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1.
ODCライセンスの OpenStreetMapでの導入事例紹介 2013.8.16 第57回InfoTalk Open Knowledge
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2.
目次 1.ODCとは 2.ODCのライセンスとその特徴 3.OpenStreetMap による導入例 4.主要キーワード 5.よくある質問と回答 2
3.
ODC(OpenDataCommons)とは ◆Open Knowledge Foundation
のプロジェクト ◆オープンデータを推進するための法的なツール としてライセンスを整備 3 http://opendatacommons.org/
4.
OKFによる「オープン」準拠ライセンス 4 http://opendefinition.org/licenses/
5.
オープンデータの「オープン」とは 1)利用できる、そしてアクセスできる ◆データ全体を丸ごと使えないといけないし、再作成 に必要以上のコストがかかってはいけない。 ◆望ましいのは、インターネット経由でダウンロードで きるようにすることだ。 ◆また、データは使いやすく変更可能な形式で存在し なければならない。 5 http://opendatahandbook.org/ja/what-is-open-data/
6.
オープンデータの「オープン」とは 2)再利用と再配布ができる ◆データを提供するにあたって、再利用や再配布を許 可しなければならない。 ◆また、他のデータセットと組み合わせて使うことも許 可しなければならない。 6 http://opendatahandbook.org/ja/what-is-open-data/
7.
オープンデータの「オープン」とは 3)誰でも使える ◆誰もが利用、再利用、再配布をできなければならな い。 ◆データの使い道、人種、所属団体などによる差別を してはいけない。 ◆たとえば「非営利目的での利用に限る」などという制 限をすると商用での利用を制限してしまうし「教育目 的での利用に限る」などの制限も許されない。 7 http://opendatahandbook.org/ja/what-is-open-data/
8.
目次 1.ODCとは 2.ODCのライセンスとその特徴 3.OpenStreetMap による導入例 4.主要キーワード 5.よくある質問と回答 8
9.
OKF(ODC)、3つのライセンス ・Public Domain Dedication
and License (PDDL) - データ向けのパブリックドメインライセンス ・Attribution License (ODC-By) - データ向けの表示ライセンス ・Open Database License (ODC-ODbL) - データ向けの表示・継承ライセンス 9
10.
ライセンスのカバー範囲 ライセンスとは – 法的に保護された権利の利用を 他者に許諾するもの 著作権に対するライセンス: ◆著作物全般~CC0、CC
BY等 ◆オープンソース~GPL、BSD等 ◆ドキュメント~GFDL等 データベース権に対するライセンス: ◆データ~ODbL、ODC-by等 10
11.
著作権とデータベース権 著作権: ◆著作物に対する権利。創作性の無い事実情報 を単純に並べたものなどは対象外。 データベース権: ◆著作権でカバーされない事実情報であっても、 相応のコストを掛けて収集したデータの集合に 一定の権利を認めるもの。 ◆EU発祥で、日本やアメリカではまだ認められて いない。 11
12.
日本の著作権から見たデータベース データベースとは ◆「論文、数値、図形その他の情報の集合物で あって、それらの情報を電子計算機を用いて 検索できるように体系的に構成したもの」(2 条1項10号の3) データベースの著作物 ◆「情報の選択又は体系的な構成」に創作性 があるかどうかで著作物に該当するかどうか を判断(12条の2第1項) 12 データベース権とは違う
13.
データベースに含まれるもの ・数値(多くは事実情報の単純な並びであり、非著 作物のデータ) ・文字(〃) ・文章(多くは著作物) ・画像(〃) ・動画(〃) ・音声(〃) →データベースのライセンスには著作物(コンテン ツ)とデータ双方に対するものが必要 13
14.
目次 1.ODCとは 2.ODCのライセンスとその特徴 3.OpenStreetMapによる導入例 4.主要キーワード 5.よくある質問と回答 14
15.
地図(絵柄)とソフトウェアとデータ 15 <OSM地理データベース> ・道路 ・地形 ・POI(Point Of Interest) ・植生 ・電力線 ・禁煙/喫煙 ・車椅子利用可否 ・… OSMでは完全に別物 ソ フ ト ウ ェ ア
16.
ライセンシング 16 <OSM地理データベース> ・道路 ・地形 ・POI(Point Of Interest) ・植生 ・電力線 ・禁煙/喫煙 ・車椅子利用可否 ・… ソ フ ト ウ ェ ア CC
BY-SA等 ODbL/DbCLGPL等
17.
なぜODbLに切り替えたのか ◆データに対するライセンスである ◆OSMFが代表して許諾できる 17
18.
登場人物 18 投稿者 (マッパー) OSMF 利用者 投稿規約 (CT)に基づ き管理を委 託 ODbL/DbC Lの下に利 用許諾
19.
他のライセンスにしなかった理由 ◆2番目に有力な案はパブリック・ドメインにす る案であったが、かつてライセンス侵害に対 する改善の申し入れを完全に無視された ケースがあったことなどから、最終的には自 由でオープンであり続けることを強制するライ センスを選択。 19
20.
20 注)日本語訳は暫定版http://opendatacommons.org/licenses/odbl/summary/
21.
21 注)日本語訳は暫定版http://opendatacommons.org/licenses/odbl/summary/
22.
目次 1.ODCとは 2.ODCのライセンスとその特徴 3.OpenStreetMap による導入例 4.主要キーワード 5.よくある質問と回答 22
23.
コンテンツ ◆本データベースの内容物を意味し、情報、独 立した著作物、その他の資料であってデータ ベース内に収集されたものが含まれる。例え ば、データベースのコンテンツとしては、事実 データ、又は画像、視聴覚資料、テキスト、若 しくは音声などのような著作物が挙げられる。 23
24.
データベース ◆系統的又は組織的な方法で分類した資料 (コンテンツ)の集合体であって、電子的方法 あるいはその他本ライセンス条項に基づき提 供される方法によって個別にアクセスが可能 なものを意味する。 24
25.
データベース権 ◆データベース指令(その修正、及び加盟国に よる国内法への置き換えを含む。)の第3章 (スイ・ジェネリス特別権)に基づく権利を意味 し、コンテンツの全体又は実質的部分の抽出 及び再利用、並びに第10.4条に基づいて関 連する法域で行使可能な類似の権利を含む 。 25
26.
データベース権 ◆EUの「データベース権」はデータベースコンテンツの獲得、認証、提 供に対して、質的または量的な投資が行われている場合に認めら れます。認められた結果として、コンテンツの全部、あるいは実質 的な部分に対して、抽出または再利用することを防止する権利が データベース作成者に付与されます。 ◆日本では(米国も)この「データベース権」が存在しないため、翼シ ステム事件などのデータベースに関わる裁判では著作権法やそ の他の法令とのあわせ技による判例がいくつかあります。 参考: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20090827/336140/ 26
27.
実質的 ◆「実質的」とは、量、質、又はその両方に関し て相当な程度であることを意味する。コンテン ツのわずかな部分であっても、その部分の抽 出又は再利用が反復的及び系統的に行われ た場合には、コンテンツの実質的部分の抽出 又は再利用に該当する場合がある。 27
28.
集合データベース ◆改変を受けていない本データベースが、独立 したデータベース集合体の一部となった場合 において、一体的な統一体として構築された その集合体を意味する。集合データベースを 構成する著作物は、派生データベースとはみ なされない。 28
29.
集合データベース ◆ ODbLを継承する必要が無いケースを明らかにするため の概念のひとつ。何をもって「集合データベース」と判断す るかは、まだ合意形成の途上。 ◆現在のところ、Leagal FAQ (http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Legal_FAQ/ODb L)
の3c.にあるように「名前」や「位置」のようなシンプルな 判断基準だけで他の地理データベースとゆるやかに連携 している場合は「集合データベース」と考えられる、とされ ています。 ◆OSMと他の地理データベースを組み合わせたサービス提 供等を考える場合には、「集合データベース」とみなされる 使い方から外れると、他の地理データベースにもODbLを 適用する必要があるため重要なポイントです。 29
30.
派生データベース ◆本データベースに基づくデータベースを意味 し、本データベース、又はコンテンツの実質的 な部分についての翻訳、翻案、調整、改変、 その他の変更が含まれる。これには、コンテ ンツの全体又は実質的な部分を新規のデー タベースにおいて抽出又は再利用することな どが含まれるが、これに限定されるものでは ない。 30
31.
派生データベース ◆「派生データベース」とは、著作物でいえば二次 的著作物に相当し、OSM地理データの利用形態 としては「集合データベース」と対をなす概念で、 ODbLの継承が必須となります。まるごとコピーし て改変した場合だけでなく、実質的な部分であ れば一部の利用であっても該当します。 (Legal FAQ の3b.参照:
http:// wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Legal_FAQ/ODbL ) 31
32.
製作著作物 ◆本データベース、派生データベース、又は集合 データベースの一部分としての本データベース について、そのコンテンツの全体又は実質的部 分を使用することによって発生した著作物(画像 、視聴覚資料、テキスト、又は音声など)を意味 する。 32
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製作著作物 ◆Workには「作品」の訳語もありますが、データベースではないことを明確 化するために「著作物」の訳を当てています。ODbLの文脈で頭に Producedと付いているのは、データベースを元に製作された著作物の意 味合いがあります。この用語もかなり重要で、例えば画像としてのマップ (Mapnikのタイル画像など)を指し、データベースではないのでODbLの継 承条項は及びません。製作した人が、自由にライセンスを設定すること ができます。OSM地理データベースがODbLに移行した後も、OSMの Mapnik画像はCC BY-SA 2.0のままです。日本ではヤフーさんがOSM地 理データベースを元に独自にレンダリングしたタイルを配信されています が、このタイルのライセンスは何であっても構いません。 Leagal
FAQ (http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Legal_FAQ/ODbL) の 3c.を参照。 参考: http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Open_Data_License/Produced_Work_-_G 33
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目次 1.ODCとは 2.ODCのライセンスとその特徴 3.OpenStreetMap による導入例 4.主要キーワード 5.よくある質問と回答 34
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よくある質問と回答 Q1. OSMをLODとして使いたい 35
36.
よくある質問と回答 A1. ◆単に情報をたどれるような連携をさせたいので あればOSMデータベースを元に、例えばRDF化 した「派生データベース」を作成し、これを「集合 データベース」といわれる、名前や位置などによ りゆるやかにリンクする形式で他のデータベース と連携する利用法を推奨します。例えば同じ データベース内で密に統合するような使い方を すると「派生データベース」とみなされ、統合した データは全てODbLを継承しなければなりません 。 36
37.
よくある質問と回答 Q2. CC BYライセンスのデータをODbLライセンス のデータベースに投入しても良いのか。 37
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よくある質問と回答 A2. ◆現在のCC BYやCC BY-SAライセンスはデータには及ばないとする考え 方が一般的です。従って、まずその「データ」が著作権を認められる 「データベース」に相当するかどうか判断する必要があります。 ◆例えばデータ発生日時など、ごくありふれた順序で並んだ事実情報の羅 列であるCSVファイルやXMLファイルの場合には、CC
BYライセンスと明 記されていても著作物のデータベースとは考えにくいので、元々CC BY のライセンスは及んでいないものと考えられます。従ってODbLのデータ ベースに投入してもライセンス侵害は無いものと思われます。 ◆ただし、そのライセンサーの意図と食い違う可能性もあるので、ライセン サーに確認した方がベターでしょう。 38
39.
よくある質問と回答 Q3.オープンなデータに付与するライセンスって、結 局どれが良いのでしょうか? 39
40.
よくある質問と回答 A3.自由なライセンスは無条件、表示、表示・継承の3つに大別されます。 ◆無条件に誰にでも自由に使って欲しい場合にはパブリック・ドメイン系の 「CC0」が最も汎用的です。このライセンスは著作物とデータの両方に及 ぶ、とされています。ODCにも「PDDL」がありますが、こちらはデータのみ が対象です。 ◆出典(クレジット、帰属)表示を求める場合は著作物系には「CC BY」、デー タ系には「ODC by」が適当と思われます。データは更新・追加される性質 があるので、履歴をたどったり、整合性を確認したい場合には出典表記 があった方が分かりやすい場合が多いと思われます。 ◆表示に加え、派生物にも同じライセンスを適用したい場合には著作物系 では「CC
BY-SA」、データ系では「ODbL」となります。強制力の強いライ センスなので、ライセンス間の互換性は上記ライセンスと比べて低くなり ます。自由な利用を広げることを優先したい場合などに使われます。 40
41.
リファレンス ◆ODbL/DbCL 原文: http://opendatacommons.org/licenses/odbl/ 英日対訳例: https://docs.google.com/file/d/0BxvlrTvfS0RAN01oZ1dJa3g0aUU/edit ◆ODC By 原文: http://opendatacommons.org/licenses/by/ 英日対訳例: https://docs.google.com/file/d/0BxvlrTvfS0RAWjR1SGRMT2ZHTUE/edit ◆PDDL 原文: http://opendatacommons.org/licenses/pddl/ 41
42.
42 ご清聴ありがとうございました。
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