kosenconf_Tsukuba_sciences_slide
- 2. 諸注意
• このスライドはつくば理学カンファレンスで発
表に使用したものをWebで公開するために改
良したものです。
• あっさり派のあなたはこのスライドをなんとな
く眺め、こってり派のあなたはプロシーディン
グと紙と鉛筆を持ってどうぞ。
• 補足のページは飛ばしても構いません。
• 疑問・質問・意見・誤植等ありましたら、
Twitter:@yuki_mathkまで
- 5. 数学的準備 ~集合~
集合:”もの”の集まり
何も含まない空集合 も集合
元:集合に含まれる”もの”
たとえば
{りんご, みかん, もも} とか {α, β, γ, δ, ε, θ, η}が集合で
”りんご”とか”みかん”とか”β”が元
元がたくさん(無限に)あるときの表しかた
{ a | aは正の偶数} = {2, 4, 6, …} 「|の後ろが条件」
いくつかのものの組合せが元になることも
{ (a, b) | a, b ∈ {0, 1} } = { (0, 0), (0, 1), (1, 0), (1, 1) }
ここまでは簡単だよね。
- 9. 補足:数学的準備 ~同値類と商集合~
同値関係:次の条件を満たす関係~
① ② ③
例: 整数 で が3の倍数
同値類:同値関係を満たすものを集めたもの
上の例: {0, 3, 6, …}, {1, 4, 7, …}, {2, 5, 8, …}
代表元:各同値類から一つずつ適当に選んだ元
商集合:同値類から代表元を集めて新しく作った集合
上の例:
↑こういう記号であらわす
- 12. 線型代数の効能1:連立1次方程式の解法
この(n+1)×n行列に基本変形
①ある行を定数倍
②ある行に別の行の定数倍を加える
③ある行と別の行を入れ替え
を何回かして整理する
係数を成分とみた行列の基本変形で必ず解ける
(実際にはただの加減法)
結果はただ1つ, たくさん, 存在せず のどれか
次、いくよ
- 19. 線型写像とは ~行列のこと~
線型写像:
線型空間から別の線型空間への写像で
足し算と定数倍を保存する
行先の線形空間が元の線形空間と同じ時は線型変換という
おおざっぱに言えば, 線型写像とは行列を掛けること
ベクトルに左から行列を掛けると別のベクトルになる
掛けてから足すのと、足してから掛けるのが等しい
掛けてからスカラー倍と、スカラー倍してから掛けるのが等しい
なるほどね~
- 22. 線型写像の例
↓ 3次元
線型写像の例
線型写像とは行列を左から掛けること
像空間
←2次元
核空間
←1次元
次元定理の通り像と核の次元の和が元の空間の次元になっている!
なるほどね~
- 25. 対角化の計算方法
次のページの例を参照!
①固有値を計算する
0以外に を満たすxがあるには は正則でない
②固有ベクトルを計算する
①で求めたλを使って を満たすxを1つ求める
③対角化
固有ベクトルを並べてできた行列は正則で、これで挟むと対角化
④固有空間分解
線形空間は固有空間の直和になる
すなわち、②で計算した固有ベクトルが線型空間の基底になる
元の空間と行先の空間の基底を取り替えることで
基底を定数(固有値)倍するだけの線形写像になる
- 26. 対角化の計算例
①固有値の計算
②固有ベクトルの計算
③対角化の結果
④固有空間分解
計算してみよう!
- 28. ジョルダン標準形の計算方法
次のページの例を参照!
①固有値を計算する
対角化の時と同じ 重根が出てくることに注意
②固有ベクトルを計算する
1次独立な固有ベクトルが重複度の数だけないときは
一般固有ベクトルとして を満たす1次独立なxを重複
度の数に足りるまでnを増やしてとる
③ジョルダン化
(一般)固有ベクトルを並べてできた行列は正則で、これで挟むとジョル
ダン化
④固有空間分解
線形空間は一般固有空間の直和になる
すなわち、②で計算した一般固有ベクトルが線型空間の基底になる
- 29. ジョルダン標準形の計算例
①固有値の計算
②(一般)固有ベクトルの計算
③ジョルダン標準形の結果
④(おまけ)一般固有空間分解
対角化とどこが違うかな?