SlideShare uma empresa Scribd logo
1 de 49
Baixar para ler offline
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
カリー・ハワード対応と
『証明のデータ型としての命題』観
[2021CAPE 公開セミナー] 論理学上級 Ⅱ-2
矢田部 俊介
Center for Applied Philosophy and Ethics,
Graduate School of Letters,
Kyoto University
2022 年 3 月 26 日(土)1400-1600
1 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
あらすじ
• 1972 年にマーティン=レーフが構成的型理論を発表し、
論理主義と直観主義(構成主義)の両派を束ねる形で、
新たな流れが始まりました。構成的型理論は数学の基礎
としてだけではなく、計算機科学の基礎理論(有限ス
テップで計算が終わるプログラムのための基礎理論)と
して大きな役割を果たすようになります。
• この進展は、論理学における証明論的意味論の進展と手
を携えて進んでいます。証明論的意味論における命題の
意味はその証明であると見なす立場から、
『証明のデータ
型としての命題』という考え方が生まれ、構成的型理論
はその表現の一つであると見なすことができるからです。
• 本講演では、その基礎理論となる、直観主義論理におい
て「命題を証明すること」と「計算をすること」が同一視
できるという「カリー・ハワード対応」、および証明を命
題の意味と見なす『証明のデータ型としての命題』観を
説明します。
2 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明のデータ型としての命題
3 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
命題の意味とは何か?(意味の理論 1.0)
意味の理論 1.0「命題の意味は命題の指示対象である」
:
「指示」概念は、厳密に考えだすと大変 が多い概念ではある
が、直観的にはわかりやすい概念であり、またその意味論は
単純である(真理関数意味論、クリプキ意味論)
。一方で以下
のような問題点がある。
• その指示対象(真理値など)が何なのかよく分からない、
• 構造が静的であり、証明や推論の動きと言った動的な過
程は表現できない。
4 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
命題の意味とは何か?(意味の理論 2.0)
意味の理論 2.0「命題の意味はその(正規な)証明によって定
まる」
:
哲学的に簡明であり、
「真理」や「指示」といったその内実が
よく分からない概念を必要とせず、人間の推論という動的な
プロセスを上手く表現できるが、一方で以下のような問題点
がある。
• 「意味は証明によって定まる」とは言うが、
「定める」と
はどういうことか?証明できない命題の意味は?
• 証明は樹形の複雑な構造であり、数学的に表現が難しい。
• なによりも、一つの命題の(正規な)証明は複数あり、命
題 → 証明の対応関係が 1-1 ではない。こういう状況では
「指示」と言いづらいのではないか?
意味の理論 1 のような直接的な表現で、命題の意味とは何か
を直接示すことはできないか?
5 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
意味の理論 2.0 における証明をベースにした意味の理論
• 「意味は証明によって定まる」とは言うが、
「定める」と
はどういうことか?
⇒ 命題の意味はその命題の証明そのものとする
• 証明できない原子命題の意味は?
⇒ 原子命題の意味は、その命題を証明する特殊な証
明があると見なす
• 証明は樹形の複雑な構造であり、数学的に表現が難しい
⇒「λ 項」でコーディングする
• なによりも、一つの命題の(正規な)証明は複数あり、命
題 → 証明の対応関係が 1-1 ではない。こういう状況では
「指示」と言いづらいのではないか?
⇒ 命題が一つの証明を指示するのではなく、
命題は証明の集まりと見なす
6 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
構成的型理論の出番
命題が一つの証明を指示するのではなく、命題は証明の集ま
りと見なす(同一視する)
⇒ 証明の(データ)型としての命題
(Proposition-as-types)観
• 証明は帰納的に構成される(可述的である)
• 証明は生成規則が厳密で、ある記号列が証明かそうでな
いかはコンピュータでも判定できる
• 命題は、厳密な生成規則を持つ「
(データ)型」と同一視
できる
厳密な生成規則を持つ「型」の理論である型理論の出番
7 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明を関数として解釈する
8 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明を表現する対象が満たすべき要件(1)
証明とは、命題(前提)を命題(定理)に変形する変換(関
数)である。
(1) 証明は命題を別の命題(それも証明の集まりである)に
変換する。つまり、
「型としての命題」観においては、証
明とは、証明の集まりを証明の集まりに写す変換(関数)
であることになる。
• 以下の証明において、 f を A から B を導出する証明であ
るとする。そして a : A と b : B とする。このとき
A
∈

f
// B
∈

a
f
// b = f(a)
• f : A → B の意味から考えて、任意の A の証明 a に対
し、ある B の証明 b が対応し、b は a の証明が f により
変形された結果であると見なしたい。
9 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明を表現する対象が満たすべき要件(2)
(3)
(2) 証明は、規則に従って帰納的に構成されるものである。
たとえば、∧ 導入規則を適用し、命題 A の証明 a と、命
題 B の b を組み合わせることにより、A ∧ B の証明を新
たに構成することができる。この意味で、有限個の証明
をボトムアップに組み合わせ、新たな定理の新たな証明
を得ることができる。
(3) 同じ定理にも異なる証明があるが、正規化すれば同じに
なる(ことも多い)
。
証明の正規化の節で見たように、遠回りのある証明は、
証明を書き直すことで、正規な証明に変換できる(ただ
し、ある命題が複数の異なる正規な証明を同時に持つこ
ともあり、注意が必要である)
。
10 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
命題に相当するデータ型の定義
11 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
命題を「関数のデータ型」として表現するための枠組み
• 前述のように、データ型は証明(関数)の集まりである
から、命題の証明を反映した構造を持つはずである。
• ただし、残念ながら前述のようにページ数の都合のため、
命題 ⊥ と、論理結合子は → のみ(最小命題論理の「→ 断
片」と呼ぶ)の紹介とする。
12 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
⊥ のデータ型
• 最小命題論理と直観主義論理においては、証明の正規化
定理により、矛盾命題 ⊥ は証明を持たない。
• ということで、⊥ はその証明の集合でありその証明は存
在しないため、⊥ は空集合 ∅ ということとなる。
13 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
原子命題の証明
論理結合子・量化子を一切含まない、証明のしようがない原
子命題は、以下のように扱う
• 公理でその原子命題が証明可能なときは、公理そのもの
を証明とみなす
• 原子命題一般の場合は、その命題を証明する特別な証明
が暫定的に存在すると仮定する(A が原子命題の時、
x : A と書き、
「x という証明が A に存在すると仮定する
時」と読む:Agda での stopulate がコレに相当する)
(真理表で、その原子命題が真な時、複合命題の真理値
がどうなるかを考えるが、それとの証明論的意味論バー
ジョンである)
14 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
→-導入・除去規則と関数としての証明
[v : A]
.
.
.
. h
B
h : A → B
→ +v
.
.
.
.
Γ, A ⊢ B
Γ ⊢ A → B
• これは、→ 導入規則の適用により、A から B への証明が
あるとき、A → B の証明 h を生成していると考えること
ができる。
• つまり、A → B の証明 h は、本質的には A の証明を B
の証明に変換する操作であり、それは基本アイディアに
従って関数として解釈される。
15 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
例:恒等関数としての A → A の証明
以下の証明を考えよう。
A ⊢ A
⊢ A → A
[v : A]
A
A → A →+ v
この証明において、A が証明可能かどうかは不明である。な
ので、とりあえず A は x という証明を持つ(x : A)だと仮定
しよう。そうすると、上の証明は、証明という観点からは、以
下のように書ける:
x : A ⊢ x : A
⊢ id : A → A
x : A
x : A
id : A → A
ただし関数 id(x) は以下のような関数である:任意の証明 x に
対し id(x) = x。x : A を x : A に変換する関数、つまり恒等関
数である。
16 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
除去規則(1)
ある形式体系が論理であるための必要条件である、反転原理
および証明の正規化に関連し、以下のような除去規則の適用
を含む証明を考えよう。
.
.
.
. f
Γ, A ⊢ A
.
.
.
. g
Γ, B ⊢ B
Γ, A → B, A ⊢ B
.
.
.
. f
A
[v : A]
.
.
.
. h
B
A → B
→ +v
B
→ −
 この証明において、A は最初に仮定され、A を証明 h に
よって変形し結論 B を結論する。
17 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
除去規則(2)
証明の反転原理の考え方により、A が証明 f を持つとき
( f : A と書こう)
、B の証明は f と h を組み合わせた証明
(h ◦ f と書くことにする)に還元できる。
.
.
.
. f
A
[v : A]
.
.
.
. h
B
A → B
→ +v
B
→ −
.
.
.
. f
A
.
.
.
. h
B
いいかえると、証明 A → B の証明 h は、A の証明 f に適用す
る(まず f の計算をしてその結果に h の計算を行う)と、B
の証明 h ◦ f を得ることができる。
h ◦ f(x) = h( f(x))
この h は、推件計算における B の証明 g と同じものであり、
つまり h は A の証明を B の証明に写す関数である、と考える
ことができる。
18 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
除去規則(3)
• 除去規則の適用は、このように関数の適用による関数合
成と見なすことができる。
• このように、全ては関数とその操作として解釈される。
反転原理と正規化定理による「証明の付け替え」を、関
数の合成によって表現している訳である。
• 証明論的意味論においては、論理とはなにかという条件
の本質を反転原理が表現するので、関数合成によるモデ
ルは論理の本質を表現していることになる。
19 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∧-導入・除去規則と、データ型の直積
20 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∧-導入規則
∧-導入規則の適用を含む証明を考える。
.
.
.
. f
A
.
.
.
. g
B
A ∧ B
• A ∧ B の証明は、A の証明 f と B の証明 g を組み合わせ
て構成される、と言いたくなる。後は、それをどうデー
タ型で表現するか、という問題である。
• こういう場合、一番に多く使われるのが「直和」
、A の元
と B の元でペアを組ませその集まりをとる:二つのデー
タ型 A, B に対し、その直和 A × B とは以下のように定義
されるデータ型である。
A × B = {(x, y) : x : A ∧ y : B}
• A ∧ B の証明は、a : A と b : B を使用し、以下のように
表現される:
(a, b) : A × B
21 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∧-導入規則と除去規則
.
.
.
. a
A
.
.
.
. b
B
A ∧ B
• A ∧ B の証明は、a : A と b : B を使用し、以下のように
表現される:
(a, b) : A × B
この場合、
• 導入規則は a : A, b : B からペア (a, b) : A × B を構成す
る手続きに相当する
• 除去規則はペア (a, b) : A × B から a : A(左除去規則)
もしくは b : B(右除去規則)を構成する手続きに相当す
る。そのため、事前にペア (a, b) から左側の元、右側の元
を取り出す関数を用意しておかないといけない:
π0((a, b)) = a,
π1((a, b)) = b
22 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∨-導入・除去規則とデータ型の直和
23 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∨-導入規則(1)
∨-導入規則の適用は、以下のような形となる。
.
.
.
. f
A
A ∨ B
∨+
.
.
.
. g
B
A ∨ B
∨+
A ∨ B の証明は、A の証明 f もしくは B の証明 g のどちらか
により構成される、と言いたくなる。
気分としては、A ∨ B は、以下のような集合としたい。
A ∨ B = A ∪ B
つまり、c : A ∨ B であれば c ∈ A ∪ B なので、c ∈ A である
か c ∈ B であるかのどっちかであるはずである。
24 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
∨-導入規則(2)
.
.
.
. f
A
A ∨ B
∨+
.
.
.
. g
B
A ∨ B
∨+
• 気分としては、A ∨ B は、以下のような集合としたい。
A ∨ B = A ∪ B
• 問題は、このとき、A ∨ B のうち、証明を持つ方はどっち
なのかという問題である。できれば左か右のどっちの元
だったのか分かるようにしたい。
• A と B の直和は、以下のようなデータ型である。
A∨B = A⊎B = {(x, y) : (x = 0∧y ∈ A)∨(x = 1∧y ∈ B)}
データ型から証明を取り出す関数として、定義??で使用
した π1, π2 のように、以下を定義しておく。
inl((a, b)) = a,
inr((a, b)) = b
25 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明の帰納的データ型としての命題
26 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
データ型、型と型推論
• 計算機科学の文脈では、規則に従って厳格に定義された
ものの集まりのことをデータ型 (datatype)(
「集合」の計
算機科学版と考えてよい)と呼ぶ、
• さらにデータ型の中で帰納的にボトムアップに定義され
たものを帰納的データ型 (inductive datatype) という。
• データ型とは「型」の一種である。型は、単体(N のみ)
で使っても余り意味がなく、p(n) : N が推論(型推論と
呼ぶ)できるように、システムとして使用
される必要がある。かくして、
型システムが出番である。曰
く
(型システムとは)プログラムの各部分を、それが計
算する値の種類に沿って分類することにより、プログ
ラムがある種の振る舞いを起こさないことを保証す
る。計量的に扱いやすい構文的手法である。
(型シス
テム入門 p.1)
27 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
「
(データ)型としての命題」観
「
(データ)型としての命題」観 (“Propositions-as-types”)
は、以下を主張する:
命題は、その命題の証明のなす(帰納的)データ型で
ある。
28 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
カリー・ハワード同型対応
29 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
λ 記法
証明を関数として見なす場合、関数の表現には、慣例的に λ
項と呼ばれる記号法が使用される。
• その基本アイディアは、関数の入力を明確にしよう、と
いうものである
• y = sin(ax + b) は、大抵は x についての関数だと考える
ことが多い。しかし、関数 y = sin(2x + b) と
y = sin(3x + b) の波形の比較をするときなど、a を入力と
見なしたい時もある。
• このとき、通常の y = sin(ax + b) という表記法は、どの
変数に注目しているのか、どの変数が入力であるのかが
わかりにくい。
• そのため変数 a を入力と見なしたいときは以下のように
表記することとする(x と b は定数の扱いである)
。
λa. sin(ax + b)
これを変数の「λ 束縛」
(λ-binding)と呼ぶ。
30 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
λ 項の定義
x0, x1, · · · を変数とする。このとき、λ 項(λ-terms)を帰納的
に定義する
• 変数 x0, x1, · · · は λ 項である。
• M が λ 項で x が変数のとき、(λx.M) も λ 項である。
• 量化子の場合と同じく、x を λ による束縛変数と呼ぶ(同
じく、束縛されていない変数は自由変数である)
。
• M から (λx.M) を構成する操作を λ 抽象(abstraction)と
呼ぶ。
• M, N が λ 項のとき、(MN) も λ 項である。
• M, N から (MN) を構成する事を適用(application)と
呼ぶ。
31 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
[α 同値
「同一性なくして対象なし」である。
• M と N が α 同値(α-equivalence)であるとは、M が
λx.M0 という形の式の場合、N は束縛変数 x が別の変数
y(ただし M0 内に登場しないもの)に変換された λy.M0
という形である場合を指す。
• ある λ 項 M の変数を書き換え、M と α 同値な λ 項 N を
構成する事を α 変換と呼ぶ。
• λ 項 M0, M1, · · · , Mn が変数条件を満たすとは、それらの
自由変数/束縛変数が全て重ならない(M0, M1, · · · , Mn
の自由変数であり、かつ同時に M0, M1, · · · , Mn の束縛変
数であるようなものが存在しない)ことである。
• 変数条件を満たす M, N, x に対し、M[x := N] とは、λ 項
M 内の変数 x が現れる全ての箇所に、N を代入した項を
さす。
32 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
[α 同値の性質
この α 同値性は、λ 項の変数の書き換えが可能である事を示す
• 以下の λ 式はみな α 同値である。
λxλy.xy, λxλu.xu, λuλw.uw
この中で、列 λxλy.xy, λvλw.vw は変数条件を満たして
いる。
• このように α 同値は変数変換を表すが、一歩一歩変換し
ていけば、我々が当たり前のようにやっている変数変換
は全て実行できる。
• α 変換を適宜行えば、任意の λ 項の列 M0, M1, · · · , Mn−1
は、変数条件を満たす列 M′
0
, M′
1
, · · · , M′
n−1
に変換で
きる。
33 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
代入操作を表す β 変換
• 関数の書き換え規則として、もっとも基本的であると思
われるものは代入操作である。 f(x) の x に 1 を代入した
ら f(1) になるし、x に g(y) を代入したら f(g(y)) になる。
• 以下、この代入操作に対応する書き換え規則「β 変換」
と、規則により与えられる λ 計算の定義を与えよう。
• 変数条件を満たす M, x, N に対し、β 変換 →β を以下のよ
うに帰納的に定義する。
• (λx.M)N →β M[x := N]
• M →β N ならば以下が成立する
• λx.M →β λx.N,
• MP →β NP,
• PM →β PN.
• なお、β 変換のもととなる (λx.M)N の形の λ 項を β 基
(β-redex)と呼ぶ。
34 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
(単純)型つき λ 計算
35 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明を表現する λ 項を定義する
• 前節で定義した λ 項のうち、証明に対応する部分をボト
ムアップに定義する。
• つまり有限回で計算が必ず終わる、証明と適切な対応が
つく部分だけ取り出して定義しよう
• ここでは簡単のために、→ の導入規則と除去規則に対応
する部分だけ、自然演繹(ただし複数の前提を明示化す
る)の枠組みで定義する。
36 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
(単純)型の定義
(単純)型(simple types)の集合 Π は、以下のように構成
される。
• (最初のステップ) 型変数 α, β, · · · (大文字)のどれか
である
• (後続者ステップ)ある型 σ, δ に対し α → β である。
以後、
(単純)型のことを省略し「型」と呼ぶ。
• 型とは、λ 項のデータ型、もしくは λ 項を特徴付けるため
の属性の名前のようなもの
• λ 項 M がデータ型 α のメンバーである(
「型 α を持つ」
)
とき、以下のように表記する:M : α
• 以後、これまで「命題」と呼ばれてきたもののことを
「型」と呼ぶので、名称は「命題論理」ではなく「型シス
テムの型付け」の話となる。
37 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明における「型」の役割:有限停止性の保証
• もともと「型」というものは、論理式やその証明、プログ
ラムのように、有限ステップで構成されるものに対して、
後でチェックするために、その構成法にチェック用の値
を割り当てるものである。
• この(単純)型つき λ 計算の場合、有限ステップで構成
されるものは λ 項であり、その構成法を記録するために
(単純)型が割り当てられる。
38 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
文脈
文脈(context)は、以下の集合 C と同じ形をした集合全体の
集合である:
C = {x1 : τ1, x2 : τ2, · · · , xn : τn}
ただし τ1, τ2, · · · τn は単純型であり、x1, x2, · · · , xn は変数で
ある。文脈全体の集合を Λ と書く。ちなみに、
• 文脈 C のドメイン(domain)とは、{x1, x2, · · · , xn} のこ
とである。
• 文脈 C のレンジ(range)|C| とは、{τ1, τ2, · · · , τn} のこ
とである(ただし重複は省く)
。
39 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
論理的帰結関係
次に、ある文脈のもとで、ある命題が導出されることを、⊢ 記
号を使って表現することとする。
• 文脈 x1 : τ1, x2 : τ2, · · · , xn : τn において、M : B が導出
されることを以下のように記述する。
x1 : τ1, x2 : τ2, · · · , xn : τn ⊢ M : B
• ⊢ の左側は(キャンセルされていない)仮定を表現し、右
側は(自然演繹において左側を仮定した)結論である。
• (例)x0 : A, x1 : B という前提(キャンセルされていな
い仮定)のもとで、M : A ∧ B が導出されることを、以
下のように書く
x0 : A, x1 : B ⊢ M : A ∧ B
• (例)キャンセルされていない前提 A0, A1, · · · , An−1 か
ら B を導出する(完成されていない)証明図がある場合、
その証明を以下のように表記する:
A0, A1, · · · , An−1 ⊢ B
40 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
単純型つき λ 計算
カリー(H. Curry)による単純型つき λ 計算は、以下のように
定義される。型付け関係 ⊢ は、以下のように帰納的に構成さ
れる。
• A → A に相当する規則(ただし Γ は任意の文脈とする)
Γ, x : τ ⊢ x : τ
• λ 抽象:→-導入規則に相当する規則
Γ, x : σ ⊢ M : τ
Γ ⊢ λx.M : σ → τ
• 適用:→-除去規則に相当する規則
Γ ⊢ M : σ → τ Γ ⊢ N : σ
Γ ⊢ MN : τ
→ 導入規則が λ 抽象に、→ 除去規則が適用に対応する。
41 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
構造規則
推件計算の構造規則に対応する、以下の規則を用意しておき、
帰納的構成に活用する。
• 弱化(weakening)
Γ ⊢ M : τ
Γ, N : σ ⊢ M : τ
w
• 交換(exchange)
Γ, N0 : α, N1 : β ⊢ M : τ
Γ, N1 : β, N0 : α, ⊢ M : τ
e
• 縮約(contraction)
Γ, N : σ, N : σ ⊢ M : τ
Γ, N : σ ⊢ M : τ
c
42 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
型付け可能
• ⟨Λ, Π, ⊢⟩ の組を(単純)型つき λ 計算(もしくは λ→)と
呼ぶ。
• Γ ⊢ M : α の結論が出たとき、「Γ において M は α とい
う型を持つと判断される」そして「M は型付け可能
(typable)である」と呼ぶ。
• 単純型つけ λ 計算において、型を対応させることが可能
な λ 項のことを、
「証明項」と呼ぶ。
43 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
カリー・ハワード同型対応
最小命題論理(の →-断片)と単純型つき λ 計算の間には、以
下が成立する。
(1) 単純型つき λ 計算で Γ ⊢ M : φ(ただし Γ は文脈)という
型推論ができる場合、最小命題論理でも |Γ| ⊢ φ が成立
する。
(2) 逆に、最小命題論理の → 断片において Γ ⊢ φ(ただし Γ
は推件)が成立する場合、∆ ⊢ M : φ が成立する(ただし
Γ = {φ0, φ1, · · · , φn} のとき、自由変数 x0, x1, · · · , xn に対
し ∆ = {(x0 : φ0), (x1 : φ1), · · · , (xn : φn)})
。
44 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
同型対応の証明
証明は帰納法によるが、ほぼ自明であるため、ダイジェスト
でお送りする。
• (1) について、単純型つき λ 計算の型推論の右側だけ見れ
ば、それはそのまま最小命題論理の証明となっている。
• (2) については、同様に、最小命題論理での Γ ⊢ φ の証明
について、その左側で証明に合わせて λ 抽象と β 変換を
行えば、必ず、証明に対応する λ 項が生成される。
□
45 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明の正規化と λ 項の正規化
46 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
証明の複数性
回り道のある(非正規な)証明に対応する型つき λ 計算は以
下のようになる。
x : (A → B) ⊢ x : (A → B) y0 : A ⊢ y0 : A
x : (A → B), y0 : A ⊢ xy0 : B
x : (A → B) ⊢ λy0.xy0 : A → B y1 : A ⊢ y1 : A
x : (A → B), y1 : A ⊢ (λy0.xy0)y1 : B
(λx.(λy0.xy0)y1) : (A → B) → B
λy1.(λx.(λy0.xy0)y1) : A → ((A → B) → B)
これを正規化した証明は以下の通りである。
x : (A → B) ⊢ x : (A → B) y : A ⊢ y : A
x : (A → B), y : A ⊢ xy : B
y : A ⊢ λx.xy : (A → B) → B
⊢ λy.(λx.xy) : A → ((A → B) → B)
A → ((A → B) → B) は、証明項を比べれば、
λy1.(λx.(λy0.xy0)y1) と λy.(λx.xy) の少なくとも二通り存在す
ることがわかる。
47 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
λ 項の正規化
• λ 項 M が正規形(β-normal form)であるとは、M が β
基を含まないときをいう。言い換えれば、M がこれ以上
β 変換できないことである。
• 最後が正規形で終わる λ 項の β 変換の列
M0 →β M1 →β · · · →β Mn を正規化列と呼ぶ。
• (正規化定理)型つき λ 計算において、証明可能な命題
に対応する全ての型付け可能な λ 項は、正規化が可能で
ある。正規化された λ 項は、その命題の正規な証明を表
現する。
48 / 49
カリー・ハ
ワード対応と
『証明のデー
タ型としての
命題』観
矢田部 俊介
証明のデータ
型としての
命題
証明を関数として解釈
する
命題に相当するデータ
型の定義
∧-導入・除去規則と、
データ型の直積
∨-導入・除去規則と
データ型の直和
証明の帰納的データ型
としての命題
カリー・ハワー
ド同型対応
(単純)型つき λ
計算
証明の正規化
と λ 項の正
規化
正規化定理の帰結
単純型つき λ 計算で生成される任意の λ 項は、有限ステップ
で正規化される。
• 「証明の複数性」の箇所で紹介した非正規な λ 項は、以
下のような正規化列を持つ:
λy1.(λx.(λy0.xy0)y1) →β λy1.(λx.xy1) ≡α λy.(λx.xy)
このように、遠回りのある証明の λ 項は、有限ステップ
の β 変換により、正規な証明の λ 項に還元される。
49 / 49

Mais conteúdo relacionado

Mais procurados

第一原理計算と密度汎関数理論
第一原理計算と密度汎関数理論第一原理計算と密度汎関数理論
第一原理計算と密度汎関数理論dc1394
 
2SAT(充足可能性問題)の解き方
2SAT(充足可能性問題)の解き方2SAT(充足可能性問題)の解き方
2SAT(充足可能性問題)の解き方Tsuneo Yoshioka
 
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)Teppei Kurita
 
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)Kota Matsui
 
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1Masashi Shibata
 
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?Ichigaku Takigawa
 
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.42013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4Takeshi Sakaki
 
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)Shirou Maruyama
 
Dependent Types and Dynamics of Natural Language
Dependent Types and Dynamics of Natural LanguageDependent Types and Dynamics of Natural Language
Dependent Types and Dynamics of Natural LanguageDaisuke BEKKI
 
機械学習の未解決課題
機械学習の未解決課題機械学習の未解決課題
機械学習の未解決課題Hiroyuki Masuda
 
スペクトラルグラフ理論入門
スペクトラルグラフ理論入門スペクトラルグラフ理論入門
スペクトラルグラフ理論入門irrrrr
 
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?Masanao Ochi
 
ホモトピー型理論入門
ホモトピー型理論入門ホモトピー型理論入門
ホモトピー型理論入門k h
 
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )Kenji Urai
 
zk-SNARKsの仕組みについて
zk-SNARKsの仕組みについてzk-SNARKsの仕組みについて
zk-SNARKsの仕組みについてts21
 
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかりtm_2648
 
遺伝的アルゴリズム (Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】
遺伝的アルゴリズム (Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】Kazuhide Okamura
 
Theory of Relational Calculus and its Formalization
Theory of Relational Calculus and its FormalizationTheory of Relational Calculus and its Formalization
Theory of Relational Calculus and its FormalizationYoshihiro Mizoguchi
 

Mais procurados (20)

第一原理計算と密度汎関数理論
第一原理計算と密度汎関数理論第一原理計算と密度汎関数理論
第一原理計算と密度汎関数理論
 
2SAT(充足可能性問題)の解き方
2SAT(充足可能性問題)の解き方2SAT(充足可能性問題)の解き方
2SAT(充足可能性問題)の解き方
 
動的計画法を極める!
動的計画法を極める!動的計画法を極める!
動的計画法を極める!
 
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)
Sparse Codingをなるべく数式を使わず理解する(PCAやICAとの関係)
 
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)
機械学習による統計的実験計画(ベイズ最適化を中心に)
 
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1
CMA-ESサンプラーによるハイパーパラメータ最適化 at Optuna Meetup #1
 
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?
(2020.10) 分子のグラフ表現と機械学習: Graph Neural Networks (GNNs) とは?
 
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.42013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4
2013.12.26 prml勉強会 線形回帰モデル3.2~3.4
 
PRML 第4章
PRML 第4章PRML 第4章
PRML 第4章
 
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)
文法圧縮入門:超高速テキスト処理のためのデータ圧縮(NLP2014チュートリアル)
 
Dependent Types and Dynamics of Natural Language
Dependent Types and Dynamics of Natural LanguageDependent Types and Dynamics of Natural Language
Dependent Types and Dynamics of Natural Language
 
機械学習の未解決課題
機械学習の未解決課題機械学習の未解決課題
機械学習の未解決課題
 
スペクトラルグラフ理論入門
スペクトラルグラフ理論入門スペクトラルグラフ理論入門
スペクトラルグラフ理論入門
 
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?
【論文紹介】How Powerful are Graph Neural Networks?
 
ホモトピー型理論入門
ホモトピー型理論入門ホモトピー型理論入門
ホモトピー型理論入門
 
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )
ガウス過程回帰の導出 ( GPR : Gaussian Process Regression )
 
zk-SNARKsの仕組みについて
zk-SNARKsの仕組みについてzk-SNARKsの仕組みについて
zk-SNARKsの仕組みについて
 
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり
畳み込みニューラルネットワークが なぜうまくいくのか?についての手がかり
 
遺伝的アルゴリズム (Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】
遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】
遺伝的アルゴリズム (Genetic Algorithm)を始めよう! 【簡略版】
 
Theory of Relational Calculus and its Formalization
Theory of Relational Calculus and its FormalizationTheory of Relational Calculus and its Formalization
Theory of Relational Calculus and its Formalization
 

Mais de Shunsuke Yatabe

[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」Shunsuke Yatabe
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」Shunsuke Yatabe
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」Shunsuke Yatabe
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」Shunsuke Yatabe
 
Truth as a logical connective?
Truth as a logical connective?Truth as a logical connective?
Truth as a logical connective?Shunsuke Yatabe
 
A constructive naive set theory and infinity
A constructive naive set theory and infinityA constructive naive set theory and infinity
A constructive naive set theory and infinityShunsuke Yatabe
 
Truth as a logical connective
Truth as a logical connectiveTruth as a logical connective
Truth as a logical connectiveShunsuke Yatabe
 
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜Shunsuke Yatabe
 
証明論的意味論の具体例
証明論的意味論の具体例証明論的意味論の具体例
証明論的意味論の具体例Shunsuke Yatabe
 
透明な真理観を巡って
透明な真理観を巡って透明な真理観を巡って
透明な真理観を巡ってShunsuke Yatabe
 
On the meaning of truth degrees
On the meaning of truth degreesOn the meaning of truth degrees
On the meaning of truth degreesShunsuke Yatabe
 

Mais de Shunsuke Yatabe (13)

[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-3「デフレ主義的真理理論」
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-4 「ヤブローのパラドックスと余帰納法」
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-1 「ウソツキのパラドックス 傾向と対策(総論)」
 
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」
[2020CAPE公開セミナー] 論理学上級 I-2「タルスキの真理定義」
 
Truth as a logical connective?
Truth as a logical connective?Truth as a logical connective?
Truth as a logical connective?
 
科哲Ws2010 101127a
科哲Ws2010 101127a科哲Ws2010 101127a
科哲Ws2010 101127a
 
A constructive naive set theory and infinity
A constructive naive set theory and infinityA constructive naive set theory and infinity
A constructive naive set theory and infinity
 
Truth as a logical connective
Truth as a logical connectiveTruth as a logical connective
Truth as a logical connective
 
Outetsu 100424r
Outetsu 100424rOutetsu 100424r
Outetsu 100424r
 
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜
真理の度合理論は適切か? 〜ファジイ論理と真理理論〜
 
証明論的意味論の具体例
証明論的意味論の具体例証明論的意味論の具体例
証明論的意味論の具体例
 
透明な真理観を巡って
透明な真理観を巡って透明な真理観を巡って
透明な真理観を巡って
 
On the meaning of truth degrees
On the meaning of truth degreesOn the meaning of truth degrees
On the meaning of truth degrees
 

[2021CAPE公開セミナー] 論理学上級 Ⅱ-2「カリー・ハワード対応と『証明のデータ型としての命題』観」