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植物生理学
植物ホルモン(2)


       2012 年8月27日
       担当:中嶋
エチレンの生合成




                      CK ABA

                          AUX




・メチオニンから合成
・高濃度のオーキシン→エチレン生成
・傷害、ストレス条件でエチレン生成増加
果実の後熟
   後熟……果実が収穫後に柔らかく熟する現象
        クリマクテリック果実
        果実の後熟の時期に呼吸速度が高まる。エチレン処
        理によりクリマクテリック到来が早まる。自然状態
        でもクリマクテリック前にエチレン生成高まる。
        アボカド、バナナなど


        非クリマクテリック果実
        果実の後熟の時期に呼吸速度が高まらない。エチレ
        ンの処理によっていくらかは呼吸の増加が起きて、
        成熟が早まる。
        オレンジ、レモンなど

    エチレンの吸収剤を用いて長距離輸送!
エチレンの生理作用(1)
   三重反応
       ・伸長成長阻害(伸びない!)
       ・肥大成長(横に太る!)
       ・重力屈性異常(芽生えが横に曲がる!)

成長促進

・イネ幼葉鞘
・水生植物など
水没から逃れるため
http://bio.hamajima.co.jp/topic
s/2009/09/07/deepwaterrice/
エチレンの生理作用(2)

 落葉促進
 離層部のセルラーゼ活性促進
 例:ガス灯からのガス漏れによる街路樹の落葉


その他

 ・細胞分裂阻害
 ・オーキシン極性移動阻害
サイトカイニン
 簡単な経緯

 細胞分裂を促進する人工的に合成された物質(カイネチン)
 として発見


 その後植物体内からも同様の作用をもつ物質(ゼアチン)が
 発見され、植物ホルモンの仲間入り


植物切片 in オーキシン & サイトカイニン


         カルス形成

                          タバコのカルス
サイトカイニンの生合成




 ・アデニンから誘導
 ・主に根で合成
サイトカイニンの生理作用

植物を若く保たせる作用!
 ・葉の老化抑制
 ・クロロフィル合成促進、分解抑制
 ・気孔開かせる

 頂芽優勢の打破




  サイトカイニンによる側芽成長促進
分化全能性

植物切片 in オーキシン & サイトカイニン


        カルスの形成
   カルス培養
                          タバコのカルス
   AUX > CK :根が分化
   AUX < CK :茎葉が分化


植物細胞の分化はオーキシンと
サイトカイニンのバランスで決
定される

   分化全能性              カルスからの茎葉、根の分化
サイトカイニン

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