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「魔法の世紀」の映像教材設計に関する試論―リアル(教室)とバーチャル(教材)の融合のあり方―(阿部学・敬愛大学)

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阿部学(敬愛大学)「魔法の世紀」の映像教材設計に関する試論―リアル(教室)とバーチャル(教材)の融合のあり方―
2015.9.23 日本教育工学会第31回全国大会@電気通信大学

一般研究7 ポスター P3a-BHAL-19

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「魔法の世紀」の映像教材設計に関する試論―リアル(教室)とバーチャル(教材)の融合のあり方―(阿部学・敬愛大学)

  1. 1. 「魔法の世紀」の映像教材設計に関する試論 リアル(教室)とバーチャル(教材)の融合のあり方 阿部 学 [敬愛大学] 日本教育工学会第31回全国大会@電気通信大学 一般研究7 ポスター P3a-BHAL-19 http://abemanabu.jugem.jp/
  2. 2. イントロダクション これは、新たな教材設計モデルの構築を目指した試論である。 落合(2014)のいう「魔法の世紀」へのパラダイム転換が、授業づくり研究にどう影 響を与えうるかが問題意識である。 ここでは、阿部(2014)による〈リアリティ―ファンタジー〉多層論、藤川(2015)に よる「魔法の世紀」と教育実践の架橋の提案をふまえつつ、「魔法の世紀」の教材 設計のあり方について、既存の2つの映像教材を取り上げながら考察する。
  3. 3. 1.「魔法の世紀」へのパラダイム転換とは? • 落合(2014)「魔法の世紀」論 『充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが 付かない』――「映像の世紀」まっただ中の 1973年に、SF作家アーサー・C・クラークは、 こんな有名な言葉を残しています。 テクノロジーに関する理屈は理解できても、高 度に細分化され発達したテクノロジーが、そこ にある技術についてユーザーが気に留めないほ ど高度に振る舞い、そこに技術があることを秘 匿すれば、それは実質的に魔法となるわけです。 https://www.youtube.com/watch?v=96fpHVMVtxE 現代の魔術師・落合陽一連載『魔法の世紀』 第1回:「映像の世紀から、魔法の世紀へ」 http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar578431 https://www.youtube.com/watch?v=e7kMyuZteu4 筑波大学・メディアアーティスト
  4. 4. 2 31 • 「映像の世紀」から「魔法の世紀」へ • 「魔法」の定式化(3つの特徴) 「映像の世紀」 「魔法の世紀」 20世紀 テレビ、映画、アニメなど 映像メディアの中での表現 21世紀 映像的な表現が 現実の物理空間で可能に=「魔法」 現実性 非メディア コンシャス 虚構の喪失 動作機序(メディア)は 明らかでないが使える 現実の物理空間に 影響する 魔法ファンタジーの中に もう一つのファンタジーはない リアルとバーチャルは区別される リアルとバーチャルの境目がなくなる 落合(2014)を元に阿部作成
  5. 5. 2.「魔法の世紀」と教育実践をどうつなげるか? • 教育実践における〈リアリティ―ファンタジー〉多層論 阿部(2014) 実践の場を、単一のリアリティが追求されているだけでもなく、おざなりのファンタ ジーでごまかされているだけでもなく、リアリティとファンタジーが幾重にも重なっ た多層的な場として捉えることの意義を、ある幼稚園の参与観察から論じる。 事例 大型家具店 IKEAの再現にこだわる子どもたち。しかし家具店「ごっこ」は成立しづらい。すると、 遊びを展開させるために、リアルなIKEAの要素以外も取り込まれ、幼稚園なりの「IKEA」となっていく。 子どもたちのリアリティの認識やファンタジーの許容は多様であるが、それらが程よく混在すると遊びが 豊かになっていく。「IKEA」はリアルなIKEAではないが、これで多様な子たちがひとつの場で遊べるよう になる。こうした構造は、従来の「ごっこ遊び」研究的な〈現実―虚構〉二元論では捉えきれない。
  6. 6. 落合(2014) 「魔法の世紀」には リアルとバーチャル の境目はなくなる 阿部(2014) おもしろい 教育実践には リアリティとファンタジーの 多層構造がある ? • 「ファンタジーがリアルな世界への拡張する授業」の提案 (藤川2015) 先端テクノロジーを駆使した授業を展開するということではなく、工夫次第で、 バーチャル(教材メディア)とリアル(教室という物理空間)が融合したような授業 が、一般的な教室でも展開できるはず。 どのような架橋の可能性があるか? 先端テクノロジーを駆使する・学ぶような授業(も一案であるが) ここでは → テクノロジーを意識しない・「魔法」体験的な授業の可能性を探る。
  7. 7. • 考察の範囲、目的と方法 藤川(2015)は、いくつかの教材を例として挙げているが、分析は詳細ではない。 そこで、授業を構成する4レベル [教育内容・教材・教授行為・学習者(藤岡1989)] のうち 引き続き「教材」に注目し、考察を重ねることを試みる。 「魔法の世紀」の教材設計モデル構築を見据え、 示唆的な2つの教材を取り上げ、 その構造的特徴について考察する。なお、小学校での映像教材を取り上げる。 • これまでの教材論では 3.どのような教材設計がありうるか? 「現地主義」 (有田1987) 教育工学における デジタル教材研究の系譜 (山内2010) 教室の外にあるリアリティの提示が子どもを惹きこむ。 →バーチャル(教材)とリアル(教室)が区別される。 →絵や写真……メディアも「映像の世紀」的? CAI(行動) マルチメディア教材(認知) CSCL(社会構成) →「妥当性の高い教育活動をデザイン」という枠組。 →「魔法の世紀」には「学習」とは別の要素も?
  8. 8. • 想定される「映像の世紀」と「魔法の世紀」の教材観の違い(阿部作成) 「映像の世紀」 「魔法の世紀」 バーチャル(教材)と リアル(教室)の区別 区別される 映像メディアとして 切り取られ独立したものが教材 区別されない 教材と連動して教室での 学習活動が進んでいく 動作機序 メディアコンシャス 映像を見ることに意識的・隔絶的 非メディアコンシャス 映像を見ることに没入的・体験的 現実性・虚構性 ファンタジーは 教材の中にのみ存在 ↔教室こそがリアル ファンタジーは 教材にも教室にも存在 =どちらもリアル もし、 あるドラマ教材を 見たらどうなる? ストーリーはドラマの中で完結す る。 ドラマを見終わったら、ドラ マのストーリーについて考える ドラマの再生が終わった後も、ス トーリーの続きが教室で展開され たり、教室での活動がストーリー の続きに影響を与えたりする では、具体的にはどのようなものが「魔法の世紀」的映像教材となりうるか? 既存の2つの教材を取り上げて考察する。 ・・・
  9. 9. • 授業中に突然、ゲーム会社で海外展開の仕事をしている「BOSS」からビデオ通話 がかかってくる。内容は、「海外の子ども向けゲームに出てくるキャラクターのジ ェスチャーを考えているが、悩んでいる。小学生ならではのアイデアほしいのだ が、協力してもらえないか?」というもの。この「BOSS」とやりとりをしながら 授業が展開する。なお、「BOSS」は英語しか話さないため、聞き取れた単語と身 振りで内容を読み解く。 • 子どもたちは、「BOSS」の指令に応え、いくつかのキャラクターのジェスチャー を、簡単なセリフとともに考える。ジェスチャーはビデオに収録し、「BOSS」へ 送る。後日「BOSS」から、感想が述べられたメッセージビデオが学校に届く。 • 「BOSS」の映像はあらかじめ撮影・編集しておいたもの (バーチャル的存在) 。い くつかのパターンがあり、それをリアルタイム風に提示する。教室から呼びかける と「BOSS」の部屋につながるという設定。 4.教材の具体例 事例① キャラクターのジェスチャーを考えよう(小5・外国語活動・1コマ) 制作:企業教育研究会 ソニー・コンピュータエンタテインメント 授業・教材の概要
  10. 10. 「BOSS」からのビデオ通話はカメラ目線 ひとつの指令ごとに通話は切れる 「BOSS」の指令を受けた後は 教室でジェスチャーを考える 話しきれない内容は追ってメールが届く (映像部分の作り込みづらさを補助) 「BOSS」から送られていた機材で ジェスチャーを撮影 http://ace-npo.org/info/scej/#10
  11. 11. • 実施概要 千葉県公立小学校5年生36名を対象に授業を実施。 • 事後アンケート「今日の授業は楽しかったですか?」(n=36)  とても31、まあまあ4、 あまり0、まったく1  → 体験としてはおおむね楽しいものだった。 • 自由記述「BOSS」(教材)に関する回答 「はじめ、見たときこわそうだと思ったけど、英語で話しおわった最後に(バイバ イ)と言っていたから明るい人だと思った」「子どもにはやさしくて、大人にはき びしそうな人だと思った」「外国人ぽかった(本当に外国人か?)」「見るからに BOSSって感じの人でした」 → 性格、振舞、容姿など、多様な回答。 • 記録映像 「BOSS」を楽しげに呼び出したり、熱心にジェスチャーを考えたりする様子がみ られる。子どもたちは「BOSS」からのメッセージに最初は何事かと驚く(戸惑う) が、結局「BOSS」がバーチャルなのかリアルなのかということは、関心事にはな っていないよう。ただただ、活動が楽しいものであり、没入できていたようであ る。(参観した教諭からも指摘あり) 授業実践について①
  12. 12. • 家庭内の事故による死亡者数は年間約12,900人厚生労働省「平成21年人口動態統計年報」で、交通事故によ る死亡者数約4,800人警察庁「平成26年警察白書」の3倍近く。本授業では、家庭内のどこに危険が あり、どのように事前対策をすればいいかを学習する。さらに授業後には、自分の 家を調べて対策案を考えるという課題が出される。 • 事故をリアルに体験させるわけにはいかないため、設定に工夫があるドラマ教材を 用いる。主人公「アイ」には、家庭内事故が起こりそうな場所に行くと、事故の場 面を予知してしまうという特殊能力がある。予知をすると「本当にこんなことが起 こったら大変。ねえみんな、どうしたらいいと思う?」と突然カメラ目線で教室に 呼びかけがある。子どもたちは、少女の呼びかけに応え、事故を防止する方法を提 案する。その後、「アイ」はどう対応するかドラマの続きを見ていく。 • 事故の事例は3つある(転倒、ヒートショック、出火)が、すべて同じ構成(予知→ 呼びかけ→対応)になっている。 5.教材の具体例 事例② 家の中の安全を考えよう(小5・総合・1コマ) 制作: LIXIL 監修:企業教育研究会 授業・教材の概要
  13. 13. 「アイ」には 危険な場所に行くと 事故場面を予知する特殊能力がある 事前対策の案を考えてほしいと 突然、カメラ目線で教室に呼びかける 同様の構成での呼びかけが3回ある オムニバス的(①より「映像の世紀」的ではある) 教室では「アイ」に提案する 対策案を考える http://www.lixil.co.jp/corporate/csr/customer/safety/kyouzai.htm
  14. 14. • 実施概要  千葉県公立小学校5年生29名を対象に授業を実施した。 • 事後アンケート「ドラマは楽しかったですか?」(n=29)  とても22、まあまあ4、 あまり1、まったく0、無回答2  → ドラマ視聴としてはおおむね楽しいものだった。 • 自由記述 ドラマ(教材)に関する回答 「ドラマを見て、自分達で考えるのが楽しいしやくだった」 「ドラマを見て家の中にきけんな所はもっとあるのかなと思った」 → 授業実践①よりも「学習できた」という内容の記述が多い。 • 記録映像 ドラマの性質上、事例①と比べるとリアルとバーチャルの融合の程度は低い。ただ し、それでも「アイ」が予知する前に、あたかもその場で見ているかのような声 や、再度の呼びかけを期待するような声があがる。子どもたちはこの設定にかなり の程度没入できていた (参観した教諭から指摘あり)。予知→呼びかけ→対応とい うドラマも包括した全体のストーリーを楽しめていたのではないか。 授業実践について②
  15. 15. 1現実性 • 2つの教材の「魔法の世紀」的解釈 6.考察 2非メディア コンシャス 3虚構の喪失 教材を見て、それでストーリーは終わりではない。 教材で起ることが、教室で起ること(学習活動)に 具体的・直接的・継続的に影響する。 授業者および参観者(教諭)の評価の限りだが、 教材(内容・構成・演出・ストーリー)に没入できていた。 完全なる非メディアコンシャスではないが、程度は高い。 事例①では、教材と学習活動のファンタジーは融合している。 事例②では、①よりは隔たりがあるものの、教材の設定に よってもたらされる学習活動全体は融合しているともとれる。
  16. 16. • 「映像の世紀」と「魔法の世紀」の教材設計モデルの違い 「映像の世紀」 「魔法の世紀」 教材のストーリーは学習活動と隔絶。 教材について学習する。 教材と学習活動をストーリーで包括するような構成・演出が求められる。 ストーリーは教材と学習活動を包括。 ストーリーの中で学習活動が展開。 ・・・
  17. 17. • 「魔法」体験において、授業(教材)の評価をどうするか? 教材による学習成果の分析だけでなく、教室における子どもの体験・感動といった観点も はずせない。「魔法の世紀」の発想は、[教材の設計・評価か/教室の様子の解釈か]と いう二元論ではなく、それらを包括した場の設計・評価を迫るのか? • GBSおよびSCCとの差異 ストーリー重視の教材設計となると、ゴールベースシナリオ(GBS)およびストーリー中心 型カリキュラム(SCC)に行き当たる。しかし「学習プログラム設計」    の前者と、 体験・感動重視の「魔法の世紀」的教材では、観点がまったく異なる。この差異の意義を 明らかにすることで、教材設計モデルがより豊かになるか? • バーマン「世界の再魔術化」→「授業の再アート化」? 「魔法の世紀」論の背景から考える。 デカルト→ベイトソン、 精神と身体の区別(参加しない意識)→世界への没入(参加する意識)、 新しい認識論での「再魔術化」reenchantment、「感じ」 feel の重視、など。 授業も「参加」「没入」「感じ」「全体」「プロセス」重視へ? たとえば、斎藤喜博(アート的)→向山洋一(法則化)→「再アート化」の時代へ? • 先端テクノロジーを駆使した教材という方向性 ……もありうる。 6.今後の論点 ・・ (根本・鈴木2014) 傍点は阿部
  18. 18. • 阿部学(2014)「ある「自由保育」実践のエスノグラフィー―〈リアリティ―ファンタジー〉構造の再検討――〈リアリティ― ファンタジー〉構造の再検討―」千葉大学大学院人文社会科学研究科博士学位論文 • 有田和正(1987)『教材発掘の基礎技術』明治図書 • 落合陽一(2014)「現代の魔術師・落合陽一連載『魔法の世紀』第1回:「映像の世紀から、魔法の世紀へ」」 http://www.huffingtonpost.jp/planets/yoichi-ochiai_b_5624283.html(2015年7月7日確認) • 斎藤喜博(1996)『君の可能性』筑摩書房 • 根本淳子・鈴木克明 編(2014)『ストーリー中心型カリキュラムの理論と実践―オンライン大学院の挑戦とその舞台裏』東信堂 • 藤川大祐(2015)「「魔法の世紀」と授業づくり―授業におけるリアルとバーチャルの融合に関する試論―」授業実践開発研 究、8、pp.1-7 • 藤岡信勝(1989)『授業づくりの発想』日本書籍 • 向山洋一(1985)『授業の腕をあげる法則』明治図書 • モリス・バーマン(柴田元幸 訳)(1989)『デカルトからベイトソンへ―世界の再魔術化』国文社 • 山内祐平 編(2010)『デジタル教材の教育学』東京大学出版会 • LIXIL「安全教育授業プログラム「家の中の安全を考えよう」」 http://www.lixil.co.jp/corporate/csr/customer/safety/kyouzai.htm (2015年9月19日確認) • NPO法人企業教育研究会「キャラクターのジェスチャーを考えよう」http://ace-npo.org/info/scej/ (2015年9月19日確認) • Fairy Lights in Femtoseconds (short abstract) https://www.youtube.com/watch?v=96fpHVMVtxE (2015年9月19日確認) • 「魔法の世紀」と「教育」https://www.youtube.com/watch?v=e7kMyuZteu4 (2015年9月19日確認) 参考文献

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