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    40.Friendster.com                                    『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』
    41.Skyrock.com                                            ~ コミュニティ構築の落とし穴を避けるために ~
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    57.Fotolog.net                                                                      2009/06/15 初版
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                                                                                                 斉藤 徹
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© 2005-2009 Looops Communications All rights reserved.               ホワイトペーパー 「Social Media Dynamics」シリーズ
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     1. 「モノローグ'一人芝居(ではダメ。顧客との共創の時代だ。」 ~ フィリップ・コトラー '日経ビジネスマネジメント 2008.12(


                  マーケティングは                       4Pなどのマーケティング   顧客満足を最大化する     顧客とともに
                   「販売」と同義                         理論の導入初期       長期的関係の構築    製品やサービスを創造


      最初は「販売のステージ」です。マーケティングという言葉が「売ること」とほとんど同じ意味で使われていた時期です。

      第二段階は「4つのPのステージ」です。単に注文を取るだけではなく,適切な製品に,適切な価栺をつけ,適切な場所で売り,適切な販促をうつ。
      このステージではじめて「ブランドマネージャー」と呼ばれる職種が登場しました。

      第三段階は「顧客との関係構築のステージ」です。マーケティング担当者は「売ったらそれっきりではもったいない。1回買ってくれた顧客には,2回,
      3回と繰返し買ってもらいたい」と考えはじめました。ここで「顧客満足」という考え方が登場しました。顧客との継続的な関係を維持するために,「顧
      客情報」を整備して,誮が,いつ,どこで,何を,いくらで買ったのかというデータベースを構築する必要性があることがわかってきました。

      今は「共創のステージ」の第四段階に進みました。企業が一方的に製品を作り.一方的に宣伝して売るのではなく,
      製品がどうあるべきか,どのようなメッセージを送り出すべきかについて顧客と一緒に考えはじめるようになってきた
      のです。

      今までは顧客の調査を重ねれば,「顧客の目線」で物事が見えてくると考えられてきました。しかし何百ページもの
      マーケティング報告書は,読みきれない大量のデータを集めているだけで,それを見て顧客のことがわかったつもり
      になっていた。しかも,売り手は情報を独占し,一方的に都合の良いメッセージを流し続けていました。私はこれを
      「モノローグ'一人芝居(の時代と呼んでいます。双方向のインターネットの登場によって,そういう時代は終わりを
      告げました。'中略(

      顧客に「なぜこの商品を買ったのですが?」とたずねても正解はかえってこない。顧客自身が答えに気づいていない
      からです。現代のマーケティングは,どれだけ顧客の深層心理に迫れるかの勝負です。マーケティング部門は数字
      をいじりまわしているだけでは存在価値はありません。顧客や市場の変化に社内の誮よりも敏感で,必要ならば躊躇
      なく変化を起こす集団でなければいけません。

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                                                                                          1
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     2. 2010年までに有力な大企業の60%以上がオンライン・コミュニティを活用するだろう
                                                                             ~ ガートナー・リサーチ社が80%の確信を持って '日経 IT-Pro 2008.10(
      市場調査会社の米Gartnerは,米国時間2008年10月6日,企業はネット利用新世代を引き寄せ,将来の顧客ニーズを知るためにソーシャル・
      アプリケーションの提供または利用が必要になる,との予測を明らかにした。

      同社によれば,2010年までに Fortune1000企業の60%以上が何らかのオンライン・コミュニティに接続する,あるいはオンライン・コミュニティを
      ホスティングするようになる。企業は,オンライン・コミュニティから得た情報を製品開発,顧客の分類,キャンペーン,顧客満足度の管理などに
      利用するわけだ。

      一方,2010年までにオンライン・コミュニティを設立した企業の50%以上は顧客と共通の目的の設定に失敗し,顧客との関係を徍々に悪化させる
      可能性がある。これを回避し,ネット利用新世代のニーズを把握して将来の振る舞いを予測するために,マーケティング企業は社会科学を応用する
      他,顧客との対話を促進する環境作りのスキルなどが必要になる。

      Gartner Says More Than 60 Percent of Fortune 1000 Companies With a Web Site Will Connect to or Host a Form of Online Community by 2010
      Analysts to Discuss Enterprise Use of Social Networking at Gartner Symposium/ITxpo 2008, October 12-16

      STAMFORD, Conn., October 6, 2008 — To do business with the growing "Generation Virtual" population, companies will need to provide, or connect to, social applications to attract and engage
      customers, gathering information about their future wants and needs to lead them toward products and services, according to Gartner, Inc. By 2010, more than 60 percent of Fortune 1,000
      companies with a Web site will connect to or host some form of online community that can be utilized for customer relationship purposes.

      “A key benefit of establishing a community is the amount of information an organization can gain about its customer base, which can be used for short-and long-term customer relationships,” said
      Adam Sarner, principal research analyst at Gartner. “Data can be collected and used for product development, customer feedback, loyalty management, customer segmentation, campaign
      targeting, and individual or group customer satisfaction management. This wealth of data can be used for marketing, in particular, as well as an entire customer-focused organization.”

      However, establishing an online community isn’t without challenges. Gartner predicts that by 2010, more than 50 percent of companies that have established an online community will fail to
      establish mutual purpose, ultimately eroding customer and company values. To combat this, marketing organizations will need new skills to meet the needs of Generation Virtual.

      “Companies will be challenged with what applications to use, who ultimately “owns” an application or interaction and the management of socialization itself, from measuring success and mitigating
      negative interactions to sourcing and cultural restraints,” said Mr. Sarner.

      Unlike previous generations, Generation Virtual (also known as Generation V) is not defined by age — or gender, social demographic or geography — but is based on demonstrated achievement,
      accomplishments and an increasing preference for the use of digital media channels to discover information, build knowledge and share insights. The definition of Generation V derives from the
      recognition that these common behaviors, attitudes and interests are starting to blend together in an online environment. (omit the rest)

      Additional information on social computing and CRM is in the Gartner report “The Business Impact of Social Computing on Marketing and 'Generation Virtual’.” The report is on Gartner's Web site at
      http://www.gartner.com/DisplayDocument?ref=g_search&id=750734&subref=simplesearch.


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                                                                                                                                                                                                            2
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     3. 顧客とのオンライン対話における落とし穴 失敗の分析

           企画フェーズの落とし穴
           ◆ 原因その1           「目的や戦略,ターゲットなどがあいまいなまま,プロジェクトがスタートしてしまった」
           ◆ 原因その2           「集客方法とユーザー・インセンティブ設計が十分に検討されていない」
           ◆ 原因その3           「既存ソーシャルメディア ~ mixi, facebook, twitter, openSocial,Friend connect ・・・ ~ との連携が考慮されていない」


           開発フェーズの落とし穴
           ◆ 原因その4           「ソーシャルメディア特有のコミュニティ・ノウハウやクチコミ・ドライバーをシステム設計に盛り込めていない」
           ◆ 原因その5           「開発パートナーやパッケージ選定に明確な基準がなく,成り行きで既存業者に決まった」


           運用フェーズの落とし穴
           ◆ 原因その6           「誰謗中傷や炎上,大規模アクセス対応など,コミュニティ独特の運用システムが確立されていない」
           ◆ 原因その7           「顧客の声をマーケティングに活用するための仕組みができていない」




                    企業の期待 は 「顧客の声の活用」                                               生活者の期待 は 「利便性と認知欲求」
                                                         企業             生活者
                ・マーケティングのための情報収集                                                 ・情報獲得 '生活や趣味,商品・サービス情報(
                ・顧客が参加する商品・サービス開発                                                ・情報発信・交流 '認知・交流・自己実現欲求(
                                                          対話の場 「コミュニティ」
                ・クチコミ活用による販売促進,顧客サポート                                            ・価値創造 '交流による情報・ナレッジ創造(
                ・顧客ロイヤルティの獲得                                                     ・価値交換 '希尐価値の入手(




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                                                                                                                      3
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣



          ■ サイト設計                 1.ペルソナ・インサイト理解 ユーザーを深く理解し,潜在的な心のスイッチを見つけ出す
                                  2.ハイタッチ・コンテンツ          ユーザーのインサイトに基づき,ハイタッチ・コンテンツを設計する


          ■ ビジネス設計                3.ビジネスモデル設計            ビシネスモデルを設計し,運用時目標'KPI(を明示する
                                  4.初期集客                 リアル・ネット・広告・提携・多様な手段でペルソナを誘引する
                                  5.クチコミ誘発の仕掛け           初期集客が友人に紹介するクチコミ・ドライバーを組み込む


          ■ サービス運用                6.誠実な対話姿勢の徹底 ユーザーとの誠実な対話姿勢を組織内に教育し徹底する
                                  7.フィードバック・ループ          仮説→検証→改善 フィードバック・ループを組織的に構築する


                                    「これらが未解決のまま,システム設計・開発を開始してはいけない」



                                             ・ユーザー視点で,メリットや使い勝手に徹底的にこだわる
                                             ・アイディアや技術におぼれない
                                             ・使っていて楽しい,メリットが明確に見える,人に紹介したくなる
                                             ・安易なコンテンツ寄せ集めはしない
                                             ・場をつくれば人は集まるとは考えない


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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ~ プライベートコミュニティ成功事例

                      最初に問題をひとつ。あなたが,もし「大手はさみメーカー」のマーケティング責任者だったとしましょう。

                                     問1( オンライン・コミュニティは,自社製品に有効な販促手法だと思いますか?
                                     問2( Yesと答えたあなた,珍しいですね! ではどんなコミュニティをつくりますか?

      Fiskars (フィスカーズ(社は1649年にフィンランドで創業された400年の歴史を持つ刃物メーカーだ。

      オレンジ色のハンドルがついたハサミの会社といえばわかるだろう。質の高い素材と製造を誇る,知る人ぞ知る伝統的な企業である。派手さはないが堅実な成長
      を続け,いまや全世界に3000人の社員を抱える国際的な企業となっている。そのFiskarsが最も力を入れている分野のひとつがクラフト用品,特にスクラップブッ
      ク愛好家向け商品だ。このマニア市場,米国では意外に規模が大きく,約2000万人,25億ドル市場を形成している。

      しかしながら,製品が地味なこともあり,スクラップブック愛好家にとってのFiskarsは,認知度は高いが思い入れがない,ロイヤリティの低いブランドだった。そのため
      近年では,主力である大規模ショッピングセンターの売り場から姿を消しはじめ,小型専門店へのシフトを余儀なくされた。

      Fiaskarsのクラフト部門にとって大いなる危機である。この苦境にどう対応するか?彼らの戦略は,「商品そのもの」よりも「商品の使い方」をアピールし,ブランド価
      値を高めることだった。当時,スクラップブック市場は主婦層'Baby Boomer Moms: 40~50代(の家族アルバム作りが支えていると言われていた。ところが慎重
      なFiskarsは,ネット上のクチコミを調査することで,その仮説が真実かどうかの検証から入った。その結果,実は若い女性層(Generation Y: 20~30代前半)が主
      婦層を上回る熱烈なファン層だったことが判明したのだ。そこでFiskarsのとった戦術は,若い女性層のクラフトマニアをメインペルソナとした会員制コミュニティを核
      として,このマニア顧客層と信頼の絆を結び,ロイヤルカストマー化を図るというものだった。

      Fisk-a-teers とネーミングされたオンライン・コミュニティが開設されたは,2006年のことだ。このコミュニティ効果は直ちに
      現れた。それも当初の期待をはるかに上回り,Fiskers経営陣を驚かせることになった。同社クラフト用品の売上が1年で3倍
      以上に伸びたのである。

      ちなみに企業が独自に構築するコミュニティは「プライベート・コミュニティ」と呼れ,Facebook や mixi のような「パブリック・
      コミュニティ」と区別されている。このプライベートコミュニティは,企業と顧客との絆を結ぶエンゲージメントツールとして注目
      を集めており,多様なソーシャルメディアの中でも最も高い成長率を示している分野だ。


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                                                                                               5
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ~ プライベートコミュニティ成功事例

      Fisk-a-teersは,クラフト用品ファン向けオンライン・コミュニティである。トップページの手作り感あふれるデザインが印象的だ。
      そこでまず目立つのが5人のメイン・パーソナリティ (Lead Fiskateers) だ 。彼女たちは決して美人というわけではない。親しみやすい友達のような,しかし熱狂的
      なクラフトマニアで,このコミュニティのスター的存在である。これは Docomo の新しい製品ラインナップにおけるペルソナ活用'Style, Prime, Smart, Pro(にも通じ
      るもので,ユーザー調査からマニアを典型的な5パターンに分類し,キャラクタ作りをほどこした,ペルソナ・インサイト分析に基づく配置だろう。彼女たちは,選抜さ
      れ,顧客とのコミュニケーション教育を受けたのち,このコミュニティのメイン・パーソナリティとして活躍する。ユーザーは自分が共感するいずれかの部屋に入り,彼
      女たちに導かれるように,自然にコミュニティに溶け込んでいく。

      訪問者がキャラクタに共感し,コミュニティに惹かれ,スクラップ・ブッキングやパッチワークにさらなる興味を持ち,同好の友人を増やしてゆく。サイトのいたるところ
      に,そのための心配り'ホスピタリティ(が感じられる。クラフトマニアのインサイト'潜在的欲求(は,趣味を通じて新しい自分の可能性に出会うこと。具体的なアク
      ションとしては,同好の友人たちと知り合い,語り合うこと。そして自らの作品を見てもらう機会をとても欲しがっていることだ。このサイトはそのインサイトを刺激するコ
      ンテンツにあふれている。ギャラリーにある作品は趣味のレベルのものが多く,安心してアップロードできる。投稿もコメントも交流も,とてもフランクだ。そのような雰
      囲気を5人のメイン・パーソナリティが演出しているのだ。

      動画も多くアップされている。動画の一番の強みは感情に訴える力だ。 メイン・パーソナリティ
      である "Lead Fiskateers" とファンの間に心の通じたコミュニケーションがされている事が体感
      できる。Lead Fiskateers は Fiskarsの代表である。ロイヤルカスタマーにとって,彼女達との
      交流は Fiakarsとの信頼の絆を象徴するものだ。素晴らしいブランド・エンゲージメントである。

      そしてもうひとつ。この動画はイベント会場のものだが,ここにまた成功のヒントがある。ネットと
      リアルとの融合が強く意識されていることだ。5人のメイン・パーソナリティはネット上だけの存在
      ではない。それどころか頻繁にファンとリアル交流しているのだ。それもクラフト用品の専門
      ショップを舞台として,連日このようなイベントが行われているところが心憎い。

      かようにして,このコミュニティは当初予想を大きく上回る会員を集め,1年間でFiskars社の
      クラフト部門の売上を3倍強,オンライン・コマースでの直販売上を6倍に引き上げた。
      典型的なプライベート・コミュニティの成功事例である。
                                                                             Fisk-a-teers

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                                                                                                     6
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その1.ペルソナ・インサイト分析を通じて,顧客を深く理解する

      Fiskars社はコミュニティを構築するにあたり,
                             1.商品そのものより商品の使い方に着目し -- はさみではなく,スクラップブッキング
                             2.顧客調査を通じてペルソナ仮説をたて -- 若い女性世代のクラフトマニア
                             3.そのインサイトを深く理解し -- 同好の友人と交流し,作品をお披露目したい
                             4.それを実現するためのコミュニティとコンテンツ -- 5人がリードするFiskateers
      をつくりあげた。このプロセスが成功の基本パターンである。どのように実現していけば良いか。もうすこし具体的に掘り下げてみよう。

      1(コミュニティのテーマを選定する
      商品そのものよりも,ユーザーは「その商品を利用して何をするか」「その商品によりどんな体験をしたいか」にフォーカスする。特にコミュニティの場合は,ユーザー
      同士が交流することで付加価値が高まる,利便性が高まる,楽しみが高まるような分野を選定することが重要である。

      2(ペルソナ仮説をたてる
      続いてロイヤルカスタマーの実像を深く理解することだ。十分なマーケティング調査結果がある場合は別だが,一般的には Fiskers社のとったアプローチ,ネット上
      のクチコミ'ブログやSNS,チャット等での会話(を収集し,典型的な顧客像の仮説をたてることをお勧めしたい。Fiskar社でも,調査前は「スクラップブック市場はベ
      ビーブーマー主婦が主婦が支えている」という誤ったペルソナ像を持っていたが,ネット調査によって「若い女性のクラフトマニア」と修正することができた。ネット調
      査に基づき,数パターンのアバウトなユーザー像'年齢,性別,居住地域とユーザーの深層心理(に集約させたら次のステップにすすむ。

      3(仮説したペルソナ像に従い,インタビューを行う
      仮説に従い,実際の顧客の中から,典型的なペルソナにあてはまる顧客を抽出し,詳細なインタビューにご協力いただく。 ペルソナ数とインタビュー人数は予算
      次第だが,最低でも3ペルソナ×5人=15人程度は必要だろう。このインタビューは顧客のホンネと深層心理を引き出す 必要があり高い専門性を要するものだ。
      ヒアリングする内容は,学歴や職業,平日・休日の過ごし方,メディアとの接触,貴社ブランドとの接点,感想,困っている点,なぜ貴社ブランドを購入した/しなかっ
      たか,ネットや携帯の活用状況など,100項目を優に超えることが一般的である。

      4(ペルソナとそのインサイトを設定する
      このインタビューをもとにユーザーの真実の姿を探っていく。この集約過程は関係者一同が集まり,プロジェクトメンバーの共通認識とすることが望ましい。このペル
      ソナ・インサイトの共有が,コミュニティ構築や運用,告知等に決定的に重要な共通テーマとなるからだ。実際のペルソナ像とそのインサイト'潜在的欲求,商品購
      入にいたる心のスイッチ(をまとめる際,インタビュー顧客の抽出やネット利用など,バイアスについても意識して集約することが必要である。

      以上のプロセスを踏み,テーマを選定し,真の顧客像,その顧客が望んでいる潜在的欲求を深く理解することが大切だ。逆に言うと,この最も大切なプロセスを,
      思い込みや惰性で省略して,コミュニティの開発や運用に力点をおかれるケースがほとんどであり,失敗の原因となっている。


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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その2.ペルソナの心に響くハイタッチ・コンテンツを提供する

      Flixsterは,開始2006年1月からわずか3年で5000万人の会員を持つことに成功した映画コミュニティがある。わずか20名弱の社員が支える独立系ベンチャー
      が運営しているSNSだが,顧客のインサイトを深く理解し,それにそったハイタッチ・コンテンツを提供している成功事例として紹介したい。なお,Flixsterは独自SNS
      以外にFacebook上アプリとして1300万人,Myspaceアプリとして500万人など,多様なプラットフォーム戦略をとって成功していることも注目点のひとつだ。

      彼らの最大の成功要因は「もうバスレの映画は見たくない」という映画ファンのインサイトにフォーカスし,そのための最高のコンテンツをそろえた点だ。例えば,
      映画一作につき,次のような豊富なコンテンツが用意されている。

        1. Details:                  映画に関する詳細な基本情報
        2. Recent News:              映画に関する最新ニュース
        3. Cast:                     出演者に関する情報
        4. Video Clip:               この映画の Video clip
        5. Rate It:                  自分の評価をつけたり、レビューを書く
        6. Share It:                 友達に映画を勧めたり,評価やレビューを共有する
        7. Rating Average:           自分の友達や全体の平均評価ランク
        8. More Like This:           類似した映画の紹介
        9. Meet Other Fans:          この映画のファンの紹介
       10. Recent Reviews:           最新のクチコミ

      この他,俳優のフォトギャラリーやゴシップ情報,映画クイズなど、映画ファンが喜ぶコンテンツ
      が実に多様に配置されている。このうち,1~4までは一般の映画コンテンツだが,5~10は
      すべてファンの集合知によって作り出されたCGMである点がポイントだ。

      2008年度全米興行成績トップの「ダークナイト」のCGMを例にして分析してみよう。

      注目すべき点はまずレビュー数だ。「ダークナイト」というひとつの映画に対して50万人以上が
      レビュー'Rate It(している。ちなみに 日本最大級のYahoo Japanの映画レビュー数は2000人,
      米国AmazonのDVDレビュー数は830人。レビューではなく気軽に投票できる Rate It により,
      ユーザー参加率が圧倒的に高まっているのが見てとれる。
                                                                (1) Rate It, Share It, Rating Averages, More like This

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                                                                                                                         8
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その2.ペルソナの心に響くハイタッチ・コンテンツを提供する

      類似映画の紹介'More Like It(も映画ファンにとっては素晴らしいコンテンツだ。ご覧の通り,こちらも Thumbs up / Thumbs down をクリックするだけで集合知を
      集めている。ちなみに余談だが,Netflix Prizeという米国最大級のネットレンタルDVDサービスでは,ユーザーが借りたビデオからお勧めをアルゴリズムで導き出す
      レコメンデーションエンジンを持っているが,その効果が低いため'平均評価が3,つまり普通(,現在 1億円の賞金をかけて広く全世界から改善プログラムを求め
      るコンテストを実施している。しかし,このような感性の分野では明らかに集合知活用が優位だろう。

      さらに一歩すすめて,映画趣味の近似度を測定する機能も実装されている。会員登録の際に50
      タイトル以上の映画にレビューを求められ,それを元に他ユーザーとの関連性が明示されるのだ。

      その関係もユニークだ。               1.   Soul Mates'ソウルメイト(      2. Best Friends'大親友(
                                3.   Good Friends'親友(        4. Friends'友人(
                                5.   Casual Buddies'軽い知り合い( 6. Bad Match'悪い相性(
                                7.   Run away ,fast'すぐに适げろ!(

      これにより,膨大な映画レビューの中から自分に近い趣味のものだけを参考にできる。さらには、
                                                                                    (2) Meet Other Fans
      世界中から自分に似た映画ファンを検索し,直接コミュニケーションすることもできる。

      友人ができてくると,さらに一歩すすめて映画体験を共有できる。これも画期的なコンテンツだ。
      例えば,連携しているYouTubeで映画のビデオクリップを見ながらチャットで対話できる場を提供
      しているのだ。TwitterやMeeboとも連携され,サイト内の他コンテンツでも体験共有が可能だ。

      Flixster は,映画ファンにとっては,さながらムービーのディズニーランドだ。自分のソウルメイトと
      対話しながらFlixster内のきらめくコンテンツを探索'デート(できるなど,映画を愛するファンに
      とって他のサイトで決して味わえない体験が提供されている。

      大切なことは,単に交流の場を用意しても,人は集まらないし,対話もしないということだ。その
      サイト独自の魅力が何より大切だ。しかしそれらの多くはCGMであり,工夫によってはローコストで
      集めることができる。このFlixsterは,独立系ベンチャーで,20人に満たない社員が運営している
      事実がそれを物語っている。
                                                                                     (3) Recent Reviews

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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その3.コミュニティの目的とビジネスモデルを明確にする

      現在,米国を中心に,企業が顧客との信頼の絆'エンゲージメント(を結ぶために,企業独自に顧客コミュニティを構築するケースが増えている。Facebookなど「パ
      ブリック・コミュニティ」は広告媒体として活用がメインだが,企業独自の「プライベート・コミュニティ」ではそのマーケティング活用の視点は全く異なる。

      では,「プライベート・コミュニティ」は,どのように活用すれば,どのようなメリットをビジネスにもたらすのだろうか。
      ここではマーケティング・プロセス,つまり,商品開発 ~ ファン醸成・商品販売 ~ アフターセールス のステップにわけて整理してみたい。




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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その3.コミュニティの目的とビジネスモデルを明確にする

      1( 商品開発: 商品開発コミュニティ
      顧客と商品をともに開発する共創型コミュニティだ。商品がコモディティ化し,機能的差別化が困難になってきた現在,きめ細かな使い勝手や情緒的価値による
      商品差別化をいかに図るかが,新商品開発のキーとなっている。そこで重要となるのが顧客,それもその企業にとってのロイヤルカスタマーの声である。この分野
      の典型的な成功事例としては 「無印良品モノづくりコミュニティー」 があげられる。

      2(ファン醸成・商品販売: ファン醸成コミュニティ ~ ソーシャルコマース
      その企業ないしブランドのロイヤルカスタマーを集め,顧客と企業,顧客間の交流を図るブランド・コミュニティ。最近の事例では,その中で商品を販売するEコマー
      ス機能を組み込んだソーシャルコマースに発展させるケースも多い。このコミュニティの目的は,顧客と企業の対話を通じた信頼の構築,顧客ロイヤリティの向上
      がメインである。さらにファン同士が独自の集合知'より効果的な使い方や商品の推薦など(を醸成したり,そこで発生したクチコミや商品レビューによる販売促進も
      重要である。さらにこのコミュニティ内での顧客の声をテキストマイニング分析することにより,サイレントマジョリティの生の声を理解できることも大きなメリットである。
      「Fiskateers」もこの分野の成功事例だ。「Fiskateers」の場合,さらにネットからリアルな売り場への巧みな誘導を図っている。

      3(アフターセールス: カスタマーサポート・コミュニティ
      商品販売後のカスタマーサポートを,企業ではなく顧客が主体となってすすめるコミュニティ。この分野ではQ&Aを通じて商品知識やトラブル対応の知識を蓄積
      させていくタイプが主流である。米国では「Get Satisfaction」,日本では「オウケイ・ウェイヴ」などが交流の場を提供する「セミ・プライベート・コミュニティ」型が多い。
      本栺的な「プライベート・コミュニティ」としては,サポートだけではなく商品改善に主眼をおいた「DELL Ideastorm」や,プロシューマ顧客による高価値創造の場とし
      ての 「Lego Mindstorm」 等がある。現在はサポート・コストの削減や効率化が主たる目的だが,やはり顧客の声分析を商品開発やサービス改善に生かすメリットが
      今後は注目されるだろう。

      以上,マーケティング・プロセスの観点から「ブライトベート・コミュニティ」を3つのタイプに分類し,その特長を述べた。
      ただし,これらは本来は分離されるべきではなく,商品開発 ~ ファン醸成・商品販売 ~ アフターセールス すべてのプロセスにおいて,一気通貫で顧客の声に
      耳を傾け,マーケティングのフィードバック・ループを確立すべきである。それにより,真に企業が顧客と共創するマーケティングを実現することができる。

      このレベルまで到達している企業は世界を見渡してもわずかしかないが,これから各分野におけるコミュニティ先陣競争が加速していくことはほぼ間違いないだろう。
      前述のガートナー社調査においても,米国大手企業の多くがコミュニティをマーケティング活用するだろうと予想している。



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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その4.初期集客について明確な目標と手段を持つ

      企業の「プライベートコミュニティ」においては,必ずしもユーザー数が多ければ多いほど良いというわけではない。アクセス数,ユーザー数が増加すると,当然その
      ためのインフラコストが上昇する。広告費やコマース売上を目的とする場合には成果が規模に連動するため好ましいといえるが,顧客の声を製品開発に反映させ
      る目的のコミュニティではロイヤリティの低い顧客の声はノイズになりかねない。共通して言えることは,ユーザーの質,具体的には「ロイヤルカスタマーの数」が最も
      大切な指標となることだ。

      例えば最も成功しているコミュニティのひとつである「DELL Ideastorm」でのユニークユーザー数は月間1万人~3万人'Compete のアクセス予測(だ。DELLはこの
      ユーザー数の力を借りて,開設2年で200件以上の製品改良を実現している。集まったユーザーからの改善アイディアはなんと10000件以上だ。また前述の
      Fiskateers では4000人のロイヤルカスタマーのクチコミ効果が波及し,売上3倍を達成している。企業サイズによって目標が異なるのは当然だが,目安としてロイ
      ヤルカスタマー3000-5000人を初期集客のターゲットとするのが現実的だろう。

      逆に,実訪問者で2万人を超えるコミュニティを目指す場合には,相応にインフラコストが増大するため,
      コマース連動による売上,商品広告による販促効果,カスタマーサポートのコスト削減など,規模に比例
      するビジネス貢献を前提とすべきである。

      顧客の質を大切にすることが肝要だ。プライオリティの高い順に集客方法を紹介しよう。

      1.既存顧客,特にロイヤリティや購買頻度が高い顧客をコア会員として集客する
      その企業ないしブランドの既存顧客がベストなことは当然である。コミュニティを本栺稼動させる前に,
      ペルソナインタビューやβ会員として事前にコンタクトし信頼関係を醸成しておくと,コミュニティのコア会員
      として大変に貴重な存在となっていただけるケースが多い。リアル店舗との連動による集客も効果的だ。

      2.社員やその家族などロイヤリティの高い既存コネクションを集客する
      次に,社員,その家族,フランチャイジーなど,企業と一体感のある会員を対象として考えたい。ただし
      2割以上が企業関係者になることはバイアス上避けたいところだ。また身分を隠した参加は炎上や丌信感
      につながるので必ずオーブンにすること。隠蔽は決してしてはいけない。
                                                                            Ideastorm


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                                                                                                12
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その4.初期集客について明確な目標と手段を持つ

      3.同好サークルと連携する
      コミュニティのメインテーマに関係した同好サークルとの提携は効果的だ。同好サークルはネットで検索すれば容易に発見できる。その責任者と電話ないしメール
      でコンタクトし,率直に力を借りたい旨を相談することが好感につながるだろう。金銭的取引はできる限り慎重にしたほうが良い。相互紹介により,ともに成長するス
      タイルが健全だ。

      4.協力関係にある企業と連携する
      協力関係にある企業と連携するのもひとつの選択肢だ。ただしネット上の会話分析など個人情報保護の観点などから足かせになるケースもあるため,連携のメ
      リット・デメリットを慎重に検討する必要がある。

      5.ネット広告により集客する
      SEO/SEMは集客の基本としてある程度は実施すべきだろう。リスティング広告でのコミュニティ新規会員獲得コストは一人平均500円~2000円程度かかり,かつ
      定着率はさほど高くない。また広告効果も年々低下する傾向にある。そのためSEMのみに頼る集客計画は危険である。また会員登録のためのアフィリエイト広告は
      定着率が低すぎるため使用すべきではない。ペイドブログ'報酬をもらって記事を書くブログ(はネット上の評判を著しく落とすため決して使用すべきではない。コ
      マース連動の場合は,Yahoo Auction に目玉商品を出品し,そこから集客を図る手段は効果的だ。

      6.ソーシャルメディア活用により集客する
      既存のソーシャルメディアを活用する集客方法もある。まずはブログ界'ブログスフィア(へのアプローチ。テーマに関連した分野で影響力のあるαブロガーを調査
      し直接コンタクトする方法。続いてmixiで関連するコミュニティを調査し管理人にコンタクトする方法。またYouTubeのクチコミ効果を期待し話題性のある動画を投
      稿する方法など。ただしいずれも難易度が高く,かつ失敗するとネガティブバズになる可能性もあるので慎重に行う必要がある。もし行う場合は,企業と個人では
      なく個人と個人の視点で。誠実かつ真摯に会話し,一個人として信頼を得ることが重要だ。

      7.メガSNSをプラットフォームとして活用する
      Facebookの成功と,それに対抗したOpenSocialの普及により,海外のメガSNSは既に外部アプリにAPIを開放し,ソーシャル・プラットフォーム化している。そしてそ
      の上で効果的な集客を実現しているコミュニティの成功事例も多い。例えば,「Flixster」ではFacebookやMyscpace上にアプリケーションを提供しており,それぞれ
      のプラットフォーム上で1300万人,500万人と驚くべき会員数を獲得している。つまりアプリを普及させることにより,メガSNSの会員を無料で取り込み,自社会員
      化できるわけだ。日本においても2009年8月にmixiがmixiアプリを正式スタートさせることを発表しており,コストパフォーマンスの高い集客方法として注目している。

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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その5.クチコミ誘発の仕掛けを組み込む

      ネット上のクチコミは極めて強力だ。単純計算では,仮に1人のユーザーが週3人のユーザーに紹介することを繰り返すと翌月のユーザー数は100倍超になってし
      まう。このクチコミ誘発の仕掛けをいかに設計するかは,ある意味「初期集客」より重要で,ソーシャルメディア成功のキーとなる。ただしこのクチコミ・ドライバーは,
      ユーザーのインサイトやコンテンツの特徴によって当然異なってくる。

      1.友人紹介でポイントを配布する
      最も単純で効果的なクチコミ・ドライバーはポイント制度の導入だ。成功事例として際立つのはモバゲーやGREEだろう。それぞれサイト内通貨をうまく活用し,ユー
      ザーの行動を誘引しており,友人紹介にも相応の「ゴールド」が付不される。クラウドソーシングサイトとして著名なTシャツ販売のThreadlessやビジネス系SNSであ
      るJigsawなども分野は異なるが巧妙にポイントを活用している事例である。ここでのポイントは,露骨に金銭メリットと関連付けないことだ。特に企業のプライベートコ
      ミュニティの場合,ユーザーの量より質が大切であり,過剰なポイント付不や金銭メリットの提供はコミュニティの質を落とす原因となるので注意したい。

      2.友人と体験を共有する場を提供する
      友人と体験を共有する場を提供すると,ユーザーが自発的に自らの友人をサイトに招待してくれる。筆者ブログ 「お客様の心にハイタッチするコンテンツを揃える」
      で紹介した映画に特化した巨大SNSであるFlixster などまさに好例である。例えば,ユーザーはYouTubeで映画のビデオクリップを見ながら,感想などをチャットで
      対話できる。Twitterや Meeboとも連携されており,他コンテンツでも体験共有の場が提供されている。特に最近のFacebook,Twitterなど,メガ・ソーシャルメディ
      アの潮流は「リアルタイムストリーム」や「サイト内行動のユーザー通知」がメイン・コンテンツになっており,今後はさらに友人との体験共有が重要になってくる。

      3.コミュニケーション・ツールを提供する
      Facebookやmixi,Skypeなどは,幼尐のころからインターネットと接してきたデジタルネイティブ世代にとっては,クラスメイトとの情報交流のツールとしてすっかり定
      着している。コミュニケーション・ツールは,そのネットワーク外部性により,利用者が増えるほど価値が増していく。趣味やビジネスでの情報共有に有効なツールを
      提供すれぱ,やはりユーザーは自発的に友人をつれてきてくれるのだ。




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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その5.クチコミ誘発の仕掛けを組み込む

      4.友人を巻き込むコンテンツを提供する
      Facebookの多様なアプリの中でも「友人ネタ」はクチコミ・ドライバーとして非常に巧妙にできているものが多い。「友人ネタ」アプリとは,友人をペットにする,友人を
      評価する,友人に自分の評価を聞く等,友人をイジルことで楽しむアプリだ。特に人気のあるのがFriends for Sale。友人を「ペット」として売買し,売買されるたびに
      その友人の価栺が上がっていくアプリだ。友人は,このアプリに参加していようといまいとお構いなしに「ペット」として売買されてしまう。売買された友人にはFriends
      for Salesからメッセージが届くが,それが巧妙なクチコミ・ドライバーとなっている。またCompare Peopleもすごい。友人を比較するアプリで,例えばあなたの友人2
      人の写真が出てきて「どちらが腕力が強い?」などと次々に出てくる質問に答えるというもの。いずれも売買や評価の結果,世界で?最も価値の高い「ペット」や最
      も「腕力が強い人」などユニークで味わい深いランキングができあがることになる。そしてその結果,さらに上位を競い合うための集客競争'これもクチコミ・ドライ
      バー(がはじまっていく。

      5.友人増加にともない拡張機能を提供する
      友人を会員にすると,その紹介元ユーザーに機能的メリットを提供するパターンだ。最も典型的な事例が世界最大のビジネスSNSである LinkedIn だ。LinkedInの
      一般ユーザーは,直接コンタクトできる友人の範囲が限定されている。具体的には「友人」の「友人」の「友人」までとなる。したがって自らの人脈を拡張するために
      は積極的にリアルの友人を誘い入れ,またLinkedInの中で知り合いを探し出すことだ大切になってくる。また当然人脈豊富な友人ほど声がかかりやすく自然とクチ
      コミが広がっていく仕組みだ。この効果により,LinkedInは1秒間に1人が加入する世界最大規模のビジネス SNSに成長している。

      6.ファンを持つキーマンを巻き込む
      音楽系SNSで多いのが,バンドとファンの関係をうまく活用した集客だ。最も有名な事例は Myspaceで,バンドにファン交流の場を提供することで,音楽ファンをコ
      アユーザーとして定着させた。その他にも音楽系SNSには面白いクチコミ・ドライバーがある。例えば Amie Street という音楽コミュニティでは,ユーザーが曲をダウ
      ンロード購入'曲は最初はDL料金は無料。DL回数でアップし Max $0.98(すると,友人への回数限定の推薦権を得られる。さらにDL料金が上がると推薦者に上
      昇金額の1/2がバックされるという仕組みだ。また Sellaband というドイツのサイトは,気に入ったミュージシャンに$10寄付し,$50,000'5000人(の寄付が集まると,
      そのファンドをもとに本栺的なレコーディングを行いCDを発売できるという仕組みを提供している。一定期間に$50,000に行かない場合は寄付金は返金され,
      $50,000に達すると寄付者にはCDが無料進呈される。いずれも中心にバンドがいて,その人気によって自動的にメジャーになる仕組みを構築されているところが
      面白い。




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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その6.誠実な対話姿勢を組織内で徹底する

      企業がコミュニティ導入で最も心配することは炎上が起こるのではないかという懸念だ。いわゆる「炎上」は偶然の産物ではなく,必然の結果である。しかしそれで
      コミュニティ導入恐れることは実はナンセンスである。なぜなら,ネット上には企業コミュニティの有無にかかわらずユーザー交流の場はいくらでもあり,そちらのほう
      がはるかにアンコントローラブルだからだ。それよりも,新しい時代に入ったことを認識し,ユーザーと誠実な姿勢で真摯に向きあう社内文化を醸成することが肝要
      である。

      炎上という逆境に対して顧客と真摯に向き合い,見事に克服したどころか,顧客を味方として「経営改革」を実現した最高の事例が「DELL」である。彼らは,2005
      年から2006年にかけて,その製品品質の問題点からネット上で DELL HELL と大変な罵倒を浴び続けた。デル会長は顧客の声に真摯に対応するため,DELLオ
      フィシャルブログを通じて対話をはじめるが,それでも集中砲火は収まらない。それに追い討ちをかけたのが「大阪でのノートPC発火事件」が youTubeで世界中を
      駆け巡ったのだ。ここにおいて,DELLは企業継続の危機にまで追い込まれるが,この事件に対してオフィシャルブログで謝罪した上で,リアルタイムに状況を報告
      したことでネット上の空気が味方になりはじめる。さらに顧客との対話を継続するDELLは,2007年2月に顧客との対話をさらにすすめるために 「IDEASTORM」を立
      ち上げ,2年間で200件以上の製品改善を実現したのだ。

      ■2005年6月 著名ブロガーに "DELL HELL" と罵倒                   「デルはうそをつく。デルは最低!」 それを機にネット上で DELL HELL と炎上はじめる


      ■マイケルデル会長は,正面から顧客の声を聴く決断                           部門横断的に「ブログ解決チーム」を編成。能動的に問題を発見・対話をはじめる


      ■その経験をもとに,DELLオフィシャル・ブログを開設                        出だしから集中砲火を浴びたが,「よくやった。ブログが始動したのをうれしく思う」という会長メールが
                                                         現場を元気づける


      ■2006年6月 大阪のカンファレンス会場で ノートPCが発火                    現場の動画が youTube経由で世界中を駆け巡り,DELLの品質トラブルは山場を迎える


      ■「ノートPC出火事件」とタイトルした記事を DELL公式ブログに掲示                トラブルの詳細と問題分析状況,再発防止対策をオープンにする。この記事を境にブログスフィアが
                                                         味方になり始める。「デルがついに会話の輪に入ったことを心から賞賛したい」


      ■2007年2月 「IDEA STORM」 開始                           1月に会長がCEOに復職し,顧客コミュニティ開設を指示。1ヶ月後には「IDEASTORM」 が一般公開される


      ■「IDEA STORM」 により,顧客の声をもとに200件超の改善を実施              9000件以上のアイデアに対し,60万件以上の投票がされ,200件以上の改善を実現している
                                                         '2008年末時点(

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                                                                                                              16
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その6.誠実な対話姿勢を組織内で徹底する

      一般的にコミュニティやブログの炎上は次のような原因で起こる。

         1.反社会的な記事 ~ 未成年者の飲酒や喫煙に関しての日記、犯罪行為の擁護・社会的弱者の悪口など
         2.誤った知識の知ったかぶり ~ 法律や科学知識、社会問題等関する誤った知識を根拠にした他者批判など
         3.主義の対立 ~ 感情的な反論、対立論者による指摘、丌都合なコメントの削除など
         4.提灯記事 ~ 広告であることを明示せず,金品を受け取り指定商品のブログ記事を書く事など
         5.身分を隠して自組織を擁護 ~ 企業内部の関係者であるにもかかわらず身分を隠して第三者を装った場合など

      今までの情報の非対称性'消費者より企業が多くの情報を持っていた前インターネット時代の情報栺差(によって守られていた企業サイドが,その習慣のままネット
      ユーザーと接することによって起こるものだ。特に顧客接点の尐ない情報システム部門やマーケティング部門,経営層が主導して炎上するケースがほとんどだ。
      日ごろから顧客と接する営業や店舗の方々にとって当たり前の「お客様と誠意を持って接する」という原則を守る事だ。

         1.会員を招待性、承認制、条件付等にして限定し、匿名丌特定多数が発言できないようにする
         2.広告明示なしにブロガー等に報酬を払って恣意的な記事を書かせない。また判断基準が未熟な子供たちを利用しない
         3.独自ルールや文化を持っている他社コミュニティを安易に利用しない
         4.自社コミュニティのルールを明確にし、告知する
         5.自らの身元を明かし、透明性を保つ
         6.ウソをつかない
         7.コミュニケーションを拒否したり、無視したりしない
         8.謙虚な姿勢を崩さない
         9.ユーザーをリスペクトし、感謝の気持ちを持つ
         10.問題が起きた時は放置せず、迅速に対応する

      これらの「誠実な対話姿勢」を,ユーザーと接する可能性のあるすべての関係者に教育し徹底することが肝要だ。これらの基準は難しいことではない。ユーザーは
      企業に対しても一人の人間として誠実な行動を期待している。またこれらの行動姿勢を逸脱した場合に非難されるのは企業だけではない。むしろマナーの悪い
      ユーザーが他のユーザーによって退去させられることの方が多い。お客様と同じ視線で,店頭のように,心を配り,誠実に接するということだ。



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                                                                                  17
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その7.「顧客の声」フィードバック・ループの仕組みを組織的に構築する

      企業のブライベート・コミュニティを通じて会話された「顧客の声」は,企業にとって極めて重要な経営資源である。場当たり的に利用したり,一部の部門のみが活
      用したりでは本来のマーケティング効果,経営効果は出てこない。ポイントは,顧客の声の「収集」から「分析」「共有」「改善」という流れを有機的に繋げ,顧客の声
      活用のサイクルを仕組みとして構築し,組織的にマネジメントしていくことが重要だ。例えば「商品開発コミュニティ」の場合の顧客の声マネジメントサイクルをまとめ
      たのが次の図だ。


          成功事例のプロセスを蓄積し,                                                      適切なファシリテーションにより,
          チームの動機付けにする                                                         顧客の声に耳を澄ませる
                                                 ⑥ 「成功事例」の     ① 顧客の声の
                                                   共有と動機づけ      「収集」




          実施した対策や商品を  ⑤ 顧客の声に
                                                                         ② 顧客の声    顧客の声を「見える化」し,
          検証し,効果を確認する  よる 「検証」                           顧客の声を経営に          の「分析」   気づきや情報を得る




                             ④ 顧客の声に                           ③ 顧客の声
          「気づき」情報から具体的な「誯題化」  よる 「改善」                            の「共有」
          改善進捗を「見える化」
          開発商品を投入し「的確なアピール」                                              鮮度の高い「気づき」や情報を迅速に伝える

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『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

     4. 成功のための7つの秘訣 ~ その7.「顧客の声」フィードバック・ループの仕組みを組織的に構築する

      また,顧客の声を活用した活動を進めていくには,特定の部署だけではなく,全社的に推進する体制が重要となる。

      この分野の先進企業として知られる P&G や DELL においては専門部隊が統拢し,必要な情報を必要な部門に迅速に届けるとともに,顧客への適切な対話
      責任を負っている。

      1.顧客の声活用の「専門部署」の設置                         【事例その1】 P&G 「コンシューマー・アンド・マーケット・ナレッジ」
                                                            ~ 顧客理解の向上による顧客中心マーケティングの実現を目的とし,顧客の代弁者として,
                                                               顧客の声を集める調査を実施し,データを分析した所見と考えられる可能性をブランド
                                                               マネジャー,商品,マーケティング,営業,R&Dなど各部門に提言
                                                 【事例その2】 DELL 「コミュニティーズ・アンド・カンバセーションズ」
                                                            ~ ネットを通じて顧客の声を聞き全社的活用を推進する専門部署'専任社員72人(

      またニッセンでは,顧客の声を活用する「部門横断型の委員会」を設置している。

      2.「顧客の声活用委員会」の設置                          【事例その3】 ニッセン 「お客さまの声活用委員会」
                                                          ~ 顧客の声をテキストマイニングし,年500件以上を誯題化。誯題対応状況を社内公開し
                                                            進捗状況を確認しながら,確実な実行を推進

      多くの企業では,スタート時点では,せいぜい1名の専任社員をつけるのが精一杯という状況だが,それでも既存の業務フローに「顧客」が参加し,マネジメント
      サイクルを適正にまわす仕組みを構築することで,大きな成果を出している企業もある。

      なお,初期段階における組織化のポイントは次の通りである。

        1.顧客対話に情熱を持ち,Web2.0ユーザーとしての経験が深い若手社員を一名専任におく'これがミニマム体制(
        2.既存業務フローを壊すのではなく「顧客の声」を付加し改善する形を目指し,社内を調整できる中堅社員が現場責任者となる。
        3.全社,全部門を横断的に改善していく経営改革となるため,その役割に責任も持てる経営陣の一人が総合責任者として推進する。
        4.関連部署とのコミュニケーションを行なうための定例会議体を設置し,コミュニティ開発段階からチームとして関不する。



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                                                                                                         19
『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』

      4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣


          ■ サイト設計                 1.ペルソナ・インサイト理解 ユーザーを深く理解し,潜在的な心のスイッチを見つけ出す
                                  2.ハイタッチ・コンテンツ          ユーザーのインサイトに基づき,ハイタッチ・コンテンツを設計する


          ■ ビジネス設計                3.ビジネスモデル設計            ビシネスモデルを設計し,運用時目標'KPI(を明示する
                                  4.初期集客                 リアル・ネット・広告・提携・多様な手段でペルソナを誘引する
                                  5.クチコミ誘発の仕掛け           初期集客が友人に紹介するクチコミ・ドライバーを組み込む


          ■ サービス運用                6.誠実な対話姿勢の徹底 ユーザーとの誠実な対話姿勢を組織内に教育し徹底する
                                  7.フィードバック・ループ          仮説→検証→改善 フィードバック・ループを組織的に構築する


                                    「これらが未解決のまま,システム設計・開発を開始してはいけない」



                                             ・ユーザー視点で,メリットや使い勝手に徹底的にこだわる
                                             ・アイディアや技術におぼれない
                                             ・使っていて楽しい,メリットが明確に見える,人に紹介したくなる
                                             ・安易なコンテンツ寄せ集めはしない
                                             ・場をつくれば人は集まるとは考えない


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                                                                                           20
Social Media Dynamics
                                                         ソーシャルメディアを創造する

                                            コンタクトはお気軽にどうぞ

                                            お問い合わせメール          cons@looops.net
                                            筆者'斉藤(Twitter      http://twitter.com/toru_saito




                                                                                               株式会社ループス・コミュニケーションズ
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ホワイトペーパーVol05 コミュニティ成功のための7つの秘訣

  • 1. Alexa Global TOP100 on Feb 2009 3.Youtube.com 6.Myspace.com 8.Facebook.com 9.Blogger.com 11.Orkut.com 17.Qq.com 19.Hi5.com 22.Mail.ru 26.Photobucket.com 30.Vkontakte.ru Social Media Dynamics! 34.Imageshack.us 36.Wordpress.com vol. 05 39.Flickr.com 40.Friendster.com 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 41.Skyrock.com ~ コミュニティ構築の落とし穴を避けるために ~ 48.Dailymotion.com 56.Livejournal.com 57.Fotolog.net 2009/06/15 初版 59.Imagevenue.com 62.Mixi.jp 斉藤 徹 69.Nicovideo.jp 73.56.com 75.Veoh.com 76.Perfspot.com 77.Deviantart.com 80.Youku.com 84.Metroflog.com 100.Wretch.cc 株式会社ループス・コミュニケーションズ © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. ホワイトペーパー 「Social Media Dynamics」シリーズ
  • 2. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 1. 「モノローグ'一人芝居(ではダメ。顧客との共創の時代だ。」 ~ フィリップ・コトラー '日経ビジネスマネジメント 2008.12( マーケティングは 4Pなどのマーケティング 顧客満足を最大化する 顧客とともに 「販売」と同義 理論の導入初期 長期的関係の構築 製品やサービスを創造 最初は「販売のステージ」です。マーケティングという言葉が「売ること」とほとんど同じ意味で使われていた時期です。 第二段階は「4つのPのステージ」です。単に注文を取るだけではなく,適切な製品に,適切な価栺をつけ,適切な場所で売り,適切な販促をうつ。 このステージではじめて「ブランドマネージャー」と呼ばれる職種が登場しました。 第三段階は「顧客との関係構築のステージ」です。マーケティング担当者は「売ったらそれっきりではもったいない。1回買ってくれた顧客には,2回, 3回と繰返し買ってもらいたい」と考えはじめました。ここで「顧客満足」という考え方が登場しました。顧客との継続的な関係を維持するために,「顧 客情報」を整備して,誮が,いつ,どこで,何を,いくらで買ったのかというデータベースを構築する必要性があることがわかってきました。 今は「共創のステージ」の第四段階に進みました。企業が一方的に製品を作り.一方的に宣伝して売るのではなく, 製品がどうあるべきか,どのようなメッセージを送り出すべきかについて顧客と一緒に考えはじめるようになってきた のです。 今までは顧客の調査を重ねれば,「顧客の目線」で物事が見えてくると考えられてきました。しかし何百ページもの マーケティング報告書は,読みきれない大量のデータを集めているだけで,それを見て顧客のことがわかったつもり になっていた。しかも,売り手は情報を独占し,一方的に都合の良いメッセージを流し続けていました。私はこれを 「モノローグ'一人芝居(の時代と呼んでいます。双方向のインターネットの登場によって,そういう時代は終わりを 告げました。'中略( 顧客に「なぜこの商品を買ったのですが?」とたずねても正解はかえってこない。顧客自身が答えに気づいていない からです。現代のマーケティングは,どれだけ顧客の深層心理に迫れるかの勝負です。マーケティング部門は数字 をいじりまわしているだけでは存在価値はありません。顧客や市場の変化に社内の誮よりも敏感で,必要ならば躊躇 なく変化を起こす集団でなければいけません。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 1
  • 3. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 2. 2010年までに有力な大企業の60%以上がオンライン・コミュニティを活用するだろう ~ ガートナー・リサーチ社が80%の確信を持って '日経 IT-Pro 2008.10( 市場調査会社の米Gartnerは,米国時間2008年10月6日,企業はネット利用新世代を引き寄せ,将来の顧客ニーズを知るためにソーシャル・ アプリケーションの提供または利用が必要になる,との予測を明らかにした。 同社によれば,2010年までに Fortune1000企業の60%以上が何らかのオンライン・コミュニティに接続する,あるいはオンライン・コミュニティを ホスティングするようになる。企業は,オンライン・コミュニティから得た情報を製品開発,顧客の分類,キャンペーン,顧客満足度の管理などに 利用するわけだ。 一方,2010年までにオンライン・コミュニティを設立した企業の50%以上は顧客と共通の目的の設定に失敗し,顧客との関係を徍々に悪化させる 可能性がある。これを回避し,ネット利用新世代のニーズを把握して将来の振る舞いを予測するために,マーケティング企業は社会科学を応用する 他,顧客との対話を促進する環境作りのスキルなどが必要になる。 Gartner Says More Than 60 Percent of Fortune 1000 Companies With a Web Site Will Connect to or Host a Form of Online Community by 2010 Analysts to Discuss Enterprise Use of Social Networking at Gartner Symposium/ITxpo 2008, October 12-16 STAMFORD, Conn., October 6, 2008 — To do business with the growing "Generation Virtual" population, companies will need to provide, or connect to, social applications to attract and engage customers, gathering information about their future wants and needs to lead them toward products and services, according to Gartner, Inc. By 2010, more than 60 percent of Fortune 1,000 companies with a Web site will connect to or host some form of online community that can be utilized for customer relationship purposes. “A key benefit of establishing a community is the amount of information an organization can gain about its customer base, which can be used for short-and long-term customer relationships,” said Adam Sarner, principal research analyst at Gartner. “Data can be collected and used for product development, customer feedback, loyalty management, customer segmentation, campaign targeting, and individual or group customer satisfaction management. This wealth of data can be used for marketing, in particular, as well as an entire customer-focused organization.” However, establishing an online community isn’t without challenges. Gartner predicts that by 2010, more than 50 percent of companies that have established an online community will fail to establish mutual purpose, ultimately eroding customer and company values. To combat this, marketing organizations will need new skills to meet the needs of Generation Virtual. “Companies will be challenged with what applications to use, who ultimately “owns” an application or interaction and the management of socialization itself, from measuring success and mitigating negative interactions to sourcing and cultural restraints,” said Mr. Sarner. Unlike previous generations, Generation Virtual (also known as Generation V) is not defined by age — or gender, social demographic or geography — but is based on demonstrated achievement, accomplishments and an increasing preference for the use of digital media channels to discover information, build knowledge and share insights. The definition of Generation V derives from the recognition that these common behaviors, attitudes and interests are starting to blend together in an online environment. (omit the rest) Additional information on social computing and CRM is in the Gartner report “The Business Impact of Social Computing on Marketing and 'Generation Virtual’.” The report is on Gartner's Web site at http://www.gartner.com/DisplayDocument?ref=g_search&id=750734&subref=simplesearch. © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 2
  • 4. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 3. 顧客とのオンライン対話における落とし穴 失敗の分析 企画フェーズの落とし穴 ◆ 原因その1 「目的や戦略,ターゲットなどがあいまいなまま,プロジェクトがスタートしてしまった」 ◆ 原因その2 「集客方法とユーザー・インセンティブ設計が十分に検討されていない」 ◆ 原因その3 「既存ソーシャルメディア ~ mixi, facebook, twitter, openSocial,Friend connect ・・・ ~ との連携が考慮されていない」 開発フェーズの落とし穴 ◆ 原因その4 「ソーシャルメディア特有のコミュニティ・ノウハウやクチコミ・ドライバーをシステム設計に盛り込めていない」 ◆ 原因その5 「開発パートナーやパッケージ選定に明確な基準がなく,成り行きで既存業者に決まった」 運用フェーズの落とし穴 ◆ 原因その6 「誰謗中傷や炎上,大規模アクセス対応など,コミュニティ独特の運用システムが確立されていない」 ◆ 原因その7 「顧客の声をマーケティングに活用するための仕組みができていない」 企業の期待 は 「顧客の声の活用」 生活者の期待 は 「利便性と認知欲求」 企業 生活者 ・マーケティングのための情報収集 ・情報獲得 '生活や趣味,商品・サービス情報( ・顧客が参加する商品・サービス開発 ・情報発信・交流 '認知・交流・自己実現欲求( 対話の場 「コミュニティ」 ・クチコミ活用による販売促進,顧客サポート ・価値創造 '交流による情報・ナレッジ創造( ・顧客ロイヤルティの獲得 ・価値交換 '希尐価値の入手( © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 3
  • 5. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ■ サイト設計 1.ペルソナ・インサイト理解 ユーザーを深く理解し,潜在的な心のスイッチを見つけ出す 2.ハイタッチ・コンテンツ ユーザーのインサイトに基づき,ハイタッチ・コンテンツを設計する ■ ビジネス設計 3.ビジネスモデル設計 ビシネスモデルを設計し,運用時目標'KPI(を明示する 4.初期集客 リアル・ネット・広告・提携・多様な手段でペルソナを誘引する 5.クチコミ誘発の仕掛け 初期集客が友人に紹介するクチコミ・ドライバーを組み込む ■ サービス運用 6.誠実な対話姿勢の徹底 ユーザーとの誠実な対話姿勢を組織内に教育し徹底する 7.フィードバック・ループ 仮説→検証→改善 フィードバック・ループを組織的に構築する 「これらが未解決のまま,システム設計・開発を開始してはいけない」 ・ユーザー視点で,メリットや使い勝手に徹底的にこだわる ・アイディアや技術におぼれない ・使っていて楽しい,メリットが明確に見える,人に紹介したくなる ・安易なコンテンツ寄せ集めはしない ・場をつくれば人は集まるとは考えない © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 4
  • 6. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ~ プライベートコミュニティ成功事例 最初に問題をひとつ。あなたが,もし「大手はさみメーカー」のマーケティング責任者だったとしましょう。 問1( オンライン・コミュニティは,自社製品に有効な販促手法だと思いますか? 問2( Yesと答えたあなた,珍しいですね! ではどんなコミュニティをつくりますか? Fiskars (フィスカーズ(社は1649年にフィンランドで創業された400年の歴史を持つ刃物メーカーだ。 オレンジ色のハンドルがついたハサミの会社といえばわかるだろう。質の高い素材と製造を誇る,知る人ぞ知る伝統的な企業である。派手さはないが堅実な成長 を続け,いまや全世界に3000人の社員を抱える国際的な企業となっている。そのFiskarsが最も力を入れている分野のひとつがクラフト用品,特にスクラップブッ ク愛好家向け商品だ。このマニア市場,米国では意外に規模が大きく,約2000万人,25億ドル市場を形成している。 しかしながら,製品が地味なこともあり,スクラップブック愛好家にとってのFiskarsは,認知度は高いが思い入れがない,ロイヤリティの低いブランドだった。そのため 近年では,主力である大規模ショッピングセンターの売り場から姿を消しはじめ,小型専門店へのシフトを余儀なくされた。 Fiaskarsのクラフト部門にとって大いなる危機である。この苦境にどう対応するか?彼らの戦略は,「商品そのもの」よりも「商品の使い方」をアピールし,ブランド価 値を高めることだった。当時,スクラップブック市場は主婦層'Baby Boomer Moms: 40~50代(の家族アルバム作りが支えていると言われていた。ところが慎重 なFiskarsは,ネット上のクチコミを調査することで,その仮説が真実かどうかの検証から入った。その結果,実は若い女性層(Generation Y: 20~30代前半)が主 婦層を上回る熱烈なファン層だったことが判明したのだ。そこでFiskarsのとった戦術は,若い女性層のクラフトマニアをメインペルソナとした会員制コミュニティを核 として,このマニア顧客層と信頼の絆を結び,ロイヤルカストマー化を図るというものだった。 Fisk-a-teers とネーミングされたオンライン・コミュニティが開設されたは,2006年のことだ。このコミュニティ効果は直ちに 現れた。それも当初の期待をはるかに上回り,Fiskers経営陣を驚かせることになった。同社クラフト用品の売上が1年で3倍 以上に伸びたのである。 ちなみに企業が独自に構築するコミュニティは「プライベート・コミュニティ」と呼れ,Facebook や mixi のような「パブリック・ コミュニティ」と区別されている。このプライベートコミュニティは,企業と顧客との絆を結ぶエンゲージメントツールとして注目 を集めており,多様なソーシャルメディアの中でも最も高い成長率を示している分野だ。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 5
  • 7. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ~ プライベートコミュニティ成功事例 Fisk-a-teersは,クラフト用品ファン向けオンライン・コミュニティである。トップページの手作り感あふれるデザインが印象的だ。 そこでまず目立つのが5人のメイン・パーソナリティ (Lead Fiskateers) だ 。彼女たちは決して美人というわけではない。親しみやすい友達のような,しかし熱狂的 なクラフトマニアで,このコミュニティのスター的存在である。これは Docomo の新しい製品ラインナップにおけるペルソナ活用'Style, Prime, Smart, Pro(にも通じ るもので,ユーザー調査からマニアを典型的な5パターンに分類し,キャラクタ作りをほどこした,ペルソナ・インサイト分析に基づく配置だろう。彼女たちは,選抜さ れ,顧客とのコミュニケーション教育を受けたのち,このコミュニティのメイン・パーソナリティとして活躍する。ユーザーは自分が共感するいずれかの部屋に入り,彼 女たちに導かれるように,自然にコミュニティに溶け込んでいく。 訪問者がキャラクタに共感し,コミュニティに惹かれ,スクラップ・ブッキングやパッチワークにさらなる興味を持ち,同好の友人を増やしてゆく。サイトのいたるところ に,そのための心配り'ホスピタリティ(が感じられる。クラフトマニアのインサイト'潜在的欲求(は,趣味を通じて新しい自分の可能性に出会うこと。具体的なアク ションとしては,同好の友人たちと知り合い,語り合うこと。そして自らの作品を見てもらう機会をとても欲しがっていることだ。このサイトはそのインサイトを刺激するコ ンテンツにあふれている。ギャラリーにある作品は趣味のレベルのものが多く,安心してアップロードできる。投稿もコメントも交流も,とてもフランクだ。そのような雰 囲気を5人のメイン・パーソナリティが演出しているのだ。 動画も多くアップされている。動画の一番の強みは感情に訴える力だ。 メイン・パーソナリティ である "Lead Fiskateers" とファンの間に心の通じたコミュニケーションがされている事が体感 できる。Lead Fiskateers は Fiskarsの代表である。ロイヤルカスタマーにとって,彼女達との 交流は Fiakarsとの信頼の絆を象徴するものだ。素晴らしいブランド・エンゲージメントである。 そしてもうひとつ。この動画はイベント会場のものだが,ここにまた成功のヒントがある。ネットと リアルとの融合が強く意識されていることだ。5人のメイン・パーソナリティはネット上だけの存在 ではない。それどころか頻繁にファンとリアル交流しているのだ。それもクラフト用品の専門 ショップを舞台として,連日このようなイベントが行われているところが心憎い。 かようにして,このコミュニティは当初予想を大きく上回る会員を集め,1年間でFiskars社の クラフト部門の売上を3倍強,オンライン・コマースでの直販売上を6倍に引き上げた。 典型的なプライベート・コミュニティの成功事例である。 Fisk-a-teers © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 6
  • 8. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その1.ペルソナ・インサイト分析を通じて,顧客を深く理解する Fiskars社はコミュニティを構築するにあたり, 1.商品そのものより商品の使い方に着目し -- はさみではなく,スクラップブッキング 2.顧客調査を通じてペルソナ仮説をたて -- 若い女性世代のクラフトマニア 3.そのインサイトを深く理解し -- 同好の友人と交流し,作品をお披露目したい 4.それを実現するためのコミュニティとコンテンツ -- 5人がリードするFiskateers をつくりあげた。このプロセスが成功の基本パターンである。どのように実現していけば良いか。もうすこし具体的に掘り下げてみよう。 1(コミュニティのテーマを選定する 商品そのものよりも,ユーザーは「その商品を利用して何をするか」「その商品によりどんな体験をしたいか」にフォーカスする。特にコミュニティの場合は,ユーザー 同士が交流することで付加価値が高まる,利便性が高まる,楽しみが高まるような分野を選定することが重要である。 2(ペルソナ仮説をたてる 続いてロイヤルカスタマーの実像を深く理解することだ。十分なマーケティング調査結果がある場合は別だが,一般的には Fiskers社のとったアプローチ,ネット上 のクチコミ'ブログやSNS,チャット等での会話(を収集し,典型的な顧客像の仮説をたてることをお勧めしたい。Fiskar社でも,調査前は「スクラップブック市場はベ ビーブーマー主婦が主婦が支えている」という誤ったペルソナ像を持っていたが,ネット調査によって「若い女性のクラフトマニア」と修正することができた。ネット調 査に基づき,数パターンのアバウトなユーザー像'年齢,性別,居住地域とユーザーの深層心理(に集約させたら次のステップにすすむ。 3(仮説したペルソナ像に従い,インタビューを行う 仮説に従い,実際の顧客の中から,典型的なペルソナにあてはまる顧客を抽出し,詳細なインタビューにご協力いただく。 ペルソナ数とインタビュー人数は予算 次第だが,最低でも3ペルソナ×5人=15人程度は必要だろう。このインタビューは顧客のホンネと深層心理を引き出す 必要があり高い専門性を要するものだ。 ヒアリングする内容は,学歴や職業,平日・休日の過ごし方,メディアとの接触,貴社ブランドとの接点,感想,困っている点,なぜ貴社ブランドを購入した/しなかっ たか,ネットや携帯の活用状況など,100項目を優に超えることが一般的である。 4(ペルソナとそのインサイトを設定する このインタビューをもとにユーザーの真実の姿を探っていく。この集約過程は関係者一同が集まり,プロジェクトメンバーの共通認識とすることが望ましい。このペル ソナ・インサイトの共有が,コミュニティ構築や運用,告知等に決定的に重要な共通テーマとなるからだ。実際のペルソナ像とそのインサイト'潜在的欲求,商品購 入にいたる心のスイッチ(をまとめる際,インタビュー顧客の抽出やネット利用など,バイアスについても意識して集約することが必要である。 以上のプロセスを踏み,テーマを選定し,真の顧客像,その顧客が望んでいる潜在的欲求を深く理解することが大切だ。逆に言うと,この最も大切なプロセスを, 思い込みや惰性で省略して,コミュニティの開発や運用に力点をおかれるケースがほとんどであり,失敗の原因となっている。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 7
  • 9. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その2.ペルソナの心に響くハイタッチ・コンテンツを提供する Flixsterは,開始2006年1月からわずか3年で5000万人の会員を持つことに成功した映画コミュニティがある。わずか20名弱の社員が支える独立系ベンチャー が運営しているSNSだが,顧客のインサイトを深く理解し,それにそったハイタッチ・コンテンツを提供している成功事例として紹介したい。なお,Flixsterは独自SNS 以外にFacebook上アプリとして1300万人,Myspaceアプリとして500万人など,多様なプラットフォーム戦略をとって成功していることも注目点のひとつだ。 彼らの最大の成功要因は「もうバスレの映画は見たくない」という映画ファンのインサイトにフォーカスし,そのための最高のコンテンツをそろえた点だ。例えば, 映画一作につき,次のような豊富なコンテンツが用意されている。 1. Details: 映画に関する詳細な基本情報 2. Recent News: 映画に関する最新ニュース 3. Cast: 出演者に関する情報 4. Video Clip: この映画の Video clip 5. Rate It: 自分の評価をつけたり、レビューを書く 6. Share It: 友達に映画を勧めたり,評価やレビューを共有する 7. Rating Average: 自分の友達や全体の平均評価ランク 8. More Like This: 類似した映画の紹介 9. Meet Other Fans: この映画のファンの紹介 10. Recent Reviews: 最新のクチコミ この他,俳優のフォトギャラリーやゴシップ情報,映画クイズなど、映画ファンが喜ぶコンテンツ が実に多様に配置されている。このうち,1~4までは一般の映画コンテンツだが,5~10は すべてファンの集合知によって作り出されたCGMである点がポイントだ。 2008年度全米興行成績トップの「ダークナイト」のCGMを例にして分析してみよう。 注目すべき点はまずレビュー数だ。「ダークナイト」というひとつの映画に対して50万人以上が レビュー'Rate It(している。ちなみに 日本最大級のYahoo Japanの映画レビュー数は2000人, 米国AmazonのDVDレビュー数は830人。レビューではなく気軽に投票できる Rate It により, ユーザー参加率が圧倒的に高まっているのが見てとれる。 (1) Rate It, Share It, Rating Averages, More like This © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 8
  • 10. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その2.ペルソナの心に響くハイタッチ・コンテンツを提供する 類似映画の紹介'More Like It(も映画ファンにとっては素晴らしいコンテンツだ。ご覧の通り,こちらも Thumbs up / Thumbs down をクリックするだけで集合知を 集めている。ちなみに余談だが,Netflix Prizeという米国最大級のネットレンタルDVDサービスでは,ユーザーが借りたビデオからお勧めをアルゴリズムで導き出す レコメンデーションエンジンを持っているが,その効果が低いため'平均評価が3,つまり普通(,現在 1億円の賞金をかけて広く全世界から改善プログラムを求め るコンテストを実施している。しかし,このような感性の分野では明らかに集合知活用が優位だろう。 さらに一歩すすめて,映画趣味の近似度を測定する機能も実装されている。会員登録の際に50 タイトル以上の映画にレビューを求められ,それを元に他ユーザーとの関連性が明示されるのだ。 その関係もユニークだ。 1. Soul Mates'ソウルメイト( 2. Best Friends'大親友( 3. Good Friends'親友( 4. Friends'友人( 5. Casual Buddies'軽い知り合い( 6. Bad Match'悪い相性( 7. Run away ,fast'すぐに适げろ!( これにより,膨大な映画レビューの中から自分に近い趣味のものだけを参考にできる。さらには、 (2) Meet Other Fans 世界中から自分に似た映画ファンを検索し,直接コミュニケーションすることもできる。 友人ができてくると,さらに一歩すすめて映画体験を共有できる。これも画期的なコンテンツだ。 例えば,連携しているYouTubeで映画のビデオクリップを見ながらチャットで対話できる場を提供 しているのだ。TwitterやMeeboとも連携され,サイト内の他コンテンツでも体験共有が可能だ。 Flixster は,映画ファンにとっては,さながらムービーのディズニーランドだ。自分のソウルメイトと 対話しながらFlixster内のきらめくコンテンツを探索'デート(できるなど,映画を愛するファンに とって他のサイトで決して味わえない体験が提供されている。 大切なことは,単に交流の場を用意しても,人は集まらないし,対話もしないということだ。その サイト独自の魅力が何より大切だ。しかしそれらの多くはCGMであり,工夫によってはローコストで 集めることができる。このFlixsterは,独立系ベンチャーで,20人に満たない社員が運営している 事実がそれを物語っている。 (3) Recent Reviews © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 9
  • 11. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その3.コミュニティの目的とビジネスモデルを明確にする 現在,米国を中心に,企業が顧客との信頼の絆'エンゲージメント(を結ぶために,企業独自に顧客コミュニティを構築するケースが増えている。Facebookなど「パ ブリック・コミュニティ」は広告媒体として活用がメインだが,企業独自の「プライベート・コミュニティ」ではそのマーケティング活用の視点は全く異なる。 では,「プライベート・コミュニティ」は,どのように活用すれば,どのようなメリットをビジネスにもたらすのだろうか。 ここではマーケティング・プロセス,つまり,商品開発 ~ ファン醸成・商品販売 ~ アフターセールス のステップにわけて整理してみたい。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 10
  • 12. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その3.コミュニティの目的とビジネスモデルを明確にする 1( 商品開発: 商品開発コミュニティ 顧客と商品をともに開発する共創型コミュニティだ。商品がコモディティ化し,機能的差別化が困難になってきた現在,きめ細かな使い勝手や情緒的価値による 商品差別化をいかに図るかが,新商品開発のキーとなっている。そこで重要となるのが顧客,それもその企業にとってのロイヤルカスタマーの声である。この分野 の典型的な成功事例としては 「無印良品モノづくりコミュニティー」 があげられる。 2(ファン醸成・商品販売: ファン醸成コミュニティ ~ ソーシャルコマース その企業ないしブランドのロイヤルカスタマーを集め,顧客と企業,顧客間の交流を図るブランド・コミュニティ。最近の事例では,その中で商品を販売するEコマー ス機能を組み込んだソーシャルコマースに発展させるケースも多い。このコミュニティの目的は,顧客と企業の対話を通じた信頼の構築,顧客ロイヤリティの向上 がメインである。さらにファン同士が独自の集合知'より効果的な使い方や商品の推薦など(を醸成したり,そこで発生したクチコミや商品レビューによる販売促進も 重要である。さらにこのコミュニティ内での顧客の声をテキストマイニング分析することにより,サイレントマジョリティの生の声を理解できることも大きなメリットである。 「Fiskateers」もこの分野の成功事例だ。「Fiskateers」の場合,さらにネットからリアルな売り場への巧みな誘導を図っている。 3(アフターセールス: カスタマーサポート・コミュニティ 商品販売後のカスタマーサポートを,企業ではなく顧客が主体となってすすめるコミュニティ。この分野ではQ&Aを通じて商品知識やトラブル対応の知識を蓄積 させていくタイプが主流である。米国では「Get Satisfaction」,日本では「オウケイ・ウェイヴ」などが交流の場を提供する「セミ・プライベート・コミュニティ」型が多い。 本栺的な「プライベート・コミュニティ」としては,サポートだけではなく商品改善に主眼をおいた「DELL Ideastorm」や,プロシューマ顧客による高価値創造の場とし ての 「Lego Mindstorm」 等がある。現在はサポート・コストの削減や効率化が主たる目的だが,やはり顧客の声分析を商品開発やサービス改善に生かすメリットが 今後は注目されるだろう。 以上,マーケティング・プロセスの観点から「ブライトベート・コミュニティ」を3つのタイプに分類し,その特長を述べた。 ただし,これらは本来は分離されるべきではなく,商品開発 ~ ファン醸成・商品販売 ~ アフターセールス すべてのプロセスにおいて,一気通貫で顧客の声に 耳を傾け,マーケティングのフィードバック・ループを確立すべきである。それにより,真に企業が顧客と共創するマーケティングを実現することができる。 このレベルまで到達している企業は世界を見渡してもわずかしかないが,これから各分野におけるコミュニティ先陣競争が加速していくことはほぼ間違いないだろう。 前述のガートナー社調査においても,米国大手企業の多くがコミュニティをマーケティング活用するだろうと予想している。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 11
  • 13. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その4.初期集客について明確な目標と手段を持つ 企業の「プライベートコミュニティ」においては,必ずしもユーザー数が多ければ多いほど良いというわけではない。アクセス数,ユーザー数が増加すると,当然その ためのインフラコストが上昇する。広告費やコマース売上を目的とする場合には成果が規模に連動するため好ましいといえるが,顧客の声を製品開発に反映させ る目的のコミュニティではロイヤリティの低い顧客の声はノイズになりかねない。共通して言えることは,ユーザーの質,具体的には「ロイヤルカスタマーの数」が最も 大切な指標となることだ。 例えば最も成功しているコミュニティのひとつである「DELL Ideastorm」でのユニークユーザー数は月間1万人~3万人'Compete のアクセス予測(だ。DELLはこの ユーザー数の力を借りて,開設2年で200件以上の製品改良を実現している。集まったユーザーからの改善アイディアはなんと10000件以上だ。また前述の Fiskateers では4000人のロイヤルカスタマーのクチコミ効果が波及し,売上3倍を達成している。企業サイズによって目標が異なるのは当然だが,目安としてロイ ヤルカスタマー3000-5000人を初期集客のターゲットとするのが現実的だろう。 逆に,実訪問者で2万人を超えるコミュニティを目指す場合には,相応にインフラコストが増大するため, コマース連動による売上,商品広告による販促効果,カスタマーサポートのコスト削減など,規模に比例 するビジネス貢献を前提とすべきである。 顧客の質を大切にすることが肝要だ。プライオリティの高い順に集客方法を紹介しよう。 1.既存顧客,特にロイヤリティや購買頻度が高い顧客をコア会員として集客する その企業ないしブランドの既存顧客がベストなことは当然である。コミュニティを本栺稼動させる前に, ペルソナインタビューやβ会員として事前にコンタクトし信頼関係を醸成しておくと,コミュニティのコア会員 として大変に貴重な存在となっていただけるケースが多い。リアル店舗との連動による集客も効果的だ。 2.社員やその家族などロイヤリティの高い既存コネクションを集客する 次に,社員,その家族,フランチャイジーなど,企業と一体感のある会員を対象として考えたい。ただし 2割以上が企業関係者になることはバイアス上避けたいところだ。また身分を隠した参加は炎上や丌信感 につながるので必ずオーブンにすること。隠蔽は決してしてはいけない。 Ideastorm © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 12
  • 14. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その4.初期集客について明確な目標と手段を持つ 3.同好サークルと連携する コミュニティのメインテーマに関係した同好サークルとの提携は効果的だ。同好サークルはネットで検索すれば容易に発見できる。その責任者と電話ないしメール でコンタクトし,率直に力を借りたい旨を相談することが好感につながるだろう。金銭的取引はできる限り慎重にしたほうが良い。相互紹介により,ともに成長するス タイルが健全だ。 4.協力関係にある企業と連携する 協力関係にある企業と連携するのもひとつの選択肢だ。ただしネット上の会話分析など個人情報保護の観点などから足かせになるケースもあるため,連携のメ リット・デメリットを慎重に検討する必要がある。 5.ネット広告により集客する SEO/SEMは集客の基本としてある程度は実施すべきだろう。リスティング広告でのコミュニティ新規会員獲得コストは一人平均500円~2000円程度かかり,かつ 定着率はさほど高くない。また広告効果も年々低下する傾向にある。そのためSEMのみに頼る集客計画は危険である。また会員登録のためのアフィリエイト広告は 定着率が低すぎるため使用すべきではない。ペイドブログ'報酬をもらって記事を書くブログ(はネット上の評判を著しく落とすため決して使用すべきではない。コ マース連動の場合は,Yahoo Auction に目玉商品を出品し,そこから集客を図る手段は効果的だ。 6.ソーシャルメディア活用により集客する 既存のソーシャルメディアを活用する集客方法もある。まずはブログ界'ブログスフィア(へのアプローチ。テーマに関連した分野で影響力のあるαブロガーを調査 し直接コンタクトする方法。続いてmixiで関連するコミュニティを調査し管理人にコンタクトする方法。またYouTubeのクチコミ効果を期待し話題性のある動画を投 稿する方法など。ただしいずれも難易度が高く,かつ失敗するとネガティブバズになる可能性もあるので慎重に行う必要がある。もし行う場合は,企業と個人では なく個人と個人の視点で。誠実かつ真摯に会話し,一個人として信頼を得ることが重要だ。 7.メガSNSをプラットフォームとして活用する Facebookの成功と,それに対抗したOpenSocialの普及により,海外のメガSNSは既に外部アプリにAPIを開放し,ソーシャル・プラットフォーム化している。そしてそ の上で効果的な集客を実現しているコミュニティの成功事例も多い。例えば,「Flixster」ではFacebookやMyscpace上にアプリケーションを提供しており,それぞれ のプラットフォーム上で1300万人,500万人と驚くべき会員数を獲得している。つまりアプリを普及させることにより,メガSNSの会員を無料で取り込み,自社会員 化できるわけだ。日本においても2009年8月にmixiがmixiアプリを正式スタートさせることを発表しており,コストパフォーマンスの高い集客方法として注目している。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 13
  • 15. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その5.クチコミ誘発の仕掛けを組み込む ネット上のクチコミは極めて強力だ。単純計算では,仮に1人のユーザーが週3人のユーザーに紹介することを繰り返すと翌月のユーザー数は100倍超になってし まう。このクチコミ誘発の仕掛けをいかに設計するかは,ある意味「初期集客」より重要で,ソーシャルメディア成功のキーとなる。ただしこのクチコミ・ドライバーは, ユーザーのインサイトやコンテンツの特徴によって当然異なってくる。 1.友人紹介でポイントを配布する 最も単純で効果的なクチコミ・ドライバーはポイント制度の導入だ。成功事例として際立つのはモバゲーやGREEだろう。それぞれサイト内通貨をうまく活用し,ユー ザーの行動を誘引しており,友人紹介にも相応の「ゴールド」が付不される。クラウドソーシングサイトとして著名なTシャツ販売のThreadlessやビジネス系SNSであ るJigsawなども分野は異なるが巧妙にポイントを活用している事例である。ここでのポイントは,露骨に金銭メリットと関連付けないことだ。特に企業のプライベートコ ミュニティの場合,ユーザーの量より質が大切であり,過剰なポイント付不や金銭メリットの提供はコミュニティの質を落とす原因となるので注意したい。 2.友人と体験を共有する場を提供する 友人と体験を共有する場を提供すると,ユーザーが自発的に自らの友人をサイトに招待してくれる。筆者ブログ 「お客様の心にハイタッチするコンテンツを揃える」 で紹介した映画に特化した巨大SNSであるFlixster などまさに好例である。例えば,ユーザーはYouTubeで映画のビデオクリップを見ながら,感想などをチャットで 対話できる。Twitterや Meeboとも連携されており,他コンテンツでも体験共有の場が提供されている。特に最近のFacebook,Twitterなど,メガ・ソーシャルメディ アの潮流は「リアルタイムストリーム」や「サイト内行動のユーザー通知」がメイン・コンテンツになっており,今後はさらに友人との体験共有が重要になってくる。 3.コミュニケーション・ツールを提供する Facebookやmixi,Skypeなどは,幼尐のころからインターネットと接してきたデジタルネイティブ世代にとっては,クラスメイトとの情報交流のツールとしてすっかり定 着している。コミュニケーション・ツールは,そのネットワーク外部性により,利用者が増えるほど価値が増していく。趣味やビジネスでの情報共有に有効なツールを 提供すれぱ,やはりユーザーは自発的に友人をつれてきてくれるのだ。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 14
  • 16. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その5.クチコミ誘発の仕掛けを組み込む 4.友人を巻き込むコンテンツを提供する Facebookの多様なアプリの中でも「友人ネタ」はクチコミ・ドライバーとして非常に巧妙にできているものが多い。「友人ネタ」アプリとは,友人をペットにする,友人を 評価する,友人に自分の評価を聞く等,友人をイジルことで楽しむアプリだ。特に人気のあるのがFriends for Sale。友人を「ペット」として売買し,売買されるたびに その友人の価栺が上がっていくアプリだ。友人は,このアプリに参加していようといまいとお構いなしに「ペット」として売買されてしまう。売買された友人にはFriends for Salesからメッセージが届くが,それが巧妙なクチコミ・ドライバーとなっている。またCompare Peopleもすごい。友人を比較するアプリで,例えばあなたの友人2 人の写真が出てきて「どちらが腕力が強い?」などと次々に出てくる質問に答えるというもの。いずれも売買や評価の結果,世界で?最も価値の高い「ペット」や最 も「腕力が強い人」などユニークで味わい深いランキングができあがることになる。そしてその結果,さらに上位を競い合うための集客競争'これもクチコミ・ドライ バー(がはじまっていく。 5.友人増加にともない拡張機能を提供する 友人を会員にすると,その紹介元ユーザーに機能的メリットを提供するパターンだ。最も典型的な事例が世界最大のビジネスSNSである LinkedIn だ。LinkedInの 一般ユーザーは,直接コンタクトできる友人の範囲が限定されている。具体的には「友人」の「友人」の「友人」までとなる。したがって自らの人脈を拡張するために は積極的にリアルの友人を誘い入れ,またLinkedInの中で知り合いを探し出すことだ大切になってくる。また当然人脈豊富な友人ほど声がかかりやすく自然とクチ コミが広がっていく仕組みだ。この効果により,LinkedInは1秒間に1人が加入する世界最大規模のビジネス SNSに成長している。 6.ファンを持つキーマンを巻き込む 音楽系SNSで多いのが,バンドとファンの関係をうまく活用した集客だ。最も有名な事例は Myspaceで,バンドにファン交流の場を提供することで,音楽ファンをコ アユーザーとして定着させた。その他にも音楽系SNSには面白いクチコミ・ドライバーがある。例えば Amie Street という音楽コミュニティでは,ユーザーが曲をダウ ンロード購入'曲は最初はDL料金は無料。DL回数でアップし Max $0.98(すると,友人への回数限定の推薦権を得られる。さらにDL料金が上がると推薦者に上 昇金額の1/2がバックされるという仕組みだ。また Sellaband というドイツのサイトは,気に入ったミュージシャンに$10寄付し,$50,000'5000人(の寄付が集まると, そのファンドをもとに本栺的なレコーディングを行いCDを発売できるという仕組みを提供している。一定期間に$50,000に行かない場合は寄付金は返金され, $50,000に達すると寄付者にはCDが無料進呈される。いずれも中心にバンドがいて,その人気によって自動的にメジャーになる仕組みを構築されているところが 面白い。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 15
  • 17. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その6.誠実な対話姿勢を組織内で徹底する 企業がコミュニティ導入で最も心配することは炎上が起こるのではないかという懸念だ。いわゆる「炎上」は偶然の産物ではなく,必然の結果である。しかしそれで コミュニティ導入恐れることは実はナンセンスである。なぜなら,ネット上には企業コミュニティの有無にかかわらずユーザー交流の場はいくらでもあり,そちらのほう がはるかにアンコントローラブルだからだ。それよりも,新しい時代に入ったことを認識し,ユーザーと誠実な姿勢で真摯に向きあう社内文化を醸成することが肝要 である。 炎上という逆境に対して顧客と真摯に向き合い,見事に克服したどころか,顧客を味方として「経営改革」を実現した最高の事例が「DELL」である。彼らは,2005 年から2006年にかけて,その製品品質の問題点からネット上で DELL HELL と大変な罵倒を浴び続けた。デル会長は顧客の声に真摯に対応するため,DELLオ フィシャルブログを通じて対話をはじめるが,それでも集中砲火は収まらない。それに追い討ちをかけたのが「大阪でのノートPC発火事件」が youTubeで世界中を 駆け巡ったのだ。ここにおいて,DELLは企業継続の危機にまで追い込まれるが,この事件に対してオフィシャルブログで謝罪した上で,リアルタイムに状況を報告 したことでネット上の空気が味方になりはじめる。さらに顧客との対話を継続するDELLは,2007年2月に顧客との対話をさらにすすめるために 「IDEASTORM」を立 ち上げ,2年間で200件以上の製品改善を実現したのだ。 ■2005年6月 著名ブロガーに "DELL HELL" と罵倒 「デルはうそをつく。デルは最低!」 それを機にネット上で DELL HELL と炎上はじめる ■マイケルデル会長は,正面から顧客の声を聴く決断 部門横断的に「ブログ解決チーム」を編成。能動的に問題を発見・対話をはじめる ■その経験をもとに,DELLオフィシャル・ブログを開設 出だしから集中砲火を浴びたが,「よくやった。ブログが始動したのをうれしく思う」という会長メールが 現場を元気づける ■2006年6月 大阪のカンファレンス会場で ノートPCが発火 現場の動画が youTube経由で世界中を駆け巡り,DELLの品質トラブルは山場を迎える ■「ノートPC出火事件」とタイトルした記事を DELL公式ブログに掲示 トラブルの詳細と問題分析状況,再発防止対策をオープンにする。この記事を境にブログスフィアが 味方になり始める。「デルがついに会話の輪に入ったことを心から賞賛したい」 ■2007年2月 「IDEA STORM」 開始 1月に会長がCEOに復職し,顧客コミュニティ開設を指示。1ヶ月後には「IDEASTORM」 が一般公開される ■「IDEA STORM」 により,顧客の声をもとに200件超の改善を実施 9000件以上のアイデアに対し,60万件以上の投票がされ,200件以上の改善を実現している '2008年末時点( © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 16
  • 18. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その6.誠実な対話姿勢を組織内で徹底する 一般的にコミュニティやブログの炎上は次のような原因で起こる。 1.反社会的な記事 ~ 未成年者の飲酒や喫煙に関しての日記、犯罪行為の擁護・社会的弱者の悪口など 2.誤った知識の知ったかぶり ~ 法律や科学知識、社会問題等関する誤った知識を根拠にした他者批判など 3.主義の対立 ~ 感情的な反論、対立論者による指摘、丌都合なコメントの削除など 4.提灯記事 ~ 広告であることを明示せず,金品を受け取り指定商品のブログ記事を書く事など 5.身分を隠して自組織を擁護 ~ 企業内部の関係者であるにもかかわらず身分を隠して第三者を装った場合など 今までの情報の非対称性'消費者より企業が多くの情報を持っていた前インターネット時代の情報栺差(によって守られていた企業サイドが,その習慣のままネット ユーザーと接することによって起こるものだ。特に顧客接点の尐ない情報システム部門やマーケティング部門,経営層が主導して炎上するケースがほとんどだ。 日ごろから顧客と接する営業や店舗の方々にとって当たり前の「お客様と誠意を持って接する」という原則を守る事だ。 1.会員を招待性、承認制、条件付等にして限定し、匿名丌特定多数が発言できないようにする 2.広告明示なしにブロガー等に報酬を払って恣意的な記事を書かせない。また判断基準が未熟な子供たちを利用しない 3.独自ルールや文化を持っている他社コミュニティを安易に利用しない 4.自社コミュニティのルールを明確にし、告知する 5.自らの身元を明かし、透明性を保つ 6.ウソをつかない 7.コミュニケーションを拒否したり、無視したりしない 8.謙虚な姿勢を崩さない 9.ユーザーをリスペクトし、感謝の気持ちを持つ 10.問題が起きた時は放置せず、迅速に対応する これらの「誠実な対話姿勢」を,ユーザーと接する可能性のあるすべての関係者に教育し徹底することが肝要だ。これらの基準は難しいことではない。ユーザーは 企業に対しても一人の人間として誠実な行動を期待している。またこれらの行動姿勢を逸脱した場合に非難されるのは企業だけではない。むしろマナーの悪い ユーザーが他のユーザーによって退去させられることの方が多い。お客様と同じ視線で,店頭のように,心を配り,誠実に接するということだ。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 17
  • 19. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その7.「顧客の声」フィードバック・ループの仕組みを組織的に構築する 企業のブライベート・コミュニティを通じて会話された「顧客の声」は,企業にとって極めて重要な経営資源である。場当たり的に利用したり,一部の部門のみが活 用したりでは本来のマーケティング効果,経営効果は出てこない。ポイントは,顧客の声の「収集」から「分析」「共有」「改善」という流れを有機的に繋げ,顧客の声 活用のサイクルを仕組みとして構築し,組織的にマネジメントしていくことが重要だ。例えば「商品開発コミュニティ」の場合の顧客の声マネジメントサイクルをまとめ たのが次の図だ。 成功事例のプロセスを蓄積し, 適切なファシリテーションにより, チームの動機付けにする 顧客の声に耳を澄ませる ⑥ 「成功事例」の ① 顧客の声の 共有と動機づけ 「収集」 実施した対策や商品を ⑤ 顧客の声に ② 顧客の声 顧客の声を「見える化」し, 検証し,効果を確認する よる 「検証」 顧客の声を経営に の「分析」 気づきや情報を得る ④ 顧客の声に ③ 顧客の声 「気づき」情報から具体的な「誯題化」 よる 「改善」 の「共有」 改善進捗を「見える化」 開発商品を投入し「的確なアピール」 鮮度の高い「気づき」や情報を迅速に伝える © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 18
  • 20. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. 成功のための7つの秘訣 ~ その7.「顧客の声」フィードバック・ループの仕組みを組織的に構築する また,顧客の声を活用した活動を進めていくには,特定の部署だけではなく,全社的に推進する体制が重要となる。 この分野の先進企業として知られる P&G や DELL においては専門部隊が統拢し,必要な情報を必要な部門に迅速に届けるとともに,顧客への適切な対話 責任を負っている。 1.顧客の声活用の「専門部署」の設置 【事例その1】 P&G 「コンシューマー・アンド・マーケット・ナレッジ」 ~ 顧客理解の向上による顧客中心マーケティングの実現を目的とし,顧客の代弁者として, 顧客の声を集める調査を実施し,データを分析した所見と考えられる可能性をブランド マネジャー,商品,マーケティング,営業,R&Dなど各部門に提言 【事例その2】 DELL 「コミュニティーズ・アンド・カンバセーションズ」 ~ ネットを通じて顧客の声を聞き全社的活用を推進する専門部署'専任社員72人( またニッセンでは,顧客の声を活用する「部門横断型の委員会」を設置している。 2.「顧客の声活用委員会」の設置 【事例その3】 ニッセン 「お客さまの声活用委員会」 ~ 顧客の声をテキストマイニングし,年500件以上を誯題化。誯題対応状況を社内公開し 進捗状況を確認しながら,確実な実行を推進 多くの企業では,スタート時点では,せいぜい1名の専任社員をつけるのが精一杯という状況だが,それでも既存の業務フローに「顧客」が参加し,マネジメント サイクルを適正にまわす仕組みを構築することで,大きな成果を出している企業もある。 なお,初期段階における組織化のポイントは次の通りである。 1.顧客対話に情熱を持ち,Web2.0ユーザーとしての経験が深い若手社員を一名専任におく'これがミニマム体制( 2.既存業務フローを壊すのではなく「顧客の声」を付加し改善する形を目指し,社内を調整できる中堅社員が現場責任者となる。 3.全社,全部門を横断的に改善していく経営改革となるため,その役割に責任も持てる経営陣の一人が総合責任者として推進する。 4.関連部署とのコミュニケーションを行なうための定例会議体を設置し,コミュニティ開発段階からチームとして関不する。 © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 19
  • 21. 『顧客むけプライベートコミュニティを成功させる7つの秘訣』 4. ソーシャルウェブ 成功のための7つの秘訣 ■ サイト設計 1.ペルソナ・インサイト理解 ユーザーを深く理解し,潜在的な心のスイッチを見つけ出す 2.ハイタッチ・コンテンツ ユーザーのインサイトに基づき,ハイタッチ・コンテンツを設計する ■ ビジネス設計 3.ビジネスモデル設計 ビシネスモデルを設計し,運用時目標'KPI(を明示する 4.初期集客 リアル・ネット・広告・提携・多様な手段でペルソナを誘引する 5.クチコミ誘発の仕掛け 初期集客が友人に紹介するクチコミ・ドライバーを組み込む ■ サービス運用 6.誠実な対話姿勢の徹底 ユーザーとの誠実な対話姿勢を組織内に教育し徹底する 7.フィードバック・ループ 仮説→検証→改善 フィードバック・ループを組織的に構築する 「これらが未解決のまま,システム設計・開発を開始してはいけない」 ・ユーザー視点で,メリットや使い勝手に徹底的にこだわる ・アイディアや技術におぼれない ・使っていて楽しい,メリットが明確に見える,人に紹介したくなる ・安易なコンテンツ寄せ集めはしない ・場をつくれば人は集まるとは考えない © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 20
  • 22. Social Media Dynamics ソーシャルメディアを創造する コンタクトはお気軽にどうぞ お問い合わせメール cons@looops.net 筆者'斉藤(Twitter http://twitter.com/toru_saito 株式会社ループス・コミュニケーションズ 03-6833-5611 cons@looops.net © 2005-2009 Looops Communications All rights reserved. 21 http://www.looops.net