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参考文献


  イノベーションの方法論Ⅱ
                                    『テクノロジストの


                                             条件』
ドラッカーが考えるイノベーションの定義、方法そして顧客に満足して貰


えるための戦略、マネジメント方法のポイントをピックアップ。

                                     PFドラッカー著




                                     上田淳生訳


                                     ダイヤモンド社
Ⅱ章:

 1.歴史は螺旋状に動く ..................................................................................................... 2


 2.経済的な機会.............................................................................................................. 1


 3.知識動向の分析 ........................................................................................................... 1


 4.ビジョンの先行 ........................................................................................................... 2


 5.技術戦略の必要性 ........................................................................................................ 3


 6.買うものと売るもの ..................................................................................................... 4


 7.市場のダイナミクス(力学) ......................................................................................... 1


 8.イノベーションとしてのマーケティング ........................................................................... 1


 9.既存の事業から切り離す ............................................................................................... 2


 10.トップの役割............................................................................................................. 3
1.歴史は螺旋状に動く                                      p3


 歴史は循環する。


しかし、元の位置、昔の位置に戻ったかに見えても内容の次元はより高度になっている。


起業家精神も個人の起業家の段階からマネジネントの段階を経た後、組織を使った高次の起業


家精神の段階へと至った。


 これからの企業は起業家としての能力を必要とする。


だがその起業家精神は日常のマネジネントが行われている既存の組織しかも複雑な大組織にて


発揮されなければならない。
                   <技術のダイナミクスの展望>




                組織のイノベーション

                 組織のマネジメント

                                     未来

                組織のマネジメント


                                    現在

                個人のイノベーション

                                過去




   ポイント


  1. 未来のイノベーションは個人でなくマネジネントされた組織がイノベーションを創造する。


  2. 単なる製品、技術だけでなくシステムの革新も未来の中核をなすイノベーションとなる。


  3.企業、NPOだけでなく国家も含めたあらゆる組織が未来では組織的なイノベーションを起こす。
2.経済的な機会                                           p4

 同一の生産性を上げるのにより多くの資本を必要になった時その産業は下り坂となる。




    事例1:コンテナ船


  作業員が少なくしかも早く済むため、在来貨物船に比べ定


  時運航や速達性に優れたコンテナ船が貨物船の主流となっ


  ていった。



                                     スウェーデンでのバルト海ケーブル HVDC

    事例2:スェーデンの送電技術                   の 2 条システム鉄塔



    スェーデン 原子力発電でなく送電技術に集中


    HVDC 送電の近代的な形式なものは、アセア社で 1930


  年代のスウェーデンにおいて大規模に開発された技術を使


  用している。



                              発電・・原子力発電、太陽発電、地熱発電




    電力不足    解決方法                送電・・HVDC(高圧直流送電)

                     選               UHV(超高圧送電)



                     択        省エネ




  ポイント


  危機を如何にチャンスに変えるか、そして如何に独自性を市場にアピールするか。


      アイデアは無限にあるが顧客が満足するものは限定される。
3.知識動向の分析                                   p5

   技術のダイナミクスを理解するにはむしろ専門外の分野からスタートする事が必要である。


   知りすぎている分野からは見えないものである。


   しかも大きな変化はそれぞれの専門分野でなく外部で生まれる。


   事例:


   心理学の人格、形態の概念→19 世紀の物理学 「場の理論」より生まれた。


   遺伝子工学→物理学、電子工学




                       物理学


               電子工学            化学


                      宇宙の法則

                              遺伝子工
               経済学
                               学

                       心理学




  ポイント


  灯台元暗し、ひとは自分のことはよくわからないものである。


  子曰く、賢を見ては斉からんことを思い、不賢を見ては内に自らを省みる。   論語


  意味:人は素晴らしい人をみると自分も成りたいと思い、行いが悪い人をみればあのような人には


  なりたくないと思う。
4.ビジョンの先行                                       p6

    新技術の多くは新しい知識というよりも新しい認識である。


    それは平凡なものの新しい組み合わせである。




    先にビジョン、夢が有りき・・


    製品、アイデアよりビジョンが経済、社会、文化に影響をもたらす。


    事例:


    ヘンリーフォードの大量生産、大衆市場、大衆価格による利益


         <創造へのプロセス>


       •過去の事をよく調査、学習する→情報を頭にINPUT

  調査



       •現代、地域に適したものを考える→顧客は何を求めているか?
  分析



       •顧客の創造→アイデアをOUTPUTそして育成、実践
  創造




  ポイント


   故きを温ねて新しきを知る       子曰,温故而知新,可以为师矣 論語


   凡人が考えたアイデアなど過去の天才、聖人が既に思いついていることが多い


   よって過去の情報を学び、現代或いは地域に適合した Innovation を考えた方が


   一番時間のロスが少ない。


  何故ならば人生は有限だから。
5.技術戦略の必要性                                      p7

  これらの分野の技術がもしそれが実現されるならば重大な影響をもたらし、単なる新製品でな


く新産業を生み、あるいは単なる新しい道具、プロセスでなく新技術をもたらすであろうことを明


らかにする。


  急激な変化の時代にあっては企業もちろんのこと、国の生存と繁栄にとっても技術戦略は不可


欠である、いかなる種類の活動に力を入れるべきかを徹底的に検討しておかなければならない。


  <技術戦略>

         研究開発

         •基礎技術を開発


         応用技術

         •市場にマッチした技術を開発研究


         技術ライセンス

         •新しい技術をセール


 ポイント


  よく自ら保ちて全く勝つなり       故能自保而全勝也。   孫子 第四篇   軍形


 すべての分野ですべての地域で常に勝利することはできない。


 己の強みはなにかを知り、その強みが活かせ、ライバルが少ない分野を見極め全力集中する。


 これが不敗しない戦略である。


 選択と集中を同時に行うために「捨てるなければならない」


 「捨てる」という勇気を出さなければならない。
6.買うものと売るもの                                   p8

今後伸びる貿易は商品貿易ではなく技術貿易、すなわち特許、ライセンスの貿易である。


したがって、その為の戦略を学ばなければならない。


自力で開発すべきものは何か、売るべきものはなにか、買うべきものはなにか。


どの段階で買うことに踏み切るべきか。


技術戦略でいち早く成功したのは日本であった。


しかし、その日本でさえ、今日にいたるも技術の導入しか知らず、売り方を知らない。


みずからの開発した新知識、新技術、経済的成果から最大の利益を上げるためにはいかに集中すべきか


を知らない。


<事例:スウェーデンの技術戦略>


 スウェーデンの技術戦略は三大銀行の調査チームの功績だった。
                                              送電技術
小国として持てる資源を科学全般の進歩でなく限られた分野のギ

                                           短距離離着陸航空機
ャップを埋めることに集中すべきということを彼らは知っており、


行動した。                                        自動車VOLVO



 ポイント


 組織の Innovation の重要な課題は現在機能している自らの組織からの反発、排除である。


特に少市民化し、現状にとりあえずは満足しきっている日本の場合はその傾向が強い。


日本人の発想はユニークである、一部は海外で評価されているものもある。


しかし成熟し先例主義、横並び、形式主義が蔓延しきっている。


失敗が許されない組織からは Innovation は生まれない。
7.市場のダイナミクス(力学)                         p9

起業家たる者は技術にダイナミクスのみならず市場のダイナミクスを知らなければならない。


市場がイノベーションをもたらす。


市場のダイナミクスを理解することは技術の成果を無駄にしないための不可欠である。


顧客の関心は常にこの製品あるいはこのサービスが自分に何をしてくれるかである。


電球の事業家


「電球を発明した」人物として有名。実際には電球の原理はエジ


ソン以前にすでに知られており、エジソンの独創ではない。電球


などの家電を含めて発電から送電までを含む電力の事業化に成


功したことが最も大きな功績である。


                                     エジソン


電球の発明家


スワンが電球に関する特許をイギリスで認可されたのは 1878 年


のことであった。これはトーマス・エジソンのそれの約一年前で


ある。しかしながらスワンのフィラメントは電気抵抗が小さいも


のだったため、電力の供給には太い銅線を必要とするという短所
                                   ジョセフ・スワン
があった。


 ポイント


 いかに素晴らしいアイデアでも顧客が関心を持ち、使用してみて満足できるものでなければならない。


 よってイノベーションといえどもマーケッテイングを必要とする。


 顧客が何を求めているかである。
8.イノベーションとしてのマーケティング                      p10

 マーケィングのイノベーションが必要である。


 新しいものには既存の市場はない。新製品は期待を産み基準を設定し満足を可能にする。


 したがってマーケティグにはイノベーションが必要である。


 又、新技術には新市場を必要とする。


 真の経済発展とはニーズや欲求を満たすことではなく、選択肢を増やすことである。


 事例:アメリカのカーペット産業


① 住宅購入者のニーズ   安くて居住性を向上させる床張りカーペーット


② 購入方法   住宅ローン組み込み


③ 購入する若い夫婦は満足し売る住宅業者はコストが安く売りやすくなるので喜ぶ。


<製品のイノベーションから顧客の創造まで>




                                新顧客の創造

                      マーケッテイングのイノベーション



              製品のイノベーション




 ポイント


 イノベーションとは新らしい顧客を創造することである。


 顧客がないイノベーションは単なる発想、思いつき、いや妄想でしかなく貴重な時間のロスである。
9.既存の事業から切り離す                          p11

   起業家たるものはイノベーションのための組織を作りマネジメントしなければならない。


 新しいものを予期しビジョンを技術、製品、プロセスに転換し且つ新しいものを受け入れる人間集団を


 つくりマネジネントしなければならない。




   イノベーションのための組織は既存の事業の為の組織と切り離せなければならない。既存の事業の


 マネジネントを行うための組織はすでにあるものを修正し、拡大し改善することはできてもイノベーシ


 ョンを行うことはできない。




   さらに重要なことは人と人との関係について新しい構造をつくりあげなければならない。指揮系統


 命令型でなくチーム型組織が必要である。


   <イノベーションのための組織>




                  チーム型組織




             独立した開発部門



 ポイント


組織のイノベーションを行う上で個人の自主性は重んじられるがしかし、柔軟性のある規律、指導は


必要である。


 人はミスするゆえに規律、指導は必要である。
10.トップの役割                                    p12

   イノベーションのためのTOPの役割はアイデアを具体的な仕事の提案に転換させることである。


  出てきたアイデアを正面から取り上げるに値するために何が必要かを考えることである。


  取り上げるにはいかないといってはいられない。




   今日のサラリーマン経営者たちはアイデアを判断しようとする。


  判断だけを仕事をするTOPはアイデアを拒否する。非現実であるとする。


  生煮えのアイデアを体系的な行動に転換することをみずからの仕事と考えるトップだけが


  イノベーションを可能にする。


    アイデアを育てる=苗を育てる



                                   太陽

                                   水

                                   土

 ポイント


「助長」とは、不必要な力添えをして、かえって害すること、孟子が語った「抜苗助長」(苗を引っ張って


生長を助ける)の故事に由来する。


昔、宋の国に、畑の苗がなかなか伸びないのを心配して、それを手で引っぱって伸ばした男がいた。


家に帰ると、家族に、「今日は本当に疲れた。苗を引っ張って早く伸びるように助けてやったよ」と話した。


  それを聞いた息子が急いで畑に行って見ると、苗はすでにみな枯れてしまっていた。(『孟子』より)

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Innvaitionの方法論ⅱ

  • 1. 参考文献 イノベーションの方法論Ⅱ 『テクノロジストの 条件』 ドラッカーが考えるイノベーションの定義、方法そして顧客に満足して貰 えるための戦略、マネジメント方法のポイントをピックアップ。 PFドラッカー著 上田淳生訳 ダイヤモンド社
  • 2. Ⅱ章: 1.歴史は螺旋状に動く ..................................................................................................... 2 2.経済的な機会.............................................................................................................. 1 3.知識動向の分析 ........................................................................................................... 1 4.ビジョンの先行 ........................................................................................................... 2 5.技術戦略の必要性 ........................................................................................................ 3 6.買うものと売るもの ..................................................................................................... 4 7.市場のダイナミクス(力学) ......................................................................................... 1 8.イノベーションとしてのマーケティング ........................................................................... 1 9.既存の事業から切り離す ............................................................................................... 2 10.トップの役割............................................................................................................. 3
  • 3. 1.歴史は螺旋状に動く p3 歴史は循環する。 しかし、元の位置、昔の位置に戻ったかに見えても内容の次元はより高度になっている。 起業家精神も個人の起業家の段階からマネジネントの段階を経た後、組織を使った高次の起業 家精神の段階へと至った。 これからの企業は起業家としての能力を必要とする。 だがその起業家精神は日常のマネジネントが行われている既存の組織しかも複雑な大組織にて 発揮されなければならない。 <技術のダイナミクスの展望> 組織のイノベーション 組織のマネジメント 未来 組織のマネジメント 現在 個人のイノベーション 過去 ポイント 1. 未来のイノベーションは個人でなくマネジネントされた組織がイノベーションを創造する。 2. 単なる製品、技術だけでなくシステムの革新も未来の中核をなすイノベーションとなる。 3.企業、NPOだけでなく国家も含めたあらゆる組織が未来では組織的なイノベーションを起こす。
  • 4. 2.経済的な機会 p4 同一の生産性を上げるのにより多くの資本を必要になった時その産業は下り坂となる。 事例1:コンテナ船 作業員が少なくしかも早く済むため、在来貨物船に比べ定 時運航や速達性に優れたコンテナ船が貨物船の主流となっ ていった。 スウェーデンでのバルト海ケーブル HVDC 事例2:スェーデンの送電技術 の 2 条システム鉄塔 スェーデン 原子力発電でなく送電技術に集中 HVDC 送電の近代的な形式なものは、アセア社で 1930 年代のスウェーデンにおいて大規模に開発された技術を使 用している。 発電・・原子力発電、太陽発電、地熱発電 電力不足 解決方法 送電・・HVDC(高圧直流送電) 選 UHV(超高圧送電) 択 省エネ ポイント 危機を如何にチャンスに変えるか、そして如何に独自性を市場にアピールするか。 アイデアは無限にあるが顧客が満足するものは限定される。
  • 5. 3.知識動向の分析 p5 技術のダイナミクスを理解するにはむしろ専門外の分野からスタートする事が必要である。 知りすぎている分野からは見えないものである。 しかも大きな変化はそれぞれの専門分野でなく外部で生まれる。 事例: 心理学の人格、形態の概念→19 世紀の物理学 「場の理論」より生まれた。 遺伝子工学→物理学、電子工学 物理学 電子工学 化学 宇宙の法則 遺伝子工 経済学 学 心理学 ポイント 灯台元暗し、ひとは自分のことはよくわからないものである。 子曰く、賢を見ては斉からんことを思い、不賢を見ては内に自らを省みる。 論語 意味:人は素晴らしい人をみると自分も成りたいと思い、行いが悪い人をみればあのような人には なりたくないと思う。
  • 6. 4.ビジョンの先行 p6 新技術の多くは新しい知識というよりも新しい認識である。 それは平凡なものの新しい組み合わせである。 先にビジョン、夢が有りき・・ 製品、アイデアよりビジョンが経済、社会、文化に影響をもたらす。 事例: ヘンリーフォードの大量生産、大衆市場、大衆価格による利益 <創造へのプロセス> •過去の事をよく調査、学習する→情報を頭にINPUT 調査 •現代、地域に適したものを考える→顧客は何を求めているか? 分析 •顧客の創造→アイデアをOUTPUTそして育成、実践 創造 ポイント 故きを温ねて新しきを知る 子曰,温故而知新,可以为师矣 論語 凡人が考えたアイデアなど過去の天才、聖人が既に思いついていることが多い よって過去の情報を学び、現代或いは地域に適合した Innovation を考えた方が 一番時間のロスが少ない。 何故ならば人生は有限だから。
  • 7. 5.技術戦略の必要性 p7 これらの分野の技術がもしそれが実現されるならば重大な影響をもたらし、単なる新製品でな く新産業を生み、あるいは単なる新しい道具、プロセスでなく新技術をもたらすであろうことを明 らかにする。 急激な変化の時代にあっては企業もちろんのこと、国の生存と繁栄にとっても技術戦略は不可 欠である、いかなる種類の活動に力を入れるべきかを徹底的に検討しておかなければならない。 <技術戦略> 研究開発 •基礎技術を開発 応用技術 •市場にマッチした技術を開発研究 技術ライセンス •新しい技術をセール ポイント よく自ら保ちて全く勝つなり 故能自保而全勝也。 孫子 第四篇 軍形 すべての分野ですべての地域で常に勝利することはできない。 己の強みはなにかを知り、その強みが活かせ、ライバルが少ない分野を見極め全力集中する。 これが不敗しない戦略である。 選択と集中を同時に行うために「捨てるなければならない」 「捨てる」という勇気を出さなければならない。
  • 8. 6.買うものと売るもの p8 今後伸びる貿易は商品貿易ではなく技術貿易、すなわち特許、ライセンスの貿易である。 したがって、その為の戦略を学ばなければならない。 自力で開発すべきものは何か、売るべきものはなにか、買うべきものはなにか。 どの段階で買うことに踏み切るべきか。 技術戦略でいち早く成功したのは日本であった。 しかし、その日本でさえ、今日にいたるも技術の導入しか知らず、売り方を知らない。 みずからの開発した新知識、新技術、経済的成果から最大の利益を上げるためにはいかに集中すべきか を知らない。 <事例:スウェーデンの技術戦略> スウェーデンの技術戦略は三大銀行の調査チームの功績だった。 送電技術 小国として持てる資源を科学全般の進歩でなく限られた分野のギ 短距離離着陸航空機 ャップを埋めることに集中すべきということを彼らは知っており、 行動した。 自動車VOLVO ポイント 組織の Innovation の重要な課題は現在機能している自らの組織からの反発、排除である。 特に少市民化し、現状にとりあえずは満足しきっている日本の場合はその傾向が強い。 日本人の発想はユニークである、一部は海外で評価されているものもある。 しかし成熟し先例主義、横並び、形式主義が蔓延しきっている。 失敗が許されない組織からは Innovation は生まれない。
  • 9. 7.市場のダイナミクス(力学) p9 起業家たる者は技術にダイナミクスのみならず市場のダイナミクスを知らなければならない。 市場がイノベーションをもたらす。 市場のダイナミクスを理解することは技術の成果を無駄にしないための不可欠である。 顧客の関心は常にこの製品あるいはこのサービスが自分に何をしてくれるかである。 電球の事業家 「電球を発明した」人物として有名。実際には電球の原理はエジ ソン以前にすでに知られており、エジソンの独創ではない。電球 などの家電を含めて発電から送電までを含む電力の事業化に成 功したことが最も大きな功績である。 エジソン 電球の発明家 スワンが電球に関する特許をイギリスで認可されたのは 1878 年 のことであった。これはトーマス・エジソンのそれの約一年前で ある。しかしながらスワンのフィラメントは電気抵抗が小さいも のだったため、電力の供給には太い銅線を必要とするという短所 ジョセフ・スワン があった。 ポイント いかに素晴らしいアイデアでも顧客が関心を持ち、使用してみて満足できるものでなければならない。 よってイノベーションといえどもマーケッテイングを必要とする。 顧客が何を求めているかである。
  • 10. 8.イノベーションとしてのマーケティング p10 マーケィングのイノベーションが必要である。 新しいものには既存の市場はない。新製品は期待を産み基準を設定し満足を可能にする。 したがってマーケティグにはイノベーションが必要である。 又、新技術には新市場を必要とする。 真の経済発展とはニーズや欲求を満たすことではなく、選択肢を増やすことである。 事例:アメリカのカーペット産業 ① 住宅購入者のニーズ 安くて居住性を向上させる床張りカーペーット ② 購入方法 住宅ローン組み込み ③ 購入する若い夫婦は満足し売る住宅業者はコストが安く売りやすくなるので喜ぶ。 <製品のイノベーションから顧客の創造まで> 新顧客の創造 マーケッテイングのイノベーション 製品のイノベーション ポイント イノベーションとは新らしい顧客を創造することである。 顧客がないイノベーションは単なる発想、思いつき、いや妄想でしかなく貴重な時間のロスである。
  • 11. 9.既存の事業から切り離す p11 起業家たるものはイノベーションのための組織を作りマネジメントしなければならない。 新しいものを予期しビジョンを技術、製品、プロセスに転換し且つ新しいものを受け入れる人間集団を つくりマネジネントしなければならない。 イノベーションのための組織は既存の事業の為の組織と切り離せなければならない。既存の事業の マネジネントを行うための組織はすでにあるものを修正し、拡大し改善することはできてもイノベーシ ョンを行うことはできない。 さらに重要なことは人と人との関係について新しい構造をつくりあげなければならない。指揮系統 命令型でなくチーム型組織が必要である。 <イノベーションのための組織> チーム型組織 独立した開発部門 ポイント 組織のイノベーションを行う上で個人の自主性は重んじられるがしかし、柔軟性のある規律、指導は 必要である。 人はミスするゆえに規律、指導は必要である。
  • 12. 10.トップの役割 p12 イノベーションのためのTOPの役割はアイデアを具体的な仕事の提案に転換させることである。 出てきたアイデアを正面から取り上げるに値するために何が必要かを考えることである。 取り上げるにはいかないといってはいられない。 今日のサラリーマン経営者たちはアイデアを判断しようとする。 判断だけを仕事をするTOPはアイデアを拒否する。非現実であるとする。 生煮えのアイデアを体系的な行動に転換することをみずからの仕事と考えるトップだけが イノベーションを可能にする。 アイデアを育てる=苗を育てる 太陽 水 土 ポイント 「助長」とは、不必要な力添えをして、かえって害すること、孟子が語った「抜苗助長」(苗を引っ張って 生長を助ける)の故事に由来する。 昔、宋の国に、畑の苗がなかなか伸びないのを心配して、それを手で引っぱって伸ばした男がいた。 家に帰ると、家族に、「今日は本当に疲れた。苗を引っ張って早く伸びるように助けてやったよ」と話した。 それを聞いた息子が急いで畑に行って見ると、苗はすでにみな枯れてしまっていた。(『孟子』より)