2019年8月12日 小池一廣スペシャルギャラリートーク 当日資料ＰＰＴ

1. Discover ぬまづ
市民カメラマンのふるさと再発見
2019.8.12 明治史料館
ｂｙ KAZUHIRO KOIKE

2. なぜ「Discover ぬまづ」を企画した
のか
・広報紙は市政を体現しているから広報
紙としての主張があってもいいのでは
・地域の発展を願って～栄光の沼津を取り
戻したい

3. 「ぬまづウォッチング」と「座談会」は
中間総括として企画したもの
・ぬまづウォッチング→あなたが感じる「沼津
らしさ」を募集～絵画、写真、詩歌等
・市民と有識者による座談会～地域コミュニ
ケーション研究所主宰者＆5人の市民

7. 「Discover ぬまづ」の意義
～座談会から～
• 郷土の何かを発見し、まちの誇りとしていくことが郷土意識を
育てる
• 郷土意識が郷土の産業を支え、郷土の産品を育て、観光面
でのもてなしの心を養う
• 本町が廃れていく･･･何となく感じていたものを体系的に再
認識することができた
• 沼津ウォッチングでは新しい発見だけではなく市民の側から何
かをフィードバックして、新しい企画を生み展望を開いていく
• これからのまちづくりは行政に委ねていただけではだめ、どう
すれば市民の手で進めていくことができるか

8. 「Discover ぬまづ」に連動した「広報
ぬまづ」の企画
• 「ぬまづタウンエクスプローラー」→
Ｄiscoverぬまづの続編～市民が自ら郷土沼津
をリサーチ
• 「都市間情報交流」→他都市を知ることで
自分のまちを相対化して見直す

9. 「Discover ぬまづ」に関連した
その他の試み
• 昭和59年3月市民文化センターで「沼津産業展」開催
• 昭和61年3月市職員有志により「地域情報ネットワー
ク」発行
• 平成元年5月「沼津と港の歴史的かかわり、沼津港の
現在、沼津港の活用提言」をテーマとする“海の文化
展”開催
• 平成元年「明日の水産業」「ウォーターフロント最前線」
「海洋開発最前線」のテーマで3回の“海のシンポジウ
ム”開催

11. • 平成元年9月市職員有志により「ROUTE246リ
サーチ」実施
• 平成4年10月全国の自治体職員有志で結成し
た「地域デザイン研究会」発足。機関紙
「DESIGN IN」発行
• 平成7年9月沼津市・小田原市・韮山町が連携し
て結成した「北条早雲史跡活用研究会」発足
• 平成8年6月「沼津市・伊豆長岡町・清水町地域
情報発信研究会」発足
• 平成24年11月本町地区住民有志で構成する
「本町まちづくり研究会」発足

14. 本町まちづくり研究会
• 本町の若手有志が結成、平成24年に活動開
始
• 平成25年に明治史料館学芸員による「旧東
海道沼津宿と本陣・脇本陣」の講演及び本陣
で振舞われたと思われる当時の料理を再現
• 平成26年に6月末から7月末にかけて大規模
な「Discover 本町」を実施
• 平成27年に平塚市視察
• 古老の話～戦前・戦後の沼津

16. 考察～一連の取り組みから探ってみる
①沼津は既に江戸時代から東海道の要衝であった→
本陣･脇本陣、旧東海道の本町の幅員は四間。
②明治に入ると徳川家の移封に伴い沼津にも多くの
家臣が移り住んだ～沼津兵学校等
③1934年（昭和9年）に丹那トンネルが開通するまで沼
津駅は蒸気機関車連結拠点で→重要駅
④狩野川下流部や沼津港は伊豆半島と内陸部を結ぶ
結節点→物資や人の一大集散拠点～蛇松線等
⑤駿河湾の最奥部→海運～海産物・日用品･人・観光
⑥東海道沿線の有力な商都→商圏人口100万とも言
われるなど県内一、二を競った。

18. 衰退の兆しとその原因
①昭和40年代まで本町地区にあった商店、映画館、料亭などの
移転や廃業が目に付くようになる。
②商業の中心が駅側へ移動。更に東名高速道路など道路網の
整備に伴い駅北地区の開発が進む。
③昭和30年代まであった松菱百貨店、富士屋デパート、また昭
和から平成に掛けてあったニチイ、長崎屋、丸井、西武百貨
店などが次々と撤退し現在はデパートと称されるものは皆無
となった。
④沼津駅についても昭和9年に丹那トンネルの開通により東京・
沼津間が電化され、蒸気機関車と電気機関車の切替え駅と
しての基幹駅となったが、昭和39年10月の東海道新幹線開
通後、駅機能の重要性が低下した。

19. ⑤1964年新幹線の開通とともに（1969年には三島駅に停
車）沼津駅の地位は一層低下
⑥更に国鉄民営化に伴い、分割の境界が熱海駅となったこ
とで沼津駅の存在は更に希薄に
⑦沼津港は駿河湾最奥部に位置していたことが不利に～沼
津港の水揚げは激減、観光面でも著しく減少
⑧周辺市町村の都市化及びハイモビ－ル化で生活圏域が拡
大～日常必需品は自前で調達、人々の行動範囲も広域化
⑨インターネットの普及～リアルタイムで情報が行き交い、
より良いものより安価なものへの選別がしやすくなる
⑩グローバリゼーションの進展で工場等事業所の統廃合が
進み、縮小・撤退が相次ぐ
⑪商業環境の激変～複数の自治体を取り込んだ大規模量販
店、地域密着のコンビニが席巻
⑫ITと輸送システム及び決済システムの進展による通販の
拡大、キャッシュレス決済等商業手段の多様化

20. まとめ
沼津は農業、水産業、工業とも程よく栄えてい
たが際立っていたのは、商業やエンターテイン
メントそして生活に直結する身近な家内工業等
のサービス産業であってこれが沼津の発展を
支えていた。
本町地区には昭和の中頃まで映画館や料亭、芸者置屋や演
芸場などのエンターテインメントそして畳、建具、桶、魚網、漁具、
染物、看板などの職人が数多く業を営んでいた。

21. サービス産業の特色
①時間的同時性(サービスの提供と享受は同時進行)
②空間的同時性(サービスの提供と享受は同一空間)
③情報の非対称性（サービスを受ける人は実際に受
けてみなければその品質なり状況を把握できない
が挙げられ、人がその場にいることが必須要件
＊但し、ITの進展でサービス産業の概念は大きく変質している
人口減少と人の交流が失われれば衰退

22. サービス産業主体の産業構造を改める
新しい時代に相応しい産業の創出または育
成を検討すべきである。こうした動きは少なくも
昭和50年代には検討を開始すべきであったが、
有力となる産業政策は今日に至るまで検討す
らされていない。
ボーダーレスが日常となった今日、世界的需
用を踏まえた新産業の創出または育成を目指
した産業政策の策定は喫緊の課題である。

23. ケルン
メディアパーク
1980年代主力産業だった
重化学工業に陰りが見え
てきたことにより
「メディアコミュニケ
ーション都市」の構想
を策定

24. 垂直統合型から水平ネットワーク型へ
～多重多層のネットワークの構築～
地域産業 地域産業地域産業地域産業
情報交流施設
キラメッセ沼津、プラ
ザヴェルディ等
産業情報センター
・インテグレート機能
・アーカイブス機能
・情報発信機能
・イグジビション機能
・企業等誘致
・ラボラトリー
文化施設
市民文化センター、
図書館、明治史料館、
体育館、美術館等
生活支援施設
保健センター、健康
福祉プラザ、医療機
関等
金融機関等資金調達大学等研究開発機関 コンサル等サービス機関
市民生活(ハレとケ)、商店街、自然環境、ｴﾝﾀｰﾃｲﾝﾒﾝﾄ、サービス
企業情報
先端科学・技術情報
マーケット情報
法令等規制情報
地域産業

25. DMG MORI のTVCM
・世界に通用するモノヅクリ
・工作機械の一点ものの重要部品～最先端の
高精度加工で多品種少量生産
・大手メーカーとの数多くの直接取引を実践
・生産に対応し成長し続けるフロントランナー
＊前ページの考え方は20年以上前から言われていたことだが最近のテ
レビコマーシャルを見て時代が大きく変わっていることにカルャー
ショック

26. ・社内システムと工作機械とのネットワークを構築し、生
産に関わるシステムと計画全体の統合（インダストリー
4.0）を実現
・自立的に最適化を行う機械が生産価値を向上させる
・機械間のデータ交換を一元管理し生産工程で最適化
・センサーの融合により高度化されたコンポーネント
・60箇所以上のセンサーにより機械内部のモジュールを監
視～交換時期、故障、補充その他メンテナンス
・各機械の状態が簡単に確認
・より幅広い生産ニーズに柔軟に対応
・全てのプロセスを最大限に可視化
・機械が知的に繋がる
・生産と仮想空間の間のインターフェース

27. 第4次産業革命～インダストリー4.0
第1次産業革命 18世紀末イギリス 水力･蒸気機関→
機械製造設備
第2次産業革命 20世紀初頭アメリカ 電力・ベルトコンベ
ア→大量生産
第3次産業革命 1970年代 エレクトロニクス IT技術→
産業用ロボット、FA装置
第4次産業革命 現在
IoTやIoS、AI、ビッグデータ、ロボットなどを活
用し情報をつなげ、生産や流通、メンテなど最
適なレベルまで引き上げる

28. 新しい時代を先取りした
マリンテクノロジーリサーチパーク
• 人の知的活動を支える環境の確保
• エンターテインメント
• 首都圏アクセス
• 豊かな歴史
• 多重多層な情報交流を担うことができる様々
な施設
• 安心安全
• 駿河湾へのアプローチ
＊「discoverぬまづ」から発想した小池の個人的願望

29. 狩野川の防災対策
• 御成橋上流部は階段堤防、永代橋下流部は
直立堤防が施され、水害対策が完了している
が御成橋と永代橋の間の本町地区のみが取
り残されている
• 直立堤防は、狩野川の西側建物の2階部分
まで差し掛かり、優れた景観はもとより日照、
風通しなど生活環境への影響は甚大
• 階段堤防は幅員不足
• スーパー堤防は規模が大きすぎて問題多い

31. 再開発ビル
人工地盤
既
存
建
物
住居･施設 住居･施設
四車線道路 親
水
空
間
ベ
イ
エ
リ
ア
ゲ
ー
ト 狩野川
駐車場 駐車場
狩野川本町付近断面図

32. パリ
デファンス