問題解決の基本プロセスの紹介です。

1. 問題解決プロセスの紹介
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻
建設マネジメント研究室OB 星合宏紀

2. 問題を発見してその原因を深堀し、特定した課題に対して打ち手を決定する
問題解決プロセスの全体像
2
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定
目的
概要
• 主要課題（問題）を
特定する
• 主要課題を掘り下げ、
真の課題を特定する
• 真の課題を解決する
打ち手を選択する
• 現状とあるべき姿の
ギャップを見る
• 発見した問題の原因
をWhyを考えることで
深堀する
• 真の課題の打ち手を
Howを考えることで立
案し、いくつかの選択
肢から最適なものを
選択する

3. 問題とは現状とあるべき姿のギャップ
現状とあるべき姿を定義しないと問題は定義されない
問題発見
3
概念図 例
あるべき姿
現状
ギャップ＝問題 打ち手
売上目標
100億円
売上現状
80億円
20億円足りない
CMを
増やす
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定

4. 以下の例題を考えてみてください
例題（課題の深堀）
4
あなたの近所にはハトにエサを与える事のできる人気の公園があ
ります。しかし最近公園のハトの数が減ってしまいました。その原
因としてどんな事が考えられますか？
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定

5. 問題が定義されたらWhyを考えて課題を深堀る。その際は漏れなくダブりなく考える
事（MECE：Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive）を意識する
課題の深堀（Whyツリー）
5
公園のハトが
減った
問題！
ハトの流入が
減った
ハトの流出が
増えた
ひなの数が
減った
成鳥になる
割合が減った
卵の数が
減った
卵の孵化率が
減った
公園の中で
育つハトが
減った
外からの
流入が減った
ハトの死亡数
が増えた
ハトの逃亡数
が増えた
ハトの捕
獲される数が
増えた
ハトの自然死が
増えた
ハトの事故死が
増えた
ハトのその他の
死が増えた
M
E
C
E
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定
why?
why?

6. 情報を収集して課題の仮説を検証し、真の課題を特定する
課題の検証・特定
6
公園のハトが
減った
問題！
ハトの流入が
減った
ハトの流出が
増えた
ひなの数が
減った
成鳥になる
割合が減った
卵の数が
減った
卵の孵化率が
減った
公園の中で
育つハトが
減った
外からの
流入が減った
ハトの死亡数
が増えた
ハトの逃亡数
が増えた
ハトの捕
獲される数が
増えた
ハトの自然死が
増えた
ハトの事故死が
増えた
ハトのその他の
死が増えた
why?
why?
M
E
C
E カラス？？
→情報を収集
して検証
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定
出所：「「超」MBA式ロジカル問題解決」より例題を抜粋
：検証結果が真
：検証結果が偽

7. 以下の例題を考えてみてください
例題（打ち手の決定）
7
情報収集の結果、公園のハトが減った原因はカラスの可能性が
高い事が分かった。それでは、公園のカラスを減らすためにどうす
ればよいと考えられますか？
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定

8. 打ち手を考えるためにhowを考え、打ち手のオプションを抽出する
ここでもMECEを意識して抽出することが大切
打ち手の抽出・決定（howツリー）
8
公園のカラス
を減らす
生きたまま
減らす
殺す
カラスの嫌がるオブジェを設置する
自主的に
減ってもらう
強制的に
減らす
毒殺
銃殺
その他
how?
how?
M
E
C
E
カラスの嫌がる音を出す
カラスの嫌がる匂いを流す
カラスを網で捕える
…
打ち手効果、実現可能性、リスクを
考慮すると「編で捕える」が最優先
策なのではないか
問題発見 課題の深堀 打ち手の決定
出所：「「超」MBA式ロジカル問題解決」より例題を抜粋

9. 研究は問題解決
問題解決の考え方を使って論文を書くことができる
研究
9
 研究の背景
近年の公園のハトの減少の原因はカラスである可能性が高い
 研究の目的
カラスを減らす事で公園のハトがどれだけ増加するか明らかに
する
 研究の結論
○○シミュレーションの結果、網でカラスを捕えた場合最も効
果があり、この時▲▲だけハトの増加する余地があることが分
かった
立派な論文の完成！

10. 論理的な文章を書けるようになりたい人には「考える技術・書く技術」、知的生産の
考え方を知りたい人には「イシューからはじめよ」をおすすめします
参考図書
10
考える技術・書く技術 イシューからはじめよ

11. 11
研究は問題解決です！
この考え方が皆さんの研究を進める手助けになれば幸いです！