1. 若手アトツギ向け
アイデア創造基礎講座
2021年12月6日
中本 卓利（Nakamoto Takuto）
一般社団法人ベンチャー型事業承継 エヴァンジェリスト

2. はじめに

3. 前提1
本スライドはゼロからイチを生み出す起業家の事業アイデアではなく、家業の
経営資源を活かした事業アイデアを生み出す方法論に関して書き記すも
のである。
ゼロからイチを
生み出す起業アイデア
家業の経営資源を
活かした事業アイデア

4. 前提2
アイデア創造の方法論は世の中に数多あるものの、本スライドではアトツギ
と家業の掛け合わせを前提にしたモノに限り紹介を行う。
アトツギ 家業 アイデア創造

5. 前提3
アイデア創造のプロセスは発散と収束に分けられる。本スライドが扱う発散の
段階では気軽に取り組み、出来る限り広く浅く候補を出すことがポイントだ。
また自分一人で煮詰まってしまった時には他の人を頼って進めていこう。
? !
発散 収束

6. 前提4
生み出されるアイデアはあくまでも仮説のため、事業化に向け検証のプロ
セスが必要となる。素晴らしいアイデアだと信じ込み、即時に多大なリソー
ス（ヒトやモノやカネや時間）を投じることがないよう心掛けよう。
アイデアから事業へ アイデアから検証へ

7. 前提5
検証のプロセスについては下記に整理しているため、本スライドでアイデ
アを生み出した後は是非にご参考いただければ幸いだ。
https://www.slideshare.net/TakutoNakamoto/ss-250764064/

8. スライドの進め方
以上の前提に基づき、本スライドは以下のように進める。
資源起点
アイデア発想法
信念起点
アイデア発想法
1 2
課題起点
アイデア発想法
3
アトツギ自身の資源と家業の
資源を掛け合わせてアイデアを
生み出す方法について説明す
る。
アトツギ自身が持つ信念と家
業の資源を掛け合わせてアイ
デアを生み出す方法について
説明する。
アトツギ自身が接する課題と家
業の資源を掛け合わせてアイ
デアを生み出す方法について
説明する。

9. 資源起点
アイデア発想法
1

10. 若手アトツギが
陥りやすいミス①
家業の資源だけから
アイデアを考える

11. 若手アトツギが
心掛けるべきこと①
自身の資源も活かし
アイデアを考える

12. 資源起点アイデア発想法
資源起点アイデア発想法とは、アトツギ自身の棚卸から資源を発見し、そ
れを家業の資源と掛け合わせることでアイデアを生み出す方法である。
自身の棚卸 家業の棚卸 資源の結合

13. 1.1 自身の棚卸とは
自身の棚卸とは、アトツギ自身を見つめ直し、知識や経験、培った能力や
特徴、そして繋がっている個人や組織を発見することである。
知識や経験 能力や特徴 個人や組織

14. 1.2 家業の棚卸とは
家業の棚卸とは、家業が保有する資源の価値を確かめることである。棚
卸方法の詳細は下記をご参考いただければ幸いだ。
https://www.slideshare.net/TakutoNakamoto/ss-250450155

15. 1.3 資源の結合とは
資源の結合とは、個人の強みと家業の強みを掛け合わせ、新しい事業の
可能性を探ることである。各々の資源の価値を組み合わせることで、簡単
に競合が真似できない参入障壁を築くことも可能となる。
個人の強み 家業の強み アイデア

16. 資源×家業資源のアイデア例
英国留学経験
学校立上支援
海外ネットワーク
育苗業
植物全般知識
国産品目管理
海外向け
日本式WEB
菜園スクール
資源 家業 アイデア創造

17. 整理
家業の経営資源を用いて何か出来ないか考えるだけでなく、アトツギ自身
が持っている資源と家業を組み合わせアイデアを生み出していこう。
自身の棚卸 家業の棚卸 資源の結合

18. 信念起点
アイデア発想法
2

19. 若手アトツギが
陥りやすいミス②
私情を挟んでは
新規事業は成り立たない

20. 若手アトツギが
心掛けるべきこと②
アトツギ自身の願いを
新規事業として体現する

21. 信念起点アイデア発想法
信念起点アイデア発想法とは、アトツギ自身の強い感情が伴った信念や
哲学と家業の資源を掛け合わせることでアイデアを生み出す方法である。
信念の発見 理想の表現 差分の解消

22. 2.1 信念の発見とは
信念の発見とは、アトツギ自身の人生を振り返って、譲ることが出来ない
想いや大切な価値観といった心の源泉を発見することである。
振り返り 心の源泉

23. 2.2 理想の表現とは
理想の表現とは、心の源泉を手掛かりに現実の世界を見つめ直し、アトツ
ギ自身にとって「こうあるべき」と考える理想の世界を描き出すことである。
心の源泉 現実の世界 理想の世界

24. 2.3 差分の解消とは
差分の解消とは、理想と現実との穴埋めに向け家業はどんな貢献が出
来るのか、という観点で新しい事業の可能性を探ることである。
理想の世界 現実の世界 家業の貢献

25. 信念×家業資源のアイデア例
どこでも
お祝いに
彩りを
食品OEM事業
真空包装機
業務用厨房
アウトドア用
パッケージ済み
フルコース料理
現実の世界 家業 アイデア創造
信念
アウトドアでは
手軽簡単な
料理が中心

26. 整理
自身の感情を事業に差し挟むことはマイナスではなくプラスである。思い描
いた理想に家業をどう活かせるかと考えアイデアを生み出していこう。
信念の発見 理想の表現 差分の解消

27. 課題起点
アイデア発想法
3

28. 若手アトツギが
陥りやすいミス③
自社の課題を起点に
アイデアを考案する

29. 若手アトツギが
心掛けるべきこと③
顧客の課題を起点に
アイデアを考案する

30. 課題起点アイデア発想法
課題起点アイデア発想法とは、アトツギが見聞きする顧客の痛みと家業
の資源を組み合わせることでアイデアを生み出す方法である。
課題の発掘 課題の選定 課題の解決

31. 3.1 課題の発掘とは
痛みの発掘とは、アトツギが接する顧客の観察や顧客との対話を通じ、
顧客が解決したいと願っている痛みを発見することである。
顧客の観察 顧客の痛み

32. 3.2 課題の選定とは
課題の選定とは、無数の痛みの中から解決に値するものを選ぶことであ
る。顧客が課題解決に対価を支払う意思があり、過去に解決に向け行動
を起こしたものの未解決、もしくは不十分で終わっているものが望ましい。
痛みの分析 未解決
対価 行動

33. 3.3 痛みの解決とは
痛みの解消とは、顧客の痛みを消し去るに当たり家業はどんな貢献がで
きるのか、という観点で新しい事業の可能性を探ることである。家業に縛
られず解決策を考えた後、家業がどう関われるかを考えるのが望ましい。
顧客の痛み 家業の貢献 痛みの解消

34. 課題×家業資源のアイデア例
料理愛好家が
料理撮影時に
友人から食器を
借りることが手間
陶磁器製造事業
点数1,000種類
色彩形状豊富
料理撮影用
食器レンタル
サービス
課題 家業 アイデア創造

35. 補足
課題に関する理解を深めたい際は下記をご参考いただければ幸いだ。
https://www.slideshare.net/TakutoNakamoto/ss-244762788

36. 整理
顧客の課題についてからアイデアを考案するのではなく、自身が接する顧客
の生の声から課題を拾い上げ、その解決策としてアイデアを生み出してい
こう。
課題の発掘 課題の選定 課題の解決

37. まとめ
若手アトツギ向け
アイデア創造基礎講座

38. まとめ1
若手アトツギがアイデアを創造する上で外せない三つのポイント
①資源起点アイデア：自身の強みと家業の強みの掛け合わせ
②信念起点アイデア：理想と現実の差分を家業で埋め合わせ
③課題起点アイデア：発掘した顧客の痛みと家業の掛け合わせ
資源起点
アイデア発想法
信念起点
アイデア発想法
1
2
課題起点
アイデア発想法
3
自身の棚卸 家業の棚卸 資源の結合
課題の選定
課題の発掘 課題の解決
理想の表現
信念の発見 差分の解消
*各方法論に優劣はないため、上記全てに取り組みアイデアを生み出す力を磨いていこう

39. まとめ2
ここで生まれたアイデアは全て仮説に過ぎないからこそ、アイデアに惚れ込
んで即時に事業化するのではなく、仮説検証を一つずつ進めていこう。
https://www.slideshare.net/TakutoNakamoto/ss-250764064/

40. 付録 資源起点アイデア創造シート
No
個人資源 家業資源
資源起点
アイデア
知識
経験
能力
特徴
個人
組織
ヒト モノ 情報
個人資源と家業資源の
組み合わせ結果
1
2
3

41. 付録 信念起点アイデア創造シート
No
アトツギ信念 理想の世界
信念起点
アイデア
譲れない考えは？正しいと信じることは？
周りに流されない強い想いは？
信念が反映された理想の世界は？
こんな風になったらいいのにと思うことは？
理想の世界に至る
家業の貢献方法
1
2
3

42. 付録 課題起点アイデア創造シート
No
顧客課題 課題選定
課題起点
アイデア
誰が、どんな場面で、どんな理由で、
どんなことに痛みを覚えているのか？
対価を
支払う？
行動を
起こした？
不満は
まだある？
課題解決への
家業の貢献方法
1 Yes / No Yes / No Yes / No
2 Yes / No Yes / No Yes / No
3 Yes / No Yes / No Yes / No

43. 最後に

44. 若手アトツギが
陥りやすいミス④
アイデアは天から
舞い降りるものである

45. 若手アトツギが
心掛けるべきこと④
アイデアは自らの力で
生み出すものである