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クラウド・スマートデバイス事例調査報告
- 2. 冨田 慎一 (とみた しんいち)
株式会社マッシュマトリックス
代表取締役
事業内容
◦ マッシュアップ技術を核にした企業向け
情報ダッシュボード製品の販売
◦ クラウドコンピューティング環境における
アプリケーション開発のコンサルティング
- 3. クラウドコンピューティングサービスの成熟
◦ 基盤レイヤーの分業が進む(IaaS/PaaS/BaaS)
◦ 新興ベンチャー企業:
低コストかつ高スピードでのサービス開発が可能に
◦ 既存ソフトウェアベンダー :
既存資産を活かし移行の手間をかけずにサービス提供が
可能に
スマートデバイスの利用ユーザの急速な拡大
◦ タッチインターフェースによる利用シーンの拡大
◦ デバイスの大量普及とOSの標準化
◦ BYOD (=Bring Your Own Device) のニーズの高まり
クラウド x スマートデバイスは
今後確実に技術者の需要が見込まれる分野である
- 5. サービスの概要 ユーザ事例 ~ 九州大学 ~
ドキュメントやファイルなどのさまざまな情報 各種スマートデバイスへの対応により
をiPhone / iPad / Android などの各種ス 持ち込み端末での利用を柔軟に実現
マートデバイスに配信し共有できるビジネス・ 教員や学生が迷わず操作できる洗練
教育機関向けサービス されたUIでスマートデバイス向け教材
開発に最適
アンケートの取得やクイズ・試験など、対話的 オフライン環境下でもeラーニングの
な利用も可能 利用が可能になり学生の学習効率が
向上
サービス構成
サーバはAmazon EC2をIaaSとして活
用し、その上に自社Webサービスを構
築
アプリはObjective-C(iPhone)、Java
(Android)によるネイティブアプリケー
ション開発
必要とされている技術および能力
Webアプリケーション開発(PHP)
データベース管理
サーバの運用管理(Linux)
オフライン対応アプリケーションの開発
HTML5コンテンツの作成
- 6. サービスの概要 ユーザ事例 ~ TBSテレビ ~
サーバ上の仮想会議室に資料を格納し、複 ペーパーレス化による紙コストの削
数の端末から資料の共有が可能なペーパー 減に加え、事前準備にかかってい
レス会議システム た人的コストを削減
通知によって複数端末に対してプレゼンの同 印刷された情報の漏えいを防ぎ、
期コントロールを行える セキュリティの向上
拠点間の会議や社員研修・セミナーなどに威
力を発揮する サービス構成
サーバはJava サーブレットを利用し
て開発。通知のために非同期APIを
利用。クラウド利用のほか、オンプレ
ミスでも稼働可。
アプリはObjective-Cでネイティブ開
発
必要とされている技術および能力
Webアプリケーション開発(サーブレット
API)
マルチスレッドプログラミング
オブジェクト指向等のプログラミングに関
する基礎の素養
- 7. サービスの概要 ユーザ事例
月額5,000円という低コストのPOSシステムの ~ JR九州(つばめカフェ) ~
サービス。高額なPOSレジを導入できない中小 店舗の雰囲気を壊さないPOS端末
店舗をターゲットとしてユーザ数を拡大中 としてiPadを利用
入力した会計情報はクラウドサービス上へ自 400名/日の来店者から売り上げ
動的にアップロード。売上・客数・を分析しグラ の集計・分析を行い、ピークタイム
フで表示 の把握などに役立てる
サービス構成
サーバはRuby on Rails+MySQLで開
発。現在PaaSへの移行を検討中
アプリはiOS SDKを用いてObjective-
Cでネイティブ開発
必要とされている技術および能力
Webアプリケーション開発(Ruby on
Rails)
データベースの運用管理(MySQL)
データベースアプリケーションの開発
オフライン対応アプリケーションの開発
- 8. サービスの概要 ユーザ事例 ~機械保守業務 ~
GPSセンサと通信機能を利用して、車両や人員 オリジナルPOI配信機能を使った安
などの資産を最適に配置・活用し、業務効率化 全情報の共有により、車両の事故率
を実現する動態管理ソリューション を低減し、車両の稼働率を引き上げ
た。
据付型ではなく汎用スマートデバイス 事故率を低減し、事故発生によるブラ
(Android)を利用することにより車載機にか ウン度イメージの失墜を未然に防止
かるコストを圧縮 した。
サービス構成
サーバは国内IaaSサービスを利用。
Javaサーブレット+
MySQL&PostgreSQLで開発。
アプリはAndroid端末。UIはJava、一部
ロジックはCで記述
必要とされている技術および能力
位置情報を利用したデータベースアプリ
ケーション開発(MySQL/PostgreSQL)
外部Webサービスとの連携(API)
GPSなどのセンサーを利用したアプリケー
ション開発
地図を利用したアプリケーション開発
- 9. 技術者に必要とされている知識、技術
各種プログラミング言語を利用したWebアプリケーション開発
OS・データベースなどの運用管理
データベースアプリケーション開発
サービス開発のトレンド
IaaSやPaaSを利用したサービスの構築が主流に
◦ レイヤーごとに分業できる体制が整ってきた
◦ サービス提供までのリードタイムが圧縮される
◦ コアとなる部分の開発に専念できる
教育プログラムの構築方向性
専門家ではなくマルチプレイヤーが求められている
◦ 開発だけでなく、低レイヤー(ネットワーク・OS・データベースなど)の知識も現場
では依然必要
◦ 運用を含めた開発(DevOps)ができる人材の必要性
◦ スペシャリスト人材については、プラットフォーム提供側に回るため、さらに高いレ
ベルが求められており、競争力を高める必要がある
- 10. 技術者に必要とされている知識、技術
タッチベースのユーザインターフェースの構築
各種センサーデバイス(GPSなど)の取り扱い
オフライン対応(ローカルストレージ管理)
サービス開発のトレンド
採用される開発形態は多種多彩
◦ 現在はiOS端末をターゲットとし、Androidが追随する場合が多い
◦ ネイティブ/HTML5/ハイブリッドなどがあるが、それぞれの利点欠点がある。
◦ まだ他のプレイヤーの参入もあり、流動的
教育プログラムの構築方向性
学習内容を特定端末/OSなどに偏らせてしまうのは時期尚早
◦ ベンダの提供するSDKなどの端末に特化した知識ではなく、まんべんなく能力を
伸ばすことが必要
◦ 流動性を見据え、常に最新情報をキャッチアップできるフットワークを身につける
- 11. クラウドサービスは成熟期
◦ サービス構築はプラットフォーム活用が主流に
◦ 分業が進むにつれて、多層にわたる知識技量をもつマルチ
プレイヤーの需要が増えてきている
特定の専門的な知識だけでなく、システム全体を見渡
せるような技術素養を身につけさせるべき
スマートデバイス開発は発展途上
◦ 普遍的な正解はない。問題によって解法は変わる
◦ さらに市場状況も1-2年で変わることが予想される
現時点の市場シェアにこだわらず、広く応用可能な題
材を元に教育プログラムを組むべき