近年クラウド上のストレージを安価に利用できるサービスを利用しファイルを預けることが一般的になっている。秘密分散共有法という技術は、秘密にしたいデータをシェアと呼ばれる複数個のデータに分散し、紛失から守り（保全機能）、なおかつ盗難から守る（秘匿機能）という暗号技術の一種である。本研究では《1社のみ》からなる各地のストレージに預けたのでは秘密が復元される懸念がある問題に注目し解決方法を追究する。

1. ⻘森⼤学ソフトウェア情報学部
秘密分散共有法による
安全安心なクラウドストレージサービスの
利用の研究
穴田研究室
3120044 星遥登（3年次）

2. 研究の背景・動機
•近年，クラウド上のストレージを安価に利用
できるサービスを利用しファイルを預けるこ
とが一般的に
•Shamir[1]やBlakleyによって提案された秘密分散
共有法が近年になって注目を集めている
[1] Adi Shamir:How to Share a Secret. Commun. ACM 22(11): 612-613 (1979)
2023/02/20 第5回AOMORI SIX合同学修・研究発表会 2

3. 秘密分散共有法とは
秘密にしたい大事なデータをシェアと呼ばれる複数個のデータに
分散し、「紛失」や「盗難」から守るための暗号技術の一つ
1. 保全機能
• シェアデータが一定数個集まると
秘密データが復元できる
2. 秘匿機能
• シェアデータの盗難個数が一定数個未満であれば、
秘密データの情報が漏れる心配がない
2023/02/20 第5回AOMORI SIX合同学修・研究発表会 3

4. 分散段階
秘密分散共有法は、ディーラDとn人 の参加者 …, からなる
モデルによる「秘密を分散共有する方法」
Dは、秘密ｓをｎ個のシェアと呼ばれる分散情報 … , に符号
化し、 を に与える 図(a)参照
2023/02/20 第5回AOMORI SIX合同学修・研究発表会 4
S D
…
…
図(a) 分散段階
・シェア … , は次の２条件を満たす
ように作成する
（条件1） … , のうち、任意の 個から元
の秘密 を求めることができる（保全）
（条件2）しかし、どの 1 個を集めても
について何も分からない（秘匿）

5. 再構成段階
• 再構成段階のアルゴリズムとしては、主にラグランジュの補間
公式が知られている。これは関数 の「値」を補間する多項
式を求める公式で、次のとおり（詳細割愛）
⋯
現在はこのラグランジュの補間公式を詳しく知るため勉強中
2023/02/20 第5回AOMORI SIX合同学修・研究発表会 5
…
人中 人分の
図(b) 再構成段階

6. 研究の着眼（今後の課題）
• 秘密のファイルを保全できるのは分かった
• しかし、秘匿は本当に大丈夫？
→《1社のみ》からなる各地のストレージに預けたのでは、再構
成されてしまう心配がある 
2023/02/20 第5回AOMORI SIX合同学修・研究発表会 6
（今後４年次授業「卒業研究」で継続）