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診療ガイドラインで間違いやすい点
- 9. 「エビデンスの確実性(certainty of the
evidence)」の用語を初めて聞いたけど?
1)「Minds2007」で使用されていた 「エビデンスレベル」
・本来、オックスフォードCenter for EBMの概念では、個々の
研究デザインのみで決定するものでなかったが、世界の多くの
診療ガイドラインで、間違って個々の論文ごとに研究デザイン
のみでエビデンスレベルを決定することが普及した。そのため、
誤解が多くなるので、GRADEアプローチでは、使用しない。
2)「Minds2014」で使用されていた「エビデンスの強さ」・
従来のGRADEアプローチで使用されていた「エビデンスの質」
・「推奨の強さ」・「研究の質」と混同しやすいので、GRADE
アプローチでは、使用しない。
ただし、概念は同じなので間違いでは、ありません。
- 24. EBMの3原則
:第3版:Users‘’ Guides to the Medical Literature: A Manual for
Evidence-Based Clinical Practice, 3rd Edition (2015)
1. 最適な臨床決断には入手可能な最適なエビデンス、理想
的にはシステマティック・レビューのエビデンスを必要
する。
2. EBMは、エビデンスが信頼できるものかどうか、すな
わち、診断検査、患者の予後、治療選択肢についてどれ
ほど確信をおけるものかを提供する。
3. エビデンスだけでは臨床決断をするのに決して十分では
ない。
- 26. EBMの3原則を簡単に表現すると
:第3版:Users‘’ Guides to the Medical Literature: A Manual for
Evidence-Based Clinical Practice, 3rd Edition (2015)
1. 都合のよい論文と都合のよいアウトカムを使わないこと。
2. エビデンスの質を研究デザインのみで決定せずに、その
研究が適切に行われたか、研究間に違いがなかったかな
どを考慮すること。
3. 利益のエビデンスのみで推奨を決めずに、利益と害のバ
ランス、患者の負担についても考慮すること。