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- 1. 英語教育 リサーチメソッド 第２回 April 22nd, 2014 亘理 陽一 eywatar@ipc.shizuoka.ac.jp
- 2. 第2回: リサーチのデザインと準備(1) • 前回の感想から • タスク：模擬質問紙調査／Google Formの活用 ／論文検索実践 • 講義：質問紙の基礎知識／文献の種類と検索 方法 • 課題2
- 3. Questions & Feedback • 今日のパワーポイントは亘理先生のFacebook 等でまた見ることが出来ますか？ • 卒論など研究を進める上で、調査・実験・実 践を組み合わせたようなアプローチの仕方が あったりするのだろうか、疑問に感じた。 • 質的研究で追試試験を可能にするためにはど うしたらよいですか。
- 4. 外国語教育研究の立ち位置(テキスト, p. 8) 実践 質 的 研 究 量 的 研 究 科 学 一方，経験豊かで熱心な教師が記した実践書には，芸術的ともいえる 教育実践がまとめられているものの，直感にもとづいたものも数多くあ の習得順などを厳密な科学的アプローチで解明しようとします。そのな かで得られた知見は実践に一部影響を及ぼしますが，学習法や指導法を 考える外国語教育研究とは別ものであるとみなす研究者もいます（白畑・ 若林・須田，2 0 0 4 ) 。しかし，第２言語習得研究の分野でも，学習法・指 導法を対象としている研究が数多く存在するため( 村野井，2 0 0 6 ) ，第２ 言語習得研究と外国語教育研究は，重複している部分が多くみられると 考えるべきでしょう。 ＝＝＝ー−−牢一一一ら−℃‐白幸一 実践書 ▲角一一一一一一一一一一一←●Ｐ‐ 一 諦 職 一 一 一 一 得 一 一 第 習 一 一 一 一 ﹄ ゴ 毎 へ 夕 や グ 奄 夕 、 ▲図１−２外国語教育研究の立ち位置（柳瀬, ２００６を−部改変）
- 5. Questions & Feedback • データに関連することは、数学が得意でな いと難しいのか。 • エクセルを使う自信が全くありません。初歩 的なことから教えて下さい、お願いします… • 亘理先生はAll Englishに賛成ですか、反対で すか。理由も知りたいです。
- 7. Questions & Feedback • 亘理（2011）: イギリスの研究事例をもとにAll in Englishのメリット・デメリットを考察 • 教師のL2使用量と学習者のL2使用量に相関なし • ただしL2の使用量8割以上の教室での話; 日本は… • L1の完全な排除は非現実的でデメリット大 • 教える際の使用言語は教師が自分で決めるべきこと
- 8. Questions & Feedback • 亘理（2011）: イギリスの研究事例をもとにAll in Englishのメリット・デメリットを考察 • 教師のL2使用量と学習者のL2使用量に相関なし • ただしL2の使用量8割以上の教室での話; 日本は… • L1の完全な排除は非現実的でデメリット大 • 教える際の使用言語は教師が自分で決めるべきこと
- 10. Questions & Feedback • 亘理（2014）: All in Englishでできるかできな いかではなく、どのように英語で展開できる かが大事 • 理解可能なインプットを与えるために • 粘り強くL2で • 複雑な指示はためらわずL1で
- 11. リサーチのデザインと準備(1)（テキストp.5） は得られないものです（統計分析でよく使われるG a r b a g e ｉｎ，g a r b a g e o u t . つまり，「ゴミを入れてもゴミしか出てこない」という用語からもわ かります) 。（５）で解釈し，論文や発表でまとめることにより，一連の流 れは完了しますが，そこで出てきた問題点や，新たな課題をもとに，次 の研究に発展きせることが多いため，( 2 ) に戻ることになります。 ( 1 ) 大きな研究テーマの決定 ( 2 ) 先行研究の洗い出し 具 体 的 な テ ー マ の 決 定 ( 3 ) データ収集 ( 4 ) データ分析 EJE三三二 ( 5 ) 解釈 ▲図１−１一般的な研究の手順 計画の段階でもう１つ大切なことは，どのようなデータを収集するかだ けでなく，その分析方法までも計画しておくということです。分析方法
- 12. Task 1
- 13. 課題1-1 • Task 1のQ1で書いた内容について知りたいことを 「調査」できるようなアンケート考える • 3つ以上5つ以下の質問（聞き方は自由） • 関連する内容についてでも可 • p. 6またはコピーを4月22日の授業に持参（終了時に 提出）
- 14. Task 1 • 模擬質問紙調査 • 課題1-1で作成したア ンケートをグループ メンバーに実施 • 時計周りに回して、 同時並行的に • 3分×3セット
- 15. 質問紙法の長所 • 個人の内面を幅広くとらえることができる • 短時間で多人数に実施することができる • 比較的費用がかからない • 調査対象者が自分のペースでよく考えながら 回答できる
- 16. 質問紙法の短所 • 個人の内面を深くとらえることが難しい • 例. 英語を好き・嫌いになったキッカケ、留学体験 • 調査対象者の防衛的な態度を反映しやすい • 例. 好き嫌い、苦手(意識)調査 • 文章を使用することから生じる制限がある • 例. 大学生対象 vs. 小学生対象
- 17. 構成概念＞下位尺度＞質問項目 • 構成概念: 直接的な観察が困難で、理論的に定義する概念 • 例．スピーキング能力、読解力、Demotivation factors • 下位尺度: 全体としてある1つの構成概念を表現するもの • 質問項目: 1つ1つの質問と選択肢のセット • 質問紙: 一連の質問項目の集合体 • どのような意味のまとまりを想定するか
- 18. 構成概念＞下位尺度＞質問項目
- 19. 類型論・特性論 • 類型論: 何らかの原理に基づいてタイプ（類型）的なものを 見いだし，その構造を明らかにしようとする考え方 • 例. 学習スタイル like 勇者、戦士、魔法使い • 特性論: 細かい複数の基本単位（特性）に分け，その組み合 わせによって全体を説明しようと試みる考え方 • 例. 学習不安、動機づけ like 攻撃力、防御力、素早さ、運 • 下位構造、並列構造、平面構造、…≒モデル
- 20. データとは • 変数：個人や状況によって値が変わるもの • カテゴリー変数：「分類」する変数（Q4） • 数量変数：「量の大小」が問題になる変数 • 離散変数…値がとびとび • 連続変数…値が連続
- 21. 項目作成の際の注意点 • 妥当性 • 測りたいものを測ろうとしているかどうか • 信頼性 • 安定して（ゆらぎなく）測れているかどう か
- 22. Task 2
- 24. Task 2 • Q1. 今のあなたの通学時間 • Q2. あなたの態度を一番よく表すと思う数値 • Q3. いわゆる４技能（読む，書く，聞く，話す） を，あなたが外国語学習において重要だと思う順番 • Q4. 中学生の時に授業で使っていた教科書
- 25. 項目作成の際の注意点 • 項目は測定したい構成概念を適切に反映できているか • 項目はわかりやすいか • 回答を誘導するような質問はないか • 項目数は適切か • 選択肢の内容と数は適切か • 逆転項目の有無
- 26. 質問項目の種類 • 回答選択式項目 • 評定尺度: リカート、意味微分、数量評定、正誤 • 多肢選択式項目（Q4） • Openなカテゴリーの場合、必ず「その他」を設ける • 順位尺度項目（Q3） • 数値項目（Q1） • チェックリスト
- 27. 質問項目の種類 • 回答選択式項目 • 評定尺度: • リカート尺度（Likert scale）（Q2） • 意味微分法: この授業は 退屈だ・ ・ ・ ・ ・楽しい • 数量評定尺度: ＿＿ この授業が好きだ。 • 正誤項目: この授業は楽しい（ はい ／ いいえ ）
- 28. 質問項目の種類 • 回答記述式質問 • 欠点: 回答に時間を要する、コード化が難しい • 限定的記述項目: 普段いつ英語を使う？どの位の時間？ • 具体的質問項目: 簡単にその理由を… • 文章完成式項目: 今日の授業は • 短文回答項目: 英語の一番好きなところはどこですか？
- 29. 文献の種類 • 一次文献(primary studies): • 調査・実験などの研究を通じて得られた直接的な知見（をま とめて解説したオリジナルの情報 • 主として研究論文in学術誌 • 二次文献(secondary studies): • 一次文献を探し出すための文献・目録・データベース • 主として図書，情報誌・専門誌の記事，Web上のデータ ベース
- 30. 研究論文の見つけ方 • CiNii（国内論文） • Web of Science等データベース（海外論文） • Science DirectやWiley Online Libraryも有用 • Google/Google Scholar • 各大学のリポジトリ • Academia.edu/Research Gate/個人Webページ
- 31. 例題
- 32. 例題 • 1. CiNiiで，水本篤先生の論文は（ ）本 見つかる。 • 2. CiNiiで，「外国語活動」というキーワードで 検索すると（ ）本の論文が見つかる。 • 3. CiNiiで，「 」というキー ワードで検索すると（ ）本の論文が見 つかる。 21 700
- 33. 例題 • 4.Web of Scienceで“grammar teaching”というトピックを検 索した時に最初にヒットするのは， • 5.Mizumoto, A. (2013). Effects of self-regulated vocabulary learning process on self-efficacy. (雑誌タイトル), 7, 253-265. • 6.Mizumoto, A., & Takeuchi, O. (出版年). Examining the effectiveness of explicit instruction of vocabulary learning strategies with Japanese EFL university students. Language Teaching Research, (巻号), (ページ).
- 34. 例題 • 4.Web of Scienceで“grammar teaching”というトピックを検 索した時に最初にヒットするのは， • 5.Mizumoto, A. (2013). Effects of self-regulated vocabulary learning process on self-efficacy. Innovation in Language Learning and Teaching, 7, 253-265. • 6.Mizumoto, A., & Takeuchi, O. (2009). Examining the effectiveness of explicit instruction of vocabulary learning strategies with Japanese EFL university students. Language Teaching Research, 13, 425–449.
- 35. 研究情報のリソース • もったいないのでどんどん活用しよう！ • 順序としては… • 図書・情報誌・専門誌→（大きな研究テーマの決定）→ • 図書・学術誌→（先行研究の洗い出し・具体的なテーマ の決定）→ • 学術誌・図書→（実験・調査・実践）→（学術誌・図 書）→…
- 36. 洗い出しのプロセス • 芋づる式: • 検討した論文で引用されている論文を っていく • ローラー作戦式: • 同一著者・同一トピックについて網羅的に当たっていく • その後どうなったん式（ちょっと高度）: • 検討した論文を引用している論文を探して当たっていく
- 37. 課題2 • 1. Task 1のQ1で書いた内容or関心のあるテーマについ てキーワードを設定・明示し、学術誌を検索し英語の 一次文献を3本（以上）リストアップする • 日本語の一次文献の場合6本（以上） • 2. 検索したタイトルとアブストラクトを読み，表の観 点に沿って各論文の概要をまとめる • ファイルを提出、コピーを一部5月8日の授業に持参
- 38. 連絡 • テキスト第17章を読んでおく（予習） • 課題2提出 • 次回5月8日: リサーチのデザインと準備 (2) • 教室: B217 • 課題1-2を出します