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論文紹介「Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing」

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論文紹介「Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing」

論文紹介「Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing」

2022年4月8日

NTTデータ
技術革新統括本部 技術開発本部
香月 諒大

Kuramata M, Katsuki R, Nakata K (2022) Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing. PLoS ONE 17(4): e0266846. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0266846

論文紹介「Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing」

2022年4月8日

NTTデータ
技術革新統括本部 技術開発本部
香月 諒大

Kuramata M, Katsuki R, Nakata K (2022) Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing. PLoS ONE 17(4): e0266846. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0266846

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論文紹介「Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing」

  1. 1. © 2023 NTT DATA Corporation © 2023 NTT DATA Corporation 〜スケジューリング問題における量子アニーリングマシンの用途開拓例〜 論文紹介 “Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing” 2023年 1月 11日 株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 技術開発本部 香月諒大
  2. 2. © 2023 NTT DATA Corporation 2 • Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing. • 著者:倉又迪哉(東京工業大学)、香月諒大(NTTデータ)、中田和秀(東京工業大学) • URL:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0266846 • GitHub:https://github.com/MK-tech20/MDRRT-scheduling-dwave はじめに 〜 本スライドで解説する論文について ご質問・指摘がある方は メールやIssue等で ぜひご連絡ください。 • 本スライドの想定読者 • 量子アニーリング・イジングマシンに関するビジネス利用・応用研究を行っている方向けに、用途開拓の論文紹介を行っています。 • トピックは「スポーツ」ですが技術的には「スケジューリング問題」であり、特定の業界に限らない読者を想定して書いています。 • 前提となる基礎知識は割愛しています。初学者で興味を持っていただいた方は、はじめに弊社の解説用PDFをご参照ください。 https://www.nttdata.com/jp/ja/-/media/nttdatajapan/files/news/services_info/2021/012800/012800-01.pdf
  3. 3. © 2023 NTT DATA Corporation 3 はじめに 〜 量子アニーリングマシンのビジネス応用上の課題と、本論文の貢献のイメージ 「量子アニーリングマシンが得意」 「ビジネス上でよく用いられる」 「既存のコンピュータでは解きにくい」 3点を同時に満たす数理最適化問題が、 量子アニーリングマシンの狙い目用途 その用途開拓が、 量子アニーリング業界の課題の一つ 本論文: スポーツビジネスを例に、 狙い目用途相当の スケジューリング問題を提案 量子アニーリングマシンが 得意な問題のクラス ビジネス上でよく用いられる 数理最適化のクラス QUBO MAX-CUT イジングモデル TSP系 スケジューリング 割当問題 既存のコンピュータでも 解きやすい問題のクラス 最短経路問題 線形計画 既に解けている問題を 取り組む必要はない… 解きたいが、マシンの特徴から 苦手な問題は早々解けない… 理論用のベンチマーク問題は ビジネス応用では使われない… 狙い目 用途
  4. 4. © 2023 NTT DATA Corporation 4 はじめに 〜 本論文の要点と、読むことによるメリット • 本論文の要点 • 量子アニーリングを行うD-Waveマシンは、疎なQUBO/イジングモデルを入力とするが、現実的な応用上の最適化問題との構造に乖離が存在。 特に、多数の制約条件の取り扱い、バイナリ値以外の最適化、全結合問題の取り扱い等が苦手である。 • 研究用ベンチマーク問題の中にはD-Waveマシンが得意な問題インスタンスがあるが、上記の苦手なポイントがビジネス用途の開拓の課題になっている。 • そこで、D-Waveマシンの性能を活かせ、かつビジネス用途の意味があるような、スケジューリング問題の定式化の方法を提案する。 • D-Wave AdvantageとGurobiの比較を実施、問題インスタンスによるものの、D-Wave Advantageが速く最適解に到達している結果を確認。 • 本資料を読むことによるメリット D-Wave Advantage(≠HSS)をスケジューリング問題へ用いるために、定式化をする例と用途開拓時のTipsを知る。 MAX-CUT等のベンチマーク以外の、実用途的な意味合いが存在する領域における、Gurobiに対する優位性を持つパターンの例示。
  5. 5. © 2023 NTT DATA Corporation 5 Solving large break minimization problems in a mirrored double round-robin tournament using quantum annealing.
  6. 6. © 2023 NTT DATA Corporation 6 スポーツビジネスにおける数理最適化 〜 試合開催のスケジューリング問題 どこで開く? チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 • 祝日・前後の試合などの予定を考慮した上で、いつ開く? • 全国にスタジアムはあるが、どこで開く? • 複数回の試合があり公平性も求められるが、どの相手と戦う? ︙ 観客の満足度向上 収益の最大化 いつ開く? どの相手と戦う? サッカーやバスケットボールなど、プロスポーツの試合では、非常に多くの観客が入場料を支払い、数時間の観戦を行う。 「収益の最大化」や「顧客満足度の向上」の目標のためには、開催に関するビジネス上の意思決定が、極めて重要。
  7. 7. © 2023 NTT DATA Corporation 7 スポーツビジネスにおける数理最適化 〜 試合開催のスケジューリング問題 チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 問題を1つ1つ 複数段階に 分けて考える[16, 17] 観客の満足度向上 興行収益の最大化 いつ? どこで? 誰と? • 祝日・前後の試合などの予定を考慮した上で、いつ開く? • 全国にスタジアムはあるが、どこで開く? • 複数回の試合があり公平性も求められるが、どの相手と戦う? ︙
  8. 8. © 2023 NTT DATA Corporation 8 スポーツビジネスにおける数理最適化 〜 最小化の対象と業務上の制約 • 観客数が少なくなってしまうため、「ブレーク」は避けるべき。 • 興行収益の観点から、自分か対戦相手のどちらかの「ホーム」で開催する制約。 • 同じ対戦相手との計2回の試合は、各々のホームで1回ずつ開催する制約。 「ブレーク」を最小化する 数理最適化問題の 定式化を行いたい チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東で開催 関西で開催 関東で開催 東北で開催 関東で開催 九州で開催 チーム 東北 関東で開催 九州で開催 東北で開催 東北で開催 ・・・ チーム 関西 ・・・ チーム 九州 「関東」は、チーム関東にとって、 「ホーム」での開催 「関西」は、チーム関東にとって、 「アウェイ」での開催 連続でホームもしくはアウェイで開催することを、 「ブレーク」という
  9. 9. © 2023 NTT DATA Corporation 9 試合開催のスケジューリング問題における2ステップ 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東で開催 関西で開催 関東で開催 東北で開催 関東で開催 九州で開催 チーム 東北 関東で開催 九州で開催 東北で開催 東北で開催 ・・・ チーム 関西 ・・・ チーム 九州 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 チーム 東北 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 チーム 関西 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 チーム 九州 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 自分 or 相手の、 どちらの本拠地で 対戦するか決める ステップ1 ステップ2 チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 まずは、 チームの対戦相手と 試合の日程を決める ステップ1で決定した情報をもとに・・・
  10. 10. © 2023 NTT DATA Corporation 10 試合開催のスケジューリング問題における2ステップ 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東で開催 関西で開催 関東で開催 東北で開催 関東で開催 九州で開催 チーム 東北 関東で開催 九州で開催 東北で開催 東北で開催 ・・・ チーム 関西 ・・・ チーム 九州 ステップ1 ステップ2 チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 まずは、「チームの対戦相手と試合の日程を決める」方法について説明します。 試合の日程は、スタジアムの空きなどの外部要因が多いこともあり、 古典的な決め打ちルールやアルゴリズムで、柔軟にスケジュールを決定。 (ステップ1では、D-Wave Advantageを用いていない。) 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 チーム 東北 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 チーム 関西 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 チーム 九州 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦
  11. 11. © 2023 NTT DATA Corporation 11 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 チーム 東北 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 チーム 関西 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 チーム 九州 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 ステップ1:チームの対戦相手と試合の日程を決める 「Mirrored Double Round Robin Tournament(MDRRT)」という割り当て法を用いる[15, 16, 17, 18, 19, 20, 21]。 サッカーやバスケットボールなどのプロスポーツで、広く採用されている[15, 22, 23, 24, 25]。 「Round Robin Tournament」であるスケジュール チーム関東は、他チームである東北・関西・九州と1回ずつ対戦  他のチームとの間で、合計2回の試合を実施することができるシンプルなアプローチ。  連続して同じ対戦相手と試合しなくて済む。異なるチームと戦うことで飽きづらく、顧客の満足度が高まる。  スタジアムの利用可否等の対外要因に応じて、ルールベースや既存手法で、チームや日程などを具体的に埋めていく。 「Mirrored Double」なスケジュール 前半日程と後半日程の対戦順序が等しい
  12. 12. © 2023 NTT DATA Corporation 12 試合開催のスケジューリング問題におけるステップ 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 東北と対戦 関西と対戦 九州と対戦 チーム 東北 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 関東と対戦 九州と対戦 関西と対戦 チーム 関西 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 九州と対戦 関東と対戦 東北と対戦 チーム 九州 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 ステップ 1 ステップ2 チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東で開催 関西で開催 関東で開催 東北で開催 関東で開催 九州で開催 チーム 東北 関東で開催 九州で開催 東北で開催 東北で開催 ・・・ チーム 関西 ・・・ チーム 九州 ステップ1はMDRRTに沿うスケジュールでさえあればよく、日程や対戦相手には任意性がある。 ステップ2を研究主眼とし、ステップ1の具体的日程は先行研究[17]やルールベース[22, 23]でGivenとする。 前のステップで、あらかじめ決定した対戦相手・日程をもとに・・・ 「自分 or 相手の、どちらの本拠地で対戦するか」決める方法について説明します。 複数の先行研究による定式化が存在するものの[16, 18, 20, 28] 、ステップ2の最適化は効率的な計算が難しい[16] 。 本論文では、このステップ2をD-Wave Advantageで解くための方法を提案しています。
  13. 13. © 2023 NTT DATA Corporation 13 ステップ2における最適化問題の導入 〜 添字の定義 考慮するチームの数を2𝑛とする。 2𝑛チームが互いに対戦する組合せの数は 2𝑛𝐶2通り。 対戦に対してインデックス振り、対戦番号 𝑘 ∈ {1, … , 2𝑛𝐶2}とする。 対戦番号 𝑘の対戦相手・開催日時は、ステップ1で事前に定まっていて、 • 対戦相手:「チーム 𝑡𝑘 vs 𝑡′𝑘」 MDRRTでは、同一の対戦相手「チーム 𝑡𝑘 vs 𝑡′𝑘」で2回戦う。 • MDRRTにおける1回目の開催日時:「𝑠𝑘にて開催」 • MDRRTにおける2回目の開催日時:「𝑠′𝑘 にて開催」 チーム 関東 チーム 関西 チーム 九州 チーム 東北 考慮するチームの数:4チーム (𝑛 = 2) 対戦の組合せ: 4𝐶2 = 6通り 対戦番号(矢印番号):𝑘 = 1~6 1 3 4 5 対戦番号 𝑘 = 6 対戦番号 𝑘 = 6は、 • 対戦相手:「関東 vs 九州」 日程はステップ1で決定済、P. 9の上表より、 • 1回目の対戦:「日程3」 • 2回目の対戦:「日程6」 定式化の便宜上、添字を扱いやすくするための集合を定義する。 Κ 𝑘 = { 𝑡𝑘, 𝑠𝑘 , 𝑡𝑘, 𝑠′ 𝑘 , 𝑡′ 𝑘, 𝑠𝑘 , (𝑡′𝑘, 𝑠′𝑘)} 2 なお、記号の定義や、D-Waveに関係しない定式化の部分は、 Urdaneta et al.[18]の先行研究を参考にしている。
  14. 14. © 2023 NTT DATA Corporation 14 スポーツビジネスにおける数理最適化 〜 最小化の対象と業務上の制約 • 観客数が少なくなってしまうため、「ブレーク」は避けるべき。 • 興行収益の観点から、自分か対戦相手のどちらかの「ホーム」で開催する制約。 • 同じ対戦相手との計2回の試合は、各々のホームで1回ずつ開催する制約。 「ブレーク」を最小化する 数理最適化問題の 定式化を行いたい チーム 関東 チーム 東北 チーム 関西 チーム 九州 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東で開催 関西で開催 関東で開催 東北で開催 関東で開催 九州で開催 チーム 東北 関東で開催 九州で開催 東北で開催 東北で開催 ・・・ チーム 関西 ・・・ チーム 九州 「関東」は、チーム関東にとって、 「ホーム」での開催 「関西」は、チーム関東にとって、 「アウェイ」での開催 連続で同じ場所で開催することを、 「ブレーク」という 定義した記号を用いて、制約条件や目的関数を 実際に最適化問題を定式化していく。
  15. 15. © 2023 NTT DATA Corporation 15 ステップ2における最適化問題の導入 〜 決定変数の定義と制約条件 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 = ቊ 1, チーム 𝑡𝑘の日時 𝑠𝑘における試合が、𝑡𝑘のホームで開催される場合 0, 𝑜𝑡ℎ𝑒𝑟𝑤𝑖𝑠𝑒 「試合番号 𝑘において、どちらのチームのホームで試合するか?」を表す決定変数 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 (𝑘 = 1, … , 2𝑛𝐶2)を定める: 決定変数 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 は、P. 14の要件を考慮して、次のような範囲で探索する: 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 「日程 𝑠𝑘 に対し、対戦相手であるチーム𝑡𝑘と 𝑡′𝑘の、いずれかのホームで試合を行う」 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 「チーム 𝑡𝑘に対し、MDRRTの2回の日程 𝑠𝑘と 𝑠′𝑘の、いずれかは 𝑡𝑘 自身のホームで試合を行う」 「チーム 𝑡𝑘 の1回目の日程𝑠𝑘が 𝑡𝑘 のホームならば、 2回目の日程𝑠′𝑘では相手側 𝑡′𝑘のホームで開催」 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 制約条件 決定変数
  16. 16. © 2023 NTT DATA Corporation 16 ステップ2における最適化問題の導入 〜 決定変数の定義と目的関数 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 = ቊ 1, チーム 𝑡𝑘の日時 𝑠𝑘における試合が、𝑡𝑘のホームで開催される場合 0, 𝑜𝑡ℎ𝑒𝑟𝑤𝑖𝑠𝑒 「試合番号 𝑘において、どちらのチームのホームで試合するか?」を表す決定変数 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 (𝑘 = 1, … , 2𝑛𝐶2)を定める: 決定変数(前ページ再掲) minimize. ෍ 𝑡 ෍ 𝑠 (𝑦𝑡,𝑠𝑦𝑡,𝑠+1 + (1 − 𝑦𝑡,𝑠)(1 − 𝑦𝑡,𝑠+1)) 「チーム 𝑡𝑘の試合が、日程 𝑠𝑘にホームで開かれ、かつ次日程でまたもやホームで開かれる」とき、1 「チーム 𝑡𝑘の試合が、日程 𝑠𝑘にアウェイで開かれ、かつ次日程でまたもやアウェイで開かれる」とき、1 P. 14の通り、ブレーク(=チーム 𝑡𝑘 の試合がホームで連続、あるいはアウェイで連続)になる回数を、最小化したい: 目的関数
  17. 17. © 2023 NTT DATA Corporation 17 試合開催のスケジューリング問題の定式化と、D-Waveで解くときの課題点 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 𝑦𝑡𝑠 ∈ {0, 1} minimize. ෍ 𝑡 ෍ 𝑠 (𝑦𝑡,𝑠𝑦𝑡,𝑠+1 + (1 − 𝑦𝑡,𝑠)(1 − 𝑦𝑡,𝑠+1)) D-Wave AdvantageはQUBO/イジングモデルを入力インタフェースであり、制約条件を直接扱うことができない。 • 一般的に、ペナルティ関数を用いて、制約条件を目的関数に入れて間接的に考慮するアプローチが採られる。 • しかし、必ずしも制約を満たせないため、多数の制約を同時に満足させようとすると、しばしば失敗する。 • ペナルティパラメータのチューニングの必要性、その他実装の複雑化等の課題が発生。 minimize. ෍ 𝑖,𝑗 𝐽𝑖𝑗𝑥𝑖𝑥𝑗 + ℎ𝑖𝑥𝑖 + 𝑐𝑜𝑛𝑠𝑡 試合開催のスケジューリング問題 解きたい問題と 解ける問題の ギャップ D-Waveが解くイジングモデル・QUBO
  18. 18. © 2023 NTT DATA Corporation 18 試合開催のスケジューリング問題をD-Wave向けに工夫 〜 変数変換による制約条件の充足 𝒚𝒕𝒌,𝒔𝒌 = 𝒛𝒌とおくと、制約条件から、 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 ⟺ 𝒚𝒕𝒌 ′ ,𝒔𝒌 = 𝟏 − 𝒛𝒌 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 ⟺ 𝒚𝒕𝒌,𝒔𝒌 ′ = 𝟏 − 𝒛𝒌 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 ⟺ 𝒚𝒕𝒌 ′ ,𝒔𝒌 ′ = 𝒛𝒌 重要なポイント  変数変換を行った𝑧𝑘 ∈ 0,1 さえ探索すれば、どんな解であろうと、制約条件が必ず満たされる。  目的関数に 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 = 𝒛𝒌の式を代入しても、高々2次までの式である。 本論文では、ペナルティ関数無しで、「試合開催のスケジューリング問題」に対し実行可能解を探索する手法を提案。 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 𝑦𝑡𝑠 ∈ {0, 1} minimize. ෍ 𝑡 ෍ 𝑠 (𝑦𝑡,𝑠𝑦𝑡,𝑠+1 + (1 − 𝑦𝑡,𝑠)(1 − 𝑦𝑡,𝑠+1)) 試合開催のスケジューリング問題
  19. 19. © 2023 NTT DATA Corporation 19 試合開催のスケジューリング問題をD-Wave向けに工夫 〜 解きたい問題のQUBO化 𝒚𝒕𝒌,𝒔𝒌 = 𝒛𝒌とおくと、制約条件から、 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 ⟺ 𝒚𝒕𝒌 ′ ,𝒔𝒌 = 𝟏 − 𝒛𝒌 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 ⟺ 𝒚𝒕𝒌,𝒔𝒌 ′ = 𝟏 − 𝒛𝒌 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 ⟺ 𝒚𝒕𝒌 ′ ,𝒔𝒌 ′ = 𝒛𝒌 minimize. ෍ 𝑡 ෍ 𝑠 𝑎 𝑡𝑘, 𝑠𝑘 𝑧𝑘𝑧𝑘′ + 1 − 𝑧𝑘 1 − 𝑧𝑘′ +𝑏 𝑡𝑘, 𝑠𝑘 1 − 𝑧𝑘 𝑧𝑘′ + 𝑧𝑘 1 − 𝑧𝑘′ +c 𝑡𝑘, 𝑠𝑘 𝑧𝑘 1 − 𝑧𝑘′ + 1 − 𝑧𝑘 𝑧𝑘′ +𝑑 𝑡𝑘, 𝑠𝑘 𝑧𝑘𝑧𝑘′ + 1 − 𝑧𝑘 1 − 𝑧𝑘′  𝑎, 𝑏, 𝑐, 𝑑の具体的な算出方法はここでは割愛、論文を参照のこと。  実際の係数計算は、PyQUBO等の2次多項式処理のソフトウェアを利用すれば、 自動的に係数を取得可能。  問題のスパースに関する性質について、Appendixを参照。 D-Wave Advantageに対し、 QUBOとしてそのまま入力できる形式へ 変数変換 試合開催のスケジューリング問題 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 = 1 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 ′ = 1 −𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 + 𝑦𝑡𝑘 ′ ,𝑠𝑘 ′ = 0 𝑦𝑡𝑠 ∈ {0, 1} minimize. ෍ 𝑡 ෍ 𝑠 (𝑦𝑡,𝑠𝑦𝑡,𝑠+1 + (1 − 𝑦𝑡,𝑠)(1 − 𝑦𝑡,𝑠+1)) 試合開催のスケジューリング問題
  20. 20. © 2023 NTT DATA Corporation 20 数値実験 〜 設定 計算環境について • 通常計算機:既存手法を動作 • Intel Core i7-7700HQ 2.80GHz CPU with 4 cores and 8 threads • Gurobi Optimizer(version 9.1.2) • 量子アニーリングマシン • D-Wave Advantage(advantage_system1.1) • annealing_time:50[μs] • num_reads:1000 • 1回の求解Requestにて、約0.05秒の固定計算となる。 • PyQUBOやminorminerを利用、その計算時間は除く。 比較する既存手法について • Trick[15]による定式化と、Urdaneta et al.[17]の定式化と比較。 • 2つの定式化は、Gurobiにて求解した。 • 300秒の計算時点で収束しきっていない(最適解の保証が得られて いない)場合は打ち切りを行い、暫定解を調べる。 • 5回の独立した計算結果のうち、最適解保証が得られた割合を 「最適保証有りの解の割合」列に示す。 ステップ1における最適化と、計算の対象について • Kirkman cycle methodにてRound Robin Tournament作成。 • スロットの順序をシャッフルする。 • 生成したスケジュールをMirrored Doubleにし、MDRRTを生成。 • 上記MDRRTの乱数を変え、5回独立して計算した平均が結果。 注意事項 • ここでは主となる数値実験のみを紹介、一部は記載を割愛しているため、 論文を参照のこと。 • 本解説スライドで紹介する実験に関するパラメータのみを記載しており、 論文中の別の実験によっては、必ずしも上記の限りでないため注意。
  21. 21. © 2023 NTT DATA Corporation 21 数値実験 D-Wave Advantageによる結果 Gurobi+Urdanetaの計算時間 Gurobi+Trickの計算時間 Teams (問題サイズ) Breaks (目的関数) 計算時間(秒) Breaks (目的関数) 計算時間(秒) 最適保証有りの 解の割合 Breaks (目的関数) 計算時間(秒) 最適保証有りの 解の割合 4 6.0 0.05 6.0 0.033974 1.0 6.0 0.039900 1.0 8 19.6 0.05 19.6 0.063883 1.0 19.6 0.288907 1.0 12 38.8 0.05 38.8 0.157146 1.0 38.8 1.951506 1.0 16 66.0 0.05 66.0 0.681240 1.0 66.0 40.549676 1.0 20 106.8 0.05 106.8 3.449914 1.0 106.8 300.039447 0.0 24 161.6 0.05 156.4 52.528646 1.0 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 28 224.8 0.05 214.0 252.368946 0.2 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 32 280.4 0.05 267.2 288.295851 0.2 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 36 368.8 0.05 346.0 300.026792 0.0 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 40 453.6 0.05 422.4 300.032120 0.0 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 44 553.6 0.05 530.8 300.024345 0.0 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 48 663.6 0.05 618.8 300.024338 0.0 (解が得られない) (解が得られない) (解が得られない) 問題サイズを変更したときの、各手法における目的関数・計算時間を、そのまま測定した結果を示す。 • D-Wave Advantageは計算時間が常に短く、20チームまでは最適解だが、より大きいサイズでは目的関数値でUrdanetaに劣る。 • Gurobi+Urdanetaは、問題サイズが大きくなるほど、計算時間がかかるが、D-Wave Advantageより目的関数値が優れる。 • Gurobi+Trickは、D-Wave Advantage, Gurobi+Urdanetaよりも結果が優れなかった。 • (以後、比較する既存手法としては、Urdanetaのみに注目することとする)。
  22. 22. © 2023 NTT DATA Corporation 22 数値実験 Teams (問題サイズ) Breaks (目的関数) D-Wave Advantageの計算時間(秒) Gurobi+Urdanetaの計算時間 4 6.0 0.05 0.039347 8 19.6 0.05 0.062397 12 38.8 0.05 0.148171 16 66.0 0.05 0.351599 20 106.8 0.05 2.836216 24 161.6 0.05 8.021498 28 224.8 0.05 26.003237 32 280.4 0.05 49.271526 36 368.8 0.05 84.806435 40 453.6 0.05 75.338228 44 553.6 0.05 57.133598 48 663.6 0.05 6.880923 D-Wave AdvantageとUrdanetaの結果は、計算時間は前者、目的関数値は後者が優れた。 基準を揃えるため、D-Wave Advantageが固定の時間で得た目的関数値に、Urdanetaが達する計算時間を比較する。 • 探索空間が大きい36チーム程度以上にて、概ねUrdanetaは計算時間が1分程度に膨らむが、D-Wave Advantageは固定時間。 • 一方で、48チームでは、Urdanetaの計算時間が縮小している。 • 非常にサイズが大きくなる領域では、D-Wave Advantageから得る目的関数の最適値からの乖離度合いが広がるためか、と推測。 • なお、48チームは現状のD-Wave Advantageによって問題埋込が実施できる上限数。
  23. 23. © 2023 NTT DATA Corporation 23 貢献と今後の課題 • D-Wave Advantageの特性を考慮した、現実的意味を持つスケジューリング問題と定式化の方法を提案、次のような工夫が特徴。 • 2次的なトレードオフ関係(線形のように簡単すぎず、高次多項式のように難しすぎない)。 • バイナリ決定変数。 • 決定変数のトレードオフ関係が4正則グラフであり、スパース。 • ペナルティ関数を用いずに、制約無しのQUBOへ帰着できるような構造を持つ。 • Gurobiの計算時間が増大する領域のサイズでも、D-Wave Advantageの場合は、0.05秒の一定の計算時間で終了。 • スポーツ以外の実用途にも、本定式化を横展開・カスタマイズし、優位性を持ちうるか検証する。 • 同じような定式化の工夫が利用可能なビジネス領域・即時性を求められるシーンへ横展開し、D-Wave Advantageの用途を開拓。 • 問題グラフが4正則グラフであり、規則的でスパースであることを利用した、Chimera/Pegasusグラフへの効率的な埋込手法。 • 埋込の工夫で更に大規模な問題の取り扱いを可能にし、チェーン長の考慮によるノイズの悪影響抑制等ができるようにしたい。 • より大規模・複雑で、既存ソルバでは何時間かけても動作しきれない領域において優位性を持つことを、将来的目標としたい。 今後の課題 貢献
  24. 24. © 2023 NTT DATA Corporation 24 Appendix
  25. 25. © 2023 NTT DATA Corporation 25 (発展)試合開催のスケジューリング問題をD-Wave向けに工夫 〜 トレードオフのスパース性 日程1 日程2 日程3 日程4 日程5 日程6 チーム 関東 関東 or 東北 関東 関東 or 九州 関東 or 東北 関東 or 関西 関東 or 九州 チーム 東北 東北 or 関東 東北 or 九州 東北 or 関西 東北 or 関東 東北 or 九州 東北 or 関西 チーム 関西 関西 or 九州 関東 関西 or 東北 関西 or 九州 関東と対戦 東北と対戦 チーム 九州 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 関西と対戦 東北と対戦 関東と対戦 後半日程は前半日程の単なるMirrorであるため、 前半のトレードオフ関係が決まれば、ブレークの有無が必然的に定まる。 局所的に見ると、もしも「関東で開催」と決めうちしたら、 前後日程の4つの試合における開催地を、ブレークが最小化されるように考慮する必要性。 (大局的に見て、表全体でブレークが最小化される解が最適)  対戦番号 𝑘が表す決定変数𝑦𝑡𝑘,𝑠𝑘 = 𝑧𝑘は、チーム 𝑡𝑘 の「ホーム」「アウェイ」のどちらで開催するかを表現する。  ブレークが最小な解の探索時には、対戦相手2チーム×前後の2日程の、合計4つの決定変数がトレードオフ関係。 決定変数のトレードオフ関係(問題グラフ)は、4正則グラフになっている。 スパース性が大きく、チェーン長や埋込後ビット数などで有利な性質。
  26. 26. © 2023 NTT DATA Corporation 26 References
  27. 27. © 2023 NTT DATA Corporation 27 References 以下項番は、本論文(https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0266846)のReferencesに沿う。 [15] Rasmussen RV, Trick MA. Round robin scheduling–a survey. European Journal of Operational Research. 2008;188(3):617–636. [16] Trick MA. A schedule-then-break approach to sports timetabling. In: International Conference on the Practice and Theory of Automated Timetabling. Springer; 2000. p. 242–253. [17] Régin JC. Minimization of the number of breaks in sports scheduling problems using constraint programming. DIMACS series in discrete mathematics and theoretical computer science. 2001;57:115–130. [18] Urdaneta HL, Yuan J, Siqueira AS. Alternative Integer linear and Quadratic Programming Formulations for HA-Assignment Problems. Proceeding Series of the Brazilian Society of Computational and Applied Mathematics. 2018;6(1). [19] Elf M, Jünger M, Rinaldi G. Minimizing breaks by maximizing cuts. Operations Research Letters. 2003;31(5):343–349. [20] Miyashiro R, Matsui T. Semidefinite programming based approaches to the break minimization problem. Computers & Operations Research. 2006;33(7):1975– 1982. [21] Suzuka A, Miyashiro R, Yoshise A, Matsui T. The home–away assignment problems and break minimization/maximization problems in sports scheduling. Pacific Journal of Optimization. 2007;3:113–33. [22] Nemhauser GL, Trick MA. Scheduling a major college basketball conference. Operations research. 1998;46(1):1–8. [23] Schreuder JA. Combinatorial aspects of construction of competition Dutch professional football leagues. Discrete Applied Mathematics. 1992;35(3):301–312. [24] Rasmussen RV. Scheduling a triple round robin tournament for the best Danish soccer league. European Journal of Operational Research. 2008;185(2):795–810. [25] Ribeiro CC, Urrutia S. Scheduling the Brazilian soccer tournament with fairness and broadcast objectives. In: International Conference on the Practice and Theory of Automated Timetabling. Springer; 2006. p. 147–157. [28] De Werra D. Scheduling in sports. Studies on graphs and discrete programming. 1981;11:381–395.
  28. 28. © 2023 NTT DATA Corporation 本資料に掲載の会社名、商品名またはサービス名は、 それぞれ各社の商標または登録商標です。 All other company or product names mentioned here in are trademarks or registered trademarks of their respective owners.

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