北海道の南部、道南地区で自治体DXの話をした際の資料(再編版)です。 なお、中で利用している画像については、ライセンス上、私のみに利用権がある画像がございます(ユーザー登録等の要件)。ご自身で本資料をご参照する以外は https://www.ac-illust.com 等のライセンスをご確認ください。

1. 道南ではじめるこれからの自治体DX
一般社団法人コード・フォー・ジャパン
山形巧哉

2. • 一般社団法人コード・フォー・ジャパン
• 内閣官房オープンデータ伝道師
• 総務省地域情報化アドバイザー
• 一般社団法人 モリラボ 理事
• 森町役場
主な所属

3. • 2016年経済産業省 行政分野のデジタルファースト推進研究会委員
• 2017年内閣官房 自治体サブワーキンググループ委員
• 2018年総務省 課題解決型自治体データ庁内活用支援事業有識者
• 2018年総務省 オープンデータ地域メンター(継続)
• 2018年経済産業省 新公共サービス研究会委員
• 2018年VLED データ運用検討分科会(継続)
• 2019年総務省 自治体システムデータ標準連携検討会構成員
• 2020年内閣府 データ活用サイクル検討会構成員
• 2021年北海道 デジタル人材育成・確保ワーキンググループ構成員
主な行政委員等

4. コード・フォー・ジャパンについて

5. オープンテクノロジー・オープンマインドで
ともに考え、ともにつくる社会
!"#$%&'(%)*+,

6. 公共モデルを「依存・対立」から「共創」へ
住民
行政

7. そのひとつに「シビックテック」

8. Kenjiro Higashi

9. なまらざっくりいうと
IT化された町内会活動みたいなもの

11. 政府が進めるデジタル政策の
重要なプレイヤーとされている Kenjiro Higashi

12. シビックテックがざっくりとわかる動画を
ご覧ください
（３分）
https://www.youtube.com/watch?v=lOx4q346aRw&t=22s

13. もちろんCode for Japan以外にも
多くの事例があります

14. 北海道森町版
シビックテック例：
行政が公表するデータを利用し作成
http://5374.jp

15. シビックテック例：
シビックテック的アプローチにより作成開始
https://higumap.info/

18. 行政関連事業の実績としては

19. 東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトの受注
システム開発・運営

20. 地域フィールドラボ
官民連携

21. 職員研修

22. 自治体のデジタル化に関する相談

23. Maptiles by MIERUNE, under CC BY. Data by OpenStreetMap contributors, under ODbL.
• 福島県西会津町
• 静岡県裾野市
• 静岡県浜松市
• 兵庫県芦屋市
• 兵庫県神戸市
• 兵庫県加古川市
市町村との連携協定

24. 企業との連携協定

25. 自治体DXとはなにか

26. 総務省が2020年12月に発表した
「自治体DX推進計画」を
知っていますか？
問

27. 古くは2001年から始まっている日本のICT戦略
しかし、ことごとく失敗した「行政への実装」
ICT施策は諸外国から周回遅れになり
国際的競争力も落ちている
解

28. 解
これに終止符を打つべくして国は
「デジタルガバメント実行計画」を策定
その中でも
「自治体が重点的に取り組むべき」
事項・内容を具体化した計画

29. しかし日本の自治体というところは
それでも動かないので

30. デジタル庁の創設も発表
※これまでと本気度が違う

31. さらに実施に向けた手順書までだした

32. 実施手順では
• 自治体がデジタルシフトするための手順書
Ø 全体手順書
• 自治体が全国統一した情報システムを導入するための手順書
Ø 情報システム標準化・共通化手順書
• 住民の手続きをオンライン化するための手順書
Ø 行政手続きオンライン化手順書
この３つが示されており

33. 本日は主に 「全体手順書」 を中心にお話します

34. 自治体DX全体手順は
ステップ分けされていて

36. スタートラインにいる

37. そういえば
実は私、この全体手順書の策定の
お手伝いをしておりまして
この前総務省さんと
少し話をしていたんですが…

38. スタート地点
みんなで
頑張って
いきましょう!

39. 上司の理解ガー
首長の理解ガー
仕事ガー
市町村担当
スタート地点
みんなで
頑張って
いきましょう!

40. 理解ガー という前に
みんなちゃんと説明したのかな?
上司の理解ガー
首長の理解ガー
仕事ガー
市町村担当

41. 多分仕事が多岐に渡りすぎていて
説明自体を「コスト」と感じていて
後回しになっているだけなのかも?

42. なので
そもそもDXのスタートラインにすら立てていない
可能性も十分にある

43. しかし、国は期限を決め、必ず自治体が
取り組まなければならない要件も発表
基幹(住民票や税務・介護等)システムの全国共通化
よく使われる申請のインターネット化
基幹系17業務を2025年度までに(国費10/10)
マイナカード利用が想定される31手続きを2022年度末までに(国費1/2)

44. もう手をつけていかないとまずい。

45. しかもこれは
「各市町村の情報担当がだけがやれば良い」
という話では無い

46. ICT=情報担当
この考えを抜本的に見直さなければならない時期

47. でも、むずかしいですよね。ICT。

48. なので今日は
なんとなく「なぜ自治体DXなのか」を理解し
明日から行動を起こせるように
していければと思います

49. なぜデジタル?まずは頭の体操をしてみよう

53. この３つの共通点

55. Business Subway by Mike Murry Follow is licensed under CC BY-SA 2.0
2006年-東京の地下鉄

56. File:電車内スマホ 2016 (30334955280).jpg by tilex is licensed under CC BY 2.0
2016年-東京の地下鉄

57. みんなスマホ

58. いまや生活に「スマホ」「インターネット」は
切り離せない存在になりました
📱

60. 個人のネット利用率
約8割

61. 年齢階層別の
インターネット利用率を
みると
13歳～59歳までの各階層で
利用率が9割を超えている

62. 参考：情報通信白書のインターネット利用率を
森町の人口構成に当てはめたもの 2021/8現在
ほとんどの人は、何らかの形でネットにアクセスできると言っても良さそう
（得意不得意は別として）

63. 多くの都道府県でスマホでのネット利用が60%前後(全国68.3%)

64. 道内のスマホ利用割合を
森町の人口に当てはめた
場合 (6歳〜

65. 家にパソコン無いんすよー
そのくらいスマホ普及してます

66. ではスマホで何をしている?

67. 世界でアクセス数の多いウェブサイトトップ100

68. photo:Adityamadhav83 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:CRT_Monitor_2014-01-01_23-42.jpg
パソコン時代

69. By http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/custom/2006/03/31/CU2006033101136.html
2005年
検索サイト
ニュース
ショッピング
メール
企業

70. スマホ時代

71. By https://www.visualcapitalist.com/ranking-the-top-100-websites-in-the-world/
2019年
検索サイト
SNS
動画
Wikipedia
アダルト

72. 行動がよりパーソナライズされ始めている

73. すなわちこれは

74. みんなの「ポケットの中」に
「生活が入りこんだ」といってもよさそう

75. ここまで来た
世の中の変化のスピード感がすごい
🏃

76. むかしむかしは
のろしや鳩から
通信はスタートした
PD Remington The Smoke Signal 1905.jpg

77. 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020
・・・・・
はるかな太古
情
報
量
数千年

78. 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020
・・・・・
はるかな太古
情
報
量
数千年 100年

79. スマホの登場

80. 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020
・・・・・
はるかな太古
情
報
量
数千年 100年
たった１０年で有史の技術が全て集約
爆発的に大量の情報へアクセスが可能に
10年

81. ここから飛躍的に社会は変わり
ICTをマウスではなく指で扱う時代に
普段の生活にIT馴染み始めた
身近にITの社会実装が始まった

82. どのくらい身近かといえば

86. このように
僕たち(=消費者)の「日常生活」上は
いわゆるDX(デジタルシフト)が
相当進んでいる
（得意不得意は別として）

87. これは
東京でも北海道でも道南でも一緒
都会・田舎関係無い

88. そんな中
「社会生活基盤情報」を持つ
役所の仕組みはどうでしょうか？
🤔

89. 1880 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020
・・・・・
はるかな太古
情
報
量
数千年 100年 10年

90. ※現在の役所のイメージ

92. いよいよ社会と行政の歪みが大きくなってきた

93. ICTサービスを当たり前に使う我々消費者
そのサービスを作り上げた超巨大企業
行政や地方の中小企業
大きな溝
社会と行政というよりも

94. では、なぜこんな歪みが生じたのだろう
🤔

95. これまでDXを邪魔してきたもの

96. 「ニーズをしっかりと掴むことができていなかった」

97. 都会も田舎もICTに関するニーズは
同じくらいの割合であると推測される

98. しかし
母集団が少ないため
割合は一緒でも少なく見える
このため
「ないがしろ」にされがち

99. 特にICTは若年者が使うものとされていたため
政治的にも票田では無いのも事実

100. 結果こんな感じになってしまいました

101. 行政や地方の中小企業
ICTやネットなんて
誰も使えん誰も使わん
若者だけだろ
いらんいらん

102. 一般的な人
ここ、オンラインで予約す
らできねえのかよ
今時電話ってなんだよ
いまの世の中常識だろ

103. 一般的な人
おじいちゃん・おばあちゃん
の手続きを代理でしたいの
に電子申請できないってど
ういうこと

104. 一般的な人
仕事の手続きがしたいんだ
けど、どこを調べても役場の
ページに載ってないからわ
ざわざ電話するの辛い

105. ギャップ

106. さらに、たまに勘違いも

107. デジタル化？
SNSやっときゃいいんだろ
企業

108. このギャップを
埋めなければならない
そういう「こころざし」を
持つ人もいる
やったるで

109. しかし行政や地方の中小企業の
内部を見てみると

110. >
ICTなんて誰も使えん
誰も使わん若者だけ
だろいらんいらん
はいそうですね
すいません
こんな構図が見え隠れする
管理職 一般職員

111. さらに地方には中小企業が
役場に「わがままに」依存する傾向もある

112. ＝
ICTなんてうちの会社
で使えない。紙にして
こんな構図も見え隠れする
企業 役場
んもう、しょうがないなあ

113. なので役場が変わらないと
地域が変わらない
結果悲観した人は
住みやすいところに移動したり
アンチになります

114. これがこれまでの「地方」です

115. 人が少なくなるので
ICTを活用した商業を模索しても
誰も助けてくれない
結果企業も出ていきます

116. これがこれまでの「地方」です

117. 働き口が少ない
働き手が少ない
結果役場に要求が来ます
依存率が高まります

118. これがこれまでの「地方」です

119. 最終的には町内会全部
役場でやってくれと
完全依存になります

120. これがこれまでの「地方」です

121. 本当は町内会なども、例えば
「連絡がチャットになる」
「Zoomで役員会」
などが可能なら、まだ若い人も参加しやすい

122. また、商業は
ふるさと納税バブルのおかげで
少しはECに興味を出した人も
出てきているとは思うが
根本的に違うバブルは弾ける

123. ある種ECは
SNS以上の
地域ファンの獲得の場
でもある

124. 依存から共創への変化にはデジタルがキモ

125. 「使うか・使わないか」は別にしても
まず社会全体がICT=デジタルありきに
なっていかなければならない

126. 逆に最低限の社会インフラが整っていると
どこでも勝負ができる

127. 抵抗勢力

128. ドヤァ
ドヤァ
でも、IT使え
ない人どうす
るんだよ
かならずでてくる

129. 参考：森町の人口構成に当てはめた場合
2021/8現在
ほとんどの人は、何らかの形でネットにアクセスできると言っても良さそう
（得意不得意は別として）

130. なんとか使える人の方が多いから
まったく使えない人をサポートした方が
確実にコストは安い

131. 現在は
本当はICT化されていれば
住民が自分でできることを
あえてできなくさせて
無駄に来庁・電話させ
時間をかけている

132. 時間を奪うことは
その人の生活を奪っている

133. ドヤァ
ドヤァ
でも、システム
導入費用
高すぎるだろ
かならずでてくる

134. システムの開発費・利用料なんかより
職員の人件費の方が
明らかに高いです

135. 類似団体346,599円/20日間≒1人17,330円/日 1人ユーザ利用17,640円/年
汎用システムを個人が作成できる超有名サービス
極論平均的な1日当たりの人件費で汎用システムは導入できる

136. また
どんな人の、どんなサービスの裏側にも
ほぼ必ずICTが活用されている

137. このように
どんな面・どんな抵抗があろうとも
デジタルトランスフォーメーション
必須なんです

138. これまで行政は「できない人」を重要視し
「従来どおりが一番」としてきましたが

139. むしろ

140. 本当に「すべての住民」の視点に立つと
『デジタルシフトは必須』
(=関係人口すべて含めて)

141. また、やっているところはすでにやっている

142. なんと広報紙で6ページDX特集

143. しっかりと住民に説明することを
「コストとしない」ことが重要

144. どうやって実践していく

145. よし重要なのはわかった

146. でも何から手をつけていいかわからない…

147. まずは自治体DX推進手順書を
しっかりと読みましょう

148. その上で
「自治体DX推進のステップ」も
大切ですが

149. 行政が参考にすると良い
コッター チェンジ・マネジメント
8つのステップ
1. 社内の危機意識を高める
2. 変革推進チームを結成する
3. 変革に必要なビジョンや戦略を掲げる
4. ビジョンを社内で周知徹底する
5. 社員の自発的行動を促す環境づくり
6. 短期的な成果を実現する
7. さらに変革を進める
8. 変革を企業に根付かせる
Yasushi Fujii

150. つまるところDXのためまず重要なのは
「組織の意識改革」しか無い

151. いくら言ってもいざ手を動かすとなると
なかなか動かない(動けない)

152. これを動かすには幹部職員の力が必要

153. さらには幹部職員を動かすには
首長の旗振りも必要

154. そして首長は
多様な・声無き住民ニーズを元に
旗を振っていく

155. それを実現するには

156. まずは機運の醸成とチームビルディング

157. 次にビジョンを描いていく

159. 合わせて業務量調査やBPR

160. しかし、こういうのをやっていくと
専門的でわからないことがあったり
庁内政治など
いろいろ「いづい」ものも出てくる

161. こういう時に
いわゆる「外部人材」の活用も視野に入れる

163. 本当は育成が大切だが
「育成できる人材」も必要
内部にいないなら外部に頼っても良い

164. もちろん首長の相談も

165. しかし
外部人材を入れたり、業務委託したから
「DX完成しました」
なんていうのは100%ありえない

166. やはり組織・街が変わらないといけない
ともに考え、ともにつくる社会

167. 私たちと一緒に仕組みづくり
やってみませんか？