛ばすには