弁明書 議会議長 様 政治倫理審査会長 令和5年2月13日付けで議員小泉栄正から提出のあった行為規範違反審査請求書について下記のとおり求める。 記 1. 政治倫理審査会の即時解散 ア. 審査会設置経緯の不当性 本年2月2日付で、行為規範違反審査請求書添付資料01号(以下「資料」という。)により、市長荻原健司から市議会にあてられた「市議会議員からの行為に関する申入れについて」は、青木島遊園地廃止という失政を自らの責任としてとらえることができず、青木島区長会、児童センター館長さらには敷地地権者といった外部に責任を転嫁する市長の常套手段としてとらえるべきである。情報が白日の下で解決してほしいと願う住民の民意を顧みもせず、荻原健司は青木島遊園地廃止問題については、情報の隠蔽に血道をあげているのは、今3月定例会の答弁の不誠実ぶりをみても明らかであり、昨日、青木島地区の住民団体は、「不誠実さ、理不尽さに対して決して許すことはできない」と表明した。市長は議会との「信頼関係」なるものを持ち出すが、市民が信頼しない市政を敷くから議会がチェックするのであり、その調査結果を公表すると政治倫理審査違反だというのだとすれば、笑止千万といえる。 市長は卑劣にも自らの失政を調査する議会の権限を脅かすため、議員の表現活動に言いがかりをつけてきたのが、資料である。 議会は表現の自由に寄って立ち、2元代表制の下で市長に対峙しその権力をチェックするのが本務であるのに、市長はあたかも議長を自分の下部機関であるがごとくに扱っているのは、議会に対する侮辱である。 そもそも被審査議員は、全く法令違反を犯していない。近年の長野市議会は、飲酒運転、公費によるプライベートな飲食事件、統一教会関係イベントへの参加、公職選挙法寄付行為違反、本会議中に抜け出しての支持者との記念撮影等、不名誉な事象の数々が明らかになってきており、そのうちいくつかは明らかに法令違反であり、政治倫理条例違反が疑われるものであったのに、政治倫理審査会が設置されたことはない。初の政治倫理審査会が、市長の圧力により、しかも議員の調査結果を公表する政治活動に向けられるのは、長野市議会の自殺ともよべるものと憂慮する。 日本国憲法第二十一条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と定めているのであって、本市議会が憲法規範に従うべきである。 また議会基本条例は、「第16条 議会は、市長等と常に緊張ある関係を保持し、市長等の事務の執行の監視及び評価を行 うものとする。」と定めているのであって市長が横暴、専横であれば、それに立ち向かうことこそが職務であることをかみしめるべきである。 「信頼関係」、「議会との関係性」等、虚ろな言葉に惑わされるべきでない。 イ. 審査請求者の不適格性 被審査議員は先月10日、市監査委員に対し住民監査請求による措置請求を提出し受理され、現在各監査委員による監査が進行しているところである。行為規範違反審査請求(以下「審査請求」と言う。)を提出した議員小泉栄正は、一方で監査委員職に就いているのだから、被審査議員とは利害関係にある。監査委員は、監査請求人としての被審査議員に対し公正中立な立場を保つべきであるところ、一方で行為規範違反請求し、被審査議員の利害に関与することは著しく不適切で妥当性を欠くものであり、小泉栄正には審査請求者としての適格性がないものであるから、審査請求自体が無効である。 ウ.議会事務局の偏向 今月6日開催政治倫理審査会(以下「審査会」と言う。)で、議会事務局から長野市議会議員の政治倫理に関する条例(以下「政治倫理条例」と言う。)について次のとおり発言があった。 前回の審査会におきまして、政治倫理条例第9条の解釈について、誤った説明を申し上げましたので訂正させていただきます。 第9条は、被審査議員の弁明の機会の付与でございますが、前回、第8条の規定の審査会の求めに応じて、被審査議員はいつでも審査会に出席し、書面または口頭により弁明することができると申し上げましたが、正しくは第8条に関係なく、被審査議員はいつでも審査会に出席し、弁明できるものでございます。 本日は、この規定に従い小泉一真議員に席についていただいているところでございます。 また、小泉一真議員から、すべての審査会に出席し、弁明する意思があることを御通知いただいております。 なお、同条例第12条において、審査会の運営に関し必要な事項は会長が審査会に諮って定めると規定しております。 例えば審査会の運営上、弁明の機会を付与する機会がおとずれないと審査会が判断した場合などは、この規定により被審査議員にご遠慮いただくこともあるのではないかと存じます。 前回の審査会において、誤った条例の解釈を説明申し上げまして申し訳ございませんでした。 政治倫理条例第9条(弁明機会の付与)第1項は、「被審査議員は、いつでも審査会に出席し、書面又は口頭により弁明することができる。」と定め、さらに政治倫理条例逐条説明ではこれについて「第8条の審査会からの出席要請に対応して、審査会の審査期間中はいつでも、被審査議員から審査会に弁明する機会の保障を定めたもの」と説明しているのだから、「いつでも」弁明できるとの本来の趣旨を、審査会の求めに応じる形でのみ弁明できるとほぼ真逆に解釈することは、相応の注意を払っていれば、本来ありえない。誤りを認めたとはいえ、被審査議員からの当然の抗議があって、初めてその非を認めたものである。 また議会事務局は、政治倫理条例第12条の運用により、「審査会の運営上、弁明の機会を付与する機会がおとずれないと審査会が判断した場合などは、この規定により被審査議員にご遠慮いただくこともある」としている。同条は次のとおりである。 第12条 前6条に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、会長が 審査会に諮って定める。 会長が審査会に諮って定めることができるのは「前6条に定めるもののほか」についてであり、第9条(弁明機会の付与)は前6条内(第6条から第11条)で定められているのだから、第9条に第12条を適用して被審査議員の弁明権を奪うことはできないことは自明である。係る解釈もまた、相応の注意を払っていればありえないものである。 議会事務局は、審査会からの質問に答えるわけでもなく、このように自ら進んで被審査議員の不利益となるような誤れる条例解釈を2度までも開陳した。議会事務局が公正中立な助言者としての立場を逸脱して審査会に臨んでいるのは今や客観的に明らかであり、係る議会事務局の誘導の下、審査会が開催されるのは違法不当である。 ウ.審査会長の偏向 審査会長は前回今月6日開催の審査会では、「本日の審査内容において、小泉一真議員が出席することに御異議ありませんか。」と採決を諮っている。上述したように、被審査議員が弁明のためいつでも審査会に出席できることは、政治倫理条例第9条が認めた自明の権利なのだから、このような採決は不必要であり、係る偏向した姿勢の審査会長の下で開催される審査会は、公正中立な審査が行われないことに合理的な危惧が存する。 (以下略)