6月9日に開催したワークショップ「未来のユーザー要求を創出する方法としてのデザイン思考」の講義資料。 イノベーションの方法としてデザイン思考を捉える上で、キーとなるメンタルモデルの創出とそのために必要な観察（オブザベーション）を中心に話をしました。この講義のあと、実際に行動観察を体験するセッションを行ないました。 詳しくは、以下のブログ記事を参照ください。 メンタルモデルと観察：http://www.coprosystem.co.jp/marketingblog/2012/06/11.html

1. イノベーションの方法としての
デザイン思考
棚橋弘季

2. ❖ 棚橋弘季
❖ 株式会社コプロシステム 商品計画研究所
❖ クライアントの新商品／サービス企画開発の支援
❖ デザイン思考に関する教育
❖ デザイン思考やサービスデザインに関する情報発
信（ブログ＆Facebook「Think Social」）

3. デザイン思考？

4. 自分がデザイナーだと自覚したこともな
い人々にデザイナーの道具を手渡し、そ
の道具をより幅広い問題に適用するの
が、デザイン思考の目的なのだ。
- ティム・ブラウン『デザイン思考が世界を変える』
デザイン思考

5. ✦ 直感で判断する能力。
✦ パターンで見分ける能力。
✦ 機能性だけでなく感情的な価値をも持
つアイデアを生み出す能力。
✦ 単語や記号以外の媒体で自分自身を発
信する能力。
それを重視するのがデザイン思考だ。
- ティム・ブラウン『デザイン思考が世界を変える』

6. デザイン思考は
イノベーションを可能にするビジネスの方法として
適切に位置づけて初めて価値が生まれる。
- 奥出直人『デザイン思考と経営戦略』

7. イノベーション
＝今ないものを想像し実現すること

8. デザイナーが提供する主なサービスは
顧客が何をデザインしてほしいのかを
見つけ出す手助けをすることである。
- フレデリック・フィリップス・ブルックスjr.
『デザインのデザイン』

9. 何をデザインして
欲しいのか？

10. 顧客自身も
気づかないニーズを
発見すること

11. では、顧客は…

12. なぜ気づかないのか？

13. 空だから（満たされてないから）

14. 見えることで見えなくなる
図と地

15. 満たされていなくても
気づかないことはある。

16. 缶詰が発明された当時は
ハンマーで壊していた。

17. 未知のものを、既知のイメージで理解。

18. 予測に基づき行動する生き物

19. 予測のために、隠れた仕組みを想像。

20. 行為の７段階モデル（ドナルド・A・ノーマン）
1.ゴールの設定
2.意図の形成 7.結果の評価
3.行為内容の詳細化 6.フィードバックの解釈
4.行為の実行 5.フィードバックの知覚
外界にある行為の対象

21. 対象に対する認識の形成
＝メンタルモデル
外界にある行為の対象
＝実装モデル

22. メンタルモデルは
実装モデルを正しく
反映している必要はない。
UIは、
理解できない実装モデルより
理解しやすいメンタルモデルに
準じたほうがよい。

23. メンタルモデル
物事がどう働くかについて、それぞれの人がもつイメージ

24. ペルソナはメンタルモデルを明らかにしたユーザーモデル

25. デザイナーはユーザに適切なモデルを
提供すべきなのである。
というのは、モデルが提供されなけれ
ばユーザは、かりにそれが不適切で
あってもモデルを作り上げてしまうと
思われるからだ。
- ドナルド・ノーマン『誰のためのデザイン』

26. 離脱
落胆
認識 探求 信頼
混乱
認識：それが何かわかるか、どんなことに使えるかわかるか
探求：それにどう向き合えばよいか、どんな働きをするか、効果を得るにはどうすればよいかがわかるか
信頼：それを自然に扱い、使用によって得られる結果のみに注意が向けられる

27. 知ることで無知になる

28. 人のしないことに目を向け、
言わないことに耳を傾ける。
- ティム・ブラウン（IDEO）

29. 観察
Observation

30. エスノグラフィー
民族誌学的アプローチ
❖ 量的ではなく質的調査
❖ 参与観察
❖ 濃い記述
❖ 分析を経て解釈する
❖ メンタルモデルを作る

31. 観察の基本は師匠と弟子

32. 話を聞き、言葉で理解するのではなく、
見たり体験したりを通して理解する。

33. 経験にフォーカス
その人の立場になってみて…

34. ワークモデル分析
❖ フローモデル（コミュニケーション）
❖ シーケンスモデル（手順）
❖ アーティファクトモデル（作成した人工物）
❖ 物理モデル（物理的環境）
❖ 文化モデル（文化的な背景）

35. ペルソナなどの表現で、メンタルモデルを明らかにする

36. 顧客は旅の道程で
どんな経験をするか？

37. Customer Journy Map
参照元：The Anatomy of an Experience Map - Adaptive Path

38. Service Blue Print
参照元：UPMC Neuro Clinic Service Design

39. 発案
Ideation

40. 描きながら考える。
作りながら考える。

41. 早い段階で
何度も失敗する。

42. ペーパープロトタイピング

43. Business Origami
参照元：Business Origami - paper prototyping for systems and service design

44. 自分の身体で経験することで検証する。

45. イノベーションの３つの空間
着想
実現 発案

46. 今ここにないものを想像／創造する方法
デザイン思考

47. デザイン思考に関する情報は
ブログおよびFacebookページの
Think Socialまで