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第 34号
■ ),'‐ 'ア ス :D`
ルデン‐イ
だ 御 t′ ィ
北海道スウェーデン協会
2013 4
本年 2月 、北海道IL身 の渡遠方樹駐 スウェー
デンロ本大使 を昨年に続いてお招 きし、最近の
スウェーデン情勢、そして「未来のために今 日
日本 とスウェーデンが出来 ることJと 題 してご
講演 をいただ きました。当初 ヴァリエ駐 ロス
ウェーデン大使閣下 との対談を予定 していまし
たが、大使のマーシャル諸島への公務出張のた
めやむな く変更 になった ものです。しか し、ツァ
リエ大使 は、ほぼ ―昼夜航空機 を乗 り継いで大
変厳 しい吹雪の本t幌 において下さり、短時間で
したが渡還大使 と日本 北海道 とスウェーデン
の11来 について語 られた ことに出席者一同大変
感銘 を受けました。その中で、大使 は2018年が
日瑞外交関係樹立150年 、その時に何か両国の関
係 を深化 させる企画をと、希望 と夢 を私 どもに
与 えて くださいました。あまり時F・lは あ りませ
んが、知恵を出 し合いたい と考 えます。
そして今年 はまた、北海道 スウェーデン協会
にとって一つの出が り角を迎 えます。それは、
これ まで中心 となってお働 き下 さつた東海大学
川崎―彦教授が、定年で札幌を離れてスウェー
デンに伝出 されることです。スウェーデンと北
海道 とのパイプ役 に一段のお働 きをいただける
とのことですが、一抹の不安 を覚えます。私 ご
とにな ります力ゞ、スウェーデンをはじめ とする
北欧 との出会いは、25年 niの 川崎先
`Lに
よるも
のです。 ノールウェイ・ トロムソ にで行われる
北方都市会議の下打 ら合わせの途上、ス トック
ホルムで先生 が セ ミナー │サ ッボ ロディinス
トックホルムJを企画 して くださいました。著
名な方々 にお集 まりいただいて、11川崎先生が「滋
賀県出身の私が、何故ス トクホルムから札幌に
移 りfrん だかJをお話 しにな り、 そして私が札
幌市を紹介させていただいた感激は今で も鮮明
な記憶となっています。その後たびたび北欧諸
国の地域 を訪れ社会福祉、産業振興、自然環境
及び芸術文化等多 く学ぶ ことができたことは、
私の人生にとって大 きな糧 とな りました。自夜
の紙面を借 りて感謝中 し上げます。
さて、北海道スウェーデン協会 は1978年 の倉1
立ですか ら、今年で3511の 年月を経過すること
になります。 これまで多 くの人々によつて有意
戦な歩みを続 けてきた ことに敬意を表 します。
地理的にも、自然 気候 も共通することの多い
北欧諸国、スウェーデンと姉妹都市提携 をして
いる自治体 もあり、また、札幌にはスウェーデ
ン名誉領事館、当別町には財団法人スウェーデ
ン交流センターが存 在しています。更 にlL方 圏
セ ンターか ら改称 した公益法人北海道国際交
流 協力総合センターが開伴する北方圏講座 な
ど、本年 もこれ ら関係団体 と連携を密にしなが
ら北海道民 とスウェーデンとの交流 を図つてい
くとともに、5年後の日瑞交流150年 に思いを馳
せて協議 してまい りたい と考えます。
く本協会会長〉
創立35年を迎える
北海道スウェーデン協会
杉 本 拓
-2-
北海道における私の四十 円林己(19882013)を
思い起 こしてみ ます と、以下 の ような 6つ の
キーワー ドが浮か7 ヵ,っ てきました。
北海道
Jヒ 欧
教育 (改 革)
■I「
不1他 性 (altruisnl)
多様性 (diversi吋 )
以下それぞれのキー7-ド についての想いを
簡 ■にご説明させて頂 きます。
(北 海道〉
私は北海道 とはもともと縁 もいか りもありま
せんで した。
しか し、 ジェ トロ (日 本デ易振興会)ス トッ
クホルム事務所動務時代 には、くJヒ 方日交流)に
注力 していたJ師道か ら●「 訪11者 が多 く、た と
えば本 協会の■谷和貝1さ んとは、NOREX(北方
圏経済交流協会)の lL部 スウェーデンミッショ
ン (1,s6■ )で お手伝いをさせて頂いて以来の
たつきあいです。
スウェーデンの生活が長かったの こ、 もう口
本の生活には民れない、と私 は思つていました。
そして東海大学の1し 幌キャンパ スに日本ilの 同
際文化学部 をつ くるので来ないか というお誘
いを頂 きました。札幌を 卜見に来た時の私の印
象は、「IL幌 は日本離れ けている。日本には住め
ないが、オし幌なら住めそうJと いうものでした。
この│「 象は今で も変わ りません。
そして1'88年 4月 に赴任 してか ら1ヒ 海道/札
幌に25年 F・l 四半世紀お世話にな りました。
私は65歳 ですが、一 カ所に住んでいた場所 と
しては│[幌 が最長です。期間だけではな く、内
容 もこれ までの人生 で最 も充実 した もので し
た。 これ もお会い出来た皆様のおかげと、心 よ
り感謝 してお ります。
(北 欧 〉
了ども2人力ゞス トックホルムにお り、14は 毎
■夏体み、冬休みなど1に 数回ス トックホルム
に行 き来する生活でした。
公スを兼ねてス トックホルム と札幌の 2ヶ lrl
で定点観測/・
していたことにな ります。定点観
測のメリッ トは、ス トックホ,レ ムに居 る時は日
本に居ては見えない点が、そして十日配に居る時
に
'ま
スツェーデンにいては見 えない点が見えて
くることでつ。
私が札 幌 に住 んでいた四十 四紀 はいわゆる
「失わ′tた 日本Jtl時期でしたが 逆 に北欧のさ
まざまな政策へ・「 注目度は世界的に高 まって―l
ています。た とえば、■ロェコノミス トの 2月
2口 号は「北欧一次のスーパー スターJの 人 き
な特集 をしました。
円界が北欧に注 日する理山を一 請でiL現 する
な ら、福││(分 配)l■済 (生産)― 持続可能性
聡 量)を 3つ すべて丁にしている、からで しょ
うか。
く教育 (改革)〉
私は過去]54は どは、北欧 とくにフィンラ
ン ドをしン トとす る創造性教育 の実践りF究 に
もっとも力 をLlい できました。
知業の現代 は、工業の時代 とは違 う教育 シス
テ′、が必′である、 との確信からです。
知業時代 に必要な能力は、11よ りも創造 円で
す。そしてクリエイテ ィブなアイデアを実行す
る能力 も大切です。 このような考え力か ら、私
はすべての授業 における学生の到注 日標 を倉1造
性 と自己効力感 (自 分で も出来 るという確信)
の 2点 に集約 してきました。
今日にある東海大学の付属枝園では知的財庁
教育 (創 造性教育+起業家精神教育)を 展開し
四半世紀の北海道
川 崎 彦
てきました。 とくに、付属四高 (札幌)でのT
藤優樹先生 とのコラボ、Fl属本日記念幼市園(伊
勢原)で の高橋功前日長 との さまざ まなプ ロ
ジェク トが強 く自J象 に残っています。本田記念
幼推回の回児がピックカサル ミ lJ推 固児 (ア ィ
ンラン ド バーサ)と 共同で制竹 したアニメは
フィンランドの国際映画祭で最優秀作品の一つ
に選ばれ ました。
近イ│は 参加型 の授業 に も力 を入 れて きまし
た。ファシリテーション、 ワークショップな ど
の参加型授業 を取 り入れることにより、創発、
シナジー、集合知の成果がみられ、学生の授業
評価か らみると、学びやモチベーションも確実
に高 よりました。
く幸せ〉
辛せは人類 にとって古 くか らのテーマです。
しか し20世紀後半か ら近年 とくにキせへの関
心が世界でi可 騰 してきています。
その背景 としては、手せのパラ ドックス (先
進国では所得や経済水準が上がっても4酒の満
足F_・ が上昇 しない現象)、 制度疲労の課題先進国
NIPPON、 2011イ トの東 日本人震災 と原発 事故
(311)、 などがあげられ ます。それ らに力」えて
欄 口人の関心 としては、デンマーク人など北欧
の幸福度が世界の トップにあること、北海道民
の幸福度、などがあります。
F■
体的には幸せについてOST(オ ープン ス
ペース テクノロジー、北 コーロッパ学会 ‐2012
年11月 、スウェーデン交流センター=2012年 5
月など)、 ワール ド カフェ、 自上映画会 (幸福
の経済学、happy)な どの幸せについて考 えるイ
ベ ン トを開催 し、参加者か ら│よ ■い評価 を頂 く
ことカヨ日米 ました。
く利他性 Jtru`m〉
『利他性の経済学』 輛 岡康雄、2006)は イン
パ クトのある著作で した。
ご―格 に北欧 をヒン トに北海道 において産業
クラスターづ くりを導入するお手伝いをさせて
頂いた戸田一人さん (元 北電社長、会長、道経
連会長)や秋 口喜イヽさん (元秋 1愛生館社長)
の強い「「 象が私の眼にrtき 付いているのは、自
分の会社の ことだけではな く、 より良い北海道
のことを常に考え、行動 されていた利他 性だか
らこそでしょう。
201011年 度 に私 は内閣府の予算 による北海
道における社会的企業の起業支援 ]ンペの委員
を仰せつか りました。この 2年間で123の 社会的
企業が誕生 しました。年齢、性刀1、 地域 に関係
な く、│1陰貢献をするために起業Jへ の関心の
高 さを実感 した事業で した。
学生の間で も社会貢献 に対する関心は確実に
高 まっています。
く多様性 dver●ty〉
倉J造 性は多様性か ら生 まれ ます。 日本社会や
若者 を見ていると、むしろ―様性の力 ●lに 逆行
している懸念があ ります。昭和初期の詩入金子
みす ゞは「みんなt・ がってみんないいJと 表現
しましたが、今 日の若者は「みんな同じでみん
ないいJな のか もしれ ません。
匹界最大の家貝チェーン イケアジャパ ンの
i「 員 (コ ワーカー)の同籍は30近 くもあるそう
です。多様性の中か らクリエイティブな発想 と
企業の活力が出ています。Martin ProsPσ ty
l‐ tituteの Cloba creativity ln“ xに よl■ │ざ ス
ウェーデンが世界一ク リエイティブ、 との結果
が出ています。
北海道におけるすばらしい四半 四紀 を提供 し
て下 さった皆様 との1也 会いに私 は大truに してい
る 剛 遁 (か いこつ)Jと いう言葉 を12・ わせて頂
きたいと思います。
め ぐり会いにあ りが とう
心からあ りが とうございました
そしてストックホルムにお越 しの時にはぜひ
お会いするのを楽 しみにしてお ります。VJ 参加者の気づ き 疑間点
komlllぃ I く気づ き〉
60秒 で無駄な言葉を使わないでIH手 に伝 える
く参考文献〉 ことの難 しさを学んだ。
川崎 ―彦「北海道 とJヒ 欧との交流および大学生 ディベー トの有用性
力を活用した教育プロジェクト②Jビ ョルク 〈最幸な国〉いい言葉です │ これからどんど
vol u7(20131) ん使おつと思います.
川崎―彦「幸せについてWhy,What?How7 +せ は自分の考えカーつで感じることが出来
HOPPOKEN vd]610012秋号) る。
'1喘
一彦「北海道における北欧との交流および 手せかどうかは自分の考え方次第。 とにかく
大学生力を活用 した教育プロジェク トの実践 笑っていれば、十せはやって来る。幸せは ヒ
研究報告J北 ヨーロッパ研究 vo1 8(2012) を見ても下を見てもきりがない。
1崎―彦「コープさっばるのCSR活 動への大き や りたいことを見つけた時の自分にI― ってみ
な期待Jコ ープきつにろCSRレ ポー ト2012 よう=幸せ
〈Jヒ 海道ス,ュ ーデン協会常任理事、東海大学名 幸福 とは多面的な意味を持っている。
誉教授〉 ■せといっても、過去のキせと現在の■せの
どちらを考えるのか ? 私は今の半せを書い
た。
川崎教授講演会「北欧の幸 日標を持つこと。何力ヽこツクフク興味を持つ
せ、日本の幸せ、北海道の幸 時間を持つ.振 り返 りをすること。
日本は環題先進国
せ、そして…」
横 I町 隆
く疑問点〉
今の世 の中 は人間が幸せ を求 めて作 り
「
│プ た
平成25年 1月 28日 月lIF日 、ホテルモン トレー 便llな 1■ の1だが、景■rl業 など代償 は多大.
エーデルホフオL幌 にて、本協会新年交ネt会 と常 もし人想 に リセ ッ トカ‖Ц来た として も、人類
任理事川崎―彦東海大学教授 による証演会 と はまた同 じ道 を進み、それを幸せ とに置づけ
ワール ドカフェ方式 による │し あわせカフェJ るのだろうか ?
が開催 された。請演の前半は,脚奇先生に よる多 11人 的充足感 とマクロ、社会llll満 足度の相克
角ll lな 視点による「 しあわせJの 分市i、 後十は がある (寛 容な刊会)
7う 名ほどの参加者が 3人 ずつのグループに分か なぜ憲法に く■tの追求)が ないのか ?
れたワール ドカフェ形式のワークショップ「 し スウェーデンは日本の参
=に
なるか ?
あわ l■ カフェJが1脚時先生の司会で行われた。 このままでは、 了どもの時代には日本 はどう
このよつなワークン,ッ アは初体験の参力Π者 なって しようのか ? 産業全般 が洸 んでい
も多 く 参力1型 の楽 しい請演会形式に興吉気味 る。
の参加者 もいて、あっというF・5の 1時 F・l半 を過 (本 協会事務局長)
ごしました。参力Π名の意見を川崎先生が ド記の
様 に纏 めて くださいました。

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  • 1. 第 34号 ■ ),'‐ 'ア ス :D` ルデン‐イ だ 御 t′ ィ 北海道スウェーデン協会 2013 4
  • 2. 本年 2月 、北海道IL身 の渡遠方樹駐 スウェー デンロ本大使 を昨年に続いてお招 きし、最近の スウェーデン情勢、そして「未来のために今 日 日本 とスウェーデンが出来 ることJと 題 してご 講演 をいただ きました。当初 ヴァリエ駐 ロス ウェーデン大使閣下 との対談を予定 していまし たが、大使のマーシャル諸島への公務出張のた めやむな く変更 になった ものです。しか し、ツァ リエ大使 は、ほぼ ―昼夜航空機 を乗 り継いで大 変厳 しい吹雪の本t幌 において下さり、短時間で したが渡還大使 と日本 北海道 とスウェーデン の11来 について語 られた ことに出席者一同大変 感銘 を受けました。その中で、大使 は2018年が 日瑞外交関係樹立150年 、その時に何か両国の関 係 を深化 させる企画をと、希望 と夢 を私 どもに 与 えて くださいました。あまり時F・lは あ りませ んが、知恵を出 し合いたい と考 えます。 そして今年 はまた、北海道 スウェーデン協会 にとって一つの出が り角を迎 えます。それは、 これ まで中心 となってお働 き下 さつた東海大学 川崎―彦教授が、定年で札幌を離れてスウェー デンに伝出 されることです。スウェーデンと北 海道 とのパイプ役 に一段のお働 きをいただける とのことですが、一抹の不安 を覚えます。私 ご とにな ります力ゞ、スウェーデンをはじめ とする 北欧 との出会いは、25年 niの 川崎先 `Lに よるも のです。 ノールウェイ・ トロムソ にで行われる 北方都市会議の下打 ら合わせの途上、ス トック ホルムで先生 が セ ミナー │サ ッボ ロディinス トックホルムJを企画 して くださいました。著 名な方々 にお集 まりいただいて、11川崎先生が「滋 賀県出身の私が、何故ス トクホルムから札幌に 移 りfrん だかJをお話 しにな り、 そして私が札 幌市を紹介させていただいた感激は今で も鮮明 な記憶となっています。その後たびたび北欧諸 国の地域 を訪れ社会福祉、産業振興、自然環境 及び芸術文化等多 く学ぶ ことができたことは、 私の人生にとって大 きな糧 とな りました。自夜 の紙面を借 りて感謝中 し上げます。 さて、北海道スウェーデン協会 は1978年 の倉1 立ですか ら、今年で3511の 年月を経過すること になります。 これまで多 くの人々によつて有意 戦な歩みを続 けてきた ことに敬意を表 します。 地理的にも、自然 気候 も共通することの多い 北欧諸国、スウェーデンと姉妹都市提携 をして いる自治体 もあり、また、札幌にはスウェーデ ン名誉領事館、当別町には財団法人スウェーデ ン交流センターが存 在しています。更 にlL方 圏 セ ンターか ら改称 した公益法人北海道国際交 流 協力総合センターが開伴する北方圏講座 な ど、本年 もこれ ら関係団体 と連携を密にしなが ら北海道民 とスウェーデンとの交流 を図つてい くとともに、5年後の日瑞交流150年 に思いを馳 せて協議 してまい りたい と考えます。 く本協会会長〉 創立35年を迎える 北海道スウェーデン協会 杉 本 拓 -2-
  • 3. 北海道における私の四十 円林己(19882013)を 思い起 こしてみ ます と、以下 の ような 6つ の キーワー ドが浮か7 ヵ,っ てきました。 北海道 Jヒ 欧 教育 (改 革) ■I「 不1他 性 (altruisnl) 多様性 (diversi吋 ) 以下それぞれのキー7-ド についての想いを 簡 ■にご説明させて頂 きます。 (北 海道〉 私は北海道 とはもともと縁 もいか りもありま せんで した。 しか し、 ジェ トロ (日 本デ易振興会)ス トッ クホルム事務所動務時代 には、くJヒ 方日交流)に 注力 していたJ師道か ら●「 訪11者 が多 く、た と えば本 協会の■谷和貝1さ んとは、NOREX(北方 圏経済交流協会)の lL部 スウェーデンミッショ ン (1,s6■ )で お手伝いをさせて頂いて以来の たつきあいです。 スウェーデンの生活が長かったの こ、 もう口 本の生活には民れない、と私 は思つていました。 そして東海大学の1し 幌キャンパ スに日本ilの 同 際文化学部 をつ くるので来ないか というお誘 いを頂 きました。札幌を 卜見に来た時の私の印 象は、「IL幌 は日本離れ けている。日本には住め ないが、オし幌なら住めそうJと いうものでした。 この│「 象は今で も変わ りません。 そして1'88年 4月 に赴任 してか ら1ヒ 海道/札 幌に25年 F・l 四半世紀お世話にな りました。 私は65歳 ですが、一 カ所に住んでいた場所 と しては│[幌 が最長です。期間だけではな く、内 容 もこれ までの人生 で最 も充実 した もので し た。 これ もお会い出来た皆様のおかげと、心 よ り感謝 してお ります。 (北 欧 〉 了ども2人力ゞス トックホルムにお り、14は 毎 ■夏体み、冬休みなど1に 数回ス トックホルム に行 き来する生活でした。 公スを兼ねてス トックホルム と札幌の 2ヶ lrl で定点観測/・ していたことにな ります。定点観 測のメリッ トは、ス トックホ,レ ムに居 る時は日 本に居ては見えない点が、そして十日配に居る時 に 'ま スツェーデンにいては見 えない点が見えて くることでつ。 私が札 幌 に住 んでいた四十 四紀 はいわゆる 「失わ′tた 日本Jtl時期でしたが 逆 に北欧のさ まざまな政策へ・「 注目度は世界的に高 まって―l ています。た とえば、■ロェコノミス トの 2月 2口 号は「北欧一次のスーパー スターJの 人 き な特集 をしました。 円界が北欧に注 日する理山を一 請でiL現 する な ら、福││(分 配)l■済 (生産)― 持続可能性 聡 量)を 3つ すべて丁にしている、からで しょ うか。 く教育 (改革)〉 私は過去]54は どは、北欧 とくにフィンラ ン ドをしン トとす る創造性教育 の実践りF究 に もっとも力 をLlい できました。 知業の現代 は、工業の時代 とは違 う教育 シス テ′、が必′である、 との確信からです。 知業時代 に必要な能力は、11よ りも創造 円で す。そしてクリエイテ ィブなアイデアを実行す る能力 も大切です。 このような考え力か ら、私 はすべての授業 における学生の到注 日標 を倉1造 性 と自己効力感 (自 分で も出来 るという確信) の 2点 に集約 してきました。 今日にある東海大学の付属枝園では知的財庁 教育 (創 造性教育+起業家精神教育)を 展開し 四半世紀の北海道 川 崎 彦
  • 4. てきました。 とくに、付属四高 (札幌)でのT 藤優樹先生 とのコラボ、Fl属本日記念幼市園(伊 勢原)で の高橋功前日長 との さまざ まなプ ロ ジェク トが強 く自J象 に残っています。本田記念 幼推回の回児がピックカサル ミ lJ推 固児 (ア ィ ンラン ド バーサ)と 共同で制竹 したアニメは フィンランドの国際映画祭で最優秀作品の一つ に選ばれ ました。 近イ│は 参加型 の授業 に も力 を入 れて きまし た。ファシリテーション、 ワークショップな ど の参加型授業 を取 り入れることにより、創発、 シナジー、集合知の成果がみられ、学生の授業 評価か らみると、学びやモチベーションも確実 に高 よりました。 く幸せ〉 辛せは人類 にとって古 くか らのテーマです。 しか し20世紀後半か ら近年 とくにキせへの関 心が世界でi可 騰 してきています。 その背景 としては、手せのパラ ドックス (先 進国では所得や経済水準が上がっても4酒の満 足F_・ が上昇 しない現象)、 制度疲労の課題先進国 NIPPON、 2011イ トの東 日本人震災 と原発 事故 (311)、 などがあげられ ます。それ らに力」えて 欄 口人の関心 としては、デンマーク人など北欧 の幸福度が世界の トップにあること、北海道民 の幸福度、などがあります。 F■ 体的には幸せについてOST(オ ープン ス ペース テクノロジー、北 コーロッパ学会 ‐2012 年11月 、スウェーデン交流センター=2012年 5 月など)、 ワール ド カフェ、 自上映画会 (幸福 の経済学、happy)な どの幸せについて考 えるイ ベ ン トを開催 し、参加者か ら│よ ■い評価 を頂 く ことカヨ日米 ました。 く利他性 Jtru`m〉 『利他性の経済学』 輛 岡康雄、2006)は イン パ クトのある著作で した。 ご―格 に北欧 をヒン トに北海道 において産業 クラスターづ くりを導入するお手伝いをさせて 頂いた戸田一人さん (元 北電社長、会長、道経 連会長)や秋 口喜イヽさん (元秋 1愛生館社長) の強い「「 象が私の眼にrtき 付いているのは、自 分の会社の ことだけではな く、 より良い北海道 のことを常に考え、行動 されていた利他 性だか らこそでしょう。 201011年 度 に私 は内閣府の予算 による北海 道における社会的企業の起業支援 ]ンペの委員 を仰せつか りました。この 2年間で123の 社会的 企業が誕生 しました。年齢、性刀1、 地域 に関係 な く、│1陰貢献をするために起業Jへ の関心の 高 さを実感 した事業で した。 学生の間で も社会貢献 に対する関心は確実に 高 まっています。 く多様性 dver●ty〉 倉J造 性は多様性か ら生 まれ ます。 日本社会や 若者 を見ていると、むしろ―様性の力 ●lに 逆行 している懸念があ ります。昭和初期の詩入金子 みす ゞは「みんなt・ がってみんないいJと 表現 しましたが、今 日の若者は「みんな同じでみん ないいJな のか もしれ ません。 匹界最大の家貝チェーン イケアジャパ ンの i「 員 (コ ワーカー)の同籍は30近 くもあるそう です。多様性の中か らクリエイティブな発想 と 企業の活力が出ています。Martin ProsPσ ty l‐ tituteの Cloba creativity ln“ xに よl■ │ざ ス ウェーデンが世界一ク リエイティブ、 との結果 が出ています。 北海道におけるすばらしい四半 四紀 を提供 し て下 さった皆様 との1也 会いに私 は大truに してい る 剛 遁 (か いこつ)Jと いう言葉 を12・ わせて頂 きたいと思います。 め ぐり会いにあ りが とう 心からあ りが とうございました そしてストックホルムにお越 しの時にはぜひ
  • 5. お会いするのを楽 しみにしてお ります。VJ 参加者の気づ き 疑間点 komlllぃ I く気づ き〉 60秒 で無駄な言葉を使わないでIH手 に伝 える く参考文献〉 ことの難 しさを学んだ。 川崎 ―彦「北海道 とJヒ 欧との交流および大学生 ディベー トの有用性 力を活用した教育プロジェクト②Jビ ョルク 〈最幸な国〉いい言葉です │ これからどんど vol u7(20131) ん使おつと思います. 川崎―彦「幸せについてWhy,What?How7 +せ は自分の考えカーつで感じることが出来 HOPPOKEN vd]610012秋号) る。 '1喘 一彦「北海道における北欧との交流および 手せかどうかは自分の考え方次第。 とにかく 大学生力を活用 した教育プロジェク トの実践 笑っていれば、十せはやって来る。幸せは ヒ 研究報告J北 ヨーロッパ研究 vo1 8(2012) を見ても下を見てもきりがない。 1崎―彦「コープさっばるのCSR活 動への大き や りたいことを見つけた時の自分にI― ってみ な期待Jコ ープきつにろCSRレ ポー ト2012 よう=幸せ 〈Jヒ 海道ス,ュ ーデン協会常任理事、東海大学名 幸福 とは多面的な意味を持っている。 誉教授〉 ■せといっても、過去のキせと現在の■せの どちらを考えるのか ? 私は今の半せを書い た。 川崎教授講演会「北欧の幸 日標を持つこと。何力ヽこツクフク興味を持つ せ、日本の幸せ、北海道の幸 時間を持つ.振 り返 りをすること。 日本は環題先進国 せ、そして…」 横 I町 隆 く疑問点〉 今の世 の中 は人間が幸せ を求 めて作 り 「 │プ た 平成25年 1月 28日 月lIF日 、ホテルモン トレー 便llな 1■ の1だが、景■rl業 など代償 は多大. エーデルホフオL幌 にて、本協会新年交ネt会 と常 もし人想 に リセ ッ トカ‖Ц来た として も、人類 任理事川崎―彦東海大学教授 による証演会 と はまた同 じ道 を進み、それを幸せ とに置づけ ワール ドカフェ方式 による │し あわせカフェJ るのだろうか ? が開催 された。請演の前半は,脚奇先生に よる多 11人 的充足感 とマクロ、社会llll満 足度の相克 角ll lな 視点による「 しあわせJの 分市i、 後十は がある (寛 容な刊会) 7う 名ほどの参加者が 3人 ずつのグループに分か なぜ憲法に く■tの追求)が ないのか ? れたワール ドカフェ形式のワークショップ「 し スウェーデンは日本の参 =に なるか ? あわ l■ カフェJが1脚時先生の司会で行われた。 このままでは、 了どもの時代には日本 はどう このよつなワークン,ッ アは初体験の参力Π者 なって しようのか ? 産業全般 が洸 んでい も多 く 参力1型 の楽 しい請演会形式に興吉気味 る。 の参加者 もいて、あっというF・5の 1時 F・l半 を過 (本 協会事務局長) ごしました。参力Π名の意見を川崎先生が ド記の 様 に纏 めて くださいました。