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2012年国際公共経済学会若手研究会シンポジウム資料

  1. なぜ民主党による 「新しい公共」は頓挫したのか? ― ― 利害と理念の対立関係からの再検討 201 2/03/1 7@ 国際公共経済学会若手研究会シンポジウム 東洋大学非常勤講師 西田亮介 ryos ukeni s hi d a@gmai l . com 1
  2. 第173回国会における 鳩山内閣総理大臣所信表明演説  私が目指したいのは、人と人が支え合い、役に立ち合う「新しい公共」の概念です。「新しい公共」 とは、人を支えるという役割を、「官」と言われる人たちだけが担うのではなく、教育や子育て、 街づくり、防犯や防災、医療や福祉などに地域でかかわっておられる方々一人ひとりにも参加して いただき、それを社会全体として応援しようという新しい価値観です。  国民生活の現場において、実は政治の役割は、それほど大きくないのかもしれません。政治ができる ことは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、 役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやっ て市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、二十一世紀の政治の役割だと私は考え ています。  新たな国づくりは、決して誰かに与えられるものではありません。政治や行政が予算を増やしさえす れば、すべての問題が解決するというものでもありません。国民一人ひとりが「自立と共生」の理 念を育み発展させてこそ、社会の「絆」を再生し、人と人との信頼関係を取り戻すことができるの です。  私は、国、地方、そして国民が一体となり、すべての人々が互いの存在をかけがえのないものだと感 じあえる日本を実現するために、また、一人ひとりが「居場所と出番」を見いだすことのできる 「支え合って生きていく日本」を実現するために、その先頭に立って、全力で取り組んでまいりま す。(注:下線、強調は引用者。) 2
  3. 鳩山内閣以後の 「新しい公共」の経緯 • 「新しい公共」円卓会議 • ( 第 1 回 201 0 年 1 月 27 日〜第 8 回 6 月 4 日) • 「新しい公共」推進会議(菅直人内閣) • ( 第 1 回 201 0 年 1 0 月 27 日〜第 7 回 201 1 年 7 月 20 日) • 201 1 年 3 月 1 1 日 東日本大震災 その後の復旧復興活動への活用 • 「新しい公共」推進会議(野田佳彦内閣) • ( 第 8 回 201 2 年 201 2 年 1 月 1 2 日〜?) • 民主党「新しい公共」調査会は政権交代とともに解散 3
  4. 問題意識 • 鳩山内閣以後の「新しい公共」は表明した/期待され たほどの成果をあげたか? • なぜ 鳩山内閣以後の「新しい公共」は 機能不全に 陥ったのか? 4
  5. 「新しい公共」の思想的背景 • 行政改革と新公共経営 • 福祉国家の見直しと小さな政府 • 土光臨調、橋本行革、小泉改革 • 社会民主主義 • 社会的包摂の拡大と補完性原理 • 阪神淡路大震災以後のボランティア、 NPO 重視 • 「第3の道」 • 市場原理を活用した社会問題解決 • 日本における社会起業家、ソーシャルビジネスの台頭 5
  6. 日本におけるこれまでの 「新しい公共」の歴史 • 2002 年 神奈川県大和市「大和市新しい公共を創造する市民活動推進条例」 • 2004 年 『平成 1 6 年度版国民生活白書― ― 人のつながりが変える暮らしと 地域-新しい「公共」への道』 • 2005 年 「分権型社会に対応した地方行政組織運営の刷新に関する研究会」 『分権型社会における自治体経営の刷新戦略』 • 市民と企業、行政の協働による「新しい公共空間」の創出 • 2008 年 『国土形成計画(全国計画)』 • 「新たな公」を基軸とする地域づくりのシステム • 2009 年 鳩山由紀夫内閣「新しい公共」 6
  7. 鳩山内閣以後の 「新しい公共」の成果 • 首相が所信表明演説において、平時にもかかわらず、「公共」の問題に踏 み込んだ言及を行ったこと。またそれらが平易な言葉で記述されたこと • 新寄付税制と NPO 法改正の実現 • PST の見直し等によって、十分機能していなかった認定 NPO 法人制度の拡充 • 「新しい公共」支援事業(平成 22 年補正予算額 87. 5 億円、平成 23 年度第 3 次補正予算 8. 7 億円)及び関連施策による当該分野に対する公共支出の増加 • 目的:「「新しい公共」の自立的な発展の促進のため」 • 市民セクターの環境改善/行政予算の圧縮 • 東日本大震災の復興支援 7
  8. 「新しい公共」 における問題の所在 • 「利害と理念の 2 つの対立」 • 利害の対立:「新しい公共」と「古い公共」 • 理念の対立:新自由主義的側面と社会民主主義的側面 • 「理念と施策の乖離」 • 政策の急造による結果的なバラマキ・・・新しい公共支援事業 • 一部の地方自治体では受け入れの準備期間が短く、既存の中間支援 組織に丸投げした • 「新規性」の喪失・・・休眠口座の活用や社会事業法人構想の断念 • 「継続意思の喪失」 • 政権交代による開催回数の激減と民主党内における地位の低下 8
  9. 「新しい公共」 を取り巻く緊張関係 新自由主義 ・行政改革 新公共経営 ・地方分権推進 ・新しい公共 理念の対立 ・古い公共 利害の対立 ・市民自治の拡大 市民主義 社会民主主義 ・社会的包摂の拡大 9
  10. 問題意識 • 鳩山内閣以後の「新しい公共」は表明した/期待されたほどの成 果をあげたか? • 鳩山内閣以後の「新しい公共」は表明した/期待されたほどの成果を挙げることはで きなかった • なぜ鳩山内閣以後の「新しい公共」 は機能不全に陥ったのか? • 「理念」の対立、「利害の対立」を解消するガバナンスを創造できなかった • 菅内閣以後は、理念が継承されなかったことによって、「新しい公共」の存在価値が不 明確になった • 結果、野田内閣になって、新しい公共/古い公共の線引きは不明瞭になり「古い政治」 に逆戻りした 10
  11. なぜ「対立」が生じたのか • 理念の喪失:小泉内閣以後、鳩山内閣以前は行政主導の「改革」 • よくも悪くも、鳩山内閣は「新しい公共」について「理念の政治」を志向 • (「国民のさらなる勝利に向けて」⇒ 「基本方針」⇒ 「第 1 73 回国会にお ける鳩山内閣総理大臣所信表明演説」) • 鳩山内閣以後、理念が継承されなかった結果、理念の対立、利害の対立が 解消困難に • 新しい公/私の範囲と担い手の決定には政治による意思決定が必要? • 行政改革と社会的包摂の非連動と新しい予算措置 • 「新しい公共」が広範な対象分野を有するものの、省庁横断の体制が不備 • 規制改革、行政改革、特殊法人改革等と連動しなかったため、法人格規制 といった参入障壁が温存された。 • 新たな予算と、その配分の調整過程における対立 11
  12. 次の「新しい公共」 に対する示唆 • 政治主導による「理念」の設定 • Publ i c / Pri vate の範囲を暫定的に規定? • ただし日本社会における「地方自治」「住民参加」は本質的な困難を抱えている。 • 理念に応じた政策、施策の一元化 • 既存の対立関係を乗り越えるガバナンスの創造 • 「新しさ」を明記し、行政改革、規制緩和等と連動しながら、省庁横断的に、担い 手、協働方法を設定。とくに法人格による障壁等を緩和? • イギリス:第 3 の道 ⇒ ビッグ・ソサエティ 12
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