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ケアを考える 「当事者」性と当事者への眼差し
- 5. 我々の日常の振る舞いの
中に社会性を発見する
『日常生活における自己
提示』(邦訳:行為と演
技)、精神病院において
社会性を維持する人たち
への描写『アサイラム
(収容所)』、他者に対
する顕示的/隠匿的な負
い目の社会的操作の問題
を取り扱った『スティグ
マの社会学』など、19
アービング・ゴッフマン(米:
50年代から70年代に
Erving Goffman, 1922-1982) かけて一世を風靡した。
- 7. 社会的弱者を“弱者”たらしめる
社会心理現象
stigma
【名】
1. 汚名、汚点、汚れ、染みとなるもの、不
名誉(の印)、恥辱(の印)
2. 〔罪人などの体に押された〕焼き印、烙印
- 16. 「差別の問題点」
• 個人と個人、個人と集団、集団と集団のコ
ミュニケーションを妨げる。
• 対象になった個人や集団が異議申し立てでき
ないことが多い。
• 権力によって意図的に利用されることが多い。
• 成員のだれもが被害者にも加害者にも傍観者
にもなりうる。
• ひとたび「逸脱」の側に〈振り分け〉られて
しまうと、アイデンティティの危機に適応す
るため、どんなに不当でもその社会的期待を
受け入れざるをえない状況に追い込まれてい
く。
- 17. スティグマとはなにか
1. マージナルな側に振り分けられた人間に対
してあらわれるのが「スティグマ」
(stigma)である。
2. 望ましくないとか汚らわしいとして他人の
蔑視と不信を受けるような属性と定義され
る。これは、ある属性にあたえられたマイ
ナス・イメージともいえる。
3. スティグマとなりうる属性としては、病
気・障害・老齢などの肉体的特徴、精神異
常・投獄・麻薬常用・アル中・同性愛・失
業・自殺企図・過激な政治運動などから推
測される性格的特徴、人種・民族・宗教に
関わる集団的特徴などがある。
- 18. 障がい者への「まなざし」
社会からの「まなざし」は、
1. 自立への意欲がありながら機会が開かれないこ
と。
2. 自分が所属する集団との関係。
3. 公共の場所での不自由および不快体験。
前項「障害当事者が感じる社会の「まなざし」--国立身体障害者リハビリテーションセ
ンターの入所生への聞き取りから」『国立身体障害者リハビリテ-ションセンタ-研究紀
要 』 24巻, 23項より.
『目に見えない“バリアー”』
- 19. バリアフリー・ノーマライゼーション・脱アサイ
ラム
「医療社会学の名著アービング・ゴッフマ
ン,石黒 毅 訳(1984)『ゴッフマンの社会学
3 アサイラム』誠信書房」
☆人をしばる「施設」としての病院
◎「全制的施設」(total institution)
- 22. 最終階に向けて
ケアの対立
〈安全、医療ケア、相談援助〉VS 〈自由拡大の実現可能
性〉
〈脱施設か〉 → 〈代替施設化〉〈再供
給化〉
以上の具体像とは?
例えば「グループ・ホーム」や「富山型デイケア」が研究対
象になるかも?