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2022年10月25日作成
金属プレス・鋳造機械
金属プレス・鋳造機械
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業界名 金属プレス・鋳造機械(0153)
業種分類 機械・エレクトロニクス>製造用機械・電気機械>金属プレス・鋳造機械
業界定義 金属を金型等で加工(鍛造、屈曲、圧延、切断、鋳造)する際に用いる機械を製造する。
主な所属企業
アイダエンジニアリング、アマダ、新東工業、芝浦機械、コマツ産機、エイチアンドエフ、宇部興産機械、住友重機械工業、
日本電産シンポ、栗本鉄工所
関連業界
溶接機械
工作機械
金型
機械工具・超硬工具
プラスチック加工・成形機械
機械部品・機構部品
ボイラー・工業炉
自動車(乗用車・一般)
自動車部品(エンジンパーツ・補機類)
自動車部品(駆動・操舵系)
自動車部品(サスペンション)
自動車部品(ブレーキ)
自動車部品(その他金属パーツ・加工品)
タイヤ・ホイール
業界定義
業界概要
金属プレス・鋳造機械
Nikkei Inc. No reproduction without permission. 3
金属プレス製品、8割は自動車向け プレス機械は金型を使
い圧延、転造、押し出し、鍛造
日本産業規格(JIS)はプレス機械を「2個以上の対をなす工具を用い、それ
らの工具間に加工材を置いて工具に関係運動を行わせ、工具によって加工材に力
を加えることによって加工材を成型加工する機械で、かつ、工具間に発生する力
の反力を機械自体で支えるように設計されている機械」と定義している。
工作機械が「主として金属の工作物を切削、研削で所要の形状に作り上げる」
のに対して、プレス機械は金型を押しつけ圧力を加えることにより圧延、転造、
押し出し、鍛造などの加工をする。金属プレス製品の販売先では自動車用が約8
~9割を占めるだけに、金属プレス機械の販売も自動車産業の動向に大きな影響
を受ける。金属だけでなくプラスチックを含めた素形材の加工技術について経済
産業省の「素形材技術戦略2008」では鋳造、鍛造、金属プレス、粉末冶金、金型、
熱処理の6分野に分類している。
プレス機械、機械式が9割占める
金属に圧力を加え、主に金型で素材の形を変えるプレス機械はスライドを水、
油などの液圧によって駆動する液圧式、機械式機構を使った機械式に分類される
が、維持・管理に優れる機械式が全体の9割を占める。日本鍛圧機械工業会では、
機械式では汎用性の高いC型プレス、門形や四柱式と呼ばれる組立て式のフレー
ム構造を持つストレートサイドプレス、高速で順送加工可能な高剛性と精度を備
えた高速精密自動プレス、冷間鍛造プレス、熱間鍛造プレスなどに分類。ほぼ油
圧式が占める液圧式では汎用油圧プレス、精密打ち抜きに向くファインブランキ
ングプレスなどに分類している。
サーボモーターを使いスライド速度やモーション設定が自由にできるサーボプ
レス、1台のプレスに複数の金型を装着して、多工程の連続加工を行う装置を組
み込んだトランスファープレスは機械式、油圧式ともに増えている。
金属プレス製品販売額の用途別比率(2020年7月) プレス機の分類
業界概要
業界概要
機械プレス
C型プレス、ストレートサイドプレス、トランスファープレス(1台のプレスに複数の
金型を装着して、多工程の連続加工を行う)、高速精密自動プレス(主にリードフレー
ム・コネクタ、モータコアの生産に活用)、サーボプレス(スライドの速度やモーショ
ン設定が自由にできる)、粉末成形プレス、インクリメンタルフォーミング機、冷間鍛
造プレス、熱間鍛造プレス、熱間ばね製造プレス、スクリュープレス
油圧プレス
汎用油圧プレス(深絞りや深曲げなど長いストローク性が特徴)、油圧サーボプレス
(サーボモーターで直接油圧ポンプを駆動させる)、ファインブランキングプレス(精密
打ち抜きを行うため、トリプルアクションの精度の高いプレス)、ダイスポッティング
プレス、ハイドロフォーミングプレス、粉末成形プレス
日本鍛圧機械工業会のホームページから日経作成
87.1
3.8
2.3
1.0
5.8
自動車用 産業機械器具用 電気機器・ 通信機器用
厨・ 暖房機器用 その他
出典: 日本金属プレス工業協会「 金属プレ ス加工月報」
( 単位: % )
金属プレス・鋳造機械
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高強度の自動車部品に使われる鍛造品、製造法には温度別に
熱間・温間・冷間
日本産業規格(JIS)は鍛造を「工具、金型などを用い、固体材料の一部また
は全体を圧縮または打撃することによって、成形および鍛錬を行うこと」と定義
している。セ氏1000度以上に熱するため複雑形状の成形が可能な熱間鍛造、常温
で高精度加工ができる冷間鍛造、その中間の温間鍛造(セ氏200~850度)があるが、
熱間と冷間、冷間と板鍛造など複合成形の機械が増えている。鋳造製品と同様に
自動車用の比率が高い。経済産業省の「産業動態統計」によると2020年の鍛工品
生産額5393億円のうち、鉄系の熱間鍛造品(4719億円)の中で型鍛造品(4027億円)
のうち78%の3148億円が自動車用となっている。
圧縮・打撃による加工のため金属繊維(メタルフロー)が切れないだけでなく緻
密になるためエンジン、変速機など高強度が要求される自動車部品に使われる。
クランク機構による機械プレスが多いが、スクリュー型やハンマー型もある。
鋳造製品も自動車用が主体 アルミニウムダイカストが特に
多い
鋳造とは、金属を溶かして型に流し込み固めて形状を作る加工法で、銑鉄と鋼
くず、石灰石をキュポラなどで組成調整した鋳鉄、アルミニウム合金、マグネシ
ウム合金、亜鉛合金などが使われる。鋳造法には金属を自重の流れで型内に流し
込み成型する自然鋳造、溶けた金属に高い圧力を加えて型内に流し込むダイカス
トがある。新東工業が1972年に世界で初めて自動設備を開発した鋳物砂とビニー
ル膜を使った自然鋳造法の1つ「Vプロセス法」は薄肉で寸法精度が確保しやす
く中・大物鋳物の中量生産に適する。
一般的に鋳造は複雑な形状の部品の低コスト・大量生産が可能だが、金属を圧
縮・打撃することで形状を作る鍛造に比べ強度では劣る。鋳造品の販売先も自動
車、工作機械、建設機械などで、特にアルミニウムなどの合金をダイカストで鋳
造したダイカスト部品が自動車用に多く使われている。
冷間・熱間鍛造法の特徴、愛知製鋼の鍛造品例 アルミニウムダイカスト生産額の用途別比率(2021年9月)
業界概要
業界概要
86.6
4.1
2.8
2.3
4.2
自動車用 一般機械用 二輪自動車用 電気機械用 その他
出典: 経済産業省「 生産動態統計調査
( 単位: % )
冷間鍛造 熱間鍛造
変形抵抗が高いため、集中荷重に耐え
る高剛性と高い作業エネルギーを保有
するプレス。寸法精度が高く、表面が
きれい
難加工材や複雑形状の成形をするた
め、鍛造素材を加熱して成形するプレ
ス。冷間鍛造に比べ寸法精度や金型寿
命は相対的に劣る
日本鍛圧機械工業会、愛知製鋼、エクセディのホームページなどから日経作成
愛知製鋼・エクセディの鍛造品の製品例
クランクシャフト、スリープヨーク、リンクギヤ、リアアクスルシャフト、
ウェルドナット、ウェルドボルト、インナーレース、プレッシャースプリン
グ、平行ピン、スプラインハブ
金属プレス・鋳造機械
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業界概要
バリューチェーン
製品企画・開発 製造 販売 利用
メーカー
など
など
自動車
自動車部品
工作機械
総合電機
建設機械
農業機械
造船
など
総合商社/金属卸/
産業用機械・機器卸
豊田通商
岡谷鋼機
ユアサ商事
など
金属卸
神鋼商事
JFE商事
産業用ロボット/
電動機(モーター)/センサー・機器類
ファナック
日本電産
安川電機
キーエンス
など
納入
など
金属プレス・鋳造機械
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鍛圧機械受注、2021年は3000億円台を回復 コロナ一服
金属プレス・鋳造機械メーカーが加盟する日本鍛圧工業会(東京・港)によると、
会員企業(112社、2022年7月1日現在)の21年の受注額は前期比+44.6%の3315
億円だった。このうちプレス系機械(機械プレス、油圧プレス、鍛造機など)は
1358億円、板金系機械(パンチングプレス、プレスブレーキなど)は1125億円だっ
た。20年は新型コロナウイルスの感染拡大で主力の自動車業界などで設備投資が
減速。受注額は前期比-29.9%の2292億円と3000億円を割り込む水準まで落ち
込んだが、経済活動の正常化に歩調を合わせて21年は反発した。
22年は伸び率は鈍化するものの、増勢が予想される。全体の受注額は前期比+
15.8%の3840億円。このうちプレス系機械は1600億円、板金系機械は1370億円
と見込まれる。同会は国内外とも電気自動車(EV)や半導体製造装置、省エネ関
連の設備投資が継続すると予測している。
鋳造装置の世界市場、2027年に56億ドルに拡大
インドの調査会社、360iリサーチによると、鋳造設備の世界市場は2027年に20
年比+26.7%の56億ドルに拡大する見通しだ。米中貿易摩擦や新型コロナウイル
スの感染拡大で、世界的に設備投資が抑制され金属プレス・鋳造機械の需要にも
影響を及ぼした。20年後半からは電気自動車(EV)をはじめとする自動車分野で
投資意欲が回復し、5G通信などデジタル化の進展も加速してきた。
富士経済(東京・中央)は鍛圧機械について「欧州や米州、日本での自動車や航
空宇宙分野の復調、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やチタンの加工ニーズ
増加により市場拡大が予想される」と指摘。「市場規模の大きい機械式プレスや
フォーミングマシーンがけん引する」とみて、世界の鍛圧機械市場が25年に20年
比+41.7%の8660億円に成長すると予測した。
プレス系など鍛圧機械の受注額推移 鋳造設備の世界市場規模推移
市場規模
市場環境
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
4500
2015年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年
(億円)
プレス系機械 板金系機械 部品・ 板金・ サービス
注釈: 2 0 2 2 年は予測
出典: 日本鍛圧機械工業会
0
10
20
30
40
50
60
2 0 2 0 年 2 7 年
(億ド ル)
注釈: 2 0 2 7 年は予測
出典: 3 6 0 iリサーチ
金属プレス・鋳造機械
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自動車部品が少ないEV台数、2035年には2418万台とH
V・PHVの合計並みに拡大 富士経済が予測
金属プレス製品の約8割が自動車向けとあって、プレス機械業界も自動車産業
から受ける影響が大きい。自動車は国内生産量の減少、環境・燃費規制に対応し
ての車体軽量化、新車販売に占める電気自動車(EV)比率の上昇が進むのは確実
だ。軽量化に伴い素材は鉄鋼からアルミニウムなどの合金、炭素繊維などの非金
属への移行が進行、EV化の進展でエンジン、駆動・伝達関連の部品点数の減少
は避けられず、金属プレス・鋳造機械業界の向かい風となる。
富士経済(東京・中央)が2021年7月に発表した「2021年版HEV、EV関連市
場徹底分析調査」によると、EVの世界市場(乗用車・新車販売台数)は20年の
220万台が35年に2418万台になる。20年は欧米の自動車メーカーが電動化に大き
く舵を切り電動車が大幅に増えたが、今後もそうした動きが進み35年にはHV
(ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド)の合計並みになるという。
鍛圧機械は大手寡占 2021年の輸出比率は43.8%
日本鍛圧機械工業会(東京・港)によると、2021年の輸出比率は前年比+5.6ポ
イントの43.8%だった。10年の61.3%から低下したが、依然として海外依存度が
高い。新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限を日本より先行して緩和し
た欧米などの需要を取り込んで受注を伸ばした。同会は「中国経済がいまだに停
滞気味であり、米国のインフレ問題、ウクライナ紛争による欧州経済の影響が懸
念される」と指摘。22年の輸出比率を45.1%と予測した。
同会は14年に「鍛圧機械の産業ビジョン2014」をまとめた。業界構造につい
て同工業会会員82社(現在は112社)のうち大型や量産型中心の大手4社が全売上
高の61.4%を占め、社数で63.4%を占める中小企業(資本金3億円以下)の売上高
は全体の19.9%にとどまるとした。寡占化する大手が海外に張り巡らせたネット
ワークを利用して中小を引き離す構図が浮かぶ。
HV、PHV、EVの市場予測 鍛圧機械の輸出比率
市場規模
市場環境
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
2 0 2 0 年 3 5 年
(万台)
H V P H V E V
出典: 富士経済「 2 0 2 1 年版H E V 、 E V 関連市場徹底分析調査」
0
10
20
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60
70
2010年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
出典: 日本鍛圧機械工業会
( %)
金属プレス・鋳造機械
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経済活動正常化で設備投資回復 インフレなどへ関心シフト
金属プレス・鋳造機械メーカーの業績は顧客企業の設備投資の動向に大きく左
右される。日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の設備投資計
画は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻だった2020年は前年を割り込む水準が
続いていた。潮目が変わったのは21年6月。前年同期比+7.1%に跳ね上がり、
プラスを保つ。
アマダは22年3月期短信で「新型コロナワクチンの普及や政府の財政政策、中
央銀行による金融緩和などにより、設備投資についても大きく改善した」と指摘。
減収減益だった21年3月期から一転、2桁の増収増益だった。過去最高の受注残
をかかえて需給環境は好調だが、部品不足にともなう供給制約や輸送コストの高
騰を警戒。新型コロナよりもインフレや利上げをリスク要因として重視する環境
へシフトしてきた。
外需4割 共産党大会後の中国「ゼロコロナ政策」に注目
輸出比率が4割を超す金属プレス・鋳造機械メーカーの業績は外需に左右され
やすい。とりわけ巨大市場である中国経済の動向に敏感だ。新型コロナウイルス
の感染拡大で落ち込んだ中国の経済成長率はいったんV字回復したが、2022年第
2四半期(4~6月期)に0.4%という低水準へ逆戻りした。22年第3四半期は
3.9%に回復したが、政府目標の年間5.5%には届かない見通しだ。感染封じ込め
にこだわった「ゼロコロナ政策」が景気を冷え込ませたとみられる。
22年3月期決算でアマダは「アジア最大市場の中国では、いち早くコロナ危機
から回復し、電気自動車(EV)・新電力関連や医療機器などで需要の増加がみら
れた」と指摘。一方で「年後半はロックダウン(都市封鎖)などの影響を受け、販
売は小幅増」にとどまった。10月の共産党大会では習近平総書記の続投が決定。
党人事を前に引き締めたコロナ対策の手綱をどう加減するか、注目だ。
設備投資計画の前年比増減率 中国の経済成長率の推移
新型コロナウイルスの影響
市場環境
-6
-4
-2
0
2
4
6
8
10
12
14
16
2019
年6
月
20年
6 月
21年
6 月
22年
6 月
注釈: 全規模全産業、 月は調査時点
出典: 日銀全国企業短期経済観測調査( 短観)
(%)
-10
-5
0
5
10
15
20
2019
年第3
四半期
20年
第3 四
半期
21年
第3 四
半期
22年
第3 四
半期
注釈: 国内総生産(G D P )の前年同期比増減率、 物価変動を調整し た 実質
出典: 中国国家統計局
(%)
金属プレス・鋳造機械
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金属プレス機はサーボ化・トランスファー化が進行
プレス機械では機械式、油圧式とも、加圧部の動きをサーボモーターとCNC
(コンピューター数値制御)で制御して複雑な加圧を可能にしたサーボプレス機が
伸びている。特に自動車部品で多く使われる高張力鋼板(ハイテン)やアルミニウ
ム合金など加工が難しい素材加工での普及が進む。日本鍛圧機械工業会(東京・
港)によるとプレス系機械のサーボ比率は2003年はわずか4.0%だったが、10年に
は22.0%に増え、19年は26.7%、20年は31.5%になっている。
1台のプレスに複数の金型を装着して複数工程を自動でできるトランスファー
プレスも増えている。アマダホールディングス(現アマダ)などが開発した「サー
ボプレスを用いた自動車部品用の超高精度絞り加工品」は、切削を含む16工程を
サーボプレス1台で実現する。同工業会から18~19年のMF技術大賞に選ばれた。
業界に環境対応の波 アマダは長期目標で明示
中小企業が主体の金属プレス・鋳造機械メーカーの業界にもエコの波が押し寄
せている。
アマダは「長期ビジョン2030」で21年3月期の売上高5000億円とともに「S
DGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みの強化」を長期経営目標に掲げ
た。ESG(環境、社会、企業統治)を意識した「非財務目標の設定による持続的
成長への取り組み促進」を表明。23年3月期からの5年間をメドに環境対応で
300億円を投資。カーボンニュートラルへ向けた商品の全面刷新や環境対応型ビ
ジネスへの変化などをめざす。
さらに同社は働き方改革なども推進するという。大手の一角が先陣を切ったこ
とで業界全体に環境対応の機運が高まりそうだが、余力のない中小が追随できる
かどうかは不透明だ。
プレス系機械のサーボ化率の推移 アマダの2023年3月期からの投資計画
業界トレンド
市場環境
0
5
10
15
20
25
30
35
2015年 16年 17年 18年 19年 20年
出典: 日本鍛圧機械工業会「 全会員受注動向」
( %)
項目 投資金額 概要
研究開発 600億円 新製品・要素技術・先端技術
デジタル
トランスフォーメーション(DX)・
事業改革
400億円
営業プロセス改革・
サービスビジネス強化
環境投資 300億円
カーボンニュートラルへ向けた
省・創エネ
生産設備 300億円 既存工場に対する生産設備増強
人材投資 100億円 人材多様化・育成
M&A(合併・買収) 300億円 海外市場の拡大体制構築など
合計 2,000億円
注釈:期間は5年程度
出典:アマダのホームページ
金属プレス・鋳造機械
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競合環境の概観
競合環境
プレス機械はアマダ、アイダエンジニアリング、コマツ産機、
エイチアンドエフが豊富な品ぞろえ
金属プレス機械の大手企業は、工作機械、建設機械など他の機械製造を手掛け
る企業グループが多い。アマダ、アイダエンジニアリング、コマツ子会社のコマ
ツ産機(金沢市)、日立造船子会社のエイチアンドエフ(福井県あわら市)、日本電
産子会社の日本電産シンポ(京都府長岡京市)などが汎用型からサーボプレス、ト
ランスファープレスなど多様なプレス機を扱い、売上高も大きい。アミノ(静岡
県富士宮市)も機械式・油圧式ともにサーボプレスを展開、住友重機械工業や栗
本鉄工所、三菱製鋼子会社の三菱長崎機工などは熱間鍛造プレスに力を入れる。
板金系では、アマダやコマツ産機は板材の直線折り曲げをするプレスブレーキ、
数十種類の金型を使って切断や成形をするパンチングプレス、板材を上下一対の
長い切刃で切断するシャーリングマシン(せん断機)、レーザー光線を熱エネル
ギーに変換して切断するレーザー加工機など幅広い品ぞろえを誇る。
アマダの2022年3月期の売上収益は3126億円。板金加工機械では国内シェア
約7割を持ち、ほかに微細溶接、切削、プレス、研削盤など工作機械を含めた事
業を展開する。創業時から直販・直サービス体制を敷き、光ファイバーを媒質に
用いた溶接・切断機ファイバーレーザーマシンなどのレーザー関連では18年度に
34件の特許を出願公開している。欧米、アジアなど海外売上比率は6割近い。こ
のところファイバーレーザーマシンの品ぞろえを拡充、通信機能を標準搭載して
迅速なサービス対応が可能な機器を増やしている。プレス部門では18年にオリイ
メックを子会社化、20年4月にアマダプレスシステムに商号変更した。
アイダエンジニアリングの22年3月期の売上高は624億円。サーボプレスを中
心としたプレス機械に特化し、17年3月期の売上高では独シューラーに次ぐ世界
2位のプレスメーカー。世界19カ国38拠点に展開、5カ国に生産工場を持ち、
22年3月期で日本以外での売上比率は4割超まで増えてきた。自動車部品では骨
格、サイドパネル、ステアリング、ラジエーター、足回りなど多様な部品に対応
するプレス機を取りそろえる。駆動用モーター部品製造用の高速プレス機に力を
入れている。
日本電産シンポがM&Aで急成長
コマツは産業機械事業をコマツ産機とコマツ金沢工場の連携で展開する。コマ
ツ産機の2021年3月期の売上高は500億円。1994年にコマツから分離独立、プレ
ス機械は小型からボンネットやサイドパネル製作用の大型まで取りそろえ、プレ
スブレーキやレーザー加工機、プラズマ加工機など板金機械も扱う。
エイチアンドエフの2022年3月期の売上高は145億円。1964年に日立造船の系
列に入り、73年に3次元トランスファープレスを世界に先駆けて開発して各国企
業に納入。2006年に株式公開したが、17年に日立造船の完全子会社となる。公
開時の17年にホンダに2300トンのサーボプレスなど4台のプレスラインを納入
したとのプレスリリースを出した。サーボプレスとトランスファープレスなどの
大型プレスが主力だ。プレス機械のほか、トランスファープレスの関連機器の
ディスタックフィーダなどFAシステム製品も手掛ける。海外で製品を設置する
際の据え付けや設備の更新・保全をリモートで実施する。新型コロナウイルスの
影響で渡航が困難になった20年に導入しており、課題を1年程度かけて改善。コ
ロナ後も定着させ、業務効率化や納期短縮につなげる。
住友重機械工業は、子会社だった住友重機械テクノフォートの社長が、業界団
体の日本鍛圧機械工業会の会長を務めたこともある。13年に住友重機械テクノ
フォートを吸収合併して、現在は産業用タービン・ポンプや加速器、医療機械器
具、運搬荷役機械などとともに産業機械部門の一角。インダストリアルマシナ
リー部門の22年3月期の売上高は2306億円だった。自動車エンジンなど高強度、
高剛性で複雑な形状の部品製造に対応した鍛造プレスを広く品ぞろえする。
日本電産シンポの22年3月期の売上高は908億円で、日本以外が大半を占める。
プレス事業と減速機事業が2本柱。シンポ工業が1960年に株式公開、95年に日
本電産グループ入り。2012年に日本電産キョーリを吸収合併し、北米最大の総合
プレス機メーカーのミンスターも買収、15年にスペインのアリサ買収などでプレ
ス事業を急拡大。最大2500トンまでの大型トランスファープレスやサーボプレス、
製缶プレス、小型高速精密プレスなどを扱う。
金属プレス・鋳造機械
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競合環境の概観
競合環境
サーボプレス、ジャノメなど幅広い企業が手がける
加圧部の速度や加圧回数を柔軟に設定できるサーボプレスは、高張力鋼板(ハ
イテン)やアルミニウム合金などサーボ機構のないプレス機では加工が難しい素
材に対応でき、プレス系機械のサーボ比率は約3割を占める。日本鍛圧機械工業
会の会員企業では大手のほか、ジャノメ(旧蛇の目ミシン工業)などが商品を提供
する。アイダエンジニアリングはサーボプレスの核部品であるサーボモーターも
自社開発。汎用の小型機から自動車車体や骨格部品に対応する大型機まで幅広く
そろえる。
アマダのプレス部門の子会社アマダプレスシステムは2021年4月、デジタル電
動サーボプレスの新製品を発表した。加圧能力6000キロニュートンで高張力鋼板
の加工にも対応、3基のサーボモーターを搭載、新フレーム構造採用により組み
立てに要する天井高を9メートルと低くしたことで導入しやすくした。9月には
順送プレス加工自動化システムを発売した。プレスマシンとレベラフィーダ(ひ
ずみ矯正装置にロールの回転・摩擦力で送り出す機能を一体化した装置)の操作
盤・制御を一体化して作業性を向上させた。
ジャノメはミシンで培った技術を使い、産業機器部門として卓上ロボットや直
交ロボットなどとともにサーボプレスを取り扱い、ミシンに次ぐ事業の柱に据え
る。22年3月期の産業機器部門の売上高は57億円だった。
複数工程をこなすトランスファープレスを扱う旭精機工業は、薄板から底付き
容器などを作る深絞り加工用プレスに強みを持つ。22年3月期の売上高は129億
円。リチウムイオン電池缶製造用プレスの需要が回復し、プレス機械部門の売上
高は前期比+28.4%の46億円だった。
鍛造プレス機、冷間はサーボ大手企業が品ぞろえ豊富 熱間
は住友重機械工業や栗本鉄工所、三菱長崎機工
冷間鍛造機械プレスはアイダエンジニアリング、エイチアンドエフ、コマツ産
機などが手掛ける。エイチアンドエフの鍛造プレスはトップドライブナックル機
構を採用したもので、製品精度を必要とするアルミ材の温間鍛造加工に向くとい
う。コマツ産機は、トランスファー対応機種、切削・研磨などの仕上げ後加工を
する必要のないほどの精度で仕上げるネットシェイプ加工対応機種、世界初をう
たう冷間鍛造用サーボプレスの3機種をそろえる。アイダエンジニアリングはト
ランスファー対応機種を含め加圧能力2500~2万キロニュートンまでの4機種を
そろえる。
熱間鍛造機械プレスは住友重機械工業、栗本鉄工所、三菱製鋼の子会社である
三菱長崎機工(長崎市)などが手掛ける。住友重機械工業は冷間、熱間双方に対応
するサーボ機種、クランクシャフトや大型自動車部品に対応する機種などを品ぞ
ろえする。パイプシステム事業が主力の栗本鉄工所は熱間・温間対応の機械式だ
けでなく油圧式を展開。三菱長崎機工は加圧能力1万~13万キロニュートンの自
由鍛造プレスを品ぞろえする。1組以上の雄ネジと雌ネジをフレーム内で回転さ
せ、加圧力を発生させるスクリュープレスでは榎本機工(神奈川県相模原市)が熱
間鍛造用スクリュープレス(200~2万キロニュートン)、サーボモータースク
リュープレス(1500~2万キロニュートン)を展開。阪村機械製作所(京都府久御山
町)は切断工程もまかなう横型プレスのフォーマーの競争力が高い。森鉄工(佐賀
県鹿島市)は断面精度の高いファインブランキングプレスで高いシェアを持つ。
油圧鍛造プレスは、油圧式プレス機を幅広く展開するアミノ、小島鉄工所、ア
サイ産業(石川県能美市)などが手掛ける。エヌエスシー(東京・大田)や大谷機械
製作所(大阪市)はハンマー鍛造機を扱う。金型を使った板金系機械では、金属板
の曲げ専用機器のプレスブレーキ、数十種類の金型を使って抜きや成形加工を行
うパンチングプレスなどは、最大手のアマダのほかコマツ産機や小島鉄工所など
プレス系企業でも多く扱う。コマツ産機では2020年4月には液圧サーボプレスブ
レーキの重量物の曲げ加工の補助装置も発売した。
金属プレス・鋳造機械
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競合環境の概観
競合環境
UBE、ダイカストマシン・押出プレスで首位確立目指す
鋳造装置はUBE(旧宇部興産)、新東工業、芝浦機械、東洋機械金属が大手で、
射出成形機などとともに手掛ける企業が目立つ。
宇部興産は子会社のUBEマシナリー(旧宇部興産機械、山口県宇部市)で機械
事業を統括するとともにダイカストマシン、押出プレス、射出成形機などを扱う。
2012年に東洋機械金属とダイカストマシンの生産で提携し、14年に出資してい
る。17年には三菱重工業子会社の三菱重工プラスチックテクノロジーに85%出資
し、U-MHIプラテックとして営業開始。射出成形機事業を統合し、油圧式ダイカ
スト、一般的なダイカストより高圧を加え鍛造品に近い品質を確保しやすいスク
イズキャスティングマシン、全電動ダイカストマシン、アルミ用や銅用の直接単
動押出プレスなどを手掛ける。U-MHIプラテックをUBEマシナリーの完全子会
社とした後、20年8月に合併した。
UBEの22年3月期の機械事業の売上高は前期比+20.4%の948億円、ダイカ
スト・押出プレスでは自動車軽量化・電気自動車(EV)化ニーズに対応した製品
開発と市場開拓による利益拡大、射出成形ではグローバルでの事業一体運営と海
外拡販で安定収益確保を図る。将来は、ダイカスト・押出プレスで日本メーカー
のトップを確立し、射出成形・大型機市場で世界のトップ5を目指すとしている。
UBEマシナリーが7%出資する東洋機械金属の22年3月期の売上高は射出成
形機が同+32.4%の259億円、ダイカストマシンが同+38.9%の73億円。売上高
の3割は自動車関連だが、IT(情報技術)関連、生活関連、医療関連など顧客層
は幅広く、海外売上高比率は8割に達する。ダイカストは電動サーボ、射出から
押し出しまですべての動作が自動の完全電動サーボ、油圧式をそろえる。21年4
月に発表した中期経営計画では25年度の売上高350億円、営業利益率6%を目標
とした。ダイカストではEV関連市場への対応と環境対応・高機能製品の投入に
よる各市場への本格参入、メガサプライヤーへの納入拡大を目指し、高付加価値
のダウンサイジング機や超大型機、周辺機器の開発に力を入れる。
新東工業、鋳造設備のトータルエンジニアリングに強み
新東工業は、売上高では表面加工部門より少ないが、自動車、工作機械などの
鋳造設備のトータルエンジニアリングに強みを持つ。アルミホイールなどの自動
車部品、船舶用のエンジンブロックなど大型製品製造機まで対応する鋳造分野の
2021年3月期の売上高は前期比+33.3%の340億円。生型造型機から生型砂処理
設備、砂再生冷却設備、溶湯搬送設備、薄肉で大型の鋳物製造に向いたVプロセ
ス自動鋳造設備など鋳造プラントを提供。リモート監視機能を使ったアフター
サービスにも力を入れる。
20年4月に東芝機械から社名変更した芝浦機械の21年3月期の射出成形機やダ
イカストマシンなど成形機事業の売上高は同+17.5%の755億円。23年4月まで
に神奈川県にあったダイカストマシン、射出成形機部門を押出成形機・鋳物部門
などがある静岡県の沼津に集約し成形機事業を強化する。標準油圧機の国内生産
は撤退・縮小し、海外では地産地消を拡大。ダイカスト、射出成形機の工場をイ
ンドでは増設し油圧式と射出機を集約、小型ダイカストは中国とタイに集約する。
ダイカストではマグネシウム合金に対応した機種も品ぞろえする。
五十鈴製作所(名古屋市)はシリンダーヘッドなど自動車エンジン部品やアルミ
ホイールをつくる低圧鋳造機で国内トップクラスのシェアを持ち、16年に生産累
計900台を達成した。砂型低圧鋳造、重力鋳造、遠心鋳造、超精密鋳造、大規模
プラントから個別周辺装置まで幅広い鋳造設備に対応する。
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競合環境
業界地図 出資
エイチアンドエフ
日本電産シンポ
栗本鉄工所
三菱長崎機工
小島鉄工所
アミノ
アサイ産業
榎本機工
阪村機械製作所
芝浦機械
新東工業
エヌエスシー
大谷機械製作所
コマツ
日立造船
日本電産
三菱製鋼
UBE
金属プレス総合大手 油圧プレス
熱間鍛造機械プレス
鍛造用スクリュープレス
横型プレス
鋳造機械・ダイカスト
ハンマー鍛造機
アイダエンジニアリング
アマダ
住友重機械工業
コマツ産機 UBEマシナリー
東洋機械金属
金属プレス・鋳造機械
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主要プレーヤーの動向
競合環境
アマダ、板金で国内シェア7割 プレス事業は協調制御シス
テムを提案
<沿革とグループ内における位置づけ>
1946年、東京・豊島で創業。53年に株式会社に改組、国産1号機となる万能
金切帯鋸盤の製造販売に着手した。61年東京証券取引所第2部銘柄に上場(現在
は東証プライム)。64年にアマダに商号を変更。71年米国シアトルに現地法人設
立。73年園池製作所の株式49.4%を取得し、同社の経営権の委譲を受け帯鋸盤
(横型汎用機)及び金型(板金用)の製造を委託。2001年中国に現地法人を設立した。
15年アマダホールディングスを設立。18年オリイメックの全株式を取得。20年
4月アマダホールディングスがアマダを合併し、社名をアマダに変更した。
<売り上げ規模>
22年3月期(連結決算、国際会計基準)の売上収益は3126億円(前期比+24.8%)、
営業利益は385億円(同+44.3%)。プレス部門の売上収益は159億円(同+12.3%)。
主力の自動車産業界で、半導体などの供給制約により設備投資意欲の停滞感がみ
られたが、環境機器など家電関連向けの販売が好調で増収だった。23年3月期は
売上高は前期比+8.7%の3400億円、営業利益は同+19.4%の460億円を見込む。
<企業・事業戦略>
板金加工機械では国内シェア約7割を持ち、微細溶接、切削、プレス、研削盤
などを展開する。レーザ光線で板金に穴あけ、切断を行うファイバーレーザーマ
シンの品ぞろえを拡充。機器だけでなくソフト契約も付帯して遠隔で機器を常時
監視し障害が発生しないように事前の調整作業、部品交換などを提案するビジネ
スモデルを展開する。米国で切削メーカーを買収、インドネシアやUAEなどで
現地法人を設立するなど海外事業も拡充して、22年3月期では売上収益は日本事
業1269億円(前期比+12.5%)、海外は1857億円(同+35.0%)。プレス事業は18年
に買収したオリイメックに承継、自動車部品の加工ライン向けなどに複数の小型
プレス機と搬送ロボットをつなげて協調制御を行うシステムを提案する。
アイダエンジニアリング、モーター部品対応の高速プレス・
ハイテン材対応の高速サーボプレスを強化
<沿革とグループ内における位置づけ>
1917年、会田陽啓氏が東京・墨田にプレス機械製造を業とする個人経営の会田
鉄工所を創業し、37年株式会社に改組。56年国産第1号機の200トン高速自動プ
レスを完成。62年に東京証券取引所第2部に上場(現在は東証プライム)。70年商
号をアイダエンジニアリングに変更。72年米国に現地法人設立。95年米国、マ
レーシアに生産拠点を設立。2002年世界初のダイレクト駆動式サーボプレスを完
成した。
<売り上げ規模>
22年3月期(連結決算)の売上高は624億円(前期比+7.5%)、営業利益は25億円
(同-32.7%)。新型コロナウイルスの感染拡大による低迷から回復するなか、自
動車業界などの設備投資増や電気自動車関連の堅調な需要に支えられ大幅な増収
になった。利益面では原材料費の高騰や物流の混乱、研究開発費の増加などによ
り引き続き減益となった。23年3月期は売上高は前期比+15.3%の720億円、営
業利益は同+119.5%の55億円を見込む。
<企業・事業戦略>
主力の自動車部品向けではステアリング、骨格、ラジエーター、足回りなどに
対応して小型汎用から大型専用までの幅広いプレス機を品ぞろえする。電動車の
モーター部品用に対応した高速プレス機、高張力鋼板(ハイテン)やアルミニウム
材加工に対応した高速サーボプレスに力を入れる。サーボモーターは自社開発し
ており、世界5カ国に生産拠点を持つ。20年8月に23年3月期までの中期経営計
画を発表した。CASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)の流れ、
生産現場の自動化・デジタル化加速、生産の新興国シフトなどに対応し、強みで
あるサーボ技術、高速精密技術、素材対応技術を一段と強化する。21年5月、数
値目標を修正し、21年3月期に342億円だったプレス事業の売上高は23年3月期
には390億円を計画する。
金属プレス・鋳造機械
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主要プレーヤーの動向
競合環境
芝浦機械、ダイカストマシンはインド工場を増設 自動車部
品の大型薄肉化への対応急ぐ
<沿革とグループ内における位置づけ>
1938年、芝浦製作所(現、東芝)出資で芝浦工作機械創立。39年強力大型工作機
械の製作を開始。49年に企業再建整備法に基づき各工場ごとに独立会社として発
足、沼津工場を母体とした芝浦機械製作所を設立し、同年東京証券取引所に上場
(現在は東証プライム)。61年芝浦工機と合併、社名を東芝機械に変更。74年東芝
機械ダイカストエンジニアリング設立(ダイカストマシンのサービス部門独立)。
78年にシンガポールに現地法人設立。2017年東芝保有の株式を買い取り、東芝
グループから離脱。20年持分法適用会社ニューフレアテクノロジーの全株式を東
芝デバイス&ストレージへ譲渡、同年4月商号を芝浦機械へ変更した。
<売り上げ規模>
22年3月期(連結決算)の売上高は1077億円(前期比+16.3%)、営業利益は42億
円(同+1009.5%)。射出成形機や押出成形機、ダイカストマシンなど成形機事業
の売上高は同+17.5%の755億円、営業利益は同+218.2%の36億円。押出成形機
については電気自動車(EV)関連の設備投資の拡大にともない、中国のリチウム
イオン電池向けセパレータフィルム製造装置の販売が増加した。工作機械事業は
売上高が同+13.0%の235億円、営業損益が700万円の黒字(前期は8億2800万円
の赤字)だった。23年3月期は売上高は前期比+11.3%の1200億円、営業利益は
同+41.6%の60億円を見込む。
<企業・事業戦略>
20年2月発表の経営改革プランでは23年度に売上高1350億円、営業利益率
8%を目指し、総額で300億円を投資する。カンパニー制を採用、生産本部を創
設しグローバル生産拠点を統括する。成形機カンパニーでは、再生可能エネル
ギー向けフィルム、新素材への対応、自動車のEV化や軽量化に必要な大型薄肉
部品への対応、5G普及に係る基地局のアルミ筐体や機器基盤向けベースフィル
ムに対応する。射出成形機・ダイカストマシンではインド工場を増設する。
鋳造プラントの新東工業、2024年3月に顧客数3万2500
社・営業利益率8%を目指す
<沿革とグループ内における位置づけ>
1934年、名古屋市に久保田製作所を設立。51年に日本初の鋳造プラントが完
成、54年名古屋証券取引所に上場した。60年新東工業に社名変更。63年に米ホ
イールアブレーターとの合弁会社、新東ブレーターを設立(2009年4月に吸収合
併)。1970年鋳鉄の金型鋳造法に関してソ連と技術提携。72年、薄肉で大型の鋳
物製造に向いたVプロセス自動鋳造装置を開発した。79年静圧造型機(APS型、
FBS型)を開発。83年、銅合金の金型を開発した。
<売り上げ規模>
2022年3月期(連結決算)の売上高は992億円(前期比+20.2%)、営業利益は26
億円(同+51.7%)で、うち鋳造分野の売上高は同+33.3%%の340億円、営業損益
は1700万円の赤字(前期は10億7900万円の赤字)。大型プラント案件が堅調に推移
した。利益は原材料やエネルギーの価格上昇に圧迫されたが、増収によって赤字
幅を縮小した。23年3月期は売上高は前期比+4.8%の1040億円、営業利益は同
+65.0%の43億円を見込む。
<企業・事業戦略>
自動車、工作機械、建設機械などの鋳物部品を製造するための鋳造プラントで
世界首位で、投射材を使いバリ取りやサビ落としなどをする表面加工でも日本首
位。メキシコ、ブラジル、中国や東南アジアなど17カ国に拠点を展開。リモート
監視による維持・補修などアフター市場の拡大に力を入れ、アフター拠点も世界
16カ国に持つ。鋳造分野ではインド、中国を中心に安定成長を見込む。コンベア
やリフトなど搬送分野製品のほか、パワー半導体向けの検査装置、車載用2次電
池製造工程向けの精密プレス機なども手掛ける。23年度までの中期経営計画では、
顧客数を21年4月の3万社から24年3月に3万2500社に増やし、営業利益率
8%以上を目指す。
金属プレス・鋳造機械
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主要プレーヤー一覧
競合環境
企業名 決算期
会計
基準
売上高
(百万円)
当期純利益
(百万円)
売上高営
業利益率
(%)
売上高
増加率
(%)
期末
従業員数
時価総額
(百万円)
PER
(倍)
EV/EBIT
DA倍率
(倍)
住友重機械工業 2022年3月 連結 943,979 44,053 6.96 11.18 24,584 338,482 7.66 3.94
UBE 2022年3月 連結 655,265 24,500 6.72 6.74 9,849 203,161 7.58 4.65
アマダ 2022年3月 連結 312,658 27,769 12.33 24.84 8,774 370,248 12.91 4.74
芝浦機械 2022年3月 連結 107,777 3,725 3.93 16.35 3,049 85,225 18.44 10.55
栗本鐵工所 2022年3月 連結 105,954 2,917 3.94 -9.13 2,120 21,154 6.76 3.41
新東工業 2022年3月 連結 99,247 2,835 2.63 20.24 4,042 37,388 12.65 2.32
アイダエンジニアリ
ング
2022年3月 連結 62,466 896 4.01 7.52 2,057 58,059 55.70 9.44
東洋機械金属 2022年3月 連結 33,273 1,276 5.29 33.79 778 11,552 8.98 2.94
※時価総額・PERについては2022年10月24日時点の値を使用
金属プレス・鋳造機械
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関して、日本経済新聞社(以下、日経)、情報提供者は、一切の責任を負うものではありません。本資料の利用によって生じた直接的・間接的な損害については、その内
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く、また、有価証券の価値等または金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関する助言を行うことを目的としたものでもありません。本資料のいかなる部分につい
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  • 1. Nikkei Inc. No reproduction without permission. 2022年10月25日作成 金属プレス・鋳造機械
  • 2. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 2 業界名 金属プレス・鋳造機械(0153) 業種分類 機械・エレクトロニクス>製造用機械・電気機械>金属プレス・鋳造機械 業界定義 金属を金型等で加工(鍛造、屈曲、圧延、切断、鋳造)する際に用いる機械を製造する。 主な所属企業 アイダエンジニアリング、アマダ、新東工業、芝浦機械、コマツ産機、エイチアンドエフ、宇部興産機械、住友重機械工業、 日本電産シンポ、栗本鉄工所 関連業界 溶接機械 工作機械 金型 機械工具・超硬工具 プラスチック加工・成形機械 機械部品・機構部品 ボイラー・工業炉 自動車(乗用車・一般) 自動車部品(エンジンパーツ・補機類) 自動車部品(駆動・操舵系) 自動車部品(サスペンション) 自動車部品(ブレーキ) 自動車部品(その他金属パーツ・加工品) タイヤ・ホイール 業界定義 業界概要
  • 3. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 3 金属プレス製品、8割は自動車向け プレス機械は金型を使 い圧延、転造、押し出し、鍛造 日本産業規格(JIS)はプレス機械を「2個以上の対をなす工具を用い、それ らの工具間に加工材を置いて工具に関係運動を行わせ、工具によって加工材に力 を加えることによって加工材を成型加工する機械で、かつ、工具間に発生する力 の反力を機械自体で支えるように設計されている機械」と定義している。 工作機械が「主として金属の工作物を切削、研削で所要の形状に作り上げる」 のに対して、プレス機械は金型を押しつけ圧力を加えることにより圧延、転造、 押し出し、鍛造などの加工をする。金属プレス製品の販売先では自動車用が約8 ~9割を占めるだけに、金属プレス機械の販売も自動車産業の動向に大きな影響 を受ける。金属だけでなくプラスチックを含めた素形材の加工技術について経済 産業省の「素形材技術戦略2008」では鋳造、鍛造、金属プレス、粉末冶金、金型、 熱処理の6分野に分類している。 プレス機械、機械式が9割占める 金属に圧力を加え、主に金型で素材の形を変えるプレス機械はスライドを水、 油などの液圧によって駆動する液圧式、機械式機構を使った機械式に分類される が、維持・管理に優れる機械式が全体の9割を占める。日本鍛圧機械工業会では、 機械式では汎用性の高いC型プレス、門形や四柱式と呼ばれる組立て式のフレー ム構造を持つストレートサイドプレス、高速で順送加工可能な高剛性と精度を備 えた高速精密自動プレス、冷間鍛造プレス、熱間鍛造プレスなどに分類。ほぼ油 圧式が占める液圧式では汎用油圧プレス、精密打ち抜きに向くファインブランキ ングプレスなどに分類している。 サーボモーターを使いスライド速度やモーション設定が自由にできるサーボプ レス、1台のプレスに複数の金型を装着して、多工程の連続加工を行う装置を組 み込んだトランスファープレスは機械式、油圧式ともに増えている。 金属プレス製品販売額の用途別比率(2020年7月) プレス機の分類 業界概要 業界概要 機械プレス C型プレス、ストレートサイドプレス、トランスファープレス(1台のプレスに複数の 金型を装着して、多工程の連続加工を行う)、高速精密自動プレス(主にリードフレー ム・コネクタ、モータコアの生産に活用)、サーボプレス(スライドの速度やモーショ ン設定が自由にできる)、粉末成形プレス、インクリメンタルフォーミング機、冷間鍛 造プレス、熱間鍛造プレス、熱間ばね製造プレス、スクリュープレス 油圧プレス 汎用油圧プレス(深絞りや深曲げなど長いストローク性が特徴)、油圧サーボプレス (サーボモーターで直接油圧ポンプを駆動させる)、ファインブランキングプレス(精密 打ち抜きを行うため、トリプルアクションの精度の高いプレス)、ダイスポッティング プレス、ハイドロフォーミングプレス、粉末成形プレス 日本鍛圧機械工業会のホームページから日経作成 87.1 3.8 2.3 1.0 5.8 自動車用 産業機械器具用 電気機器・ 通信機器用 厨・ 暖房機器用 その他 出典: 日本金属プレス工業協会「 金属プレ ス加工月報」 ( 単位: % )
  • 4. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 4 高強度の自動車部品に使われる鍛造品、製造法には温度別に 熱間・温間・冷間 日本産業規格(JIS)は鍛造を「工具、金型などを用い、固体材料の一部また は全体を圧縮または打撃することによって、成形および鍛錬を行うこと」と定義 している。セ氏1000度以上に熱するため複雑形状の成形が可能な熱間鍛造、常温 で高精度加工ができる冷間鍛造、その中間の温間鍛造(セ氏200~850度)があるが、 熱間と冷間、冷間と板鍛造など複合成形の機械が増えている。鋳造製品と同様に 自動車用の比率が高い。経済産業省の「産業動態統計」によると2020年の鍛工品 生産額5393億円のうち、鉄系の熱間鍛造品(4719億円)の中で型鍛造品(4027億円) のうち78%の3148億円が自動車用となっている。 圧縮・打撃による加工のため金属繊維(メタルフロー)が切れないだけでなく緻 密になるためエンジン、変速機など高強度が要求される自動車部品に使われる。 クランク機構による機械プレスが多いが、スクリュー型やハンマー型もある。 鋳造製品も自動車用が主体 アルミニウムダイカストが特に 多い 鋳造とは、金属を溶かして型に流し込み固めて形状を作る加工法で、銑鉄と鋼 くず、石灰石をキュポラなどで組成調整した鋳鉄、アルミニウム合金、マグネシ ウム合金、亜鉛合金などが使われる。鋳造法には金属を自重の流れで型内に流し 込み成型する自然鋳造、溶けた金属に高い圧力を加えて型内に流し込むダイカス トがある。新東工業が1972年に世界で初めて自動設備を開発した鋳物砂とビニー ル膜を使った自然鋳造法の1つ「Vプロセス法」は薄肉で寸法精度が確保しやす く中・大物鋳物の中量生産に適する。 一般的に鋳造は複雑な形状の部品の低コスト・大量生産が可能だが、金属を圧 縮・打撃することで形状を作る鍛造に比べ強度では劣る。鋳造品の販売先も自動 車、工作機械、建設機械などで、特にアルミニウムなどの合金をダイカストで鋳 造したダイカスト部品が自動車用に多く使われている。 冷間・熱間鍛造法の特徴、愛知製鋼の鍛造品例 アルミニウムダイカスト生産額の用途別比率(2021年9月) 業界概要 業界概要 86.6 4.1 2.8 2.3 4.2 自動車用 一般機械用 二輪自動車用 電気機械用 その他 出典: 経済産業省「 生産動態統計調査 ( 単位: % ) 冷間鍛造 熱間鍛造 変形抵抗が高いため、集中荷重に耐え る高剛性と高い作業エネルギーを保有 するプレス。寸法精度が高く、表面が きれい 難加工材や複雑形状の成形をするた め、鍛造素材を加熱して成形するプレ ス。冷間鍛造に比べ寸法精度や金型寿 命は相対的に劣る 日本鍛圧機械工業会、愛知製鋼、エクセディのホームページなどから日経作成 愛知製鋼・エクセディの鍛造品の製品例 クランクシャフト、スリープヨーク、リンクギヤ、リアアクスルシャフト、 ウェルドナット、ウェルドボルト、インナーレース、プレッシャースプリン グ、平行ピン、スプラインハブ
  • 5. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 5 業界概要 バリューチェーン 製品企画・開発 製造 販売 利用 メーカー など など 自動車 自動車部品 工作機械 総合電機 建設機械 農業機械 造船 など 総合商社/金属卸/ 産業用機械・機器卸 豊田通商 岡谷鋼機 ユアサ商事 など 金属卸 神鋼商事 JFE商事 産業用ロボット/ 電動機(モーター)/センサー・機器類 ファナック 日本電産 安川電機 キーエンス など 納入 など
  • 6. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 6 鍛圧機械受注、2021年は3000億円台を回復 コロナ一服 金属プレス・鋳造機械メーカーが加盟する日本鍛圧工業会(東京・港)によると、 会員企業(112社、2022年7月1日現在)の21年の受注額は前期比+44.6%の3315 億円だった。このうちプレス系機械(機械プレス、油圧プレス、鍛造機など)は 1358億円、板金系機械(パンチングプレス、プレスブレーキなど)は1125億円だっ た。20年は新型コロナウイルスの感染拡大で主力の自動車業界などで設備投資が 減速。受注額は前期比-29.9%の2292億円と3000億円を割り込む水準まで落ち 込んだが、経済活動の正常化に歩調を合わせて21年は反発した。 22年は伸び率は鈍化するものの、増勢が予想される。全体の受注額は前期比+ 15.8%の3840億円。このうちプレス系機械は1600億円、板金系機械は1370億円 と見込まれる。同会は国内外とも電気自動車(EV)や半導体製造装置、省エネ関 連の設備投資が継続すると予測している。 鋳造装置の世界市場、2027年に56億ドルに拡大 インドの調査会社、360iリサーチによると、鋳造設備の世界市場は2027年に20 年比+26.7%の56億ドルに拡大する見通しだ。米中貿易摩擦や新型コロナウイル スの感染拡大で、世界的に設備投資が抑制され金属プレス・鋳造機械の需要にも 影響を及ぼした。20年後半からは電気自動車(EV)をはじめとする自動車分野で 投資意欲が回復し、5G通信などデジタル化の進展も加速してきた。 富士経済(東京・中央)は鍛圧機械について「欧州や米州、日本での自動車や航 空宇宙分野の復調、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やチタンの加工ニーズ 増加により市場拡大が予想される」と指摘。「市場規模の大きい機械式プレスや フォーミングマシーンがけん引する」とみて、世界の鍛圧機械市場が25年に20年 比+41.7%の8660億円に成長すると予測した。 プレス系など鍛圧機械の受注額推移 鋳造設備の世界市場規模推移 市場規模 市場環境 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 2015年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 (億円) プレス系機械 板金系機械 部品・ 板金・ サービス 注釈: 2 0 2 2 年は予測 出典: 日本鍛圧機械工業会 0 10 20 30 40 50 60 2 0 2 0 年 2 7 年 (億ド ル) 注釈: 2 0 2 7 年は予測 出典: 3 6 0 iリサーチ
  • 7. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 7 自動車部品が少ないEV台数、2035年には2418万台とH V・PHVの合計並みに拡大 富士経済が予測 金属プレス製品の約8割が自動車向けとあって、プレス機械業界も自動車産業 から受ける影響が大きい。自動車は国内生産量の減少、環境・燃費規制に対応し ての車体軽量化、新車販売に占める電気自動車(EV)比率の上昇が進むのは確実 だ。軽量化に伴い素材は鉄鋼からアルミニウムなどの合金、炭素繊維などの非金 属への移行が進行、EV化の進展でエンジン、駆動・伝達関連の部品点数の減少 は避けられず、金属プレス・鋳造機械業界の向かい風となる。 富士経済(東京・中央)が2021年7月に発表した「2021年版HEV、EV関連市 場徹底分析調査」によると、EVの世界市場(乗用車・新車販売台数)は20年の 220万台が35年に2418万台になる。20年は欧米の自動車メーカーが電動化に大き く舵を切り電動車が大幅に増えたが、今後もそうした動きが進み35年にはHV (ハイブリッド車)やPHV(プラグインハイブリッド)の合計並みになるという。 鍛圧機械は大手寡占 2021年の輸出比率は43.8% 日本鍛圧機械工業会(東京・港)によると、2021年の輸出比率は前年比+5.6ポ イントの43.8%だった。10年の61.3%から低下したが、依然として海外依存度が 高い。新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限を日本より先行して緩和し た欧米などの需要を取り込んで受注を伸ばした。同会は「中国経済がいまだに停 滞気味であり、米国のインフレ問題、ウクライナ紛争による欧州経済の影響が懸 念される」と指摘。22年の輸出比率を45.1%と予測した。 同会は14年に「鍛圧機械の産業ビジョン2014」をまとめた。業界構造につい て同工業会会員82社(現在は112社)のうち大型や量産型中心の大手4社が全売上 高の61.4%を占め、社数で63.4%を占める中小企業(資本金3億円以下)の売上高 は全体の19.9%にとどまるとした。寡占化する大手が海外に張り巡らせたネット ワークを利用して中小を引き離す構図が浮かぶ。 HV、PHV、EVの市場予測 鍛圧機械の輸出比率 市場規模 市場環境 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 2 0 2 0 年 3 5 年 (万台) H V P H V E V 出典: 富士経済「 2 0 2 1 年版H E V 、 E V 関連市場徹底分析調査」 0 10 20 30 40 50 60 70 2010年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 出典: 日本鍛圧機械工業会 ( %)
  • 8. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 8 経済活動正常化で設備投資回復 インフレなどへ関心シフト 金属プレス・鋳造機械メーカーの業績は顧客企業の設備投資の動向に大きく左 右される。日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の設備投資計 画は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻だった2020年は前年を割り込む水準が 続いていた。潮目が変わったのは21年6月。前年同期比+7.1%に跳ね上がり、 プラスを保つ。 アマダは22年3月期短信で「新型コロナワクチンの普及や政府の財政政策、中 央銀行による金融緩和などにより、設備投資についても大きく改善した」と指摘。 減収減益だった21年3月期から一転、2桁の増収増益だった。過去最高の受注残 をかかえて需給環境は好調だが、部品不足にともなう供給制約や輸送コストの高 騰を警戒。新型コロナよりもインフレや利上げをリスク要因として重視する環境 へシフトしてきた。 外需4割 共産党大会後の中国「ゼロコロナ政策」に注目 輸出比率が4割を超す金属プレス・鋳造機械メーカーの業績は外需に左右され やすい。とりわけ巨大市場である中国経済の動向に敏感だ。新型コロナウイルス の感染拡大で落ち込んだ中国の経済成長率はいったんV字回復したが、2022年第 2四半期(4~6月期)に0.4%という低水準へ逆戻りした。22年第3四半期は 3.9%に回復したが、政府目標の年間5.5%には届かない見通しだ。感染封じ込め にこだわった「ゼロコロナ政策」が景気を冷え込ませたとみられる。 22年3月期決算でアマダは「アジア最大市場の中国では、いち早くコロナ危機 から回復し、電気自動車(EV)・新電力関連や医療機器などで需要の増加がみら れた」と指摘。一方で「年後半はロックダウン(都市封鎖)などの影響を受け、販 売は小幅増」にとどまった。10月の共産党大会では習近平総書記の続投が決定。 党人事を前に引き締めたコロナ対策の手綱をどう加減するか、注目だ。 設備投資計画の前年比増減率 中国の経済成長率の推移 新型コロナウイルスの影響 市場環境 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16 2019 年6 月 20年 6 月 21年 6 月 22年 6 月 注釈: 全規模全産業、 月は調査時点 出典: 日銀全国企業短期経済観測調査( 短観) (%) -10 -5 0 5 10 15 20 2019 年第3 四半期 20年 第3 四 半期 21年 第3 四 半期 22年 第3 四 半期 注釈: 国内総生産(G D P )の前年同期比増減率、 物価変動を調整し た 実質 出典: 中国国家統計局 (%)
  • 9. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 9 金属プレス機はサーボ化・トランスファー化が進行 プレス機械では機械式、油圧式とも、加圧部の動きをサーボモーターとCNC (コンピューター数値制御)で制御して複雑な加圧を可能にしたサーボプレス機が 伸びている。特に自動車部品で多く使われる高張力鋼板(ハイテン)やアルミニウ ム合金など加工が難しい素材加工での普及が進む。日本鍛圧機械工業会(東京・ 港)によるとプレス系機械のサーボ比率は2003年はわずか4.0%だったが、10年に は22.0%に増え、19年は26.7%、20年は31.5%になっている。 1台のプレスに複数の金型を装着して複数工程を自動でできるトランスファー プレスも増えている。アマダホールディングス(現アマダ)などが開発した「サー ボプレスを用いた自動車部品用の超高精度絞り加工品」は、切削を含む16工程を サーボプレス1台で実現する。同工業会から18~19年のMF技術大賞に選ばれた。 業界に環境対応の波 アマダは長期目標で明示 中小企業が主体の金属プレス・鋳造機械メーカーの業界にもエコの波が押し寄 せている。 アマダは「長期ビジョン2030」で21年3月期の売上高5000億円とともに「S DGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みの強化」を長期経営目標に掲げ た。ESG(環境、社会、企業統治)を意識した「非財務目標の設定による持続的 成長への取り組み促進」を表明。23年3月期からの5年間をメドに環境対応で 300億円を投資。カーボンニュートラルへ向けた商品の全面刷新や環境対応型ビ ジネスへの変化などをめざす。 さらに同社は働き方改革なども推進するという。大手の一角が先陣を切ったこ とで業界全体に環境対応の機運が高まりそうだが、余力のない中小が追随できる かどうかは不透明だ。 プレス系機械のサーボ化率の推移 アマダの2023年3月期からの投資計画 業界トレンド 市場環境 0 5 10 15 20 25 30 35 2015年 16年 17年 18年 19年 20年 出典: 日本鍛圧機械工業会「 全会員受注動向」 ( %) 項目 投資金額 概要 研究開発 600億円 新製品・要素技術・先端技術 デジタル トランスフォーメーション(DX)・ 事業改革 400億円 営業プロセス改革・ サービスビジネス強化 環境投資 300億円 カーボンニュートラルへ向けた 省・創エネ 生産設備 300億円 既存工場に対する生産設備増強 人材投資 100億円 人材多様化・育成 M&A(合併・買収) 300億円 海外市場の拡大体制構築など 合計 2,000億円 注釈:期間は5年程度 出典:アマダのホームページ
  • 10. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 10 競合環境の概観 競合環境 プレス機械はアマダ、アイダエンジニアリング、コマツ産機、 エイチアンドエフが豊富な品ぞろえ 金属プレス機械の大手企業は、工作機械、建設機械など他の機械製造を手掛け る企業グループが多い。アマダ、アイダエンジニアリング、コマツ子会社のコマ ツ産機(金沢市)、日立造船子会社のエイチアンドエフ(福井県あわら市)、日本電 産子会社の日本電産シンポ(京都府長岡京市)などが汎用型からサーボプレス、ト ランスファープレスなど多様なプレス機を扱い、売上高も大きい。アミノ(静岡 県富士宮市)も機械式・油圧式ともにサーボプレスを展開、住友重機械工業や栗 本鉄工所、三菱製鋼子会社の三菱長崎機工などは熱間鍛造プレスに力を入れる。 板金系では、アマダやコマツ産機は板材の直線折り曲げをするプレスブレーキ、 数十種類の金型を使って切断や成形をするパンチングプレス、板材を上下一対の 長い切刃で切断するシャーリングマシン(せん断機)、レーザー光線を熱エネル ギーに変換して切断するレーザー加工機など幅広い品ぞろえを誇る。 アマダの2022年3月期の売上収益は3126億円。板金加工機械では国内シェア 約7割を持ち、ほかに微細溶接、切削、プレス、研削盤など工作機械を含めた事 業を展開する。創業時から直販・直サービス体制を敷き、光ファイバーを媒質に 用いた溶接・切断機ファイバーレーザーマシンなどのレーザー関連では18年度に 34件の特許を出願公開している。欧米、アジアなど海外売上比率は6割近い。こ のところファイバーレーザーマシンの品ぞろえを拡充、通信機能を標準搭載して 迅速なサービス対応が可能な機器を増やしている。プレス部門では18年にオリイ メックを子会社化、20年4月にアマダプレスシステムに商号変更した。 アイダエンジニアリングの22年3月期の売上高は624億円。サーボプレスを中 心としたプレス機械に特化し、17年3月期の売上高では独シューラーに次ぐ世界 2位のプレスメーカー。世界19カ国38拠点に展開、5カ国に生産工場を持ち、 22年3月期で日本以外での売上比率は4割超まで増えてきた。自動車部品では骨 格、サイドパネル、ステアリング、ラジエーター、足回りなど多様な部品に対応 するプレス機を取りそろえる。駆動用モーター部品製造用の高速プレス機に力を 入れている。 日本電産シンポがM&Aで急成長 コマツは産業機械事業をコマツ産機とコマツ金沢工場の連携で展開する。コマ ツ産機の2021年3月期の売上高は500億円。1994年にコマツから分離独立、プレ ス機械は小型からボンネットやサイドパネル製作用の大型まで取りそろえ、プレ スブレーキやレーザー加工機、プラズマ加工機など板金機械も扱う。 エイチアンドエフの2022年3月期の売上高は145億円。1964年に日立造船の系 列に入り、73年に3次元トランスファープレスを世界に先駆けて開発して各国企 業に納入。2006年に株式公開したが、17年に日立造船の完全子会社となる。公 開時の17年にホンダに2300トンのサーボプレスなど4台のプレスラインを納入 したとのプレスリリースを出した。サーボプレスとトランスファープレスなどの 大型プレスが主力だ。プレス機械のほか、トランスファープレスの関連機器の ディスタックフィーダなどFAシステム製品も手掛ける。海外で製品を設置する 際の据え付けや設備の更新・保全をリモートで実施する。新型コロナウイルスの 影響で渡航が困難になった20年に導入しており、課題を1年程度かけて改善。コ ロナ後も定着させ、業務効率化や納期短縮につなげる。 住友重機械工業は、子会社だった住友重機械テクノフォートの社長が、業界団 体の日本鍛圧機械工業会の会長を務めたこともある。13年に住友重機械テクノ フォートを吸収合併して、現在は産業用タービン・ポンプや加速器、医療機械器 具、運搬荷役機械などとともに産業機械部門の一角。インダストリアルマシナ リー部門の22年3月期の売上高は2306億円だった。自動車エンジンなど高強度、 高剛性で複雑な形状の部品製造に対応した鍛造プレスを広く品ぞろえする。 日本電産シンポの22年3月期の売上高は908億円で、日本以外が大半を占める。 プレス事業と減速機事業が2本柱。シンポ工業が1960年に株式公開、95年に日 本電産グループ入り。2012年に日本電産キョーリを吸収合併し、北米最大の総合 プレス機メーカーのミンスターも買収、15年にスペインのアリサ買収などでプレ ス事業を急拡大。最大2500トンまでの大型トランスファープレスやサーボプレス、 製缶プレス、小型高速精密プレスなどを扱う。
  • 11. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 11 競合環境の概観 競合環境 サーボプレス、ジャノメなど幅広い企業が手がける 加圧部の速度や加圧回数を柔軟に設定できるサーボプレスは、高張力鋼板(ハ イテン)やアルミニウム合金などサーボ機構のないプレス機では加工が難しい素 材に対応でき、プレス系機械のサーボ比率は約3割を占める。日本鍛圧機械工業 会の会員企業では大手のほか、ジャノメ(旧蛇の目ミシン工業)などが商品を提供 する。アイダエンジニアリングはサーボプレスの核部品であるサーボモーターも 自社開発。汎用の小型機から自動車車体や骨格部品に対応する大型機まで幅広く そろえる。 アマダのプレス部門の子会社アマダプレスシステムは2021年4月、デジタル電 動サーボプレスの新製品を発表した。加圧能力6000キロニュートンで高張力鋼板 の加工にも対応、3基のサーボモーターを搭載、新フレーム構造採用により組み 立てに要する天井高を9メートルと低くしたことで導入しやすくした。9月には 順送プレス加工自動化システムを発売した。プレスマシンとレベラフィーダ(ひ ずみ矯正装置にロールの回転・摩擦力で送り出す機能を一体化した装置)の操作 盤・制御を一体化して作業性を向上させた。 ジャノメはミシンで培った技術を使い、産業機器部門として卓上ロボットや直 交ロボットなどとともにサーボプレスを取り扱い、ミシンに次ぐ事業の柱に据え る。22年3月期の産業機器部門の売上高は57億円だった。 複数工程をこなすトランスファープレスを扱う旭精機工業は、薄板から底付き 容器などを作る深絞り加工用プレスに強みを持つ。22年3月期の売上高は129億 円。リチウムイオン電池缶製造用プレスの需要が回復し、プレス機械部門の売上 高は前期比+28.4%の46億円だった。 鍛造プレス機、冷間はサーボ大手企業が品ぞろえ豊富 熱間 は住友重機械工業や栗本鉄工所、三菱長崎機工 冷間鍛造機械プレスはアイダエンジニアリング、エイチアンドエフ、コマツ産 機などが手掛ける。エイチアンドエフの鍛造プレスはトップドライブナックル機 構を採用したもので、製品精度を必要とするアルミ材の温間鍛造加工に向くとい う。コマツ産機は、トランスファー対応機種、切削・研磨などの仕上げ後加工を する必要のないほどの精度で仕上げるネットシェイプ加工対応機種、世界初をう たう冷間鍛造用サーボプレスの3機種をそろえる。アイダエンジニアリングはト ランスファー対応機種を含め加圧能力2500~2万キロニュートンまでの4機種を そろえる。 熱間鍛造機械プレスは住友重機械工業、栗本鉄工所、三菱製鋼の子会社である 三菱長崎機工(長崎市)などが手掛ける。住友重機械工業は冷間、熱間双方に対応 するサーボ機種、クランクシャフトや大型自動車部品に対応する機種などを品ぞ ろえする。パイプシステム事業が主力の栗本鉄工所は熱間・温間対応の機械式だ けでなく油圧式を展開。三菱長崎機工は加圧能力1万~13万キロニュートンの自 由鍛造プレスを品ぞろえする。1組以上の雄ネジと雌ネジをフレーム内で回転さ せ、加圧力を発生させるスクリュープレスでは榎本機工(神奈川県相模原市)が熱 間鍛造用スクリュープレス(200~2万キロニュートン)、サーボモータースク リュープレス(1500~2万キロニュートン)を展開。阪村機械製作所(京都府久御山 町)は切断工程もまかなう横型プレスのフォーマーの競争力が高い。森鉄工(佐賀 県鹿島市)は断面精度の高いファインブランキングプレスで高いシェアを持つ。 油圧鍛造プレスは、油圧式プレス機を幅広く展開するアミノ、小島鉄工所、ア サイ産業(石川県能美市)などが手掛ける。エヌエスシー(東京・大田)や大谷機械 製作所(大阪市)はハンマー鍛造機を扱う。金型を使った板金系機械では、金属板 の曲げ専用機器のプレスブレーキ、数十種類の金型を使って抜きや成形加工を行 うパンチングプレスなどは、最大手のアマダのほかコマツ産機や小島鉄工所など プレス系企業でも多く扱う。コマツ産機では2020年4月には液圧サーボプレスブ レーキの重量物の曲げ加工の補助装置も発売した。
  • 12. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 12 競合環境の概観 競合環境 UBE、ダイカストマシン・押出プレスで首位確立目指す 鋳造装置はUBE(旧宇部興産)、新東工業、芝浦機械、東洋機械金属が大手で、 射出成形機などとともに手掛ける企業が目立つ。 宇部興産は子会社のUBEマシナリー(旧宇部興産機械、山口県宇部市)で機械 事業を統括するとともにダイカストマシン、押出プレス、射出成形機などを扱う。 2012年に東洋機械金属とダイカストマシンの生産で提携し、14年に出資してい る。17年には三菱重工業子会社の三菱重工プラスチックテクノロジーに85%出資 し、U-MHIプラテックとして営業開始。射出成形機事業を統合し、油圧式ダイカ スト、一般的なダイカストより高圧を加え鍛造品に近い品質を確保しやすいスク イズキャスティングマシン、全電動ダイカストマシン、アルミ用や銅用の直接単 動押出プレスなどを手掛ける。U-MHIプラテックをUBEマシナリーの完全子会 社とした後、20年8月に合併した。 UBEの22年3月期の機械事業の売上高は前期比+20.4%の948億円、ダイカ スト・押出プレスでは自動車軽量化・電気自動車(EV)化ニーズに対応した製品 開発と市場開拓による利益拡大、射出成形ではグローバルでの事業一体運営と海 外拡販で安定収益確保を図る。将来は、ダイカスト・押出プレスで日本メーカー のトップを確立し、射出成形・大型機市場で世界のトップ5を目指すとしている。 UBEマシナリーが7%出資する東洋機械金属の22年3月期の売上高は射出成 形機が同+32.4%の259億円、ダイカストマシンが同+38.9%の73億円。売上高 の3割は自動車関連だが、IT(情報技術)関連、生活関連、医療関連など顧客層 は幅広く、海外売上高比率は8割に達する。ダイカストは電動サーボ、射出から 押し出しまですべての動作が自動の完全電動サーボ、油圧式をそろえる。21年4 月に発表した中期経営計画では25年度の売上高350億円、営業利益率6%を目標 とした。ダイカストではEV関連市場への対応と環境対応・高機能製品の投入に よる各市場への本格参入、メガサプライヤーへの納入拡大を目指し、高付加価値 のダウンサイジング機や超大型機、周辺機器の開発に力を入れる。 新東工業、鋳造設備のトータルエンジニアリングに強み 新東工業は、売上高では表面加工部門より少ないが、自動車、工作機械などの 鋳造設備のトータルエンジニアリングに強みを持つ。アルミホイールなどの自動 車部品、船舶用のエンジンブロックなど大型製品製造機まで対応する鋳造分野の 2021年3月期の売上高は前期比+33.3%の340億円。生型造型機から生型砂処理 設備、砂再生冷却設備、溶湯搬送設備、薄肉で大型の鋳物製造に向いたVプロセ ス自動鋳造設備など鋳造プラントを提供。リモート監視機能を使ったアフター サービスにも力を入れる。 20年4月に東芝機械から社名変更した芝浦機械の21年3月期の射出成形機やダ イカストマシンなど成形機事業の売上高は同+17.5%の755億円。23年4月まで に神奈川県にあったダイカストマシン、射出成形機部門を押出成形機・鋳物部門 などがある静岡県の沼津に集約し成形機事業を強化する。標準油圧機の国内生産 は撤退・縮小し、海外では地産地消を拡大。ダイカスト、射出成形機の工場をイ ンドでは増設し油圧式と射出機を集約、小型ダイカストは中国とタイに集約する。 ダイカストではマグネシウム合金に対応した機種も品ぞろえする。 五十鈴製作所(名古屋市)はシリンダーヘッドなど自動車エンジン部品やアルミ ホイールをつくる低圧鋳造機で国内トップクラスのシェアを持ち、16年に生産累 計900台を達成した。砂型低圧鋳造、重力鋳造、遠心鋳造、超精密鋳造、大規模 プラントから個別周辺装置まで幅広い鋳造設備に対応する。
  • 13. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 13 競合環境 業界地図 出資 エイチアンドエフ 日本電産シンポ 栗本鉄工所 三菱長崎機工 小島鉄工所 アミノ アサイ産業 榎本機工 阪村機械製作所 芝浦機械 新東工業 エヌエスシー 大谷機械製作所 コマツ 日立造船 日本電産 三菱製鋼 UBE 金属プレス総合大手 油圧プレス 熱間鍛造機械プレス 鍛造用スクリュープレス 横型プレス 鋳造機械・ダイカスト ハンマー鍛造機 アイダエンジニアリング アマダ 住友重機械工業 コマツ産機 UBEマシナリー 東洋機械金属
  • 14. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 14 主要プレーヤーの動向 競合環境 アマダ、板金で国内シェア7割 プレス事業は協調制御シス テムを提案 <沿革とグループ内における位置づけ> 1946年、東京・豊島で創業。53年に株式会社に改組、国産1号機となる万能 金切帯鋸盤の製造販売に着手した。61年東京証券取引所第2部銘柄に上場(現在 は東証プライム)。64年にアマダに商号を変更。71年米国シアトルに現地法人設 立。73年園池製作所の株式49.4%を取得し、同社の経営権の委譲を受け帯鋸盤 (横型汎用機)及び金型(板金用)の製造を委託。2001年中国に現地法人を設立した。 15年アマダホールディングスを設立。18年オリイメックの全株式を取得。20年 4月アマダホールディングスがアマダを合併し、社名をアマダに変更した。 <売り上げ規模> 22年3月期(連結決算、国際会計基準)の売上収益は3126億円(前期比+24.8%)、 営業利益は385億円(同+44.3%)。プレス部門の売上収益は159億円(同+12.3%)。 主力の自動車産業界で、半導体などの供給制約により設備投資意欲の停滞感がみ られたが、環境機器など家電関連向けの販売が好調で増収だった。23年3月期は 売上高は前期比+8.7%の3400億円、営業利益は同+19.4%の460億円を見込む。 <企業・事業戦略> 板金加工機械では国内シェア約7割を持ち、微細溶接、切削、プレス、研削盤 などを展開する。レーザ光線で板金に穴あけ、切断を行うファイバーレーザーマ シンの品ぞろえを拡充。機器だけでなくソフト契約も付帯して遠隔で機器を常時 監視し障害が発生しないように事前の調整作業、部品交換などを提案するビジネ スモデルを展開する。米国で切削メーカーを買収、インドネシアやUAEなどで 現地法人を設立するなど海外事業も拡充して、22年3月期では売上収益は日本事 業1269億円(前期比+12.5%)、海外は1857億円(同+35.0%)。プレス事業は18年 に買収したオリイメックに承継、自動車部品の加工ライン向けなどに複数の小型 プレス機と搬送ロボットをつなげて協調制御を行うシステムを提案する。 アイダエンジニアリング、モーター部品対応の高速プレス・ ハイテン材対応の高速サーボプレスを強化 <沿革とグループ内における位置づけ> 1917年、会田陽啓氏が東京・墨田にプレス機械製造を業とする個人経営の会田 鉄工所を創業し、37年株式会社に改組。56年国産第1号機の200トン高速自動プ レスを完成。62年に東京証券取引所第2部に上場(現在は東証プライム)。70年商 号をアイダエンジニアリングに変更。72年米国に現地法人設立。95年米国、マ レーシアに生産拠点を設立。2002年世界初のダイレクト駆動式サーボプレスを完 成した。 <売り上げ規模> 22年3月期(連結決算)の売上高は624億円(前期比+7.5%)、営業利益は25億円 (同-32.7%)。新型コロナウイルスの感染拡大による低迷から回復するなか、自 動車業界などの設備投資増や電気自動車関連の堅調な需要に支えられ大幅な増収 になった。利益面では原材料費の高騰や物流の混乱、研究開発費の増加などによ り引き続き減益となった。23年3月期は売上高は前期比+15.3%の720億円、営 業利益は同+119.5%の55億円を見込む。 <企業・事業戦略> 主力の自動車部品向けではステアリング、骨格、ラジエーター、足回りなどに 対応して小型汎用から大型専用までの幅広いプレス機を品ぞろえする。電動車の モーター部品用に対応した高速プレス機、高張力鋼板(ハイテン)やアルミニウム 材加工に対応した高速サーボプレスに力を入れる。サーボモーターは自社開発し ており、世界5カ国に生産拠点を持つ。20年8月に23年3月期までの中期経営計 画を発表した。CASE(つながる車、自動運転、シェアリング、電動化)の流れ、 生産現場の自動化・デジタル化加速、生産の新興国シフトなどに対応し、強みで あるサーボ技術、高速精密技術、素材対応技術を一段と強化する。21年5月、数 値目標を修正し、21年3月期に342億円だったプレス事業の売上高は23年3月期 には390億円を計画する。
  • 15. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 15 主要プレーヤーの動向 競合環境 芝浦機械、ダイカストマシンはインド工場を増設 自動車部 品の大型薄肉化への対応急ぐ <沿革とグループ内における位置づけ> 1938年、芝浦製作所(現、東芝)出資で芝浦工作機械創立。39年強力大型工作機 械の製作を開始。49年に企業再建整備法に基づき各工場ごとに独立会社として発 足、沼津工場を母体とした芝浦機械製作所を設立し、同年東京証券取引所に上場 (現在は東証プライム)。61年芝浦工機と合併、社名を東芝機械に変更。74年東芝 機械ダイカストエンジニアリング設立(ダイカストマシンのサービス部門独立)。 78年にシンガポールに現地法人設立。2017年東芝保有の株式を買い取り、東芝 グループから離脱。20年持分法適用会社ニューフレアテクノロジーの全株式を東 芝デバイス&ストレージへ譲渡、同年4月商号を芝浦機械へ変更した。 <売り上げ規模> 22年3月期(連結決算)の売上高は1077億円(前期比+16.3%)、営業利益は42億 円(同+1009.5%)。射出成形機や押出成形機、ダイカストマシンなど成形機事業 の売上高は同+17.5%の755億円、営業利益は同+218.2%の36億円。押出成形機 については電気自動車(EV)関連の設備投資の拡大にともない、中国のリチウム イオン電池向けセパレータフィルム製造装置の販売が増加した。工作機械事業は 売上高が同+13.0%の235億円、営業損益が700万円の黒字(前期は8億2800万円 の赤字)だった。23年3月期は売上高は前期比+11.3%の1200億円、営業利益は 同+41.6%の60億円を見込む。 <企業・事業戦略> 20年2月発表の経営改革プランでは23年度に売上高1350億円、営業利益率 8%を目指し、総額で300億円を投資する。カンパニー制を採用、生産本部を創 設しグローバル生産拠点を統括する。成形機カンパニーでは、再生可能エネル ギー向けフィルム、新素材への対応、自動車のEV化や軽量化に必要な大型薄肉 部品への対応、5G普及に係る基地局のアルミ筐体や機器基盤向けベースフィル ムに対応する。射出成形機・ダイカストマシンではインド工場を増設する。 鋳造プラントの新東工業、2024年3月に顧客数3万2500 社・営業利益率8%を目指す <沿革とグループ内における位置づけ> 1934年、名古屋市に久保田製作所を設立。51年に日本初の鋳造プラントが完 成、54年名古屋証券取引所に上場した。60年新東工業に社名変更。63年に米ホ イールアブレーターとの合弁会社、新東ブレーターを設立(2009年4月に吸収合 併)。1970年鋳鉄の金型鋳造法に関してソ連と技術提携。72年、薄肉で大型の鋳 物製造に向いたVプロセス自動鋳造装置を開発した。79年静圧造型機(APS型、 FBS型)を開発。83年、銅合金の金型を開発した。 <売り上げ規模> 2022年3月期(連結決算)の売上高は992億円(前期比+20.2%)、営業利益は26 億円(同+51.7%)で、うち鋳造分野の売上高は同+33.3%%の340億円、営業損益 は1700万円の赤字(前期は10億7900万円の赤字)。大型プラント案件が堅調に推移 した。利益は原材料やエネルギーの価格上昇に圧迫されたが、増収によって赤字 幅を縮小した。23年3月期は売上高は前期比+4.8%の1040億円、営業利益は同 +65.0%の43億円を見込む。 <企業・事業戦略> 自動車、工作機械、建設機械などの鋳物部品を製造するための鋳造プラントで 世界首位で、投射材を使いバリ取りやサビ落としなどをする表面加工でも日本首 位。メキシコ、ブラジル、中国や東南アジアなど17カ国に拠点を展開。リモート 監視による維持・補修などアフター市場の拡大に力を入れ、アフター拠点も世界 16カ国に持つ。鋳造分野ではインド、中国を中心に安定成長を見込む。コンベア やリフトなど搬送分野製品のほか、パワー半導体向けの検査装置、車載用2次電 池製造工程向けの精密プレス機なども手掛ける。23年度までの中期経営計画では、 顧客数を21年4月の3万社から24年3月に3万2500社に増やし、営業利益率 8%以上を目指す。
  • 16. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 16 主要プレーヤー一覧 競合環境 企業名 決算期 会計 基準 売上高 (百万円) 当期純利益 (百万円) 売上高営 業利益率 (%) 売上高 増加率 (%) 期末 従業員数 時価総額 (百万円) PER (倍) EV/EBIT DA倍率 (倍) 住友重機械工業 2022年3月 連結 943,979 44,053 6.96 11.18 24,584 338,482 7.66 3.94 UBE 2022年3月 連結 655,265 24,500 6.72 6.74 9,849 203,161 7.58 4.65 アマダ 2022年3月 連結 312,658 27,769 12.33 24.84 8,774 370,248 12.91 4.74 芝浦機械 2022年3月 連結 107,777 3,725 3.93 16.35 3,049 85,225 18.44 10.55 栗本鐵工所 2022年3月 連結 105,954 2,917 3.94 -9.13 2,120 21,154 6.76 3.41 新東工業 2022年3月 連結 99,247 2,835 2.63 20.24 4,042 37,388 12.65 2.32 アイダエンジニアリ ング 2022年3月 連結 62,466 896 4.01 7.52 2,057 58,059 55.70 9.44 東洋機械金属 2022年3月 連結 33,273 1,276 5.29 33.79 778 11,552 8.98 2.94 ※時価総額・PERについては2022年10月24日時点の値を使用
  • 17. 金属プレス・鋳造機械 Nikkei Inc. No reproduction without permission. 17 本資料に掲載された情報は、信頼できると思われる情報源から、本資料の作成時点までに入手された各種情報・データに基づくものですが、その正確性及び完全性に 関して、日本経済新聞社(以下、日経)、情報提供者は、一切の責任を負うものではありません。本資料の利用によって生じた直接的・間接的な損害については、その内 容・態様を問わず、日経および情報提供者は、一切の責任を負うものではありません。本資料の情報は、有価証券への投資その他の取引の勧誘を目的としたものではな く、また、有価証券の価値等または金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に関する助言を行うことを目的としたものでもありません。本資料のいかなる部分につい ても、一切の権利は、日経および情報提供者に帰属しており、方法の如何、有償無償を問わず、無断で第三者へ複製物を提供したり、転送等を行ったりしないようにお 願いいたします。 本資料について