our research

2. ■地理理的視点
• 地理理的重要性、優位性。対中、印、ASEAN、そして、欧州、中東へ。
• 豊富な天然資源。広⼤大で肥沃な国⼟土。豊かな農産品。
• 特恵関税の適⽤用（⽇日本向け）
■消費市場視点
• ⼈人⼝口5142万⼈人（IMF 2014年年10⽉月推計）
• 新規市場
欧⽶米企業や同業他社との競合が少ない。
• 富裕層の拡⼤大
まだ⼀一⼈人当たりのGDPは$1000以下の後発途上国であるが、富裕層が確実に増えている。
• ⼤大きなインフラ需要
⽇日本企業はなぜ、今ミャンマーなのか？
■労働市場視点
• 豊富な労働⼒力力（3253万⼈人*2011年年 CIA-‐‑‒World Fact book）
• 安価な労働⼒力力
中国、タイに続く進出先を考える⽇日本の製造業にとっては⼈人件費の安さが魅⼒力力。
2012年年頃からストライキが増加し、最低賃⾦金金の引き上げが⾏行行なわれているが、依然として製
造業の作業員は⽉月$100前後で確保できる。他のアジア諸国と⽐比べて圧倒的に安いことが競争
⼒力力の源泉。
• 識識字率率率95%超（UNESCO 2013年年）
• 国⺠民レベルでの対⽇日感情のよさ
国内を⾛走る⾞車車の9割が国産⾞車車。
• 仏教徒の価値観
労働⼒力力の質に⼤大きく影響しているのが国⺠民の9割近くが信⼼心深い仏教徒で構成されていること
である。現世で功徳を積むことが善しとされているので、礼儀正しく、他⼈人に親切切にすること
を⼼心がけている⼈人が多い。⽇日本⼈人としてはなんとなく居⼼心地が良良い国という感覚を抱く。
3997
3351
3158
1851
1728
1433
1054
429
375
366
248
234
217
162
154
137
130
101
86
71
0 1000 2000 3000 4000 5000
オーストラリア
ニュージーランド
日本
韓国
香港
シンガポール
台湾
マレーシア
中国
タイ
フィリピン
インドネシア
インド
ベトナム
パキスタン
ラオス
スリランカ
カンボジア
バングラデシュ
ミャンマー
製造業・作業員 基本給・月給（単位：米ドル）
2013年10月時点。© 2013 JETRO

3. ■電⼒力力…慢性的に不不⾜足
• 電⼒力力の7割が⽔水⼒力力発電→乾期終了了直前(4~∼5⽉月)に⼤大規模の計画停電
実施。
• しばしば24時間停電となり、⽇日系縫製⼯工場は⾃自家発電での操業も。
■交通…未発達
道路路：国同⼠士、国内地域同⼠士との貿易易を進めるため整備が必要。
港：アジアへの世界的な貿易易ルートにするため整備が必要。
鉄道：都市（ヤンゴン）と⽥田舎の交通網を発展させるため整備が必要。
空港：産業・観光活発化による旅客数に対応するため整備が必要。
ミャンマーが抱える課題と⽇日本の商社
案件組成・ファイナンス 設計・調達・建設 管理・運営
• 当該国の情報(地域特性
な ど ) を 収 集 ・ 分 析 し、
現地に最適な案件を発
掘・提案。
• 内外の⺠民間銀⾏行行や公的
機関と協議して資⾦金金調
達の枠組みを組成
• 事業コストを管理理しな
がら利利益を確保する経
営を担う
• パートナーとなる現地有
⼒力力企業や技術・コスト競
争⼒力力のあるメーカーの選
定
• バリューチェーンの最適
化、相⼿手政府関係等と交
渉
インフラビジネスにおける商社の総合的役割
ミャンマーでの商社の活動：⽀支援活動中⼼心
⼈人事労務管理理：現地⼈人を労働⼒力力とみなす
技術開発：インフラ設備協⼒力力
↓
⼯工業団地完成後、⽇日本企業を呼び込む
↓
購買物流流⇒製造⇒…といったバリューチェーンの創出
ミャンマー
商社
国外
製造業
不不
⼗十
分
な
イ
ン
フ
ラ
設
備
ミャンマー進出の障害
インフラビジネス
全体管理（インストラクチャ）
調達活動
人事・労務管理
技術開発
購買
物流
製造
出荷
物流
販売・
マーケ
ティング
サービス
マ
ー
ジ
ン
支
援
活
動
主活動
マイケルポーターのバリューチェーン図

4. 電⼒力力をはじめとしたインフラの未整備、⼯工業団地の
絶対的な不不⾜足といったボトルネックを解消すべく、
⽇日本とミャンマー双⽅方が官⺠民連携により進めてきた
のがティラワSEZ開発。
基礎インフラ全体をBOT（Build, Operate and
Transfer）、PPP（Public Private Partnership )で
整備。
【SEZの開発⽬目的】
外国企業が投資、進出しやすい環境作り
と
雇⽤用確保によるミャンマーの発展
【なぜティラワなのか？】
• ミャンマーの中⼼心都市ヤンゴンから23㌔（⾞車車で
約1時間）→労働・消費市場から近い
• ワンストップセンター（OSSC）設置予定
• SEZ内の制限業種なし
• 開発される⾯面積の内6分の1が2015年年までに終
了了予定
• ⽴立立地的に輸出が容易易なティラワ港
• 特恵関税による優遇制度度
【ティラワSEZ総⾯面積】
2400ha
【クラスAエリア（先⾏行行開発エリア）】（396ha）
• 早期開発及びマーケティング
• ⾼高規格インフラ整備
• 国際競争⼒力力のある製造業（⾃自動⾞車車、電機部品、
事務⽤用 機器など）
⽇日本が期待するティラワSEZ
© JETRO
© MONOist © 三菱菱商事

5. ティラワSEZ メコンウォッチ
外国R&D機関
海外企業
⽇日本の製造業
MMST
ミャンマー
企業
MJTD
出資⽐比率率率：ミャンマー側51%, ⽇日本側49%
インフラ
事業投資
研究
対象
職業教育
部品材料料
製品
調査
批判
特恵関税
資⾦金金
資⾦金金 資⾦金金
配当
配当 配当
配当
報酬
情報技術
部品
原材料料
利利⼦子 融資
ミャンマー
政府
ミャンマーでの営業許可
資⾦金金
周辺インフラ
整備⽀支援
法整備⽀支援等
円借款
技術協⼒力力
側⾯面⽀支援
モノの流流れ
カネの流流れ
ヒト・情報の流流れ
⽇日本の銀⾏行行
ティラワSEZの関わり

6. ①⼝口頭で⼀一⽅方的な⽴立立ち退きが発表される（2012/12/12）
「14⽇日以内の⽴立立ち退き、⽴立立ち退かない場合には30⽇日間拘禁」と記された書⾯面が配布。
②住⺠民への説明会の実施と「国際的な環境基準」に沿って開発を要請（2013/2/11）
⇒⼤大規模な⽴立立ち退きは延期に。（921世帯、3,898⼈人）先⾏行行開発区住⺠民300⼈人は強制移転
③移転の対象となった住⺠民が⽇日本に助けを求める「⼈人権侵害にもかかわらず⽇日本政府は⽀支援するのか」
④住⺠民からのレターに回答することなく出資を決定
メコンウォッチ
⽇日本政府・JICA
ミャンマー政府 ⽴立立ち退き対象住⺠民
①
②
③
④
• ⽴立立ち退きによる仕事の
喪失
• 不不⼗十分な⾦金金銭的援助
• 移動先が未定
住⺠民は「不不法占拠者」であり
居住権はない
環境への望ましくない影響は重⼤大でない。
経済発展のためには多少の犠牲はやむをえない。
環境影響報告書、住⺠民移転計画などの提出をミャンマー政府側に
求めず。
ミャンマー農地法により
権利利を主張
批
判
批
判
ティラワSEZ強制⽴立立ち退き問題
• ア リ ス ト テ レ ス が 考 え る
「善」とは何かについて、述
べられた本。
• 当時、ギリシャの社会秩序の
ため、政治家を教育するため
に使われた。
↓
倫倫理理的アプローチの尺度度の１つ
『ニコマコス倫倫理理学』
倫倫理理的
アプローチ

7. 参考⽂文献（⽇日本語）
アリストテレス著、朴⼀一功訳『ニコマコス倫倫理理学』京都⼤大学学術出版会、2002年年。
鷲⾒見見⼀一夫著「ODA援助の現実」岩波書店、1989年年。
参考資料料（⽇日本語）
株式会社三菱菱東京UFJ銀⾏行行「ミャンマー：ティラワ経済特別区（Special Economic Zone）」
（http://www.bk.mufg.jp/report/insasean/ARS20140313.pdf）AERA REPORT 363、
Global Business Insight臨臨時増刊号、2014年年3⽉月13⽇日、2014年年10⽉月30⽇日確認。
国連難⺠民⾼高等弁務官事務所・⽇日本委員会「募⾦金金・寄付で国連の難⺠民援助活動に協⼒力力を｜国連
UNHCR協会－japan for UNHCR－」http://www.japanforunhcr.org（2014年年10⽉月30⽇日
確認）
住友商事株式会社「（ニュースリリース）ミャンマー連邦共和国における通信事業へ参⼊入につ
いて」http://www.sumitomocorp.co.jp/news/detail/id=27942、2014年年7⽉月16⽇日、
（2014年年10⽉月30⽇日確認）
⽇日本経済新聞「ミャンマー、⽇日本のメガ３⾏行行に営業免許を交付」2014年年10⽉月1⽇日付朝刊。
⽇日本経済新聞「三井商事、ミャンマーの⽔水道⺠民営化にらみ布⽯石」2014年年4⽉月29⽇日付電⼦子版、
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2504Q_̲Y4A420C1000000（2014年年10⽉月
30⽇日確認）。
⽇日経BP社「（⽇日経ビジネスONLINE）何をやっているの？「総合商社」〜～三井物産の挑戦と創
造〜～」
http://special.nikkeibp.co.jp/as/mitsuibussan/prolog（2014年年10⽉月30⽇日確認）
⽇日本貿易易振興機構「外国投資法を上回る優遇処置を付与―整備進む経済特区(2)－(ミャンマ
ー)」2014年年4⽉月10⽇日、2014年年10⽉月30⽇日確認。
丸紅株式会社「世界で活躍する丸紅：アジア」http://www.marubeni.co.jp/business/
global/asia（2014年年10⽉月30⽇日確認）
三菱菱商事株式会社企画業務部・交通インフラ事業部「ミャンマーにおける三菱菱商事のインフラ
事業について」「⽇日本貿易易会⽉月報」2013年年11⽉月号、No.719、29-‐‑‒30⾴頁。
三菱菱商事株式会社「（ニュースリリース）ミャンマー、イェタグン・ガス⽥田プロジェクト事業
会社への資本参画」http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2013/html/
0000023186.html、2013年年12⽉月17⽇日、2014年年10⽉月30⽇日確認。
三菱菱⾃自動⾞車車⼯工業株式会社・ 三菱菱商事株式会社「（ニュースリリース）ミャンマーにおいて三菱菱
⾃自動⾞車車サービスショップ１号店を開設」http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/
archive/2013/html/0000021542.html、2013年年5⽉月27⽇日、2014年年10⽉月30⽇日確認。
メコンウォッチ「ティラワ経済特別区（SEZ）開発事業」http://www.mekongwatch.org/
report/burma/thilawa.html, （2014年年10⽉月30⽇日確認）。
参考資料料（英語）
Business News「Foreign money flows into Myanmar」（2014年年10⽉月1⽇日付）http://
www.thestar.com.my/Business/Business-‐‑‒News/2014/10/02/Foreign-‐‑‒money-‐‑‒flows-‐‑‒
into-‐‑‒Myanmar/?style=biz（2014年年10⽉月30⽇日確認）
U.S. Campaign for Burma, "（PRESS RELEASES）Japan Must Postpone Thilawa SEZ
Financing Until Forced Displacement Reviewed", April. 1, 2014, October. 30, 2014
access.
Mitsubishi Corporation, Marubeni Corporation and Sumitomo Corporation,
"Commencement of Sales of Thilawa Industrial Park Development in Myanmar", May.
19, 2014, October. 30, 2014 access.
Myanmar Japan Thilawa Development Limited「WELCOME: Myanmar Japan Thilawa
Development Limited」http://mjtd.com.mm/jp, October. 30, 2014 access.
参考資料料

8. ご静聴ありがとうございました