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Kozo2019

構造主義医療の挑戦

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Kozo2019

  1. 1. 数字の向こうのその向こうの「私」 構造主義医療の挑戦 2019 名郷直樹
  2. 2. 自己紹介 • 1986年 自治医大卒 • 同年 名古屋第二赤十字病院研修医 • 1988年 作手村国保診療所 • 1992年 自治医大地域医療学 • 1995年 作手村国保診療所 • 2003年 社)地域医療振興協会 東京北社会保険病院臨床研修センター • 2011年 武蔵国分寺公園クリニック • 専門領域 構造主義医療
  3. 3. ただ考えてみる 日々医療を提供しながら その現実の行動に関係なく
  4. 4. 国語辞典がたくさんあるわけ • なぜ国語辞典がたくさんあるのでしょう • 広辞苑、広辞林、新明解… • ことばを一義的に定義することはできない からです • 明確に定義すると「何か」が抜けおちます • その「何か」について考えてみましょう
  5. 5. 脳卒中になった人が言う • なぜ脳卒中になってしまったのか • どう答えますか
  6. 6. 2つの答え • 高血圧を放っておいたからです • 運命です
  7. 7. 医療の呪い • 58歳男性 • 血圧150/90 • テレビは「130は血圧高めです」 • このまま放っておくと脳卒中や心筋梗塞に なりますよ
  8. 8. 確率的存在として の個人 人間は数字の奴隷である
  9. 9. 数字による情報提供 • 脳卒中のリスクが5倍です • 5年で10%が脳卒中になります
  10. 10. どうすればいいんですか • 血圧の薬を飲めばいいんです • 上の血圧を10下げればリスクが40%減ります BMJ 2009;338:b1665
  11. 11. 反論 • 反論してください • 薬を飲んでも脳卒中、心筋梗塞になる人 がいます • 飲まなくてならない人もいます • 運命じゃないですか
  12. 12. どこに入るかは神のみぞ知る イベント+ イベントー 降圧薬+ 6 94 ― 10 90 確率は運命と相性が良い
  13. 13. それに反論 • 薬を飲んだほうがいいという立場で • さらに反論してください • 全体として脳卒中、心筋梗塞が減るんです • 一人一人の個人が救われるのです
  14. 14. さらに反論 • 運命だという立場で • もう一度反論して下さい • 誰が薬のせいで予防できたのかはわからな いし、NNTは5年間で25ですよ • 1/25に入るかどうかは運命ではないですか
  15. 15. 100人の高血圧患者がいると • 101の高血圧がある • どういうこと? • 100人の誰にも当てはまらない確率に よって示される実在しない高血圧患者 がもう一人 • 確率は実は誰にも当てはまらない
  16. 16. 構造主義医療の枠組み 実体 現象 コトバ 医者 GAP GAP 現象 コトバ 患者 GAP GAP GAPGAP
  17. 17. 1人の患者?と100人の患者 実体 臨床試験 高血圧 医者 離断? GAP 私の血圧 血圧が高い 患者 GAP GAP GAPGAP 100人 1人?
  18. 18. 確率の問題 • 集団の動向を予測する • 個人を予測するわけではない
  19. 19. 個人の予測を装って • 「あなたが脳卒中になる可能性が10%から 6%まで下がります」 • 私の体の10%が脳卒中になるとか、6%が 脳卒中になるということはない • 私は、脳卒中に「なるか/ならないか」だ
  20. 20. 運命に焦点を当てて 科学か、宗教か
  21. 21. すべで神の思召すまま • 信仰があれば確率は不要 • あるいは低い確率を目指して信仰が深まる • 信仰こそ健康であり続けるために必要 • これは信仰ではない?
  22. 22. コントロールできないのが運命 • 自分でコントロールできないし • コントロールできる神もいないよ • 思うようにならないのが運命さ
  23. 23. こういう人がいる • 確率は知りたいが • それは確率が低いほうに賭けるためなのだ • 重要なのは賭けることで、勝つことなんか じゃない • 神の助けを借りるつもりはない
  24. 24. 確率か運命か 科学か宗教か 政治か哲学か 構造主義医療で読み解く 様々な「私」の視点
  25. 25. 同じ現象から異なるコトバが 「私」の違い 「現象、コトバ、私」のエコロジー
  26. 26. 「私」の問題 • 様々な私を考えることで「現象」と「コトバ」に迫る 実体 現象 コトバ GAP GAP 医者・患者科学、宗教、哲学
  27. 27. ここまでのまとめとこれから • 「高血圧」という同じ「現象」から • 異なる「コトバ」が出てくる • この違いは「コトバ」を発する「私」の違い • その違いを見ることで何が見えてくるか?
  28. 28. 確率か運命か • あなたが脳卒中にな る確率は高い部類に 入ります • 降圧薬を飲んだほう が脳卒中の危険が小 さくなります • あなたが脳卒中にな るかどうかはわかりま せん • 薬を飲むべきか飲ま ざるべきか、判断は困 難です • 運命です…
  29. 29. 科学か宗教か • 降圧薬により、10%の 脳卒中の確率が6% になりますが、それが あなた個人でどうなる かはわかりません • 私を信じて薬を飲みな さい/飲むのをやめな さい • 信仰に基づいて… • すべて神の…
  30. 30. 政治的か哲学的か • 日本全体で脳卒中が 減ることが重要です • あなたの脳卒中の予 防より、あなたの孫の 予防接種を優先させ なさい • 重要なのは考えること で、判断することでは ありません • これが構造主義医療 の立場でもある
  31. 31. それぞれの「私」 • 薬を出すと儲かるメーカー医療機関 • 医療費の代わりにお布施を集める宗教家 • 医療費を削減したい国 • みんな金かよ! • ただ態度は明確に決まる • 考えるだけの人は金と関係ない
  32. 32. 他の「私」 • 他にどんな「私」がいるでしょうか • 隣同士話し合ってください
  33. 33. 医療を取り巻く3つのセクター • 民間セクター • 専門職セクター • 民俗セクター • 様々な「私」を検討する アーサー・クライインマン
  34. 34. 結論 • 最も価値ある人生は • 高血圧にどう対処するか考え続ける中で 対処する前に死んでしまった人の人生
  35. 35. 何を考えたのか 場面を変えて考えてみる
  36. 36. 数字があらわすもの • いかにその数字が正しいとしても • 正確に予想できる数字は • 死亡率100%ということだけ
  37. 37. 良い医者を定義する • 製薬、医療機器メーカーと関係なく • 自身の儲けにもこだわらず • 国の医療費削減からも独立して • 宗教にもならず • 確率の高い医療を提供する医者 • ガイドライン推奨、標準医療
  38. 38. 良い患者 • 良い医者の勧める • 確率が高いガイドライン推奨、標準医療について • 十分な情報提供を受け • 自身が納得したうえで • 受けることを自己決定した患者
  39. 39. 良い医者に反論する • 確率が高いほうを勧めるということでいい のか?
  40. 40. 良い患者に反論する • そんな聞き分けのいいことでいいのか?
  41. 41. 良い医者を超える医者? • 確率を知ったうえで • 人生は賭けだ • どっちにするか一緒に考えましょう • と言って患者を抱きしめる
  42. 42. 聞き分けの悪い良い患者 • 良い医者から、標準医療を勧められても • 納得ができず • どうしていいかわからない患者
  43. 43. 2人の共通点 • 良い医者を超える医者 • 聞き分けの悪い良い患者 • どんな共通点があるか • 隣同士話し合ってみましょう
  44. 44. 人生は苦しんで生きる 値打ちがある アラゴン
  45. 45. 自己決定と運命 • 確率から自己決定に至るために • 目の前の医者の言うことに賭ける • たまたま出会った医者と運命を共にする • それは科学的というより運命的 • あるいは哲学的な決断ではないか • パターナリズム?
  46. 46. 徒歩旅行と輸送手段 • 輸送手段としての医療 • 標準治療まで連れていく • 徒歩旅行の伴走者としての医療 • どこへ行くかわからないけど伴走する • 行き先を規定しないことでパターナリズムと は異なる • 寄り添う? むしろ「出会う」 ティム・インゴルド「ラインズ」
  47. 47. 構造主義医療についてのまとめ 実体、現象、コトバ、私 時間、同一性
  48. 48. 構造主義医療の枠組み 実体 現象 コトバ 医者 GAP GAP 現象 コトバ 患者 GAP GAP GAPGAP
  49. 49. 国語辞典がたくさんあるわけ • なぜ国語辞典がたくさんあるのでしょう • ことばを一義的に定義することはできない からです • 明確に定義すると「何か」が抜けおちます • その「何か」について考えてみました
  50. 50. 抜け落ちた「何か」 • 良い医者が見落としたもの • ガイドラインが落としたもの • 標準医療が落としたもの • 聞き分けの良い患者が落としたもの • 数字はある「私」が述べたものに過ぎない
  51. 51. コトバは時間を生み出す形式 である 今日のコトバはどんな変化を生み出したのか?
  52. 52. 参考図書
  53. 53. 確率の問題を考える • ソルジェニーツィン試論
  54. 54. 医療人類学者と末期がん哲学者の書簡
  55. 55. 構造主義医療を取り上げた本 • ベイズ統計学的検討 • 構造主義医療的検討
  56. 56. 一般向けに1
  57. 57. 10/10発売 • こういう「私」もいます
  58. 58. 質問があれば 何でも聞いて下さい

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