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修士研究 最終試験

高解像度リモートセンシングデータを用いた
    森林被害検出手法の開発

              発表内容
     1.   序論(背景・目的・対象地・データ)
     2.   森林被害検出のアプローチ
     3.
     3    手法開発
     4.   検出結果の評価・考察
     5.   まとめ,今後の課題・展望

   学籍番号 80425061 EG(旧GI)
                 EG(旧GI)
             田口 仁             #1
背景,目的
背景
 近年,管理放棄された森林で,
 森林被害が多発
     森林被害とは通常の範囲をこ
     えて衰退や枯死が発生した状
     態のこと
 現状の被害調査は現地踏査        マツ枯れ   冠雪害
 近年,空間解像度の高い,高解像度リモートセンシング
 データが登場し,森林分野で注目を集めている
     森林被害調査手段の1つとして,このデータを用いた手法を
     開発できる可能性がある
目的
 高解像度リモートセンシングデータを用いて森林被害を
 検出する手法を開発すること
                                   #2
高解像度リモートセンシングデータ
 LiDARデータ                         光学センサ画像
    飛行機から電磁波のパルス                   太陽から発する電磁波が地面
    を照射し、センサーまでの反                  を反射し,センサまで戻ってくる
    射時間をもとに高さを計測                   電磁波の強さ観測
    フィルタリング処理でDSMと                 最近のデータは、空間解像度
    DEMを作成可能                       が数メートル

• Digital Surface Model (DSM)
 =地盤高+構造物の高さ
                                  従来の解像度    高解像度
                                    数10m     数m

       パルス密度
       1m2~2m2に1点

• Digital Elevation Model (DEM)
 =地盤高

                                                     #3
研究対象地,使用データ
 研究対象地              使用データ
  岐阜県郡上市美並町             光学センサ画像
      2002年1月上旬に         高解像度衛星画像 IKONOS
      冠雪害発生             LiDARデータ
      マツ枯れも多数ある


岐阜県            IKONOS        LiDAR
               (2003年5月撮影)
                2003年        (2004年春取得)
                              2004年春取得)




                              0   450   900   1,800 m



                                                        #4
統合処理(フュージョン)の有効性
 森林被害の形態は,枯損と倒木の2種類に類型化が可能
 2つのデータには2つの被害検出に得意,不得意がある
① 光学センサ画像
  光学  サ画像                   ② LiDARデータ
  枯損or倒木の検出 →○               倒木の検出 →○
  枯損と倒木の分離 →×                枯損の検出 →×
                                                DSM
                                   ギャップ


   枯損木          無被害          枯損木          無被害
                                   倒木
           倒木
                                                DEM

           枯損   倒木    無被害
                              2つのデータを統合処理
① 光学センサ                       すると,不得意を補って,
 ② LiDAR                      枯損と倒木の分離した検
 ①+②                          出が可能となる
                                                      #5
本研究の新規性・意義
            従来の研究                        本研究
        解像度が数十メートルの              高解像度のデータを利用,
新規性     光学センサ画像                  高さデータ(LiDAR)の導入
        光学センサのみで,                高解像度RSデータを統合処理し,
        枯損と倒木は事例毎に検出             枯損と倒木が分離検出される
         被害面積,被害の分布傾向の把握が効率的に可能となる
意義       森林管理システム内の被害検出システムとして貢献できる

高解像度リモートセンシング              森林被害マップ
                       倒木被害 枯損被害

人工林
                                          森林管理主体
天然林
      森林        無被害
                                  現地
                                  調査
                                       • 行政(自治体等), 森林組合
                      倒木    枯損
                                              情報提供

                                   土地所有者             データ公開
      未然防止       復旧対策,計画                             • 森林GIS
                                   県有,民有,国有
  ・森林病虫害等駆除法 ・森林国営保険                                 • 統合型GIS
                                                     • Digital Earth
  (病虫害の枯損)    (風倒害,冠雪害の倒木
  ・激甚災害法の指定    干害,凍害などの枯損)
  ・農林水産業被害報告とりまとめ要綱
                                                                       #6
被害検出手法の概要
 被害と判読できる箇所から教師データを取得しモデルを構築
 ⇒ その構築したモデルを全体へ適用

高解像度RS
高解像度RS          統合処理が可能なモデルの構築
         ①
 データ
           説明変数作成
                               ②         ③
             波長帯選択
IKONOS       ・赤色系(バンド3)            教師    被害検出
             ・近赤外系(バンド4)           データ   モデルの
 LiDAR       ギャップ抽出                設定     構築
              手法開発1                          手法開発2

                           ⑤             ④
 森林被害マップ                                  検出
                           画像全体
  枯損被害                                   モデルの
  倒木被害                      適用
                                          評価
                                                     #7
手法開発1
ギャップ抽出手法の開発
 LiDARデータから作成されるDSM(地盤高に構造物の高さ
 を含めたデータ)とDEM(地盤高のデータ)から,倒木域を表
 すギャップ抽出手法を開発
                   DSM    DEM
         DSM      DEM

                                           高
        ① DSM-DEM ≦ 3m
           の画素を抽出
                                           低
        ② 近傍画素をグループ化

傾斜度       ③ 境界付近の
画像       平均傾斜角度の算出

      ④ 平均傾斜角度≦70度を抽出


         ギャップ抽出結果        ギャップ抽出結果   空中写真
                                           #8
手法開発2
Multinomial Logit Modelの導入
 観測値(データ)に基づき,効用関数→選択確率が計算され,
 最も高い選択確率のカテゴリに分類される
 効用関数   Uin = β1 x1in + β2 x2in + L + βk xkin + ε in     枯損 : Yin = 1
                                                         倒木 : Yin = 2
            = Vin + ε in                    ε in : 確率項   無被害 : Yin = 0
                                           Vin : 確定項     β : パラメータ
                       Vin
        P(yin) =
 選択確率
                e      (eV = 1 ) 0
                                       x : 観測値

            eV +eV +eV
                   0    1    2



 モデルの評価は,教師データ内での精度評価,決定係数
 (R2),Wald統計量
 被説明変数は「枯損」 「倒木」 ,「無被害」
           「枯損」,「倒木」 「無被害」
           「枯損」               「無被害」とする

 2値化データであるギャップ抽出結果と,連続量の光学センサ
 画像の併用が可能 → 統合処理が容易
 今後,他の空間データを説明変数して取り込むことで,被害の
 種類判定へつながる可能性がある
                                                                         #9
説明変数作成,教師データ設定
① 説明変数 3つ
         光学センサ画像(IKONOS)
              バンド3:倒木や枯損域は赤色系波長帯の反射が強まる
              バンド4:植生が減退するため,近赤外波長帯の反射が弱まる
               ンド4:植生が減退するため,近赤外波長帯の反射が弱まる
         ギャップ抽出結果
② 空中写真から教師データを選定し,被害の判別を行った
136°55'30"E    136°56'30"E   136°57'30"E
                                                  IKONOS拡大   選択結果



                                    35°39'30"N   枯損

                   C

                                                                                      無被害
                                                 倒木                                   枯損
                                                                                      倒木
                                                             0 20 40   80   120
                                                                                  m
                                                                                       #10
被害検出モデルの構築
③ モデル構築のためにパラメータを推定
                   推定パラメータ                                                      枯損         倒木
      被害クラス          切片        バンド3 バンド4 ギャップ
       枯損          -68.303    303.070 -31.103 -4.346
 (Wald統計量のカイ2乗)    (384 7※)
                   (384.7     (442 8※) (361 4※) (15 41※)
                              (442.8   (361.4   (15.41
                                                           教師
                   -49.514    240.399 -32.915     2.355    データ
       倒木
 (Wald統計量のカイ2乗)    (155.2※)   (223.9※) (238.3※) (48.8※)
※ 0.01%水準で有意                           決定係数 R2=0.812

④ 構築したモデルの評価
        倒木被害に隣接した画素で枯損とな                                    推定
        るエラーを無被害へ                                           結果
        この推定モデルとエラー除去手法を
        全体へ適用
                                                           0 20 40   80   120        無被害   枯損   倒木
              教師データ内精度評価                                                        m

                              推定結果
                  枯損      倒木   無被害         合計 的中率
  教
    枯損            283      1     94        378 74.8%        推定
  師
  デ 倒木            36      132    48        216 61.1%        結果
  ー
  タ無被害            54      13    2595       2662 97.5%        2
    合計            373     146   2737       3256
全体的中率:92.4%
                                                                                                #11
被害検出結果
⑤   136°55'30"E     136°56'0"E   136°56'30"E   136°57'0"E   136°57'30"E




                                                                          0"N
                                                                                 3次元表示(黒線は林小班)




                                                                    35°40'0
                                                                    35°39'30"N
                                                                    35°39'0"N
                                                                                    凡例
                                                                                    無被害
                                                                                    枯損
      0   250 500       1,000    1,500
                                     m                                               倒木
                                                                                                 #12
検出結果の詳細1
        検出結果   ■枯損
               ■倒木
                     空中写真   IKONOS   ギャップ抽出結果


1
    ●




    枯損と倒木の被害がまとまって発生した箇所


2
●




    枯損が分散して発生した箇所
                                            #13
検出結果の詳細2
        検出結果   ■枯損
               ■倒木
                     空中写真   IKONOS   ギャップ抽出結果


3
●




    冠雪害(倒木)によるまとまった被害


4
    ●




    枯損によるまとまった被害
                                            #14
統合処理の有効性
ギャップ抽出結果            IKONOS画像           被害検出結果            ギャップとして抽出さ
                                                         れても,IKONOS画
                                                         像では無被害の樹木
                                                         統合処理した結果で
                                                         は,倒木として検出さ
                                                         れなかった
0 25 50   100 150
                m                      無被害    枯損   倒木


                               検出結果                  ギャップ          被害検出結果
     IKONOS画像のみで         (IKONOSのみで検出)               抽出結果         (IKONOS+ギャップ)
                                                                   IKONOS+ギャップ)
     検出した場合,倒木
     箇所でも枯損が混在
     してしまう
     統合処理した結果で
     は,枯損と判別される
     エラーが除去された
                          0 25 50   100 150
                                          m    無被害      枯損   倒木


     統合処理の有効性を確認
                                                                              #15
検出精度の検証1
空振りの検証                          検証ポイント取得箇所
 検出した画素が的中し       136°55'30"E            136°56'30"E       136°57'30"E
 ているかを判別
 的中率




                                                                  35°40'0"N
 枯損:39/
 枯損:39/50 (78%)
           78%)
 倒木:41/
 倒木:41/50 (82%)
           82%)




                                                                  35°39'30"N
見逃しの検証
 任意に選んだ被害箇所




                                                                        0"N
 が,検出されているかを
 が 検出されているかを




                                                                  35°39'0
 判別
 的中率
 枯損:37/50 (74%)                                        空振り検証(倒木)
                                                       空振り検証(枯損)
 倒木:42/50 (84%)      0 255 510   1,020    1,530        見逃し検証(倒木)
                                              m
                                                       見逃し検証(枯損)

                                                                         #16
検出精度の検証2
 まとまった被害箇所の検証
     それぞれの被害で2箇所ずつ,空中写真から検証データを面的に作成し,
     検出結果と比較

     検証データ   検出結果   的中率          検証データ   検出結果   的中率

                     228                         198
枯損                   346    倒木                   292
 1                           1
                    65.9%                       67.8%

                      86                         178
                     162                         278
枯損                          倒木
 2                           2
                    53.1%                       64.0%
枯損                          倒木

 誤差に関する考察
     無被害と被害の境界部に近い画素で,的中率が低下
     2つのデータの解像度の相違,データの位置精度
     施業(間伐,伐採)の誤検出 ⇒ 施業履歴を参照して除外可能
                                                        #17
被害検出手法の考察
検出結果の考察
 データの均質性に強みがあることから,本手法を適用する
 ことで,現地踏査や空中写真判読等の人間による把握では
 十分に認識しきれない森林被害について,把握可能となる
 十分に認識しきれない森林被害について 把握可能となる
 岐阜県の森林行政関係者
 「精度が7~8割あれば,実用上十分」

実用性の観点からの考察
 森林GISにおける情報の1つとして
   合理的な復旧対策および計画に貢献可能
   森林WebGIS等で情報公開 → 土地所有者への周知
 GPS搭載PDA等の利用 → 現場での情報の活用
 被害の発生要因解明に寄与 → 被害の未然防止に繋がる
 可能性がある
                            #18
結論,今後の課題・展望
 結論
 1.   森林被害を枯損と倒木に類型化し,2つのリモートセンシングデータ
      を統合処理し,枯損と倒木に分離して検出するアプローチを提示した。
 2.   LiDARデ タから抽出されたギャップ抽出結果と,光学センサ画像を
      LiDARデータから抽出されたギャップ抽出結果と,光学センサ画像を
      説明変数として,Multinomial Logit Modelを用いた統合処理を行
      う被害検出手法を開発した。
 3.   対象地に適用し,まとまった被害および分散した被害について,枯損
      と倒木が検出されていることを確認し,本手法の有効性が明らかと
      なった。 また,検出精度は7割前後だった。
 4.   本研究で開発した手法は,森林被害を把握する手段の1つとして,今
      後活用される可能性 ある
      後活用される可能性があることを示した。を示した。


 今後の課題・展望
      被害の発生要因解明や被害の種類判定を可能とする手法の開発
      他の高解像度リモートセンシングデータへの適用
      統合処理手法の改良
                                              #19

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高解像度リモートセンシングデータを用いた森林被害検出手法の開発

  • 1. 修士研究 最終試験 高解像度リモートセンシングデータを用いた 森林被害検出手法の開発 発表内容 1. 序論(背景・目的・対象地・データ) 2. 森林被害検出のアプローチ 3. 3 手法開発 4. 検出結果の評価・考察 5. まとめ,今後の課題・展望 学籍番号 80425061 EG(旧GI) EG(旧GI) 田口 仁 #1
  • 2. 背景,目的 背景 近年,管理放棄された森林で, 森林被害が多発 森林被害とは通常の範囲をこ えて衰退や枯死が発生した状 態のこと 現状の被害調査は現地踏査 マツ枯れ 冠雪害 近年,空間解像度の高い,高解像度リモートセンシング データが登場し,森林分野で注目を集めている 森林被害調査手段の1つとして,このデータを用いた手法を 開発できる可能性がある 目的 高解像度リモートセンシングデータを用いて森林被害を 検出する手法を開発すること #2
  • 3. 高解像度リモートセンシングデータ LiDARデータ 光学センサ画像 飛行機から電磁波のパルス 太陽から発する電磁波が地面 を照射し、センサーまでの反 を反射し,センサまで戻ってくる 射時間をもとに高さを計測 電磁波の強さ観測 フィルタリング処理でDSMと 最近のデータは、空間解像度 DEMを作成可能 が数メートル • Digital Surface Model (DSM) =地盤高+構造物の高さ 従来の解像度 高解像度 数10m 数m パルス密度 1m2~2m2に1点 • Digital Elevation Model (DEM) =地盤高 #3
  • 4. 研究対象地,使用データ 研究対象地 使用データ 岐阜県郡上市美並町 光学センサ画像 2002年1月上旬に 高解像度衛星画像 IKONOS 冠雪害発生 LiDARデータ マツ枯れも多数ある 岐阜県 IKONOS LiDAR (2003年5月撮影) 2003年 (2004年春取得) 2004年春取得) 0 450 900 1,800 m #4
  • 5. 統合処理(フュージョン)の有効性 森林被害の形態は,枯損と倒木の2種類に類型化が可能 2つのデータには2つの被害検出に得意,不得意がある ① 光学センサ画像 光学 サ画像 ② LiDARデータ 枯損or倒木の検出 →○ 倒木の検出 →○ 枯損と倒木の分離 →× 枯損の検出 →× DSM ギャップ 枯損木 無被害 枯損木 無被害 倒木 倒木 DEM 枯損 倒木 無被害 2つのデータを統合処理 ① 光学センサ すると,不得意を補って, ② LiDAR 枯損と倒木の分離した検 ①+② 出が可能となる #5
  • 6. 本研究の新規性・意義 従来の研究 本研究 解像度が数十メートルの 高解像度のデータを利用, 新規性 光学センサ画像 高さデータ(LiDAR)の導入 光学センサのみで, 高解像度RSデータを統合処理し, 枯損と倒木は事例毎に検出 枯損と倒木が分離検出される 被害面積,被害の分布傾向の把握が効率的に可能となる 意義 森林管理システム内の被害検出システムとして貢献できる 高解像度リモートセンシング 森林被害マップ 倒木被害 枯損被害 人工林 森林管理主体 天然林 森林 無被害 現地 調査 • 行政(自治体等), 森林組合 倒木 枯損 情報提供 土地所有者 データ公開 未然防止 復旧対策,計画 • 森林GIS 県有,民有,国有 ・森林病虫害等駆除法 ・森林国営保険 • 統合型GIS • Digital Earth (病虫害の枯損) (風倒害,冠雪害の倒木 ・激甚災害法の指定 干害,凍害などの枯損) ・農林水産業被害報告とりまとめ要綱 #6
  • 7. 被害検出手法の概要 被害と判読できる箇所から教師データを取得しモデルを構築 ⇒ その構築したモデルを全体へ適用 高解像度RS 高解像度RS 統合処理が可能なモデルの構築 ① データ 説明変数作成 ② ③ 波長帯選択 IKONOS ・赤色系(バンド3) 教師 被害検出 ・近赤外系(バンド4) データ モデルの LiDAR ギャップ抽出 設定 構築 手法開発1 手法開発2 ⑤ ④ 森林被害マップ 検出 画像全体 枯損被害 モデルの 倒木被害 適用 評価 #7
  • 8. 手法開発1 ギャップ抽出手法の開発 LiDARデータから作成されるDSM(地盤高に構造物の高さ を含めたデータ)とDEM(地盤高のデータ)から,倒木域を表 すギャップ抽出手法を開発 DSM DEM DSM DEM 高 ① DSM-DEM ≦ 3m の画素を抽出 低 ② 近傍画素をグループ化 傾斜度 ③ 境界付近の 画像 平均傾斜角度の算出 ④ 平均傾斜角度≦70度を抽出 ギャップ抽出結果 ギャップ抽出結果 空中写真 #8
  • 9. 手法開発2 Multinomial Logit Modelの導入 観測値(データ)に基づき,効用関数→選択確率が計算され, 最も高い選択確率のカテゴリに分類される 効用関数 Uin = β1 x1in + β2 x2in + L + βk xkin + ε in 枯損 : Yin = 1 倒木 : Yin = 2 = Vin + ε in ε in : 確率項 無被害 : Yin = 0 Vin : 確定項 β : パラメータ Vin P(yin) = 選択確率 e (eV = 1 ) 0 x : 観測値 eV +eV +eV 0 1 2 モデルの評価は,教師データ内での精度評価,決定係数 (R2),Wald統計量 被説明変数は「枯損」 「倒木」 ,「無被害」 「枯損」,「倒木」 「無被害」 「枯損」 「無被害」とする 2値化データであるギャップ抽出結果と,連続量の光学センサ 画像の併用が可能 → 統合処理が容易 今後,他の空間データを説明変数して取り込むことで,被害の 種類判定へつながる可能性がある #9
  • 10. 説明変数作成,教師データ設定 ① 説明変数 3つ 光学センサ画像(IKONOS) バンド3:倒木や枯損域は赤色系波長帯の反射が強まる バンド4:植生が減退するため,近赤外波長帯の反射が弱まる ンド4:植生が減退するため,近赤外波長帯の反射が弱まる ギャップ抽出結果 ② 空中写真から教師データを選定し,被害の判別を行った 136°55'30"E 136°56'30"E 136°57'30"E IKONOS拡大 選択結果 35°39'30"N 枯損 C 無被害 倒木 枯損 倒木 0 20 40 80 120 m #10
  • 11. 被害検出モデルの構築 ③ モデル構築のためにパラメータを推定 推定パラメータ 枯損 倒木 被害クラス 切片 バンド3 バンド4 ギャップ 枯損 -68.303 303.070 -31.103 -4.346 (Wald統計量のカイ2乗) (384 7※) (384.7 (442 8※) (361 4※) (15 41※) (442.8 (361.4 (15.41 教師 -49.514 240.399 -32.915 2.355 データ 倒木 (Wald統計量のカイ2乗) (155.2※) (223.9※) (238.3※) (48.8※) ※ 0.01%水準で有意 決定係数 R2=0.812 ④ 構築したモデルの評価 倒木被害に隣接した画素で枯損とな 推定 るエラーを無被害へ 結果 この推定モデルとエラー除去手法を 全体へ適用 0 20 40 80 120 無被害 枯損 倒木 教師データ内精度評価 m 推定結果 枯損 倒木 無被害 合計 的中率 教 枯損 283 1 94 378 74.8% 推定 師 デ 倒木 36 132 48 216 61.1% 結果 ー タ無被害 54 13 2595 2662 97.5% 2 合計 373 146 2737 3256 全体的中率:92.4% #11
  • 12. 被害検出結果 ⑤ 136°55'30"E 136°56'0"E 136°56'30"E 136°57'0"E 136°57'30"E 0"N 3次元表示(黒線は林小班) 35°40'0 35°39'30"N 35°39'0"N 凡例 無被害 枯損 0 250 500 1,000 1,500 m 倒木 #12
  • 13. 検出結果の詳細1 検出結果 ■枯損 ■倒木 空中写真 IKONOS ギャップ抽出結果 1 ● 枯損と倒木の被害がまとまって発生した箇所 2 ● 枯損が分散して発生した箇所 #13
  • 14. 検出結果の詳細2 検出結果 ■枯損 ■倒木 空中写真 IKONOS ギャップ抽出結果 3 ● 冠雪害(倒木)によるまとまった被害 4 ● 枯損によるまとまった被害 #14
  • 15. 統合処理の有効性 ギャップ抽出結果 IKONOS画像 被害検出結果 ギャップとして抽出さ れても,IKONOS画 像では無被害の樹木 統合処理した結果で は,倒木として検出さ れなかった 0 25 50 100 150 m 無被害 枯損 倒木 検出結果 ギャップ 被害検出結果 IKONOS画像のみで (IKONOSのみで検出) 抽出結果 (IKONOS+ギャップ) IKONOS+ギャップ) 検出した場合,倒木 箇所でも枯損が混在 してしまう 統合処理した結果で は,枯損と判別される エラーが除去された 0 25 50 100 150 m 無被害 枯損 倒木 統合処理の有効性を確認 #15
  • 16. 検出精度の検証1 空振りの検証 検証ポイント取得箇所 検出した画素が的中し 136°55'30"E 136°56'30"E 136°57'30"E ているかを判別 的中率 35°40'0"N 枯損:39/ 枯損:39/50 (78%) 78%) 倒木:41/ 倒木:41/50 (82%) 82%) 35°39'30"N 見逃しの検証 任意に選んだ被害箇所 0"N が,検出されているかを が 検出されているかを 35°39'0 判別 的中率 枯損:37/50 (74%) 空振り検証(倒木) 空振り検証(枯損) 倒木:42/50 (84%) 0 255 510 1,020 1,530 見逃し検証(倒木) m 見逃し検証(枯損) #16
  • 17. 検出精度の検証2 まとまった被害箇所の検証 それぞれの被害で2箇所ずつ,空中写真から検証データを面的に作成し, 検出結果と比較 検証データ 検出結果 的中率 検証データ 検出結果 的中率 228 198 枯損 346 倒木 292 1 1 65.9% 67.8% 86 178 162 278 枯損 倒木 2 2 53.1% 64.0% 枯損 倒木 誤差に関する考察 無被害と被害の境界部に近い画素で,的中率が低下 2つのデータの解像度の相違,データの位置精度 施業(間伐,伐採)の誤検出 ⇒ 施業履歴を参照して除外可能 #17
  • 18. 被害検出手法の考察 検出結果の考察 データの均質性に強みがあることから,本手法を適用する ことで,現地踏査や空中写真判読等の人間による把握では 十分に認識しきれない森林被害について,把握可能となる 十分に認識しきれない森林被害について 把握可能となる 岐阜県の森林行政関係者 「精度が7~8割あれば,実用上十分」 実用性の観点からの考察 森林GISにおける情報の1つとして 合理的な復旧対策および計画に貢献可能 森林WebGIS等で情報公開 → 土地所有者への周知 GPS搭載PDA等の利用 → 現場での情報の活用 被害の発生要因解明に寄与 → 被害の未然防止に繋がる 可能性がある #18
  • 19. 結論,今後の課題・展望 結論 1. 森林被害を枯損と倒木に類型化し,2つのリモートセンシングデータ を統合処理し,枯損と倒木に分離して検出するアプローチを提示した。 2. LiDARデ タから抽出されたギャップ抽出結果と,光学センサ画像を LiDARデータから抽出されたギャップ抽出結果と,光学センサ画像を 説明変数として,Multinomial Logit Modelを用いた統合処理を行 う被害検出手法を開発した。 3. 対象地に適用し,まとまった被害および分散した被害について,枯損 と倒木が検出されていることを確認し,本手法の有効性が明らかと なった。 また,検出精度は7割前後だった。 4. 本研究で開発した手法は,森林被害を把握する手段の1つとして,今 後活用される可能性 ある 後活用される可能性があることを示した。を示した。 今後の課題・展望 被害の発生要因解明や被害の種類判定を可能とする手法の開発 他の高解像度リモートセンシングデータへの適用 統合処理手法の改良 #19