2018年に作ったマイクロマウス機体の制御の話です. システム同定や軌道追従の話はココらへんにまとめました. (http://utcb.ikiu.me/MATLABSystemIdentification.html) (http://utcb.ikiu.me/KanayamaControlMethod.html)

1. 今年のマウス製作のお話
dangorogoro

2. 自己紹介
❖ システム制御系B3(@dango_bot)
❖ マイクロマウス作ってたりします.
❖ 最近, 興味のあるもの(手を出したいもの)
➢ 移動, CMSIS-DAP, アナログ回路, SLAM

3. 今年作ったものとか

4. Overview
❖ マイクロマウスの説明と作ったマウスの紹介
❖ システム同定のお話
❖ 軌道追従のお話
❖ 自己位置推定のお話

5. 今年作ったマウス: NigLacertoの紹介
特徴
❖ 4輪駆動
❖ 吸引機構

6. 4輪のスキッドステア
❖ 2輪だと減速したときに重心が前に.
➢ 基板の頭が地面に接する.
➢ タイヤへの荷重が抜けて減速できない.(ﾉ∀`)ｱﾁｬｰ
❖ 4輪だと加速時も減速時もタイヤが常に地面に接する.

7. 吸引ファン
❖ マウスが高速ターンした際に
遠心力で滑る.
➢ 1m/sでターンをすると横
に1Gかかる.
❖ 滑らないようにファンを回す
ことで垂直抗力を稼ぐ.

8. 裏側のスカート
❖ 吸引した際にスカー
トが地面に張り付い
て, 気圧差を作る.

9. 吸引の動いている様子

10. 吸引について
反省点
❖ 電流をめちゃんこ食う
➢ 流れる電流を許容できるような回路を作れてな
かった.(マイコンが突然落ちるようになった)

11. システム同定
❖ システム同定とは
➢ モデルの分からないシステムに対して計測デー
タから数理モデルを出すこと.

12. 今年のマウス製作のお話
dangorogoro

13. システム同定
❖ MATLABのSystem Identification Tool Boxを使った.
➢ 終わり.
❖ 並進方向と旋回方向にそれぞれステップ応答を入れた.
❖ ブログ書いたのでそっちを読むのがいいかも.
➢ (http://utcb.ikiu.me/MATLABSystemIdentification.htm
l#MATLABSystemIdentification)

14. システム同定

15. システム同定
反省点
❖ そもそもマウスを制御する上でステップ応答は入
れない.
➢ 高速域に達した際, 作ったコントローラーの応
答が悪くなった(それはそう.
➢ M系列信号や制御する周波数帯を考慮した信号
を入れる.

16. システム同定
反省点
❖ 床がきれいでないと応答が正しく取れない.
➢ 日頃から床をきれいにする. (•̀ᴗ•́)‫و‬ ̑̑ｸﾞｯ
❖ 変速四輪が適切に回転できない.
➢ 旋回中心が果たして軸上にあるのか.
➢ 同定するなら二輪がいいのでは？

17. 軌道追従
❖ Kanayama氏の論文を読んで実装した(A stable
tracking control method for an autonomous mobile
robot)
➢ 走った.
➢ 終わり.

19. 軌道追従: 実装編
1. 軌道を形成する点列を
MATLABで作る.
2. csvファイルを生成して,
マイコンのソースコー
ドにコピーしてくる.

20. 軌道追従: 実装編
3. 走っている位置から点列を展開してそれを追いかける.

21. 軌道追従についての所感
❖ 論文内では漸近安定まで証明されていたせいか, ターン
の終わりなどでわずかに振動する.
❖ 自己位置をしっかり計測していないといけなくなる.
➢ センサーに対して敏感になった.
❖ 別にマウスが速くなるわけではない.
❖ データ(軌道の点列)の管理が大事

22. 自己位置推定
❖ 計測にはエンコーダーとジャイロセンサー
➢ 計測輪がつけられないのでタイヤが滑ると死ん
でしまう.
❖ 生じるズレを壁で行う.

23. 外界センサーによる自己位置推定
❖ 横壁を見るセンサーで自己位置を推定する.
❖ 並進方向
➢ 壁の状態が切り替わる位置から推定.
❖ 横方向
➢ 壁センサーの値からテーブルを予め作成し, そこ
から推定.

24. 外界センサーによる自己位置推定

25. 自己位置推定
❖ 上述の自己位置推定でそれなりに走る.
➢外界センサーは壁の状態に影響されてしま
うので, 弱めに
➢しかし, 大会2週間前から問題が...

26. なんか自己位置が
ずれ始めた
(は？

27. 問題の走行(外界センサーによる推定なし)

28. 問題のログ

29. なぜ？
❖ まず, 頭を抱えた.
❖ 次にタイヤ径を測った.
➢ 2mmずれてたので, 直した.
❖ しかしこれでもずれる.

31. ずれている原因はなにか？
❖ スリップ角でずれていた.
❖ スリップ角とは
➢ 車体が旋回する際に生じる求心加速度によりタイ
ヤが変形.
➢ 変形したタイヤが元に戻ろうとして力が生じる.
➢ 機体の向いてる向きとロボットが実際に進んでい
る向きがずれる.<-スリップ角

32. ずれている原因はなにか？
(http://www5.plala.or.jp/Fulcrum/eng/collections/rena/re212.htmより

33. スリップ角を考慮して自己位置を推定する
❖ スリップ角は向心力によって生じる？ので向心力
と比例の関係にあると考える(†強い仮定†)
❖ 正しくタイヤの特性を調べるためにMagic Formula
というモデル化手法があるらしいが, 時間的に
ヾﾉ'д'o)㍉㍉

34. スリップ角の考察
Kが知りたい！！

35. スリップ角の考察
Kさえ分かればこれでスリップ角がわかる.

36. さっきの動画に対してスリップ角を考慮した軌道

37. スリップ角を考慮してオドメトリを求める

38. スリップ角を考慮してオドメトリを求める

39. 全日本大会前

40. 大会結果
❖ 草の根大会: 10位(5走目に探索のみ成功)
❖ 東日本大会: 20位(最短失敗)
❖ 台湾大会: 完走(初最短成功)
❖ 学生大会: 6位(5走完走), 特別賞
❖ 中部大会: 段差でコケて探索失敗
❖ 全日本大会: 30位(最短走行成功, 斜め失敗)

41. 全体に対する所感と出来たこと
❖ システム同定, 軌道追従, 自己位置推定がそれなりにでき
たが, まだ粗さがある.
❖ ハード面の作り込みが足りてないためにちゃんと走れな
い問題が発生した.
➢ 横幅が広く, ターンがしづらい.
➢ 吸引による消費電流増加でマイコンが唐突にリセット
する問題.

42. 全体に対する所感と出来たこと
❖ アルゴリズムの改良が必要.
❖ 継ぎ足しながらプログラム書くのやめたい.

43. 終わりに
マイクロマウス面白そうと思っ
た皆さんのCheeseへの参加をい
つでもお待ちしております!

44. 終わりに
謝辞(皆さんの助けで今年も走ることができました.)
❖ 迷路を置く場所を提供してくださったものつくり
センターの皆さん
❖ ともに遠征や試行錯誤をした東京理科大学Mice, 電
気通信大学ロボメカ工房, 東京工芸大学からくり工
房, 福井大学からくり工房I.Sys, 名古屋工学院専門
学校の皆さん

45. ❖ 一緒に遠征や大会参加をしたCheeseの皆さん
❖ 大会前に家に泊めさせていただいた@_Rokky_
❖ 制御について色々話をしてくれたところさん, idさん, けり
さん
❖ ものつくりでいろいろアイディアをくれたまっきーくん
❖ 大会運営してくださったNTFの皆さん
❖ MATLABをくれたMathWorksさん
❖ 台湾大会でオフ会ができたLINさんと龍華大学の皆さん
❖ 全日本大会前にフルサイズの迷路でデバッグさせていただ
いたアールティーさん

46. おしまい
謝辞募集中
٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

47. 参考文献
❖ 水野雅彦著: 実走行時タイヤデータを用いたモデル
化手法
❖ Y.Kanayama: stable tracking control method for an
autonomous mobile robot