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【PMIJ2012】被災地復興プロジェクトにおける社会的価値創出型マネジメントの実践r1.4
- 4. 講演者紹介
斉藤 学(さいとう まなぶ)
スカイライトコンサルティング株式会社 シニアマネージャー。
現在官公庁、民間企業に対するIT活用支援を実施。
近年はPMI日本支部において、大学院・大学等の教育機
関を対象としたプロジェクトマネジメント教育プログラムの推
進を行っている。
中小企業診断士、ITコーディネータ
PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)
北海道大学非常勤講師、神奈川県産業技術短期大学非
常勤講師、広島市立大学・広島修道大学非常勤講師、等
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- 5. 自身の社会貢献活動について
PMI日本支部 教育委員会(委員長) :PM教育
NPO法人ギフターラボ(理事) :発達障害児学習支援
PMI日本支部 復興支援プログラム :被災地支援
復興協働ネット(事務局) :被災地支援
NPO法人ラブギャザリング(申請中) :被災地支援
一般社団法人新興事業創出機構(理事) :被災地支援
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- 6. PMI日本支部 教育委員会について
産業界において活躍する実務者によるプロボラ活動として
プロジェクト形式で次世代人材に対する教育プログラムを提供
組織概要
•プロジェクトマネジメントの早期教
育ニーズに対応するべく設立。目
的創造から講座開発、講義実施ま
でを一貫して実施。
プログラム提供先
•北海道大学
•神奈川県産業技術短期大学校
•産業技術大学院大学
•神奈川総合産業高校、等
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- 8. 被災地(宮城県沿岸部)の現状
震災から1年経過したが、復興の春はまだまだ遠い
地域コミュニティの作り直し、生活インフラの再整備(最近は治安の
問題も出て来ている)。
現地では、格差の問題が出始めている。これは経済格差だけでなく、
精神的な格差、仮設団地間の支援格差などもある。
雇用の問題では、求人・求職のミスマッチの問題が大きい。実際、
現在石巻の求人倍率は0.7倍と震災前よりも高い。
失業手当の長期支給、支援馴れ、生業として長期的に続けられる
仕事の不足などが再就職を妨げていると言われている。
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- 11. 社会的価値創造に必要なこと
3つのプロジェクト
価値の明確化
自発性を最大限に Leadershipを支える
引き出すチーム設計 followershipの重視
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- 12. 【事例①】 白浜復興住宅建設プロジェクト
被災地における仮設住宅以外の住環境選択肢の提供と
職住近接による集落コミュニティの維持・再構築を目指す
【実施概要】
• 木造住宅による復興住宅建設・提供
【実施目的】
• 仮設住宅以外の住環境選択肢の提供
• 職住近接による集落コミュニティの維持・
再構築
• 三陸らしい住環境・地域社会の提案
【実施・運営主体】
• 工学院大学、芽組工務店、熊谷産業
• りあすの森
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- 13. 【事例①】 白浜復興住宅建設プロジェクト
約600万円といわれる仮設住宅に必要な建築・撤去費用を恒久的な住宅
の建築予算に充当するという新しい発想での復興住宅提供を目指すモデ
ルプロジェクト。
具体的には永住型木造住宅を約1,200万円で建築し、600万円を復興住
宅予算、200万円を被災者支援助成金として充当することにより、被災者
の実負担を400万円にするというもの。この400万円を賃貸物件として提供
し、回収するというモデル。
工学院大学125周年記念事業のひとつとして実施。現状では復興予算の
転用制度が未整備であることから、上記費用のうち、復興住宅予算部分
にあたる費用(600万円)をLIXIL(住生活グループ)が工学院大学に寄付
する形で拠出。
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- 14. ポイント①:プロジェクト価値の明確化
【現代のプロジェクトX】
”プロジェクトX”
=プロジェクトの社会的意義が明確
全員がプロジェクトの”Why?”を認識
=強いやる気、使命感を醸成
実行結果が目に見えてわかる
=地域の方が喜ぶ姿を間近で見れる
プロジェクトの”Why?”=3つの価値
自益 他益 公益
(=自社に対する価値) (=相手に対する価値) (=社会に対する価値)
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- 15. ポイント①:プロジェクト価値の明確化
自益 他益 公益
(=自社に対する価値) (=相手に対する価値) (=社会に対する価値)
• 新しいビジネスモデル • 被災者へ永住可能な住 • 地域社会の早期再生
の創出による事業拡大 居の早期提供 • 行政コストの圧縮
• 社会性の高い企業とし • 仮設住宅以外の住環境 • 地場企業採用による地
ての評価 選択肢の提供 域経済の早期再生
「何故(Why)そのプロジェクトをするのか?」を明確にすることは、
通常の企業プロジェクトでも重要な視点
【実践ポイント】 ステークホルダーとプロジェクトの3つの価値を共有する
対プロジェクトオーナー、対プロジェクトメンバー、対ベンダー、etc
上司から部下へ伝えていますか?/伝えられていますか?
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- 16. 【事例②】 亘理町グリーンベルトプロジェクト
【スローガン】
みんなで作る、
みんなの防潮林、
わたりグリーンベルトプロジェクト
【実施主体】
• わたりグリーンベルト
プロジェクト運営委員会
(http://www.watari-
grb.org/)
• 一般社団法人
ふらっとーほく(事務局)
(http://flatohoku.jp/)
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(わたりグリーンベルトプロジェクト・ホームページより転載)
- 17. 【事例②】 亘理町グリーンベルトプロジェクト
【活動の特徴】
亘理災害復興計画・復興未来プロジェクト「防潮林育成プロジェクト」
に基づき、「地域に根ざした100年後に残したい森」創造を目指す。
国・自治体が予定する再生計画を踏まえ、津波に負けずに生き残っ
た樹々から種を取り、丁寧に苗木を育て、新しい防潮林を市民のボ
ランティアの手で数10万本の植樹を実施することを計画。
【活動の方針】
町民参加の計画策定事業として新しい沿岸部のデザインを住民と計
画段階から練り上げるための「森づくりワークショップ」を実施。
グリーンツーリズム事業森創造事業として町外からも多くの企業、一
般ボランティアを動員し、亘理町の新たな観光資源の創出を目指す。
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- 19. ポイント②:ボランタリーチームの活用
ボランティア= ×無償の行為
→ ボランティアとは自発的に取り組む人
→ 参加するメリットがあることが大事(経済的、非経済的)
参加者の自発性を引き出すためのチーム設計
→ 小さな成功体験の積み重ねを体感できるミッション設定
→ タテよりヨコの繋がりを重視(指揮命令権よりも個々の繋がり)
→ 権威ではなく共感、コントロールではなくシェアリング
→ 結果責任よりもチャレンジを大切する
モチベーションマネジメントは通常の企業プロジェクトでも重要な視点
【実践ポイント】 メンバーの自発性を引き出す仕組みをつくる
ヨコのつながりを重視した、現場の自由度の高いチーム設計
小さな成果の見える化と、失敗を恐れずに挑戦できる環境づくり
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- 20. 【事例③】三陸海産再生プロジェクト
【実施主体】
• 一般社団法人 三陸海産
再生プロジェクト
(http://www.sanriku-
pj.org/
【実施目的】
• 生産者(漁師)・加工業者・
お客様を繋ぐ理想のコミュ
ニティを実現して、未来に
繋がる「夢と希望の水産
業」をつくる。
• 同時に活動を支えるサ
ポート会員を募集し、直接
的な繋がりを強化。
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- 21. 【事例③】三陸海産再生プロジェクト
【プロジェクトが目指すもの】
1. 津波で壊滅した水産業の復興の見本となる
2. 会員と直接繋がることで、分かち合い助け合う社会づくりの雛形となる
3. 地元の雇用を確保し、地元の経済を支える
4. 三陸の水産資源を有効活用し、日本の自給率向上に資する
5. お互いに支えあうインフラをつくる
【プロジェクト進行状況(2012年6月1日現在)】
会員数 : 約1900名
集まった金額 : 約5000万円
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- 26. JEBDAが目指すべき復興支援モデル
協働プロジェクト推進支援
ミッション型出向プログラム
・起業家支援
新規事業立ち上げ・推進
新規事業創出
起業家育成
NPO・企業の 広告・宣伝
協働プロジェクト 協働PJ (被災地支援)
スポンサー
(被災地支援目的)
プロボノ 寄付つき商品等
寄付 チャリティ
社会貢献活動 ボランティア (企業、社員) イベント
ボランティア・プロボノ 現地視察・協働
コーディネート/ツアー ワークショップ
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- 27. 2011年度実績
【ボランティア・プロボノコーディネート】
復興支援セミナー、ワークショップの実施(東京:各4回)
企業ボランティアツアーの企画、現地コーディネートの実施(計3回)
【現地視察&協働ワークショップ】
第1回:2011/9/11~ 9/13(仙台・石巻)
第2回:2011/10/22~10/24 (仙台・石巻・東松島)
第3回:2011/12/3~12/5(仙台・石巻・亘理・山元)
【協働プロジェクト推進支援/起業家支援】
民間主導型復興住宅建設プロジェクト推進支援(宮城県)
古民家再生プロジェクト立上げ支援(宮城県)
十三浜漁業復興プロジェクト推進支援(宮城県)
製造業:大手企業新規事業立ち上げ支援(東京)
製造業:復興関連事業計画支援(東京)
放送業:復興支援に関するNPOとの協業マッチング支援(東京)
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- 29. プログラムの実施イメージ
自社の復興ビジョンを描 被災企業 ミッションチーム
・販路拡大
き、計画に基づいて資金 (人材受け入れ) ・商品開発
調達、目標設定、チーム ・新規事業
編成を行います
プロフェショナル
リーダー人材の アドバイザー
派遣 (プロジェクト推進)
プロフェッショナル
後方支援チーム サポートチーム
プロフェショナル
アドバイザー
支援企業 (プロジェクトマッチング) JEBDA
(人材送り出し) (コーディネート&サポート)
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- 32. 本日のまとめ(2/2)
【国・自治体および民間企業の関わり方】
“何をなすべきか”ではなく“何を残すべきか”で評価する
(支援先の評価はアウトプットではなくアウトカムで行う)
プロジェクトの組成と実行を担う人材の提供・育成に協力する
(LeadershipとFollowershipの双方を実践できる人材)
被災地で不確実性の高いプロジェクトに挑戦する人材
のフォロアーとなる(人・モノ・カネ・ノウハウの提供・支援)
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- 33. 問合わせ先等
【問い合わせ先】
E-Mail : msaito@skylight.co.jp
【情報発信】
twitter : @Project_Jinzai
Facebook : 「プロジェクト活動を通じて明るい未来を創ろう!」
http://www.facebook.com/project.zinzai
: 「復興協働ネット」
http://www.facebook.com/kyodo.net
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