【課題】
「年表を作れ」
「批評誌『ゲンロン』では「現代日本の批評」という共同討議シリーズを展開している。この40年ほどの批評史を振り返るシリーズだが、このような企画で要になるのが年表である。どんな出来事をとりあげ、なにを大きな活字にするか、そこに企画の精神が表現されることになる。これに限らず、雑誌の編集で、ファッションでもアートでも文学でもなんでもいい、あるジャンルを取り上げて読者に知識を伝えようとしたときには、どうしてもそのジャンルの歴史を掘り下げることが必要になるし、そこでは、最終的に誌面に掲載しないとしても年表的な思考が必要になる。
そこでみなさんには、(1)架空の雑誌特集を考え、(2)その特集の要となる年表を、(3)できるだけ魅力的なグラフィックで作るように挑戦してもらいたい。年月と固有名を単に教科書的に並べてほしいのではない。そうではなく、一瞥しただけでそのジャンルの「流れ」や「展開」が直感的に把握できるような、空間を意識したデザインの年表を求めている。なお、上記の雑誌『ゲンロン』に掲載されているのは、特注の性質上、書名が並んでいるだけの比較的単純な年表でそのぶんやたらと情報量が多いのだが、そっちはあまり真似る必要はない。情報量よりも、直感的な伝達力を評価する。」