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  1. 1. お家でワークシ ョ ッ プ お寺気分 -法話 ・ 仏像 ・ お経 ・ アニメ- Togetherしませんか ? 観章さんとマニアッ ク散歩 魔都市 東京 「神田明神から首塚へむかう」 マイマイ先生のマイケア術 〜薬膳と ヨガと私〜 「風に吹かれて」 素敵な人たち〜NPO ・ NGO紹介〜 おシャ カさまに会おう hasunokahori 2022年秋 52号/2 0 2 2年9月吉日発行/発行 : 経王寺 互井観章 /編集 : 互井観章 ・ M.Tag ・ オノ リサコ ・ コジマク ミ コ/表紙イラス ト : 加藤龍勇 /撮影:M.Tag ※本誌掲載の写真 ・ 図版 ・ 記事などの無断使用 ・ 転載 ・ 複製を禁じます。 お寺でのワークシ ョ ッ プやイベン ト、 ご相談等、 お気軽にお尋ねく ださい。 経王寺 〒 1 6 2-0053 新宿区原町1-14 TEL0 3-3341-1314 HP https://www.kyoouji.gr.jp/ 特集 「風に吹かれて」 2022/9 vol.52
  2. 2. P 2 2 おシャカさまに会おう「フ ッ トステ ップ イ ン ザ ダーク」 経王寺マガジン 2022/9 vol.52 あなたがあなたら し く 生きられるように P02 「さ よなら夏の日」 「風に吹かれて」 P 1 8 Togetherしませんか ?観章さんとマニア ッ ク散歩 魔都市 東京 「神田明神から首塚へむかう」 素敵な人たち〜N P O ・ N G O法人の紹介〜 「NPO法人 チェルノ ブイ リ救援 ・ 中部」 P03 も く じ P 0 6 BlowiǹThe Wind P08 公園で風に吹かれてみよ う 【お寺気分】 P 1 0 −法話deナイ ト − 法話寄席の時間です 「寿限無」 P 1 2 −仏像deナイ ト − おっかないドラマチ ッ ク仏像 「平安前期 神護寺薬師如来」 P 2 0 P 2 3 はい、 経王寺でございます〜寺務員の部屋〜 ハピネス観章の幸せレ ッスン 毎日更新中 InstagramとFacebookからGO ! P 1 4 −お経deナイ ト − 妙法蓮華経 方便品第二 「みんなが仏になるための教え その二 近づく 手段(中盤)」 P 1 6 − アニメdeナイ ト − あなたの知らない千と千尋 「神隠しの謎 その 2 」 表紙のおはなし イラス ト レーター 加藤龍勇 「Fly with the wind」 風を感じている と心が安定します。 それは逆説的ですけれど、 変化す ることこそが安定だということなの でし ょ うか ? 大学2年の夏休み。僕は免許を取り、バイクを買った。ヤマハDT200R。こ の2サイクルエンジンのオフロードバイクは、これまでの行動範囲を一気に広 げてくれた。 当時、僕は青森の十和田という町に住んでいた。春は新緑の八甲田 山、夏は三沢海岸の波打ち際、秋は紅葉の奥入瀬、冬はアパート裏の雪 の田んぼ。僕はバイクと共に、季節の中を駆け抜けていた。 大学四年の夏の終わりのこと。僕は一人で八甲田山の林道を走ってい た。気が付くと夕闇が迫っていた。見晴らしのいい場所にバイクを止めると、 辺りは真っ赤な夕焼けに染まっていた。エンジンのスイッチをOFFにした瞬間、 聞こえてきたのはヒグラシの鳴き声。山全体が鳴いているようだった。山も僕 もバイクも夕日に染まり、聞こえるのはヒグラシの鳴き声と風の音。 ふと、もう来年はこの景色を見ることができないのかと思ったら、無性にこ の景色が愛おしくなった。この景色を一生忘れない。そう決意して再びバイク にまたがり、暗くなった林道を下って行った。バイクの小さなライトは心もとなく、 何度も転びそうになりながら、何とか迷わずアパートに帰ってきた。ヘルメット を脱いだ時、もう夏は終わるんだと思った。それは青春という一つのステージ の終わりを実感させた。 あれからずいぶん時間が経った。今でも、夏の終わりになると、あの日の 景色を思い出す。もうバイクには乗ってはいないけど、十和田を駆け抜けた 風は、今も僕の中で吹いている。その思い出を胸に抱きながら、僕はまた新 しい季節に向かって進んでいく。 皆さんは、今どんな思い出と共に明日に向かっていますか。 Hava nice day! hasunokahori編集長 互井観章 (経王寺 住職) お寺でやっていたワークシ ョ ップを読み物にしま した ! 2 3 P04 【特集】 文 ・ 枝木美香 「さよなら夏の日」 「写真のおかず」 …M.Tag 「猫のいる間に」 …お寺のおち ょやん 「今日もお寺は平和です」 …オノ リサコ もうすぐラジオが 始まります ! ! マイマイ先生のマイケア術 〜薬膳と ヨガと私〜 「風に吹かれて」 coming soon ! ! ポッ ドキャス ト
  3. 3. 風は変化であり運動であり未来の象徴 ネガテ ィ ブをポジテ ィ ブに 怒り を笑顔に 欲望を慈悲に 執着を諦観に エゴイズムを利他に 風は私たちを新しい世界へと導いて く れるエネルギー 悩みや心配事があっても必ず出口へと運んでく れる そんな風と対話してみませんか 『風に吹かれて』 4 5 真嶋一歌 (ま じ ま いちか) 小ぶ り な見た目からはなかなか想像で き ないハスキーボイ スのひ ょ う き ん女優。 演 劇のみな らずMCやナ レーシ ョ ン、 アイ ドル 等これまでの活動は多岐にわたる。 【主な出演歴】 サン ト リ ー 「こだわ り 酒場の レモンサワー」 NHK 「ITホワ イ ト ボ ッ ク ス」 雑誌 「じゃ らん」 等多数 Twitter @majimaichika Instagram @ichikamajima
  4. 4. 6 7 風からの問いは、 心の中にわだかま っている ものを意識化させてく れる。 対話を続けている う ちに、 少しづつ形を変え変化していき浄化されていく 。 その浄化によ りネガテ ィ ブマイ ン ドがポジテ ィ ブマイ ン ドに変化する。 そのポジテ ィ ブマイ ン ドで四つの正しい心が芽生えてく る。 風との対話から生まれる四つの正しい心を育てるには ト レーニングが必要。 日常の中で風と対話する時間を作るこ とが大切。 その対話から 「今やるべきこ と」 に気づく 。 そのやるべきこ とを、 しっかり見て、 行動に移す。 行動に移すと、 必ず変化が生まれる。 その変化こそが、 新しい未来への入り 口になる。 その変化は四つの正しい心である。 その心は、 さ らに利他 (他者の幸せを願い行動する) の心が芽生え、 同時に自己の変革も もたらされる。 この他者とは、 人間だけではなく 、 他国であり大自然でもある。 つま り風との対話は、 地球規模の救済であり、 自己育成でもある。 風は私たちに色々 なこ とを教えてく れる。 四季の変化、 天気の移り変わり、 夕飯のおかず。 時には心をほぐしてく れる し、 思い出も呼び起こ してく れる。 たまには一人で風に吹かれてみよ う。 浄 化 育 成 1. 慈しみ (相手の楽を望む心) 2. 憐れみ (相手の苦しみを抜いてあげたいと思う心) 3. 喜び (相手の幸せを共に喜ぶ心) 4. 平静 (相手に対して動揺しない落ち着いた心) 問 い 風に吹かれている と色々 なこ とを考える。 仕事、 家庭、 友人、 恋愛、 夢、 欲望、 平和。 ま るで風が私に問いかけてく る よ うだ。 その問いに答えてみよ う。 おそらく 、 はじめはうま く 答えられないかも しれない。 なぜ怒っている、 なぜ泣いている、 なぜ手放せない、 なぜ人の幸せのために生き られない。 風が一方的に問いかけてく る。 その問いに少しづつ答えてみよ う。 答える とまた問いが返ってく る。 そ う したらまた答えてみよ う。 そ うやって風と対話していく う ちに進むべき方向が見えてく る。 BlowiǹThe Wind どれほどの道を歩けばいいんだろう 一人前と呼ばれるには 鳩はどれほどの海を渡らなければいけないんだろう あの浜辺で休むために どれほどの弾丸が飛べばいいんだろう 永遠に禁止されるまでには 風がその答えを知っているのさ そう、風が 一体何年かかるのだろう 山が海に侵食されるまでに そして何年かかるのだろう みんなに平等に自由が許されるまでに 人は何度顔を背け 見なかったフリを続けるのだろうか 風がその答えを知っているのさ そう、風が 何回見上げたら見えるんだろう あの青く澄んだ空が 何回聞いたら届くんだろう 彼の元に私たちの嘆きが 何人死んだら気付くんだろう 取り返しのつかない数の人が死んだと 風がその答えを知っているのさ そう、風が Bob Dylan「Blowin`The Wind」 translation Ponchi
  5. 5. 8 9 風との対話から自分を取り戻し、 新しい世界への入り口を見つける。 あなたの風が、 誰かの風と出会い、 共鳴し、 新しい風を生む。 その風が明日を作り未来を形成していく 。 風と対話する 3 つの方法 感情を響かせ合う (諸法無我) 私たちの周りには、 いつも風が吹い ています。 その中には強い風、 冷たい 風、 怒りや愚痴の風など心地よく ない 風もあります。 だから、 その根本原因の欲望と執着 を風に吹かれ変化させてみまし ょ う。 【諸行無常】 煩悩の原因がなく なれ ば、 穏やかで優しい静かな風が吹い て、 身も心も心地よい状態になります。 【諸法無我】 その時に、 人は幸せを感 じます。 人と自然との関係の中に包まれ て生きている心地いい風を味わってく ださい。 涅槃寂静の世界は気持ちのいい風 が吹いています。 風は常に変化し、 一時も同じ状態ではありま せん。 私たちも風のよ うなもの。 今の状態がいつ までも続く と勘違いして喜んだり悲しんだり。 幸 せも苦しみも、 風のように変化していきます。 だ から、 幸せにも苦しみにも、 お金、 地位、 名誉、 家 族、 愛情にも執着しないことです。 すべて風のよ うに移り変わっていく ものです。 良いことはより良く、 苦しいことは良い方向へと 変えて く 。 風のよ うに変化していきまし ょ う。 風は、 高気圧から低気圧へ空気が流れるこ とにより発生します。 物事は、 原因と結果により生じ、 永遠に変わ らないものはなく 、 他の関係から独立したもの でもありません。 なにかの原因により、 苦しみ という結果が生じるのです。 苦しみは他人と の関係性の中から生じます。 他者の感情に自分の感情を合わせ、 お互 いの気持ちを響き合わせてみましょ う。 他の 人が叩く 太鼓があなたの中でどのよ うに響き、 あなたの笛が他の人の中でどのように響く の か。 風に吹かれる (諸行無常) 公園で風に吹かれてみよ う 安らかな気持ちを得る (涅槃寂静) (マッサージセラピスト) Let's try! Majima Ichika Sumita ChongKwi 8 9 ロケ地 : 新宿区 レクチャー:隅田ちょ んぎ https://www.alohaumea.com 風を感じながら、 裸足で歩く のが気持ちよかったです〜 ! 楽器も弾き始めると楽しく な っちゃって。 合わせると自然と 曲ができて不思議でしたね。 ほら、 今も永遠に弾いていら れる感じがしてます(笑) 風を感じることを難しく 考えなく て大丈夫 ! ただ外に出て風を浴びる ことからはじめてみて。 だんだんと過去の自分や 今の自分と向き合えるよ うになるから。 BlowiǹThe Wind モデル : 真嶋一歌 (女優 P4に詳細) 裸足で走って風を感じてみよ う。 楽器を弾いてみよ う。 自然を感じてみよ う。
  6. 6. お寺気分 −法話deナイ ト − 1 0 1 1 寿限無 ﹁ 寿 限 無 ﹂ は 落 語 の 中 で ︑ 最 も 有 名 な 噺 で す ︒ 噺 家 に 入 門 し た と き に ︑ 一 番 最 初 に 覚 え る 前 座 話 の 一 つ で ︑ 内 容 よ り も 早 口 言 葉 の 面 白 さ が 際 立 ち ま す が ︑ 実 は 仏 教 的 に は と っ て も 深 い お 噺 な ん で す ︒ あ ら す じ は ︑ 長 屋 に 住 む 八 五 郎 と お か み さ ん ︒ 念 願 か な っ て か わ い い 男 の 子 が 誕 生 ︒ 早 速 ︑ 名 前 を 付 け よ う と す る が ︑ さ て ど ん な 名 前 が い い か 分 か ら な い ︒ そ こ で ︑ 物 知 り な 和 尚 さ ん に 名 前 を つ け て も ら お う と お 寺 に 向 か う ︒ 八 五 郎 さ ん は ︑ と に か く 縁 起 の い い め で た い 名 前 を 付 け て も ら い た い と 和 尚 さ ん に お 願 い す る ︒ 和 尚 さ ん は 色 々 と め で た い 言 葉 を 教 え る が ︑ ど れ か 一 つ に 決 め ら れ な い 八 五 郎 さ ん は ︑ す べ て を 子 ど も の 名 前 に し て し ま う ︒ ﹁ 寿 限 無 ︑ 寿 限 無 ︑ 五 劫 の 擦 り 切 れ ︑ 海 砂 利 水 魚 の ︑ 水 行 末 ・ 雲 来 末 ・ 風 来 末 ︑ 喰 う 寝 る 処 に 住 む 処 ︑ や ぶ ら 柑 子 の ぶ ら 柑 子 ︑ パ イ ポ ・ パ イ ポ ・ パ イ ポ の シ ュ ー リ ン ガ ン ︑ シ ュ ー リ ン ガ ン の グ ー リ ン ダ イ ︑ グ ー リ ン ダ イ の ポ ン ポ コ ピ ー の ポ ン ポ コ ナ の ︑ 長 久 命 の 長 助 ﹂ と い う の が 子 ど も の 名 前 ︒ こ の 子 は す く す く と 成 長 し ︑ 近 所 の 子 ど も と け ん か を す る よ う に な る ︒ 殴 ら れ た 子 ど も が 泣 き な が ら 八 五 郎 さ ん の と こ ろ に 言 い つ け に 来 る ︒ 母 親 も 交 え な が ら ︑ 長 い 名 前 を 繰 り 返 し て い る う ち に ︑ こ ぶ が 引 っ 込 ん で し ま っ た と い う サ ゲ で 終 わ る お 話 ︒ 噺 に 登 場 す る 名 前 に は ︑ そ れ ぞ れ 意 味 が あ り ま す ︒ ﹁ 寿 限 無 ﹂ は ︑ 仏 教 の 言 葉 で 仏 の 寿 命 は 無 限 で あ る と い う 意 味 ︒ ﹁ 五 劫 の 擦 り 切 れ ﹂ は ︑ 天 女 が 百 年 に 一 度 ︑ 地 上 に 降 り て き て 四 十 ㎞ 四 方 の 大 き な 岩 を 薄 い 衣 の 袖 で 撫 で て い き ︑ そ の 大 岩 が 擦 り 切 れ て 無 く な る 時 間 を 一 劫 ︒ そ の 五 倍 の 時 間 が 五 劫 で ︑ 限 り な く 長 い 時 間 と い う 意 味 ︒ ﹁ 海 砂 利 水 魚 ﹂ は ︑ 海 の 砂 も 魚 も 数 限 り な い と い う 意 味 ︒ ﹁ 水 行 末 ・ 雲 来 末 ・ 風 来 末 ﹂ は ︑ 水 ・ 雲 ・ 風 は 限 り が な い と い う 意 味 ︒ ﹁ 喰 う 寝 る 処 に 住 む 処 ﹂ は ︑ 衣 食 住 に 困 ら な い と い う 意 味 ︒ ﹁ や ぶ ら 柑 子 の ぶ ら 柑 子 ﹂ は ︑ ヤ ブ コ ウ ジ と い う 生 命 力 の 強 い 縁 起 の い い 木 で ︑ こ れ に あ や か る と い う 意 味 ︒ ﹁ パ イ ポ ・ シ ュ ー リ ン ガ ン ・ グ ー リ ン ダ イ ・ ポ ン ポ コ ピ ー ・ ポ ン ポ コ ナ ー ﹂ は ︑ 昔 ︑ 唐 土 ︵ も ろ こ し ︶ の パ イ ポ 王 国 に シ ュ ー リ ン ガ ン 王 様 と グ ー リ ン ダ イ 妃 と い う 方 が い て ︑ ポ ン ポ コ ピ ー と ポ ン ポ コ ナ ー と い う 長 生 き を し た 子 ど も が い た の で ︑ そ れ に あ や か る と い う 意 味 ︒ ﹁ 長 久 命 ﹂ は 長 く 久 し い 命 と い う 意 味 ︒ ﹁ 長 助 ﹂ は ︑ 長 く 助 け る と い う 意 味 ︒ ど の 名 前 も ︑ 子 ど も が い つ ま で も 元 気 で 長 生 き が で き る よ う に と 願 っ た 縁 起 の い い 言 葉 で す ︒ 八 五 郎 さ ん に と っ て ︑ 初 め て の 子 ど も で す か ら ︑ 元 気 に 長 生 き し て も ら い た い と い う 気 持 ち が ひ し ひ し と 伝 わ っ て き ま す ︒ 実 は ︑ 寿 限 無 の も と も と の サ ゲ は ︑ 子 ど も ︵ 寿 限 無 ︶ が 川 に 落 ち て ︑ 助 け を 求 め る と き に 長 い 名 前 が 災 い し て ︑ 助 け が 間 に 合 わ な く 溺 れ 死 ん で し ま っ た ︑ と い う お 噺 だ っ た そ う で す ︒ 後 に な っ て ︑ 子 ど も が 死 ぬ と い う 内 容 が 問 題 に な り サ ゲ が 替 え ら れ た そ う で す ︒ 江 戸 時 代 の 平 均 寿 命 は 三 十 〜 四 十 歳 ︒ 江 戸 時 代 は ︑ 乳 幼 児 の 死 亡 率 が 高 く ︑ 無 事 に 成 人 で き る 人 は 五 割 に も 満 た な か っ た と 言 わ れ て い ま す ︒ 統 計 が 始 ま っ た 明 治 三 十 二 年 の 乳 児 死 亡 率 は 十 人 の 内 ︑ 一 ・ 五 人 が 一 年 以 内 に 死 ん で い る と い う 状 況 で し た ︒ 確 か に ︑ 子 ど も が 死 ぬ 話 は あ ま り 縁 起 が 良 く あ り ま せ ん ︒ で も ︑ 子 ど も は ︑ い つ も 死 と 隣 り 合 わ せ で す ︒ 病 気 や 事 故 な ど ︑ い つ 命 が 失 わ れ る か 分 か り ま せ ん ︒ ど ん な に 縁 起 の い い 名 前 を 付 け て も ︑ 人 は い つ か 死 を 迎 え ま す ︒ 長 生 き し て ほ し い と 願 っ て も ︑ 若 く し て 亡 く な る 方 も い ら っ し ゃ い ま す ︒ そ れ で も 子 ど も の 長 生 き を 願 わ ず に は い ら れ な い の が 親 と い う も の で す ︒ 八 五 郎 さ ん が 縁 起 の い い 名 前 を 全 部 付 け た と こ ろ に ︑ 子 ど も へ の 深 い 愛 情 を 感 じ ま す ︒ 皆 さ ん も 親 か ら 愛 情 の こ も っ た 名 前 を も ら っ て い ま す ︒ 自 分 の 名 前 に ︑ ど ん な 気 持 ち が 込 め ら れ て い る の か ︒ 秋 の 夜 長 ︑ 寿 限 無 を 聞 き な が ら 考 え て み ま し ょ う ︒
  7. 7. 呪詛返し 1 2 1 3 お寺気分 −仏像deナイ ト − 一 九 七 〇 年 代 の 大 み そ か は ︑ 年 越 し そ ば を 食 べ な が ら ︑ 日 本 レ コ ー ド 大 賞 ︑ 紅 白 歌 合 戦 ︑ そ し て 除 夜 の 鐘 を 聞 き な が ら ︑ ゆ く 年 く る 年 を 見 る と い う の が 我 が 家 の 慣 例 だ っ た ︒ 今 思 え ば ︑ の ど か な 時 代 で あ る ︒ し か し ︑ 七 七 年 の 紅 白 だ け は ︑ ち ょ っ と 異 質 だ っ た ︒ 紅 組 ト ッ プ バ ッ タ ー は 桜 田 淳 子 ︒ そ れ に 対 抗 し 白 組 は 郷 ひ ろ み ︒ 初 出 場 の ピ ン ク ・ レ デ ィ ー や 松 崎 し げ る と ︑ 和 や か に 番 組 は 進 ん で い き 残 り は 紅 白 共 に 四 人 ︒ こ こ で 紅 組 は 八 回 出 場 の ち あ き な お み の 登 場 だ ︒ ち あ き な お み は 黒 ず く め の 衣 装 で ス テ ー ジ に 登 場 し た ︒ 歌 う は ﹁ 夜 へ 急 ぐ 人 ﹂ ︒ 画 面 に 映 っ て い る 彼 女 の 目 は ︑ も う 別 世 界 へ い っ て い る ︒ 髪 を 振 り 乱 し ﹁ お い で お い で ﹂ と 手 招 き す る ︒ さ あ ︑ あ ん た も 狂 気 の 世 界 へ ︑ お い で お い で ︒ 鳥 肌 が 立 っ た ︒ 怖 い ︒ お っ か な い ︒ 紅 白 歌 合 戦 の 歌 と し て は 明 ら か に 異 質 ︒ 歌 が 終 わ っ た 瞬 間 ︑ 司 会 の N H K ア ナ ウ ン サ ー 山 川 静 夫 は ﹁ な ん と も 気 持 ち 悪 い 歌 で す ね え ﹂ と ︑ 台 本 に な い コ メ ン ト を 呟 い た の は 有 名 な 話 で あ る ︒ 京 都 ・ 神 護 寺 に ︑ ち あ き な お み が い る ︒ 正 確 に 言 う な ら ば ︑ あ の 狂 気 を は ら ん だ ﹁ 夜 へ 急 ぐ 人 ﹂ を 歌 っ て い る ち あ き な お み に 似 た 仏 像 が 金 堂 に 安 置 さ れ て い る ︒ 平 安 初 期 に 造 立 さ れ た 薬 師 如 来 立 像 だ ︒ 奈 良 時 代 ︒ 東 大 寺 ︑ 興 福 寺 ︑ 薬 師 寺 と ︑ 素 晴 ら し い 仏 像 が 造 立 さ れ ︑ 一 気 に 技 法 の 改 革 が 行 わ れ た ︒ し か し ︑ そ れ と は 全 く 別 な 変 容 を 見 せ た の が ︑ 平 安 時 代 初 期 の 仏 像 で あ る ︒ 桓 武 天 皇 は 七 十 年 続 い た 平 城 京 を 捨 て ︑ 長 岡 京 へ 遷 都 を す る が ︑ 長 岡 京 も 長 く は 続 か ず ︑ 僅 か 十 年 で 平 安 京 に 遷 都 す る こ と に な る ︒ こ の 長 岡 京 で は 既 存 の 寺 院 以 外 の 造 立 は 認 め ら れ な か っ た ︒ そ こ に 最 澄 ・ 空 海 が 大 陸 か ら 新 し い 仏 教 ﹁ 密 教 ﹂ を 持 っ て 帰 っ て き た ︒ 密 教 は 修 行 場 を 山 林 に 求 め ︑ そ こ で 神 道 と 仏 教 が 習 合 し ︑ 新 し い 様 相 を 示 す よ う に な っ た ︒ 仏 像 に も そ の 変 化 が み ら れ る ︒ 奈 良 時 代 に は な か っ た 恐 ろ し げ な 表 情 や 姿 ︑ 極 端 に 誇 張 さ れ た 表 現 な ど ︑ 怨 霊 や 荒 ぶ る 神 に 対 す る 強 靭 な 力 と 神 の 依 り 代 と し て の 一 木 造 り の 技 法 で 仏 像 が 造 ら れ る よ う に な っ た ︒ そ の 時 代 に 建 立 さ れ た 神 護 寺 の 薬 師 如 来 像 も 明 ら か に あ る 目 的 を も っ て 造 立 さ れ た ︒ 道 鏡 の 怨 霊 封 じ で あ る ︒ 奈 良 時 代 に 起 き た ﹁ 宇 佐 八 幡 神 託 事 件 ﹂ ︒ 九 州 の 宇 佐 八 幡 神 よ り ︑ 称 徳 天 皇 ︵ 聖 武 天 皇 と 光 明 皇 后 の 娘 ︶ に 対 し ﹁ 道 鏡 が 皇 位 に 就 く べ し ﹂ と の 御 宣 託 が 下 っ た ︒ こ れ は 道 鏡 が 天 皇 位 を 得 よ う と 画 策 し た も の で あ る ︒ し か し ︑ 道 鏡 の 企 て は 和 気 清 麻 呂 の は た ら き に よ り 破 れ ︑ 下 野 の 国 ︵ 今 の 栃 木 県 ︶ の 薬 師 寺 に 左 遷 さ れ ︑ こ の 地 で 亡 く な る ︒ 極 悪 人 と い わ れ る 道 鏡 だ が ︑ 法 相 宗 の 祖 ︑ 義 淵 の 弟 子 で あ り ︑ 東 大 寺 の 開 山 で も あ る 良 弁 か ら 梵 語 を 学 ぶ な ど ︑ 優 秀 な 僧 侶 で も あ っ た ︒ お そ ら く 霊 能 も あ っ た に 違 い な い ︒ そ の 道 鏡 を 失 脚 さ せ た 和 気 清 麻 呂 が 建 立 し た の が ︑ 神 護 寺 の 前 身 で あ る 神 願 寺 で あ る ︒ 清 麻 呂 は ︑ 道 鏡 の 怨 霊 を 恐 れ た ︒ 道 鏡 の 怨 念 や そ の 一 派 の 呪 詛 に 対 抗 す る に は ︑ 仏 に 守 っ て も ら う し か な い ︒ 道 鏡 の 怨 霊 と 呪 詛 に 負 け な い 力 を 持 っ た 仏 像 と は 何 か ︒ そ の 答 え が 薬 師 如 来 だ っ た ︒ 人 の 命 を 救 う こ と が で き る 薬 師 如 来 な ら ︑ 人 の 命 を 自 由 に す る 力 も あ る と 考 え ︑ 呪 詛 返 し を し て ︑ 相 手 を 倒 す こ と を 祈 っ た ら し い ︒ し か も ︑ 神 護 寺 の 薬 師 如 来 は 霊 木 か ら 彫 り 上 げ ら れ た 一 木 造 り ︒ 神 仏 の 力 で 道 鏡 の 呪 詛 を 封 じ 込 め る 目 的 が あ っ て も 不 思 議 で は な い ︒ こ の 薬 師 如 来 が 怖 い ︒ 目 つ き ︑ 姿 ︑ 体 躯 ︒ す べ て 鬼 気 迫 る も の を 感 じ る ︒ ま さ し く ︑ ち あ き な お み の ﹁ 夜 へ 急 ぐ 人 ﹂ の 狂 気 を 彷 彿 さ せ る の で あ る ︒ 圧 倒 的 な 存 在 感 ︒ 見 る も の を 寄 せ 付 け な い 威 圧 感 ︒ 神 護 寺 の 薬 師 如 来 は ﹁ お っ か な い ﹂ ︒ か つ て 一 度 だ け ︑ ち あ き な お み ご 本 人 に お 会 い し た こ と が あ る ︒ す ご く 魅 力 的 で 優 し い オ ー ラ を 持 っ た 静 か な 方 だ っ た ︒ こ の 人 の 心 に も ︑ 夜 に な る と 正 体 を あ ら わ す 欲 望 が あ っ て ︑ お い で お い で を す る の だ ろ う か ︒ あ ぁ ︑ 人 の 性 ︵ さ が ︶ は ﹁ お っ か な い ﹂ ︒ おっかないドラマチ ッ ク仏像 「平安前期 神護寺薬師如来」 イ ラ ス ト 観 章 ちあきなおみ/1947年東京都板橋区生れ。 69年 『雨に濡れた慕情』 で歌手デビュー。 72年には 『喝采』 が一世を風靡し、 レコード大賞を受賞。 その歌唱力の高さに は定評があり、 長年にわたってNHK紅白歌合戦への出場を 果たしている。 92年、 夫と死別後、 芸能活動を停止。 ▲紅白で 「夜を急ぐ人」 を歌う 、 ちあ き なおみ。 ▲京都 神護寺で睨みを利かす薬師如来 神護寺 薬師如来 / 平安時代前期に制作。 国宝 像高 1 6 9 . 7 ㎝ カヤの一木造り 右手は施無畏印、 左手には薬壺を持つ。 力強く彫りの深い 衣文に特徴がある。 ▶ 広 尾 の 喫 茶 店 に い た ︑ ち あ き な お み は と て も 静 か で 美 し い 人 だ っ た ︒ ▶ 大 阪 観 心 寺 の 如 意 輪 観 音 は や さ し さ と 美 し さ が ち あ き な お み に 似 て い る ︒
  8. 8. 1 4 1 5 お寺気分 −お経deナイ ト − ブッ ダが今、 まさに教えを説こ う と したと き、 五千人の 修行者たちがその場から退場していった。 ブッ ダは、 た だ静かに見送った。 彼らの姿が見えなく なってから、 ブッ ダはシャ リ ホツを見つめて語りだした。 「彼らは罪深く 慢心に陥り、 悟っていないのに悟ったと 思い込み増上慢になっている。 そ ういう者は、 この教え を正しく理解することはできない。 今、 ここに残った者 たちは真実の教えを誠実に聞こ うと思っている。 さあ、 シャ リ ホツよ、 よ く 聞く がよい。 君のために教えを説こ う。 いいかいシャ リホツ。 この教えに出会えることはそう 簡単な事ではない。 例えるなら三千年に一度しか花を 咲かせない優曇華の花に出会う よ うに類まれなること である。 だから私の話を疑わないで素直な心をも って 聞きなさい。 なぜ悟りを開いた仏がこの世界に出現したのか。 そ れは、 とっても大切な理由があるのだ。 その理由とは、 君たちに悟りの智慧を示して、 心を清浄にすることだ。 私はその智慧を君たちに示したいと思っている。 その 智慧を得ることは難しいが、 何とか君たちを悟らせた いと願っている。 そして、 その智慧で悟りの道を歩んで もらいたいと願い、 ただひたすらこの大仕事を叶える ために、 世に姿を現したのだ。 シャ リホツよ、 仏は君たち全員を、 究極の悟りの境地 に導く ために菩薩行という教えを説くのだ。 この教え は、 自らの悟りを求めながら自分だけの悟りではなく、 他者を救い、 他者が平等に悟りをひらく よ うに、 他者の ために生き る修行を行うこ となのだ。 この菩薩行こそ君 たちが仏になる唯一の方法なのだ。 仏は、 今まで君たちの理解度の違いによ り、 いろいろ な教えを説いてきたが、 それはすべてたった一つの真 実の教えに導く ための仮の方法だった。 しかし、 今まさ に、 すべての教えを統合した最高の教えを説く べき時 がやってきた。 私は今、 その教えを説こ う と思っている。 世界が苦しみに満ち溢れ、 欲望と悪事が蔓延り、 人々が生きる希望を失った時代、 そんな時に仏はこの 世にあらわれ人々を教え導く のだ。 君たちは人を妬み 陰険な心にとらわれ、 欲望をむさぼり、 怒りを持ち、 愚 かな心にとらわれている。 仮の教えを聞いただけで満 足して、 真実の教えを知ろう と も しない。 だから悩み苦 しんでいるのだ。 シャ リホツよ、 仏はそんな人々を見極めあらゆる方法 で、 真理の智慧である大乗の教えを説き、 未来に成仏 でき る よ うに導く のだ。 疑いを持っている者には到底理 解できないだろうが、 私の言葉を信じなさい。 自分自身 をさ らに向上させ、 慢心を捨て、 一心に仏を敬い信じる という良い心を持てば、 最高の真理を聞く ことができ る のだ。 シャ リホツよ、 仮の教えに満足せず、 最高の教え を手に入れるのだ」 (つづく ) 永ちゃんが 「今日は歌わない」 と言ったら、 アリーナの 招待客はあっさ りと席を立って帰っていった。 彼らが 帰ったのを見届けた永ちゃんは、 残っている人々を見 渡し、 そして最前列にいるあなたに向かって 「さ ぁ、 君 のために本物のロ ッ ク聴かせてやるぜ」 と言いま した。 あの永ちゃんが私に向かって話しかけてきている。 「今日歌う曲に君が出合うことができたのは、 偶然じゃ ない。 昔から俺の歌を聞いてきた縁があって、 君は今 この場にいるんだよ。 それは類まれなるチャンスなん だ。 今日ここに来れなかった奴どれぐらいいる と思う」 確かに私は、 キャロルの頃から永ちゃんのファンだ。 あの頃、 まだ中学生だった。 ロ ッ クは不良で、 親に隠れ てレコード買って、 ヘッ ドフォンでボリ ューム最大にして 聞いていた。 日比谷の野音での解散コンサートには行 けなかったけど、 ソロになってもレコードは買って聞い ていた。 初めてコンサートに行けたのは高校二年の 夏。 バイ ト してお金貯めて親友と二人で行った。 その 時、 買ったタオルは今も部屋に飾ってある。 あれから何 度、 ライブに行ったのだろうか。 今では、 ライブのチケ ッ トを取るのは大変だ。 そ う簡単には手に入いらない。 だ からライブに来られること、 永ちゃんと同じ場で、 同じ 空気を吸って、 同じ時間を過ごすことは類まれなること なんだ。 「俺が何で歌を歌っていると思う」 永ちゃんが私の目を 見つめて問いかけてく る。 「本物のロ ッ クをみんなに聴 いても らいたいからだ。 本物のロ ッ クは、 世界の平和を 願い、 苦しむ君たちの心を救い、 正しい未来へ進める 勇気を与えてく れる。 そんな歌を俺は歌おう と思ってい る」 永ちゃんは微笑みを絶やさず語り続けた。 「キャロルの頃、 日本語で歌うロ ッ クは本物じゃないな んて言われたよ。 日本語ではロ ッ クにならない。 そうい われ続けた。 でも、 ずっと俺は日本語でロ ッ クを歌って きた。 五十歳 ・ 六十歳になっても、 ロ ッ クを歌っていた。 いつだって、 君たちが理解できるよ うにロ ッ クを歌って きた。 今ここに、 本気で本物のロ ッ クを聴きたいと思っ ている君がいる。 OK。 その君に、 今まで聞いたこと もな い本物のロ ッ ク、 矢沢歌います。 いいかい、 よ く 聞いて。 今までの歌で満足しちゃいけない。 心を柔らかく して 聞いてく れ。 今までの歌は、 君たちがロ ッ クを理解しや すいよ うに歌ったものだ。 矢沢が本当に歌いたい本物 のロ ッ ク。 今日みんなに聴いても らうぜ。 最高のロ ッ ク聴 いて、 君も、 君の大切な人も、 世界中のすべての人が 幸せになれる よ うに願って矢沢歌います」 これも う号泣でし ょ う。 お釈迦さまが永ちゃんだった らきっとこんな感じだと思います。 くれぐれも、 これフィ クシ ョ ンですからね。 さて、 次回もお楽しみに。 【あらすじ】 【解説】 「みんなが仏になるための教え その二 近づく 手段(中盤)」 妙法蓮華経 方便品第二 ファ ンキーモンキーベイ ビーは日本ロ ッ ク史に残る名曲 ブッ ダが悟りをひらいたブッ ダガヤ―
  9. 9. ◀ 火 葬 炉 が な ぜ か ト ン ネ ル に 見 え る ▲となりのと とろ 町はずれの結界にいるメ イ ちゃん 掲載している映画 「となりのト ト ロ」 の画像はSTUDIO GIBURI公式HPにてフ リー素材と して許可されている ものを使用しています。 る ︒ 神 域 を 荒 ら し ︑ 神 の 怒 り を 買 う 原 因 を 作 っ て い く ︒ や が て ︑ 両 面 が 顔 に な っ て い る 石 像 に 行 く 手 を 阻 ま れ 車 を 止 め る ︒ そ の 先 に ト ン ネ ル が 登 場 す る ︒ こ の ト ン ネ ル こ そ ︑ こ の 物 語 の 大 き な テ ー マ で あ り 神 隠 し の 核 心 で も あ る ︒ ﹁ ト ン ネ ル の む こ う は 不 思 議 の 町 で し た ﹂ こ れ は ︑ こ の 映 画 の キ ャ ッ チ コ ピ ー で あ る ︒ ト ン ネ ル と は ︑ 結 界 で あ る ︒ ト ン ネ ル を 通 り 他 界 へ 行 き ︑ そ こ で 肉 体 と 魂 の 浄 化 を 行 う の で あ る ︒ 現 在 で も 山 岳 信 仰 の 修 行 場 や お 寺 の 本 堂 下 を 利 用 し ﹁ 胎 内 く ぐ り ﹂ が 行 わ れ て い る ︒ 胎 内 く ぐ り は ︑ 修 験 者 が 山 を 胎 内 に 見 立 て ︑ 洞 窟 や 岩 の 割 れ 目 を 通 り 抜 け る こ と に よ り 擬 死 再 生 を 体 験 す る 修 行 で あ る ︒ 仏 教 の 場 合 は ︑ 仏 像 の 体 内 ︵ ま た は 本 堂 ︶ を く ぐ る こ と に よ り 再 生 と 恩 恵 を 受 け る こ と が で き る と 考 え た ︒ さ ら に ︑ 心 理 学 で は ト ン ネ ル ・ ビ ジ ョ ン と い う 精 神 的 状 況 を 示 す 言 葉 が あ る ︒ 視 野 の 範 囲 が 異 常 に 狭 く な り ︑ 客 観 的 な 視 点 を 失 い ︑ ス ト レ ス か ら 逃 げ る こ と も 出 来 な く な っ て し ま う 状 態 の こ と を 言 う ︒ こ れ は ︑ ト ン ネ ル の 中 に い な が ら 外 を 覗 い て ︑ そ こ に 見 え る 世 界 だ け を す べ て だ と 思 い 込 ん で し ま う 状 況 の こ と を 示 し て い る ︒ ト ン ネ ル の 向 こ う に は ︑ も っ と 大 き な 世 界 が あ る の に 気 が 付 か ず ︑ 極 端 に 狭 い 視 野 し か 持 て な い こ と か ら ︑ 暴 力 や う つ ︑ 自 暴 自 棄 の 原 因 に な る ︒ ま さ し く 千 尋 は こ の 状 態 で あ る ︒ 十 歳 の 千 尋 に と っ て ︑ 世 界 は 学 校 で あ り 家 族 で あ る ︒ そ の 学 校 と い う 大 き な 世 界 が ︑ 親 の 一 方 的 な 都 合 に よ り 失 わ れ た ︒ 車 の 中 で 自 暴 自 棄 に な っ て い た 千 尋 は ︑ 友 人 と の 別 れ だ け で は な く ︑ 自 分 の 存 在 す る 世 界 の 消 失 を 味 わ っ て い た の で あ る ︒ そ ん な こ と に は 気 が 付 か な い 父 と 母 は ︑ 何 か に 呼 ば れ る よ う に ト ン ネ ル に 入 っ て い く ︒ 千 尋 は 本 能 的 に 嫌 悪 感 を 示 す ︒ ﹁ こ こ い や だ ︑ 戻 ろ う お 父 さ ん ﹂ と 父 の 手 を 引 っ 張 る ︒ 宮 崎 駿 の 絵 コ ン テ で は ︑ こ の 場 面 で 千 尋 の 心 の 声 が 書 き 込 ま れ て い る ︒ ﹁ 大 人 た ち が 運 命 を 決 め よ う と し て い る ﹂ 学 校 と い う 世 界 を 失 っ た 千 尋 に と っ て ︑ こ の 世 に 存 在 す る 世 界 は 家 族 だ け に な っ た ︒ そ の 父 母 が ︑ 今 ︑ 目 の 前 か ら 消 え て い こ う と し て い る ︒ ト ン ネ ル に 入 る こ と を 拒 否 し た 千 尋 は 父 の 腕 を 引 っ 張 る ︒ ﹁ い や だ ! わ た し 行 か な い よ ﹂ 千 尋 は 大 き く 叫 び ︑ 車 の と こ ろ ま で 駆 け 戻 る ︒ 千 尋 と 父 母 の 間 に 距 離 が で き る ︒ 遠 く は な い の に 縮 ま ら な い 距 離 ︒ も う 一 度 ﹁ わ た し 行 か な い ﹂ と ︑ は っ き り 意 思 を 伝 え る 千 尋 ︒ 両 親 が 自 分 の 所 に 戻 っ て く れ る こ と に 賭 け た ︒ し か し ︑ 父 は ト ン ネ ル に 興 味 を 示 し ︑ 母 と 一 緒 に 中 に 入 っ て い こ う と す る ︒ 千 尋 は 賭 け に 負 け た ︒ 学 校 と い う 世 界 を 失 い ︑ 今 ︑ 家 族 と い う 世 界 を 失 っ た ︒ ト ン ネ ル の 外 に 残 さ れ た 千 尋 に 向 か っ て 母 は ﹁ 千 尋 は 車 の 中 で 待 っ て な さ い ﹂ と 声 を か け る ︒ 絵 コ ン テ に は ﹁ お 母 さ ん に 裏 切 ら れ た ﹂ と ︑ こ こ で も 千 尋 の 心 の 声 が 書 か れ て あ る ︒ そ れ で も 千 尋 は 地 団 太 を 踏 み ﹁ お か あ さ ー ん ﹂ と 大 き く 叫 ぶ ︒ 最 後 の 手 段 ﹁ 魂 呼 び ﹂ で あ る ︒ し か し ︑ そ れ で も 父 も 母 も 戻 っ て こ な い ︒ ト ン ネ ル の 暗 闇 の 中 に 消 え て い こ う と す る 父 と 母 ︒ 千 尋 は ︑ ぎ り ぎ り ま で 我 慢 し な が ら も ︑ つ い に 両 親 の も と に 向 か っ て ト ン ネ ル に 入 っ て い く ︒ 父 と 母 が あ の 世 ︵ 異 界 ︶ に 行 っ て し ま う ︒ そ れ を 黙 っ て 見 送 る こ と は ︑ 千 尋 に は で き な か っ た ︒ 学 校 と い う 世 界 を 失 っ た 千 尋 に は ︑ 家 族 と い う 世 界 を 取 り 戻 す し か 自 分 の 存 在 す る 世 界 は な い の で あ る ︒ そ の 家 族 さ え 距 離 が 遠 い ︒ そ れ は ト ン ネ ル の 中 で の 三 人 の 歩 く テ ン ポ の 違 い が 示 し て い る ︒ み ん な バ ラ バ ラ で お 互 い を 思 い や っ て い な い ︒ す ぐ 隣 に い る の に ︑ 家 族 の 関 係 は 悲 し い ほ ど に 遠 い ︒ そ う し て ア ン バ ラ ン ス な 親 子 は 異 界 へ と 足 を 踏 み 入 れ て い く ︒ こ の 時 ︑ 父 の 腕 時 計 は 午 前 十 時 を 示 し て い る ︒ ︵ つ づ く ︶ 1 6 1 7 お寺気分 − アニメdeナイ ト − あなたの知らない千と千尋 「神隠しの謎 その 2 」 〜お坊さんの深読みしすぎ伝説〜 神 隠 し ︒ 人 が あ る 日 忽 然 と 姿 を 消 し て し ま う こ と を 神 隠 し と い う ︒ 現 代 で も 理 由 も 分 か ら ず 唐 突 に 失 踪 し た 事 件 が 起 こ る と 神 隠 し と 言 わ れ る ︒ は る か 縄 文 の 時 代 か ら 信 じ ら れ て き た 神 の 存 在 ︒ 人 が 行 方 不 明 に な る 原 因 を 神 の 仕 業 と 考 え ︑ 神 隠 し と 呼 ん だ ︒ 子 ど も が 神 隠 し に 遭 う と ︑ 村 中 総 出 で 太 鼓 や 鐘 を 鳴 ら し て ︑ 大 き な 声 で 山 に 向 か っ て 子 ど も の 名 を 呼 び ﹁ 返 せ ・ 戻 せ ﹂ と 叫 ん だ ︒ こ れ は ﹁ 魂 呼 び ﹂ ︵ た ま よ び ︶ と い い ︑ 死 の 直 後 に 死 者 の 名 前 を 呼 び ︑ 魂 を 呼 び 戻 す こ と に よ っ て 蘇 ら せ る 風 習 で あ る ︒ 神 隠 し は ︑ 神 経 質 だ っ た り 精 神 的 に 不 安 定 な 子 ど も や 女 性 が 遭 い や す い と 言 わ れ て い る ︒ こ の 映 画 で も ︑ 親 の 都 合 で 不 本 意 に 転 校 す る こ と に な っ た 不 満 と ︑ 新 し い 生 活 へ の 不 安 で 一 杯 な 千 尋 と ︑ 裕 福 さ だ け が 自 分 の ア イ デ ン テ ィ テ イ を 守 る 唯 一 の 方 法 だ と 思 っ て い る 母 の 二 人 は 精 神 的 に 不 安 定 な 状 況 に あ る こ と が う か が え る ︒ し か も ︑ こ の 二 人 の 精 神 状 態 を 全 く 気 に し な い 無 神 経 な 父 ︒ こ の 家 族 そ の も の が 不 安 定 な の で あ る ︒ そ の ア ン バ ラ ン ス な 家 族 は ︑ 引 っ 越 し 先 の 家 に 向 か う 道 を 間 違 え ︑ 神 域 で あ る 参 道 で 車 を 爆 走 さ せ 大 和 斎 場 H P よ り 転 載
  10. 10. ﹁ こ の 帝 都 を 走 る 地 脈 は す べ か ら く 一 点 を 貫 い て い る ︒ 将 門 の 首 塚 ︒ 将 門 が 怨 霊 と し て 千 年 の 眠 り か ら 覚 め る と き ︑ 帝 都 は 巨 大 な 墓 場 と 化 し ま し ょ う ︒ こ の 帝 都 は 将 門 の 怨 念 が 封 印 さ れ て い る 巨 大 な 霊 場 で も あ る の で す ﹂ こ れ は 映 画 ﹁ 帝 都 物 語 ﹂ の 冒 頭 ︑ 陰 陽 師 土 御 門 の 平 井 ︵ 平 幹 二 郎 ︶ が 渋 沢 栄 一 ︵ 勝 新 太 郎 ︶ に 語 る 言 葉 で す ︒ も う ワ ク ワ ク 感 一 杯 の 映 画 で す ︒ ﹁ 帝 都 物 語 ﹂ は ︑ 荒 俣 宏 の デ ビ ュ ー 作 で ︑ 昭 和 六 十 二 年 日 本 S F 大 賞 を 受 賞 し た 奇 伝 小 説 で す ︒ こ れ は ︑ 平 将 門 の 怨 霊 に よ り 帝 都 の 破 壊 を た く ら む 加 藤 保 憲 と ︑ そ の 野 望 を 阻 止 す べ く 立 ち 向 か う 人 々 と の 攻 防 を 描 い た 作 品 で す ︒ 明 治 末 期 か ら 約 百 年 に 亘 る 壮 大 な 物 語 は ︑ 実 在 の 人 物 や 史 実 と 共 に ︑ 博 物 学 ︑ 神 秘 学 ︑ 陰 陽 道 ︑ 風 水 な ど 荒 俣 宏 の 知 識 を 総 動 員 し た 作 品 で す ︒ 昭 和 六 十 三 年 に 映 画 化 さ れ ︑ 魔 人 加 藤 役 に は 強 烈 な キ ャ ラ ク タ ー の 嶋 田 久 作 が 抜 擢 さ れ ま し た ︒ 神 田 明 神 を 参 拝 し ︑ 明 神 下 へ 向 か う 階 段 を 下 り る 時 ︑ ふ い に こ の 映 画 の こ と を 思 い 出 し ま し た ︒ 映 画 の 中 に 出 て く る 明 治 時 代 の 神 田 明 神 は ︑ な ん と な く ︑ い か が わ し く て 謎 め い て い る 感 じ が 漂 っ て い ま し た ︒ 今 の 神 田 明 神 は す っ か り き れ い に な り ︑ 闇 の 部 分 は 見 え ま せ ん が ︑ 明 神 下 に 降 り る 階 段 の あ た り に は ︑ そ ん な 雰 囲 気 が ま だ 残 っ て い る 気 が し ま す ︒ 明 神 下 で ︑ あ の 有 名 な 鰻 で も 食 べ よ う と 思 っ た の で す が ︑ な ん と 予 約 で 一 杯 ︒ 仕 方 な く 聖 橋 を 渡 っ て 将 門 の 首 塚 参 拝 に 行 こ う と し た ら ︑ 何 や ら 怪 し い 雰 囲 気 ︒ 緑 が 茂 り 神 社 の よ う な 佇 ま い ︒ こ こ が 湯 島 聖 堂 で す ︒ 儒 教 の 創 始 者 で あ る 孔 子 を 祀 る 霊 廟 で ︑ 江 戸 時 代 に 五 代 将 軍 徳 川 綱 吉 に よ っ て 建 て ら れ ま し た ︒ 儒 教 は 孔 子 を 祖 師 と す る 思 想 ・ 信 仰 で 二 千 年 の 歴 史 が あ り 東 南 ア ジ ア で は 強 い 影 響 力 を 持 っ て い ま す ︒ 特 に 五 常 ︵ 仁 義 礼 智 信 ︶ の 考 え を 大 切 に し て ︑ 親 子 ︑ 上 司 と 部 下 ︑ 夫 婦 ︑ 先 輩 後 輩 ︑ 友 人 の 関 係 を 維 持 す る こ と を 教 え て い ま す ︒ 正 門 を 入 る と 左 手 に 仰 高 門 ︵ ぎ ょ う こ う も ん ︶ が あ り ま す ︒ 昼 間 だ と い う の に ︑ う っ そ う と 木 が 茂 り 門 の 奥 は 暗 が り で す ︒ 頭 の 中 が 帝 都 物 語 化 し て い る 私 は ︑ 鬼 が 出 る の で は な い か と ビ ク ビ ク し な が ら 奥 へ と 進 ん で い き ま す ︒ そ の 正 面 に 大 木 が あ り ま す ︒ 楷 の 大 樹 で す ︒ 枝 葉 が 整 然 と し て い る こ と か ら 書 道 の 楷 書 の 語 源 に も な っ た そ う で す ︒ 楷 樹 に 近 づ い て い く と ︑ 突 然 右 手 に 大 き な 銅 像 が 出 現 ︒ お ぉ ! ち ょ っ と び っ く り ︒ 大 き い 1 9 1 8 と い う か 存 在 感 ハ ン パ な い っ て 感 じ で す ︒ 世 界 最 大 の 孔 子 像 は ︑ 仏 像 と は ま た ち ょ っ と 違 っ た 佇 ま い で 威 厳 が 溢 れ て い ま す ︒ そ れ に し て も ︑ お 茶 の 水 に こ ん な 森 が あ る な ん て ︒ な ん だ か 別 世 界 に 迷 い 込 ん だ 感 じ で す ︒ 森 の 奥 に 魔 人 加 藤 が い て も お か し く な い っ て ︑ も う 完 全 に 帝 都 物 語 モ ー ド に な っ て い ま す ︒ 左 手 の 階 段 を 上 っ て い く と 入 徳 門 が 出 現 ︒ 徳 の 門 に 入 る な ん て ︑ ご 利 益 あ り そ う な の で 階 段 を 上 っ て い き ま す ︒ こ の 高 台 に 鎮 座 し て い る の が 大 成 殿 ︒ 湯 島 聖 堂 の 中 心 的 な 建 物 で ︑ お 寺 で い え ば 本 堂 で す ︒ 土 日 は 公 開 さ れ て い る と の こ と で す が ︑ 平 日 の 今 日 は 閉 ま っ て い ま し た ︒ 中 に は 孔 子 像 が 安 置 さ れ て い る と の こ と ︒ 全 体 的 に 黒 で 塗 ら れ た 建 物 は 落 ち 着 き が あ り ま す ︒ 朱 色 の 神 田 明 神 が 陽 な ら ︑ 黒 の 湯 島 聖 堂 は 陰 ︒ 道 を 一 本 隔 て て ︑ 動 と 静 が 東 京 に 鎮 座 し て い ま す ︒ 誰 も い な い 大 成 殿 に た た ず ん で い た ら ︑ ふ い に 勝 新 太 郎 の 渋 沢 栄 一 の 声 が 聞 こ え ま し た ︒ ﹁ 都 市 の 発 展 は と ど ま る こ と を 知 ら な い ︒ 破 壊 と 成 長 が と め ど も な く 繰 り 返 さ れ ︑ 人 々 の 生 き 血 を 吸 っ て い く ︒ そ れ で も 人 は 集 ま る ︒ 誰 の 手 に も 止 め ら れ や せ ん よ ﹂ 私 は こ の 時 ︑ こ の 奥 に 鬼 が い る と は ま だ 気 が 付 い て い ま せ ん で し た ︒ ︵ つ づ く ︶ 魔都市 東京 「神田明神から首塚へむかう」 湯島聖堂は4つの入り口がある。 神田明神から ち ょ っ と遠く なるが、 昌平坂を下って正門から中に 入りたい。 人と して生きる上で五常という正しい 生き方を示した儒教。 入り口が肝心。 楷の木は、 中国の曲阜 (き ょ く ふ) にある孔子の墓 所に植えられていて儒学に関係のあるところに植 えられるそうである。 樹の傍に行く とエネルギーを 感じる。 孔子のパワーかも。 屋根の上に鬼犾頭 (きぎんとう) という火災除けのシャチホコと鬼 龍子 (き り ゅ う し) という霊獣の狛 犬がいる。 ひ ぇー鬼だ。 歌川広重の作品に昌平橋 ・ 神田 川がある。 結構、 谷が深い川で、 北側にあった泉を将軍のお茶用 の水にしたので御茶ノ水と言わ れた。 1 2 3 4 5 大成殿 孔子像は左手の上に右の手を 重ね合わせている。 これは拱手 (きょ う しゅ) と呼ばれる中国の 伝統的な礼儀作法の一つ。 手 に武器を持っていないという意 味もあるとか。 神田川 孔子像 湯島聖堂 4 1 神 田 駅 湯島聖堂 皇居 お茶の水駅 聖 橋 日 比 谷 通 り 日 本 橋 秋 葉 原 駅 平将門首塚 中 央 通 り 神田明神 神田川 蔵前通り 2 3 東 京 駅 大手町駅 5 昌 平 橋 ▶ 映 画 ﹁ 帝 都 物 語 ﹂ あ な た も き っ と 観 た く な る ︒ 楷樹 かいのき
  11. 11. 2 0 2 1 薬膳の術 「ころ ころ肉団子と豆乳豆腐鍋」 ≪作り方≫ ① レンコンは半分はすりおろし、 半分はみじん切り 。 肉団子のAを粘りが出るまで手でよ く混ぜる。 ② 豆腐は水切り し適当な大きさに切る。 椎茸は水で戻す (戻した水は捨てない) 。 銀耳も水で戻し石づきを取る。 ③ 人参、 春菊、 椎茸、 銀耳を食べやすい大きさに切る。 ④ 土鍋にだし汁と椎茸の戻し汁を入れ中火に。 ①の肉団子を丸めて入れる。 肉団子が煮えたら、 人参、 椎茸、 銀耳を加え る。 ⑤ 野菜に火が通ったら弱火に。 味噌を溶かし豆乳を注ぐ。 ⑥ 春菊と豆腐を入れ蓋をする。 1分程弱火のま ま蒸し、 白すり ごまを散らす。 ≪豆知識≫ 肺を潤す 「レンコン」 「銀耳」 「豆乳」 「白ごま」 、 津液を生じさせる 「銀耳」 「豆腐」 「豚肉」 、 食欲の秋にお疲れモードの胃を調え る 「椎茸」 を使用。 秋は、 潤いを促す 『白い食材』 を積極的にとるのがおすすめ ! デザー トに 「梨」 を用意できたら最高です ! 笑 ヨガの術 「木のポーズ (ヴルクシ ャ ・ アーサナ) 」 ≪材料≫ ◎肉団子 豚ひき肉 200 g レンコン 150 g 生姜みじん切り 1かけ分 酒 大さじ1 塩 一つまみ 片栗粉 大さじ1 水 大さじ1 ◎豆腐 1丁 ◎銀耳 (白き く らげ) 15 g ◎人参 1/2本 ◎春菊 1/2束 ◎干し椎茸 2枚 ◎豆乳 300cc ◎だし汁 300㏄ ◎味噌 大さじ3 ◎白すり ごま 大さじ2 (好みで加減し てOK ! ) 石垣麻衣子/米国ク リパルセンター公認ヨガ教師 ・ 中医薬膳師 ヨーガの道、 ゆっ く り歩んで1 6年。 現在オンラインヨ−ガも開講中。 「macoloco」 主宰。 猫と じゃれること と、 桃が大好き。 2 月 に 始 ま っ た ︑ ロ シ ア に よ る ウ ク ラ イ ナ 侵 攻 ︒ ウ ク ラ イ ナ の た め や 戦 争 が 終 わ る た め に 何 か し た い と 思 う 人 は 多 く ︑ 経 王 寺 さ ん に も 心 温 ま る 寄 付 が 寄 せ ら れ て い ま す ︒ こ の 寄 付 の 届 け 先 の ひ と つ が ︑ ﹁ チ ェ ル ノ ブ イ リ ・ 救 援 ・ 中 部 ︵ 通 称 チ ェ ル 救 ︶ ﹂ ︒ 名 古 屋 市 に 事 務 所 が あ る こ の 団 体 は ︑ 1 9 9 1 年 に チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 被 災 者 の た め の 活 動 を 開 始 ︒ 原 発 が 位 置 す る ウ ク ラ イ ナ 北 部 に は 高 濃 度 汚 染 地 域 が あ り ︑ チ ェ ル 救 は 長 年 に わ た り 医 薬 品 を 中 心 と し た 支 援 を お こ な っ て い ま し た ︒ 福 島 第 一 原 発 の 事 故 の あ と は ︑ 福 島 県 南 相 馬 市 で 放 射 線 量 の 測 定 と マ ッ プ 作 り な ど を お こ な う ほ か ︑ 南 相 馬 市 の 小 学 校 と ウ ク ラ イ ナ の 小 学 校 を つ な い で ︑ ク リ ス マ ス カ ー ド の 交 換 を 行 っ て い ま し た ︒ チ ェ ル 救 は ウ ク ラ イ ナ が 侵 攻 さ れ て ︑ 戦 争 が 続 く 中 で も パ ー ト ナ ー 団 体 と 連 絡 を 取 り 合 い 現 地 支 援 の 道 筋 を 築 い て 医 薬 品 や 粉 ミ ル ク の 支 援 を 開 始 ︒ 顔 が 見 え る 関 係 の も と ︑ 確 実 に 必 要 な も の を 必 要 な と こ ろ に 届 け て い ま す ︒ ク リ ス マ ス カ ー ド の 交 換 を し て い る 学 校 も 半 壊 し て し ま い ︑ 戦 争 が 終 わ っ て も 復 興 に 向 け て の 支 援 に 取 り 組 む 予 定 で す ︒ こ の た び の 戦 争 ︑ ロ シ ア 兵 も 多 く 傷 つ い て い ま す ︒ チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 周 辺 に 駐 屯 し た 時 に は ︑ 被 曝 し た と 報 道 さ れ ま し た ︒ チ ェ ル 救 の ス タ ッ フ は ﹁ で き る こ と な ら ︑ 被 曝 し た ロ シ ア 兵 の た め の 活 動 も し た い ﹂ と 語 っ て い ま し た が ︑ そ れ は 人 と 人 と の つ な が り で 活 動 し て き た か ら こ そ の 言 葉 ︒ 国 と 国 が 戦 争 し て い て も ︑ 人 と 人 は 助 け 合 え る と 希 望 を 感 じ ま し た ︒ 半壊された25番学校。 チェル救を 通じて南相馬市の小学校と交流 していま した。 ウクライナ侵攻により支援が必要 になった病院に医薬品の支援をし ています。 枝木美香/認定NPO法人アーユス仏教国際協力ネッ ト ワーク事務局長 島根県松江市出身。 国際協力活動とお寺を繋ぐ仕事に試行錯誤の日々を送る。 好きなこと : 喫茶店で読書すること。 食品の備蓄と称して買いだめすること。 特定非営利活動法人チェルノ ブイリ救援 ・ 中部 〒460-0012 愛知県名古屋市中区千代田5-11-33 ST ・ PLAZA ・ TSURUMAI本館5階B号室 Email: chqchubu@muc.biglobe.ne.jp 2 0 2 1 両足の裏全体でバランスをと りながら、 両足を揃え て立つ。 左膝を曲げて、 左足の裏を右足の内も もにつける。 (内も も まで上げづらければ、 ふく らはぎや内く るぶし でもオッケー ! ) 右足一本で立ったら、 両手を胸の前で合掌する。 息を吸いながら、 合掌した両腕を空の方へと伸ばし、 肩幅く らいに開く。 胸を開きながら、 5呼吸程キ−プする。 (※優しい風に枝葉がなびく よ うに、 両腕をゆらゆらと左右に揺らし てみるのも◎) 片足が終わったら、 逆側も同様に行う。 こ こがポイン ト ! 手順 【効果】 ・ バランス感覚を養う ・ 血行促進 ・ 冷え性改善 ・ 集中力ア ッ プ ・ しなやかな強さを養う ( N P O 法 人 ) ﹁ チ ェ ル ノ ブ イ リ 救 援 ・ 中 部 ﹂ 日本には季節によ って 「風」 の名前が様々あり ます。 初夏には 「薫風 (く んぷう) 」 、 秋には 「金風 (きんぷう) ・ 涼風」 …。 先人た ちは日々吹く風に寄り添い、 味わっていた様子が窺えます 。 一方で、 風は、 百病之長とも言われ、 悪さをする風の邪気 (風邪/ふう じゃ) と共に外から身体に侵入します。 日本では、 発熱や鼻水、 咳、 倦怠 感などの症状を総称し て 「風邪/かぜ」 と呼んでいて、 実は 「かぜ」 という 病気はないんですね。 残暑もありつつ、 だんだんと乾燥し てくる季節。 肺や大腸が影響を受 けやす くなり 、 悪寒、 鼻づま り 、 喘息、 咳、 便秘などの症状が出やす くなり ます 。 体内の風の通り をよ く し て、 肺や大腸を潤し養いまし ょ う。 A 何千年 ・ 何百年という時の流れと共に、 沈黙をまも りながらどっし りと佇む木。 ただ頑固にじ−っと立っているので はあり ません。 太陽が照る日も、 雨や雪の日も、 そし て風の吹く日も。 逞し く大地に根を下ろしながらも、 変化に委ねる しなやかさがあり ます。 そんな木になり き って、 ポーズを通し てしやなかな強さを身体で感じてみまし ょ う ! 何の木でもいいので、 大木、 小木、 好きな木、 毎日通る道に何気なく立つ木…暮らしの中にある 「木の存在」 を意識し てみるのもオスス メ です。 マイ マイ先生の マイ ケア術 〜薬膳と ヨガと私〜 「風に吹かれて」 〜 N P O ・ N G O 紹 介 〜 ↑ ↑ ↑ ↓ ↓ 風に なびく よ うに ユラ〜ユラ〜 例えば 「自分が桜の木だったら…」 どんな気持ち、 どんな感覚でし ょ うか 文 ・ 枝 木 美 香 肉団子 人参 豆腐 干し椎茸 春菊 銀耳 味噌 ・ 豆乳 ・ 出汁
  12. 12. 2 2 2 3 T アッ 当たった… コツン ブーン もう怒った! ブーン シュー パンっ ! シュー あれ? ブーン ハっ ごめんなさい! 観 観 ハエ はい、 経王寺でございます のいる間に 文 ・ お寺のおち ょ やん 今 日 も お 寺 は 平 和 で す ︒ お 寺 で 実 際 に あ っ た こ と を 元 に 書 い て い ま す ︒ 作 ・ オ ノ リ サ コ −寺務員の部屋− 2 曲 目 は フ ッ ト ・ ス テ ッ プ ・ イ ン ・ ザ ・ ダ ー ク ︒ ﹁ 暗 闇 の 中 の 足 音 ﹂ と い う 曲 で す ︒ コ ロ ナ 禍 で 不 安 な こ と も 多 い 毎 日 ︒ そ ん な 不 安 を 暗 闇 の 足 音 に 例 え た の が こ の 曲 で す ︒ 暗 闇 の 中 の 足 音 ︒ ち ょ っ と 想 像 し て み て く だ さ い ︒ 真 夜 中 の 自 分 の 部 屋 ︑ あ る い は ホ テ ル の 部 屋 ︒ 部 屋 に は 私 一 人 ︑ し か も 電 気 も つ い て い な く 真 っ 暗 闇 ︒ そ の 時 ︑ 突 然 ド ア の 向 こ う か ら ド ス ド ス っ て 暴 力 的 な 足 音 が し た ら ど う で す か ︒ 怖 い で す よ ね ︑ め ち ゃ く ち ゃ 怖 い ︒ ま る で ホ ラ ー 映 画 で す ︒ な ぜ 怖 い の で し ょ う か ︒ そ れ は 見 え な い か ら で す ︒ 部 屋 の 中 も ︑ ド ア の 外 に い る 人 も ︑ 見 え な い か ら 怖 い の で す ︒ 幽 霊 の 正 体 見 た り 枯 れ 尾 花 っ て こ と わ ざ が あ り ま す が ︑ 見 え て い れ ば 怖 く な い ︒ 何 が ど う な っ て い る の か ︑ 見 え な い か ら 怖 い の で す ︒ 勝 手 に 想 像 を 膨 ら ま し て し ま う か ら 怖 い の で す ︒ 真 っ 暗 な 闇 ︑ 明 か り も な い 暗 闇 に お び え る の は ︑ 私 た ち の 心 で す ︒ そ の 心 を 支 配 し て い る の は 神 様 で は な く ︑ 私 自 身 ︒ 私 が 勝 手 に ︑ 何 も 見 え な い 暗 闇 に お び え て い ま す ︒ 何 も 見 え な い 暗 闇 に お び え て い る の な ら ︑ 明 か り を 灯 し ︑ 見 え る よ う に す れ ば い い の で す ︒ ロ ー ソ ク 一 本 ︑ 小 さ な 懐 中 電 灯 ︑ マ ッ チ 一 本 で も い い ︒ 小 さ な 光 さ え あ れ ば 暗 闇 に お び え る 必 要 は あ り ま せ ん ︒ 部 屋 に は 明 か り を 灯 せ ば 何 も 怖 く な い ︒ で は 心 の 暗 闇 は ど う す る か ︒ 心 の 暗 闇 こ そ 不 安 が 原 因 ︒ そ の 不 安 は ︑ わ か ら な い と い う こ と が 原 因 で す ︒ わ か ら な い を 別 な 言 い 方 を す れ ば 無 智 ︒ 無 智 は 生 き る 智 慧 が な い と い う 意 味 で す ︒ 心 の 不 安 を 取 り 除 く に は ︑ 生 き る 智 慧 ︑ つ ま り お 釈 迦 さ ま の 教 え が 必 要 だ と い う こ と で す ︒ 仏 教 を 学 ぶ こ と は ︑ 心 の 暗 闇 を 取 り 除 く こ と で す ︒ 皆 さ ん の 目 の 前 に は ︑ い く ら で も お 釈 迦 さ ま の 智 慧 が あ り ま す ︒ ﹁ こ の 世 界 が 苦 し み で 燃 え 上 が っ て い る と い う の に ︑ 笑 い や 喜 び を 求 め て も 何 も 解 決 し な い ︒ そ れ は 人 々 の 心 が 無 智 だ か ら だ ︒ な ぜ 苦 し み を 乗 り 越 え る 教 え を 探 し 求 め な い の だ ﹂ ︵ ダ ン マ パ ダ 一 四 六 観 章 意 訳 ︶ ﹁ 智 慧 を 求 め な い も の は 牛 の よ う に 老 い て い く ︒ 無 駄 な 肉 ば か り 身 に つ い て 気 を 取 ら れ て い る か ら ︑ 肝 心 な 智 慧 が 一 向 に 身 に つ か な い ﹂ ︵ ダ ン マ パ ダ 一 五 二 観 章 意 訳 ︶ 仏 教 は 自 分 を 見 つ め ︑ 至 ら な い 自 分 を 改 革 し て い く 宗 教 で す ︒ 智 慧 を 磨 き ︑ 光 ら せ て い け ば ︑ 心 の 暗 闇 も な く な り ︑ 進 む べ き 道 も 見 え る は ず で す ︒ 暗 闇 の 足 音 に お び え る こ と な く ︑ 胸 を 張 っ て 真 っ 直 ぐ 生 き て い く 智 慧 を 手 に 入 れ た い も の で す ︒ 人生はビターであり スウ ィ ー ト であり ビ ュ ーテ ィ フ ル。 ど う したら美し く 生きていけるか。 「フ ッ ト ス テ ッ プ イ ン ザ ダーク」 『僕とパンデミ ッ ク と仏教と ラ イ ムス ター』 窓辺から 「バーン ! 」 と大きな音がした。 驚いて駆けつけると、 窓越しに我が家の猫 と野良猫が対峙している。 緊迫した空気が流 れ束の間、 野良猫が窓に向かって 「バーン ! 」 と強烈な猫パンチを繰り出した。 我が家の猫も負けじと窓に向かって猫パ ンチを繰り出す。 しかし、 野良猫はそれよりも 数倍の音を立てて 「バーン ! 」 と窓を叩く。 我 が家の猫は飛び下がってしまった。 事態が落ち着いた頃、 我が家の猫を撫で ていると、 野良猫は窓の前にぴったり と く っつ き、 う っと り と した表情で撫でられている我が 家の猫を睨んでいる。 野良猫は、 我が家の猫 を羨んでいるのだろうか、 それとも猫のく せに と蔑んでいるのだろうか。 夜の公園 蒸し暑い夜には夕涼み、 ひと り物思いに耽ってみたり 誰かと二人でナイ シ ョの話 みんなで花火もいいですね。 何もなくても集まって無駄話 夜の公園はイ ベン トの宝庫 ! パワースポッ トではないけれど ホッ とできる場所。 あなたにはありますか ?

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