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ANOVA 君を使った
分散分析
広島大学 教育学研究科
学習心理学研究室 (D1)
山根 嵩史
お品 き書
 R で分散分析をしよう
  -ANOVA 君とは
  -ANOVA 君の入手・読み込み
  -ANOVA 君の使い方
  -ANOVA 君の引数 ( 多重比較 )
 ANOVA 君をもっと便利に
  -repAnova とは
  -repAnova の使い方
 所属:広島大学教育学研究科 学習心理学研究室
(D1)
 専門領域:記憶 / メタ記憶
 R 使用暦: 3 年弱
 Twitter :      @T_Yamane
自己紹介
なんで HSP で発表
を? 
…僕にも何がなんだか
気がついたら発表すること
に
なっていました。 
お品 き書
 R で分散分析をしよう
  -ANOVA 君とは
  -ANOVA 君の入手・読み込み
  -ANOVA 君の使い方
  -ANOVA 君の引数 ( 多重比較 )
 ANOVA 君をもっと便利に
  -repAnova とは
  -repAnova の使い方
一元配置の分散分析を行う  oneway.test 関数
高度な分析に対応した aov 関数, anova 関数
 ⇒ 出力がちょっと不親切
 ⇒ 多重比較までまとめてやってほしい
     R あるある
R で分散分析
井関龍太 先生 ( 理化学研究所 ) によって
 作成された,分散分析用の関数
R で分散分析をするならとりあえずこれで
OK
出力も美しい!
ANOVA とは君
 参加者間要因,参加者内要因,
  またはその両方を含む分散分析  # 何でもでき
る!
 単純主効果の検討,多重比較  # 一度でできる!
 効果量の算出  # 重要!!
 要するに,分散分析に必要なものはほとんど
 備わっています
ANOVA でできること君
 井関先生のホームページより最新版をダウンロード
 ※ 2013.05.07 時点では anovakun_433
 R のワーキングディレクトリに入れておきましょう
ANOVA を する君 入手
 source 関数で ANOVA 君を読み込み
※1 拡張子まで含めること
※2 いわゆるパッケージとは読み込み方が違うので注
意
ANOVA を み む君 読 込
  source(“anovakun_433.txt”)
 ANOVA 君の分析用にデータセットを作る
・参加者間要因は縦に,参加者内要因は横に並べる
  (ANOVA4 みたいなイメージ )
  例 ) 参加者間要因     参加者内要因
ANOVA の い データセット君 使 方①:
を る作
ID class
001 A 75
002 A 74
003 B 60
004 B 62
ID time1 time2
001 75 81
002 74 83
003 77 85
004 74 80
 2 要因以上の場合は入れ子状に
  例 ) 2 要因参加者間      2 要因参加者内計
画
ANOVA の い データセット君 使 方①:
を る作
ID class gender
001 A M 75
002 A M 74
003 A F 70
004 A F 71
005 B M 60
006 B M 62
007 B F 58
008 B F 58
time1 time2
ID test1 test2 test1 test2
001 75 80 81 85
002 74 79 83 88
003 77 80 85 87
004 74 82 80 83
 “分散分析の実行は anovakun” 関数
 “s” を挟んで左側に参加者間要因,右側に参加者内要因の文字
 その後に各要因の水準数を追記
 例 ) 3 要因参加者間計画
    > anovakun(data,”ABCs”,3,2,2,…)
   2 つの参加者間要因と 1 つの参加者内要因の混合計画
    > anovakun(data,”ABsC”,2,2,2,…)
ANOVA の い君 使 方②:関数 anovakun
  anovakun( データ,“ ”要因計画の型 …,各要因の水準数, )
 多重比較の指定
  デフォルトでは Shaffer の方法による多重比較を行う
   Holm の方法:
   Holland-Copenhaver の方法:
 
ANOVA の い オプションを君 使 方③:
う使
  anovakun( “ ”データ, 要因計画の型 ,各要因の水準数, holm=T)
  anovakun( “ ”データ, 要因計画の型 ,各要因の水準数, hc=T)
効果量の指定
  偏 η2 乗: peta=T  ,オメガ 2 乗: omega=T
  
球面性の検定
   Mauchly の球面性検定: mau=T
 などなど 詳しくは
ANOVA の い オプションを君 使 方③:
う使
ANOVA …君は非常に便利ですが
データセットを
作り直すのが
…面倒くさい
ID class gender time1 time2 time3 ・・・
001 B M 75 77 80
002 A F 62 65 70
003 A F 66 68 72
004 C F 71 70 72
005 A M 73 76 78
006 B M 59 61 65
・・・
こういう
…データから ID class
001 A 75
002 A 74
003 B 60
004 B 62
ID time1 time2
001 75 81
002 74 83
003 77 85
004 74 80
こういう subset を
作るのが面倒だ!
逆に考えるんだ
「整形しなくても分析
 できるようにすれば良
い」
と考えるんだ
repAnova のご紹介
十河 ( そごう ) 宏行 先生 ( 愛媛大学 ) によっ
て作成された ANOVA 君用のインター
フェース
ANOVA 君を構成する関数を使って,
 出力を更に見やすく
repAnova とは
 十河先生のホームページ
  からダウンロード
 読み込み方は ANOVA 君と同様 source 関数で
repAnova を み む入手,読 込
  source("repAnova.r")
 分散分析の実行は“ repAnova” 関数
 
 参加者の識別番号が入力された列を指定
repAnova の い使 方①:関数
repAnova
  repAnova( データ,“ ”参加者 “ ” “ ” “ ” …, 参加者間要因 , 参加者内要因 , 従属変数 , )
 分散分析の実行は“ repAnova” 関数
 
 参加者間要因変数が入力された列を指定
 参加者間要因が無い場合には NULL
 複数ある場合には   c(“○○” “, ××”)
repAnova の い使 方①:関数
repAnova
  repAnova( “ ”データ, 参加者 ,“ ”参加者間要因 “ ” “ ” …, 参加者内要因 , 従属変数 , )
 分散分析の実行は“ repAnova” 関数
 
 参加者内要因変数が入力された列を指定
 無い場合には NULL
 
repAnova の い使 方①:関数
repAnova
  repAnova( “ ” “ ”データ, 参加者 , 参加者間要因 ,“ ”参加者内要因 “ ” …, 従属変数 , )
 分散分析の実行は“ repAnova” 関数
 
 比較する数値が入力された列名を指定
repAnova の い使 方①:関数
repAnova
  repAnova( “ ” “ ” “ ”データ, 参加者 , 参加者間要因 , 参加者内要因 ,“ ”従属変数 …, )
実行例
time1 について
class(3) と gender(2) で
2 要因参加者間の
分散分析
ID class gender time1 time2 time3 ・・・
001 B M 75 77 80
002 A F 62 65 70
003 A F 66 68 72
004 C F 71 70 72
005 A M 73 76 78
006 B M 59 61 65
・・・
  repAnova( データ ,“ID”, c(“class”,“gender”), NULL, “time1”)
 データ整形不要!  #repAnova の凄いポイント①
 repAnova は HTML ファイル
で出力される
 ANOVA 君では“ A” ,“ a1”
  だった要因名,水準名が
  分かりやすく!
   #repAnova の凄いポイン
ト②
repAnova の い使 方②:出
力
 データ整形をしなくても,入力したままの状態か
ら分散分析ができる!
 こんな状態にならなくて済む →
repAnova を えば使 …
参考にした HP
ー fin -
井関龍太のページ
(http://www11.atpages.jp/~riseki/pukiwikiplus/index.php)
十河研究室 HP
(http://www.s12600.net/psy/index.html)

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