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1
第5回放射能ゴミ焼却を考える学習会・実践講座(資料1) 2014.6.29
【岩手日報論壇投稿】 *掲載されず 20140327投稿
放射能汚染廃棄物は焼却より埋設処分を
本紙3月11日に「汚染廃棄物に焼却施設」との見出しで、一関広域組合が国事業で一関市狐禅寺に
仮設焼却施設を建設する計画が報じられた
1)
。稲わら、堆肥、椎茸、ほだ木など1キロ当たり放射性
セシウム8千ベクレル以上の指定廃棄物やその他汚染廃棄物約2万トンが対象になるとのことだ。県
内の市町村では遠野市、宮古市、矢巾町などで焼却処理が行われている。環境省が事業主体の福島
県鮫川村の仮設焼却炉試験結果報告書を調べてみた。データから放射性セシウムの25%が大気中
へ出て行っている結果になった。
2)
焼却炉設置住民説明会では99%以上回収できるとしてきた話
しとあまりにかけ離れている。
3)
そこで昨年12月国会議員を通し国へ質問をした。「趣旨が明らか
でなく答えは困難」という逃げの回答
4)
であった。この他、「バグフィルターによる放射性セシウ
ムの除去について。焼却による排ガス中の放射性セシウムの測定について。一般ごみ焼却施設の排
ガスや最終処分場の排水の放射性セシウム基準値を原子力施設の基準を当てはめる問題」など質問
をした。いずれも環境省は科学的根拠を示すことができず曖昧な答弁であった。
5)
放射性セシウム
を高濃度に含む焼却灰は最終処分場に埋め立てることになるが、雨水によりセシウムは容易に溶解
し汚染水が出現する。
6)
事実県内各地の最終処分場排水から放射性セシウムが検出されている。
7)
自治体は国の基準以下だから問題なしとしているが、原子力施設ですら周辺住民との協定はほとん
どが国の基準の10分の1以下の数値で結ばれている。
8)
宮古市では焼却炉の風下に当たる市役
所の空間線量率は放射能の半減期で見込まれる予測値よりも高い値を示し、焼却の影響が疑われる
9)
ことを市民が調べ指摘している。
国の「汚染状況重点調査地域」になっている県南地方で、さらに大気汚染による吸入被ばくを上乗
せすることは危険だ。焼却し大気を汚染させ、焼却灰からセシウムを含む排水を出すよりもそのま
ま埋設し土壌やゼオライト等によるセシウム吸着を利用するほうが良い方法だ。自治体は国の言い
なりにならず人々にこれ以上の被ばくをさせないように最大限配慮すべきではないか。さまざまな
疑問が解消されるまでは汚染物の焼却処理計画は止め、埋設など他のより良い方法を検討する柔軟
性を持ってほしい。環境省は環境基本法に基づき国民を守る姿勢を貫いてほしい。
参考 http://sanriku.my.coocan.jp/131205Q&A.htm
図1 一関市・一関地区広域行政組合・環境省の指定廃棄物等の焼却と関連計画
一関市で計画されている指定廃棄物の焼却問題はあまりに危険!!
滝沢市RMC放射線監視委員会委員 永田文夫
2
1)岩手日報 2014.3.11 記事
2)福島県鮫川村焼却炉実証試験データ 環境省
放射性セシウムの約 25%が大気へ放出
⃝ 投入放射性セシウム総量
52✕200+52✕800+620✕910=616200Bq
⃝ もえがら中放射性セシウム総量
650✕6=3900Bq
⃝ ばいじん(サイロ)放射性セシウム総量
5600✕82=459200Bq
*放射性セシウムの回収率
3900+459200
616200
=75.2% (Cs 回収率)
24.8%(140180Bq)は大気へ放出
☓100
(農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果 H25.8.6)
3
3)バグフィルターで排ガス中の放射性セシウムをほぼ 100%除去されます ?!
一関市狐禅寺地区説明会資料 4 ページから
4)質問主意書提出・国の答弁書から 一部抜粋
質 問 答弁書
第 185 回国会(臨時会)質問主意書
質問第八八号 放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関
する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十五年十二月五日 川 田 龍 平
参議院議長 山 崎 正 昭 殿
放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関する質問主意書
東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」とい
う。)により、放射性物質に汚染されたがれきが福島県を始め、
大津波被災県や関東の都県で大量に発生した。
この放射性物質による汚染がれきは、福島、宮城、岩手、茨
城などの各県の一般廃棄物の焼却施設において焼却処理されて
いるところであるが、個別の焼却データを見ると、放射性セシ
ウムの回収率について、当初言われていた九十九パーセントか
らはるかに低いものが散見されている。このことは、第百八十
回国会において提出した質問主意書で憂慮してきたとおり、汚
染がれきの焼却により、大気を通して放射能汚染が広がってい
る可能性が懸念されるものである。
原発事故から三年が経過しようとする現在、放射性物質によ
る汚染がれきの焼却処理方式を見直し、新たに埋設などの他の
方式を検討すべきではないかと考える。
これ以上国土を汚染させることなく、人々を被ばくさせるこ
となく、将来世代に対し安全で安心な国土を引き継ぐため、具
体的な焼却施設データ等について、以下質問する。
一 福島県鮫川村における汚染物の焼却処理の放射能回収率に
ついて
平成二十五年八月六日付けの環境省指定廃棄物対策チームの
報告書「農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果(全体
報告)」(以下「報告書」という。)において、
第 185 回国会(臨時会)
答弁書
答弁書第八八号
内閣参質一八五第八八号
平成二十五年十二月十三 内閣
総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿
参議院議員川田龍平君提出放射性
物質による汚染がれきの焼却処理
等に関する質問に対し、別紙答弁書
を送付する。
参議院議員川田龍平君提出
放射性物質による汚染がれきの焼
却処理等に関する質問に対する答
弁書
4
確認運転の結果二‐一運転データの表一によると、福島県鮫川
村の焼却炉において七月十六日から十八日にかけて行われた負
荷運転では放射能に汚染された牧草や稲わらを焼却した結果、
放射性セシウムの回収率が七十五パーセントになっている(焼
却対象物中放射性セシウム総量六十一万六千二百ベクレル、も
えがら中放射性セシウム総量三千九百ベクレル、ばいじん中放
射性セシウム総量四十五万九千二百ベクレル)。
これは環境省が九十九パーセント以上の回収率と周辺住民へ
説明し、焼却を推進してきたこととあまりに異なる結果である。
1 この結果をどう説明するのか政府の見解を示されたい。
2 報告書によると、二十五パーセントが大気中へ放出された
ことになり、このような結果が出たことから、焼却をいったん
中止し再検討すべきと考えるが、いかがか。
3 岩手県宮古市の焼却炉においても、市民グループの計算で
は回収率が八十四パーセント程度であると聞く。他の焼却炉に
おける前述の表一のようなデータを集約している場合には、示
されたい。
4 汚染がれきを焼却している各焼却炉において、前述の表一
のデータを集約すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 バグフィルターによる排ガス中放射性セシウムの除去につ
いて
一の1、2及び4について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らか
ではないため、お答えすることは困
難である。
一の3について
御指摘の「データ」については、
集約していない。
5) 4)と併せ、詳しくは http://sanriku.my.coocan.jp/131205Q&A.htm
6)群馬県伊勢崎市最終処分場の湛水から放射性セシウムを検出
焼却灰から水に放射性セシウムの約8割以上が溶出する。焼却飛灰 1810Bq/kg を埋立滲出水・
放流水から原子力施設濃度基準の 2・04 倍検出(Cs134:69Bq/kg,Cs137:80Bq/kg)した。
「放射能汚染の廃棄物の埋立」国立環境研究所遠藤和人、環境省災害廃棄物安全評価検討会第 8 回資料より
5
7)岩手県内の焼却灰最終処分場の放出水から放射性セシウムが検出されています
8)原子力関連企業と地方自治体との公害防止協定は国の規制値の 1/10 程度に設定
例:岩手県滝沢市 RMC(ラディオメディカルセンター)公害防止に関する覚書
(排気・排水の排出基準)
(3)施設の操業に伴う排気中及び排水中のアイソトープ濃度は、それぞれ関係法令で定めた
許容濃度の10分の1以下とする。
*	
  http://sanriku.my.coocan.jp/87RMCkyoutei.pdf
9)宮古市公的施設における空間線量率の経時変化 市役所は 実測値>予測値
他
宮古市焼却センターの風下にある
小山田保育園
磯鶏保育園
藤原小学校
の3施設の校庭の空間線量率が
汚染物の焼却後
実測値>予測値 になっている。
2012.6∼2013.12 検出状況
岩手県資源循環課まとめによる
検出/回数 最小∼最大(平均値)
1) 奥州市胆江地区最終処分場
7/7 検出 5.9∼37(17.7)
2) 大槌町一廃最終処分場
5/6 検出 ND∼48(26)
3) 遠野市清養園最終処分場
5/6 検出 ND∼3.5(1.8)
4)盛岡紫波地区最終処分場
2/6 検出 ND∼10.2(2.5)
5)盛岡市玉山廃物処分場
1/6 検出 ND∼3.3
6)久慈地区最終処分場
1/6 検出 ND∼2
※ 岩手県内 19 最終処分場のう
ち上記6施設以外はいずれも ND
であった。
6
岩チ日
)4月 29 火曜 日)
「農作物に影響 しないか」などの質問が出た放射
能汚染住民説明会=28日 、一関市・並木集会所
狐
禅
寺
の
住
民
へ
説
明
一
関
地
区
広
域
行
政
組
合
管
理
者
・
勝
部
修
一
関
市
長
が
国
事
業
で
整
備
を
予
定
す
る
農
林
業
系
放
射
能
汚
染
廃
棄
物
の
仮
設
焼
却
施
設
計
画
に
関
す
る
狐
禅
寺
地
区
の
住
民
説
明
会
は
28
日
、
計
5
カ
所
で
の
日
程
を
終
え
た
。
住
民
か
ら
反
対
の
声
が
相
次
ぎ
、
合
意
形
成
に
は
ま
だ
距
離
が
あ
る
状
況
。
同
組
合
は
他
県
の
先
進
施
設
視
察
の
ほ
か
再
度
、
説
明
会
を
開
催
し
、
除
染
の
進
展
へ
合
意
を
得
た
い
考
え
だ
。
被
害
が
心
配
▽
第
2
候
補
地
は
考
え
て
い
な
い
の
か
▽
長
年
ご
み
処
理
の
煙
に
お
び
え
な
が
ら
子
育
て
孫
育
て
を
し
て
き
た
の
で
反
対
な
ど
の
意
見
が
出
さ
れ
た
。
計
画
は
、
2
0
1
6
年
度
ま
で
に
同
地
区
に
国
事
業
で
仮
設
施
設
を
整
備
。
並
木
集
会
所
で
同
日
開
か
れ
た
住
民
説
明
会
に
は
20
人
が
参
加
。
計
画
に
対
し
農
作
物
へ
の
影
響
は
な
い
か
な
ど
と
心
配
す
る
声
が
出
た
。
住
民
説
明
会
は
、
狐
禅
寺
地
区
を
対
象
に
18
日
か
ら
5
回
開
催
。
住
民
か
ら
は
▽
放
射
能
漏
れ
、
風
評
東
京
電
力
福
島
第
1
原
発
事
故
に
伴
い
発
生
し
た
農
林
業
系
汚
染
廃
棄
物
に
つ
い
て
、
牧
草
を
除
き
、
国
の
処
理
が
決
め
ら
れ
て
い
る
1
計
当
た
り
8
千
の
超
の
指
定
廃
棄
物
6
4
0
ン
ト
を
焼
却
。
そ
の
後
、
同
組
合
が
施
設
を
引
き
継
ぎ
、
同
8
千
が
以
下
の
廃
棄
物
1
万
8
9
6
8
ン
ト
を
焼
却
す
る
。
17
年
度
か
ら
5
年
間
で
の
処
理
を
見
込
み
、
完
了
す
れ
ば
施
設
を
解
体
す
る
。
同
組
合
は
説
明
会
で
、
仮
設
焼
却
施
設
の
計
画
に
加
え
、
老
朽
化
し
た
同
市
狐
禅
寺
に
あ
る
一
関
清
掃
セ
ン
タ
ー
と
大
東
清
掃
セ
一
い
る
。
こ
れ
ま
で
の
迷
ン
タ
ー
を
統
合
し
、
新
た
一惑
施
設
を
覆
し
、
国
内
な
一
般
ご
み
焼
却
施
設
を
一で
最
高
水
準
の
施
設
に
す
建
設
す
る
計
画
も
提
案
。
一る
と
説
明
。
焼
却
施
設
40
年
間
使
用
す
る
予
定
の
一か
ら
出
る
熱
エ
ネ
ル
ギ
ー
最
終
処
分
場
も
設
置
し
た
一を
利
用
し
た
複
合
施
設
を
い
考
え
だ
。
 
 
 
 
 
一建
設
し
負
担
軽
減
を
図
る
00
年
に
前
市
長
と
狐
禅
一考
え
。同
市
狐
禅
寺
の
し
寺
住
民
と
の
間
で
、
ご
み
一尿
処
理
施
設
は
廃
上
し
、
焼
却
施
設
を
今
後
建
設
し
一他
地
区
へ
移
転
す
る
方
針
Q
鼎
汚
離
錬
み
と
稲
わ
ら
、
堆
肥
、
シ
イ
タ
ケ
の
ほ
だ
木
の
汚
染
廃
棄
物
を
混
ぜ
て
1
日
当
た
り
50
ン
ト
程
度
燃
や
す
。
国
の
計
画
で
、
県
内
他
市
町
村
の
■
計
当
た
り
8
千
づ
超
の
稲
わ
ら
馘ぃ境龍畦ノ、交師円屍こ一だ鷹部市長は
他の地一
な
っ
た
。
長
年
受
て
き
た
住
民
は
で
犠
牲
に
な
ら
な
い
け
な
い
の
か
を
隠
さ
な
い
。
勝
都
市
長
は
承
知
の
上
で
お
願
な
ど
70
ン
ト
も
焼
却
。
焼
却
灰
は
持
ち
込
村
が
持
ち
帰
る
決
(追加資料1)
2014.4.29
岩手日報
該当一関市狐禅寺地
区の説明会が
4.18∼28 まで 5 地
区で行われました。
私 た ち の 会 で は
4.18 説明会初日の
午後一関市議 7 名に
事情を説明しその危
険性を訴えることが
できました。
住民の方々の反対の
大きな論拠は 2000
年に一関市と「ゴミ
焼却場を今後建設し
ない覚書を取り交わ
していたこと」のよ
うでした。
環境基本法(抜粋)
第一条 現在及び将来の
国民の健康で文化的な生
活の確保に寄与するとと
もに人類の福祉に貢献す
る こ と を 目 的 と す る 。
第二条(環境の恵沢の継
続と享受の継承等)
第三条(環境への負荷の少
ない持続的発展が可能な
社会の構築等)
第四条(国際的強調による
地球環境保全の積極的推
進)
※上記第二から第三条を
基本理念としています。
第六条 国は基本理念に
のっとり、環境の保全に関
する基本的かつ総合的な
施策を策定し、及び実施す
る責務を有する。
第七条 事業者は基本理
念に則り事業活動を行う
に当たっては、これに伴っ
て生ずるばい煙、汚水、廃
棄物等の処理その他の公
害を防止し、又は自然環境
を適性に保全するために
必要な措置を講ずる責務
を有する。
7
	
  	
  (追加資料2)
放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関する質問主意書	
  131205 提出 1213 受領
川田龍平参議院議員提出	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  	
  質問主意書並びに答弁、コメント一覧表
【質問の主旨】
東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)により、放射性物質に汚染され
たがれきが福島県を始め、大津波被災県や関東の都県で大量に発生した。この放射性物質による汚
染がれきは、 福島、宮城、岩手、茨城などの各県の一般廃棄物の焼却施設において焼却処理されて
いるところであるが、個別の焼却データを見ると、放射性セシウムの回収率について、当初言われ
ていた九十九パーセントからはるかに低いものが散見されている。このことは、第百八十回国会に
おいて提出した質問主意書で憂慮してきたとおり、汚染がれきの焼却により、大気を通して放射能
汚染が広がっている可能性が懸念されるものである。原発事故から三年が経過しようとする現在、
放射性物質による汚染がれきの焼却処理方式を見直し、新たに埋設などの他の方式を検討すべきで
はないかと考える。 これ以上国土を汚染させることなく、人々を被ばくさせることなく、将来世代
に対し安全で安心な国土を引き継ぐため、具体的な焼却施設データ等について、以下質問する。	
  	
  	
 
【質問項目】
1	
  福島県鮫川村における汚染物の焼却処理の放射能回収率について
平成二十五年八月六日付けの環境省指定廃棄物対策チームの報告書で、鮫川村の焼却炉において七
月行われた負荷運転では放射能に汚染された牧草や稲わらを焼却した結果、放射性セシウムの回収
率が七十五パーセントになっている。これは環境省が九十九パーセント以上の回収率と周辺住民へ
説明し、焼却を推進してきたこととあまりに異なる結果である。
1)この結果をどう説明するのか政府の見解を示されたい。
2)報告書によると、二十五パーセントが大気中へ放出されたことになり、焼却をいったん中止し
再検討すべきでは。
3)岩手県宮古市の焼却炉においても、市民グループの計算では回収率が八十四パーセント程度で
あると聞く。他の焼却炉における報告書のようなデータを集約しているのか。
4)汚染がれきを焼却している各焼却炉において、報告書と同じデータを集約すべきと考えるが、
政府の見解を示されたい。
2	
  バグフィルターによる排ガス中放射性セシウムの除去について
1)汚染された牧草等を燃焼処理した場合に発生する燃焼ガスの煙の微粒子の直径の分布割合(粒
径分布)を示されたい。
2)環境省の HP で、バグフィルターで〇・一ミクロンまでの微粒子を除去可能とあるが、根拠と
なるデータを示されたい。
3)全国の一般のごみ焼却場で使用しているバグフィルターで捕捉される粒径はどの程度か、各事
業所における除去最小径について、最大値、最小値及び平均値を示されたい。
4)放射性セシウムは燃焼させると煙の微粒子にどの程度付着するの か、その割合について科学的
根拠を示されたい。
3	
  焼却による排ガス中の放射性セシウムの測定について
1)	
  現在測定に用いられている方式は、いつ、どこで決められたのか。また、その際に課題に挙げ
られた事項を示されたい。
2) 排ガス中の放射性セシウムを含む微粒子が集められたろ紙によって、どのよ うに放射性セシウ
ムを測定するのか、その検出限界値はどのような条件で、どの ように決定されるのか。
3)ろ紙を通過した排ガスを水に通過させた場合にどの程度放射性セシウムが水に抽出されるか、
水への抽出割合に関する科学的根拠資料を示されたい。
4)現在の排ガス中の放射性セシウム濃度測定方式は十分信頼できるものか。
5)今年二月試験焼却が行われた岩手県宮古市の焼却炉の場合、現在の排ガス検
出限度では、バグフィルター前の排ガスですら送風量の関係で検出限界値以下に なる。これでは最
8
初から不検出がわかっており意味がないのではないか。地域の人々をあざむくものでないのか。
6)濃度規制に加え、厳しい総量規制を取り入れるべきではないかと考えるが、政府の見解を示さ
れたい。
4	
  焼却場の排ガス中における放射性セシウムの基準がそれぞれ原子力施設の基準を当てはめるよ
う指導されているようだが、原子力施設ではない一般のごみ焼却場の排ガスや周辺環境にこの基準
値を用いることは、環境汚染防止の観点から納得できない。各自治体が自らの裁量で設定すること
は何ら問題ないと考えるがどうか。
5	
  福島県や周辺県で汚染調査重点地域に指定されているところでは、様々な場面で被ばくが予想
される。これに加えて更に焼却による汚染まで加えることはあまりに配慮に欠けることになるので
はないか、政府の見解を示されたい。
【答弁書	
  国の姿勢、コメント⇒】
1について
福島県鮫川村において行われた放射性物質により汚染された稲わらなどの焼却処理に関する、環境
省指定廃棄物対策チームの報告書の内容に基づき、放射性セシウムの回収率を計算したところ回収
率が75%であることがわかり質問したもの。 このことは、大気中へ25%も放射性セシウムが放
出されていることになり、重大な問題です。この問いに対して、「お尋ねの趣旨が明らかでないた
め答えることが困難だ」と質問の仕方がおかしいと相手に責任を転嫁する回答でした。	
  それなら
ば直接議員に趣旨を問合せ確認すべきではないか、それが公僕たる官僚の仕事のはず。
	
  このことは、この回収率計算を否定することができず、困った挙句のすりかえ答弁と言わざるを
えません。報告書	
  表1のようなデータを各清掃工場で取得することにより各工場での回収率がわ
かるのですが、実際の回収率わかると焼却処理を推進してきた手前、引込みがつかなくなるからで
しょう、ノーコメントで逃げて済まそうとしています。事の重大性に向きあい真摯に対応しようと
していません。
2 の1について
	
  バッグフィルターで排ガス中の微粒子を 0.1 ミクロンまで除去できると言いながら(事業所によ
っては1ミクロン、0.5 ミクロン等まちまち)、対象となる燃焼排ガスの微粒子の粒形分布を調べて
いないとは非科学的。気体中微粒子の粒形分布測定装置はさまざまなメーカが製造しており、調べ
ようとするならば簡単に測定できるはず。このような基礎的資料も把握せずに焼却を進めることは
あまりに無責任です。
バグフィルターによる放射性セシウムの除去について ・排ガス中に移行した放射性セシウムは、ダ
イオキシン類生成抑制のために冷却され、約 200℃以下で制御されているバグフィルター付近では、
主に塩化セシウムとして凝縮し固体状態になり、他の物質と一緒に凝集してばいじんになると考え
られます。よって、ばいじんを除去できれば放射性セシウムも同時に除去可能です。ばいじんの平
均粒径は数十 µmであり、バグフィルターでは 1/10µmオーダーの粒子をカットできることから、
ほぼ完全に放射性セシウムを除去できます。 」とあります。焼却ガスの微粒子の径がわかっていな
ければこの理屈は成り立ちません。「測定していない」これが国の答えとは驚き呆れます。
2 の2及び3について
	
  岩手県滝沢村にある医療用放射性廃棄物処理工場RMCに設置されているHEPAフィルター(バグ
フィルターよりも高性能)では 0.3 ミクロン以上の微粒子を99%除去可能とのこと。ふつうの清
掃工場のバッグフィルターで 0.1 ミクロンまで除去できると聞いたことがありません。	
  全国のご
み焼却場に設置されている各々のバグフィルターで捕捉される粒形については「メーカー仕様書の
意味がわからないので答えられない」と逃げています。公表したくないのか、調査していないのか
知らせたくないことがわかりました。
2の4について
「放射性セシウムは煙の微粒子にどの程度付着するのか、その科学的根拠を」との問いに答えてい
9
ません。
3の1及び4について
災害廃棄物安全評価検討会の第 10 回、第 11 回検討会は非公開で行われました。議事録は要旨のみ
公開。排ガス中放射性セシウムの測定関連としては、サンプリング方法の件と、測定機器の取扱に
関する質問がありましたが、排ガス測定原理等に関する質問は出ていませんでした。ちなみに委員
は行政関係研究所から3名、大学教授が5名の計8名です。放射能について詳しい委員はみな国の
機関の職員であり、“原子力ムラ”の構成機関代表委員が主導しています。オブザーバーも同様です。
「測定方法について問題点の指摘がなかった」との回答は、各委員の誠意や専門性の欠如を疑わせ
るものです。
「測定方法は信頼できるのか」との問いには「適切な方法であると考えている」とのすりかえ答弁
でした。
3の2について
	
  測定方法の細部にわたる質問です。
排ガス中の放射性セシウムについてろ紙部・ドレン(水)部の各々についてセシウム 134 と 137 両
核種の検出限界を国は1m3あたり2Bq と定めています。仮にセシウム137が検出限界の半分の
濃度1Bq/m3 の気体が、毎時 20000m3 で 24 時間バグフィルターを通り大気放出されたならば1日
48 万 Bq もの放射能が環境に放出され、しかも不検出になるのです。検出限界を下げることは可能
であるにかかわらず高く設定し、不検出とするように仕組んでいるとしか考えられません。ちなみ
に福島県の焼却施設の排ガス分析においてセシウム 137 の検出限界が 0.007,0.06,0.6,1Bq/m3 とさ
れている例がありました(第 11 回検討会資料9)。
3の3について
排気ガス中の放射性セシウムの分析については JISZ8808「排ガス中ダスト濃度の測定方法」に準拠
し定められましたが、新たな“放射性セシウム”という未知の物質について分析解説がないのはあま
りに不親切です。
	
  水に排ガスを通過させその排ガス中の放射性セシウムがどの程度水に移行するのか問うた答「抽
出割合に関しては承知していない」とは基本的な問題が検証されないまま分析することであり、道
理が通りません。これはもう科学的分析ではありません。
3の5及び6、四並びに五について
	
  よほど面倒になってきたのか、以下の質問を全てまとめた答弁になっています。
岩手県宮古市の焼却炉の場合、焼却したフィルター前の排気ガス中の放射性セシウムが2Bq/m3 以
下の検出限界以下になるケースがありました。このようなやり方は「地域の人々をあざむくもので
ないのか」との厳しい指摘に対し、あるべき反論はなく、これについても「趣旨が明らかでない」
と答弁を避けています。	
 
そして以下の三つの問い
・ 3 の 6	
  放射性セシウムの大気放出に係る厳しい総量規制を取り入れるべきでは。
・4	
  一般のごみ焼却場に原子力施設の放出基準を当てはめている問題。関連し各自治体の上乗せ基
準の設定について認めるべきでは。
・5	
  汚染地の人々にさらに大気汚染により放射能被ばくを上乗せしてはいけないのではないか。
	
  上記の各疑問の答えは一括して、「被曝量は「年間1ミリシーベルト以下であり問題ない、自治
体の独自に厳しい基準の設定を行う必要はない」というものでした。これが環境省の回答かと、驚
くべきものでした。
	
  環境省は原子力施設がある自治体で人々との間で結んでいる協定や国の指針を理解しこのような
回答をしているのでしょうか。
	
  例えば核燃料サイクル施設が密集している青森県六ケ所再処理工場周辺の人々の放射線量は年に
0.022 ミリシーベルト以下という条件のもと住民と合意しています。
	
  また、原発では「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」によると「発電用軽
水炉施設の通常運転時における環境への放射性物質の放出に伴う周辺公衆の受ける線量を低く保つ
ための努力目標として、施設周辺の公衆の受ける線量についての目標値(線量目標値)を 実効線量で
年間 0.05 ミリシーベルトとする。」とあります。
10
岩手県滝沢村の RMC では国の放射性物質基準の10分の1の値を公害防止協定として採用してい
ます。
	
  原子力施設はいずれも民家から離れたところに建設されているに関わらずこのような年 1 ミリシ
ーベルトをはるかに下回る線量目標値が設定されています。しかるに一般のゴミ焼却場は民家に近
いところに設置されており危険性が増しますが 1 ミリシーベルト以下だから問題ない、各自治体の
現地に合わせた裁量をも認めないとはあまりにも無責任、無神経であり、環境省の本来の役割を投
げ捨てた姿勢に驚きを禁じえません。
【答弁からわかったこと】
・福島県鮫川村の焼却施設において放射性セシウムの主灰・飛灰への回収率が 75%であり 25%も
大気へ放出されていた環境省のデータに基づく事実の指摘に 反論できず、質問の趣旨が不明と逃げ
た。焼却の見直しについても回答せず、環境省はこのような大切な問題に真摯に取り組もうとする
姿勢がない。
・排ガス中の燃焼微粒子の粒径分布、微粒子へ放射性セシウムの付着割合、排ガス中放射性セシウ
ムの水への移行割合等については 調べていない、科学的根拠を示さない。バグフィルターでどれだ
け放射性セシウムを除けるか、排ガス測定の信頼性にかかわる基礎的 データを示すことができない。
国の災害廃棄物検討委員会ではこの点論議されていないらしい。
・排ガスの検出限界を2Bq/m3としているがその根拠が不明。それ以下の検出限界も可能。限界値
を上げ混焼ゴミの量を調節し送風量を増すことなどの操作により濃度の高い汚染物の焼却をしても
排ガス中の放射性セシウムを不検出にすることができる。
・放射性セシウムの大気放出の総量規制は考えていない。
・原子力法の規制値をそのまま焼却炉に当てはめ規制すること、上乗せ規制値決定の自治体裁量、
汚染重点調査地域などに居住する人達へ被ばくへの配慮については、施設周辺の住民の被ばくは年
に1mSv 以下であるので問題ないとする姿勢である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【おわりに】
2012 年 6 月の環境基本法、原子力関連法の改正により放射性物質による環境汚染防止の主務官庁は
環境省と環境省の外局に設置された原子力規制庁に移管されました。 	
  既得権益に囚われない国民
本位の環境行政が行われるものと期待しておりました。
しかし6月に堤出した「環境基本法に基づく厳正な「放射性物質による環境汚染防止のための措置」
と関連個別法の整備に関する質問主意書の回答同様、今回も環境基本法の理念(環境の恵沢の享受
と継承等、環境の負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等、国際的強調による地球環境保全
の積極的推進)が雲散霧消したかのような回答です。
今回の質問の回答として「焼却炉施設周辺の年被ばく限度は1ミリシーベルト以下であるから問題
なし」とする姿勢はこれが環境省の回答かと我が目を疑うものでした。人里離れた原子力施設そし
て、原発設置の際の周辺の線量目標は 0.05 ミリシーベルトに定められていることを知っているので
しょうか。放射線は微量でも発がんや遺伝的影響があるということは ICRP も認める世界の常識で
す。人々の健康を守る環境省がこのような安易な姿勢で放射能汚染問題を捉えていることは国民に
とり重大な問題です。このような姿勢のため、放射能汚染を拡散する焼却処理は各地で行政と住民
の対立をうんでいます。
放射性物質による内部被ばくについての影響や組織・器官への影響は未だ 科学的にも不明なことだ
らけです。不明ならば予防原則に徹するべきです。人々の健康、特に子どもたちを守る立場ではで
きるだけ放射線の被ばくを避けることが第一です。年 1 ミリシーベルトの被ばくまでは良いのだと
は決して言えないはずです。
環境省・原子力規制庁は環境基本法の原点に戻り、環境法の理念をもう一度噛み締め初心に立ち返
り、環境と国民の健康を守るための行政に徹するべきです。そのためまずは放射能汚染物の焼却処
理を中止し、見直すことです。
川田龍平参議院議員にはいつも、質問主意書堤出など運動にご協力頂き感謝しています。(永田)

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Tamragikai
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140629 第5回放射能ゴミ焼却を考える学習会・連続講座 永田文夫さん資料

  • 1. 1 第5回放射能ゴミ焼却を考える学習会・実践講座(資料1) 2014.6.29 【岩手日報論壇投稿】 *掲載されず 20140327投稿 放射能汚染廃棄物は焼却より埋設処分を 本紙3月11日に「汚染廃棄物に焼却施設」との見出しで、一関広域組合が国事業で一関市狐禅寺に 仮設焼却施設を建設する計画が報じられた 1) 。稲わら、堆肥、椎茸、ほだ木など1キロ当たり放射性 セシウム8千ベクレル以上の指定廃棄物やその他汚染廃棄物約2万トンが対象になるとのことだ。県 内の市町村では遠野市、宮古市、矢巾町などで焼却処理が行われている。環境省が事業主体の福島 県鮫川村の仮設焼却炉試験結果報告書を調べてみた。データから放射性セシウムの25%が大気中 へ出て行っている結果になった。 2) 焼却炉設置住民説明会では99%以上回収できるとしてきた話 しとあまりにかけ離れている。 3) そこで昨年12月国会議員を通し国へ質問をした。「趣旨が明らか でなく答えは困難」という逃げの回答 4) であった。この他、「バグフィルターによる放射性セシウ ムの除去について。焼却による排ガス中の放射性セシウムの測定について。一般ごみ焼却施設の排 ガスや最終処分場の排水の放射性セシウム基準値を原子力施設の基準を当てはめる問題」など質問 をした。いずれも環境省は科学的根拠を示すことができず曖昧な答弁であった。 5) 放射性セシウム を高濃度に含む焼却灰は最終処分場に埋め立てることになるが、雨水によりセシウムは容易に溶解 し汚染水が出現する。 6) 事実県内各地の最終処分場排水から放射性セシウムが検出されている。 7) 自治体は国の基準以下だから問題なしとしているが、原子力施設ですら周辺住民との協定はほとん どが国の基準の10分の1以下の数値で結ばれている。 8) 宮古市では焼却炉の風下に当たる市役 所の空間線量率は放射能の半減期で見込まれる予測値よりも高い値を示し、焼却の影響が疑われる 9) ことを市民が調べ指摘している。 国の「汚染状況重点調査地域」になっている県南地方で、さらに大気汚染による吸入被ばくを上乗 せすることは危険だ。焼却し大気を汚染させ、焼却灰からセシウムを含む排水を出すよりもそのま ま埋設し土壌やゼオライト等によるセシウム吸着を利用するほうが良い方法だ。自治体は国の言い なりにならず人々にこれ以上の被ばくをさせないように最大限配慮すべきではないか。さまざまな 疑問が解消されるまでは汚染物の焼却処理計画は止め、埋設など他のより良い方法を検討する柔軟 性を持ってほしい。環境省は環境基本法に基づき国民を守る姿勢を貫いてほしい。 参考 http://sanriku.my.coocan.jp/131205Q&A.htm 図1 一関市・一関地区広域行政組合・環境省の指定廃棄物等の焼却と関連計画 一関市で計画されている指定廃棄物の焼却問題はあまりに危険!! 滝沢市RMC放射線監視委員会委員 永田文夫
  • 2. 2 1)岩手日報 2014.3.11 記事 2)福島県鮫川村焼却炉実証試験データ 環境省 放射性セシウムの約 25%が大気へ放出 ⃝ 投入放射性セシウム総量 52✕200+52✕800+620✕910=616200Bq ⃝ もえがら中放射性セシウム総量 650✕6=3900Bq ⃝ ばいじん(サイロ)放射性セシウム総量 5600✕82=459200Bq *放射性セシウムの回収率 3900+459200 616200 =75.2% (Cs 回収率) 24.8%(140180Bq)は大気へ放出 ☓100 (農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果 H25.8.6)
  • 3. 3 3)バグフィルターで排ガス中の放射性セシウムをほぼ 100%除去されます ?! 一関市狐禅寺地区説明会資料 4 ページから 4)質問主意書提出・国の答弁書から 一部抜粋 質 問 答弁書 第 185 回国会(臨時会)質問主意書 質問第八八号 放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関 する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十五年十二月五日 川 田 龍 平 参議院議長 山 崎 正 昭 殿 放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関する質問主意書 東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」とい う。)により、放射性物質に汚染されたがれきが福島県を始め、 大津波被災県や関東の都県で大量に発生した。 この放射性物質による汚染がれきは、福島、宮城、岩手、茨 城などの各県の一般廃棄物の焼却施設において焼却処理されて いるところであるが、個別の焼却データを見ると、放射性セシ ウムの回収率について、当初言われていた九十九パーセントか らはるかに低いものが散見されている。このことは、第百八十 回国会において提出した質問主意書で憂慮してきたとおり、汚 染がれきの焼却により、大気を通して放射能汚染が広がってい る可能性が懸念されるものである。 原発事故から三年が経過しようとする現在、放射性物質によ る汚染がれきの焼却処理方式を見直し、新たに埋設などの他の 方式を検討すべきではないかと考える。 これ以上国土を汚染させることなく、人々を被ばくさせるこ となく、将来世代に対し安全で安心な国土を引き継ぐため、具 体的な焼却施設データ等について、以下質問する。 一 福島県鮫川村における汚染物の焼却処理の放射能回収率に ついて 平成二十五年八月六日付けの環境省指定廃棄物対策チームの 報告書「農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果(全体 報告)」(以下「報告書」という。)において、 第 185 回国会(臨時会) 答弁書 答弁書第八八号 内閣参質一八五第八八号 平成二十五年十二月十三 内閣 総理大臣 安倍 晋三 参議院議長 山崎 正昭 殿 参議院議員川田龍平君提出放射性 物質による汚染がれきの焼却処理 等に関する質問に対し、別紙答弁書 を送付する。 参議院議員川田龍平君提出 放射性物質による汚染がれきの焼 却処理等に関する質問に対する答 弁書
  • 4. 4 確認運転の結果二‐一運転データの表一によると、福島県鮫川 村の焼却炉において七月十六日から十八日にかけて行われた負 荷運転では放射能に汚染された牧草や稲わらを焼却した結果、 放射性セシウムの回収率が七十五パーセントになっている(焼 却対象物中放射性セシウム総量六十一万六千二百ベクレル、も えがら中放射性セシウム総量三千九百ベクレル、ばいじん中放 射性セシウム総量四十五万九千二百ベクレル)。 これは環境省が九十九パーセント以上の回収率と周辺住民へ 説明し、焼却を推進してきたこととあまりに異なる結果である。 1 この結果をどう説明するのか政府の見解を示されたい。 2 報告書によると、二十五パーセントが大気中へ放出された ことになり、このような結果が出たことから、焼却をいったん 中止し再検討すべきと考えるが、いかがか。 3 岩手県宮古市の焼却炉においても、市民グループの計算で は回収率が八十四パーセント程度であると聞く。他の焼却炉に おける前述の表一のようなデータを集約している場合には、示 されたい。 4 汚染がれきを焼却している各焼却炉において、前述の表一 のデータを集約すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 二 バグフィルターによる排ガス中放射性セシウムの除去につ いて 一の1、2及び4について お尋ねの趣旨が必ずしも明らか ではないため、お答えすることは困 難である。 一の3について 御指摘の「データ」については、 集約していない。 5) 4)と併せ、詳しくは http://sanriku.my.coocan.jp/131205Q&A.htm 6)群馬県伊勢崎市最終処分場の湛水から放射性セシウムを検出 焼却灰から水に放射性セシウムの約8割以上が溶出する。焼却飛灰 1810Bq/kg を埋立滲出水・ 放流水から原子力施設濃度基準の 2・04 倍検出(Cs134:69Bq/kg,Cs137:80Bq/kg)した。 「放射能汚染の廃棄物の埋立」国立環境研究所遠藤和人、環境省災害廃棄物安全評価検討会第 8 回資料より
  • 5. 5 7)岩手県内の焼却灰最終処分場の放出水から放射性セシウムが検出されています 8)原子力関連企業と地方自治体との公害防止協定は国の規制値の 1/10 程度に設定 例:岩手県滝沢市 RMC(ラディオメディカルセンター)公害防止に関する覚書 (排気・排水の排出基準) (3)施設の操業に伴う排気中及び排水中のアイソトープ濃度は、それぞれ関係法令で定めた 許容濃度の10分の1以下とする。 * http://sanriku.my.coocan.jp/87RMCkyoutei.pdf 9)宮古市公的施設における空間線量率の経時変化 市役所は 実測値>予測値 他 宮古市焼却センターの風下にある 小山田保育園 磯鶏保育園 藤原小学校 の3施設の校庭の空間線量率が 汚染物の焼却後 実測値>予測値 になっている。 2012.6∼2013.12 検出状況 岩手県資源循環課まとめによる 検出/回数 最小∼最大(平均値) 1) 奥州市胆江地区最終処分場 7/7 検出 5.9∼37(17.7) 2) 大槌町一廃最終処分場 5/6 検出 ND∼48(26) 3) 遠野市清養園最終処分場 5/6 検出 ND∼3.5(1.8) 4)盛岡紫波地区最終処分場 2/6 検出 ND∼10.2(2.5) 5)盛岡市玉山廃物処分場 1/6 検出 ND∼3.3 6)久慈地区最終処分場 1/6 検出 ND∼2 ※ 岩手県内 19 最終処分場のう ち上記6施設以外はいずれも ND であった。
  • 6. 6 岩チ日 )4月 29 火曜 日) 「農作物に影響 しないか」などの質問が出た放射 能汚染住民説明会=28日 、一関市・並木集会所 狐 禅 寺 の 住 民 へ 説 明 一 関 地 区 広 域 行 政 組 合 管 理 者 ・ 勝 部 修 一 関 市 長 が 国 事 業 で 整 備 を 予 定 す る 農 林 業 系 放 射 能 汚 染 廃 棄 物 の 仮 設 焼 却 施 設 計 画 に 関 す る 狐 禅 寺 地 区 の 住 民 説 明 会 は 28 日 、 計 5 カ 所 で の 日 程 を 終 え た 。 住 民 か ら 反 対 の 声 が 相 次 ぎ 、 合 意 形 成 に は ま だ 距 離 が あ る 状 況 。 同 組 合 は 他 県 の 先 進 施 設 視 察 の ほ か 再 度 、 説 明 会 を 開 催 し 、 除 染 の 進 展 へ 合 意 を 得 た い 考 え だ 。 被 害 が 心 配 ▽ 第 2 候 補 地 は 考 え て い な い の か ▽ 長 年 ご み 処 理 の 煙 に お び え な が ら 子 育 て 孫 育 て を し て き た の で 反 対 な ど の 意 見 が 出 さ れ た 。 計 画 は 、 2 0 1 6 年 度 ま で に 同 地 区 に 国 事 業 で 仮 設 施 設 を 整 備 。 並 木 集 会 所 で 同 日 開 か れ た 住 民 説 明 会 に は 20 人 が 参 加 。 計 画 に 対 し 農 作 物 へ の 影 響 は な い か な ど と 心 配 す る 声 が 出 た 。 住 民 説 明 会 は 、 狐 禅 寺 地 区 を 対 象 に 18 日 か ら 5 回 開 催 。 住 民 か ら は ▽ 放 射 能 漏 れ 、 風 評 東 京 電 力 福 島 第 1 原 発 事 故 に 伴 い 発 生 し た 農 林 業 系 汚 染 廃 棄 物 に つ い て 、 牧 草 を 除 き 、 国 の 処 理 が 決 め ら れ て い る 1 計 当 た り 8 千 の 超 の 指 定 廃 棄 物 6 4 0 ン ト を 焼 却 。 そ の 後 、 同 組 合 が 施 設 を 引 き 継 ぎ 、 同 8 千 が 以 下 の 廃 棄 物 1 万 8 9 6 8 ン ト を 焼 却 す る 。 17 年 度 か ら 5 年 間 で の 処 理 を 見 込 み 、 完 了 す れ ば 施 設 を 解 体 す る 。 同 組 合 は 説 明 会 で 、 仮 設 焼 却 施 設 の 計 画 に 加 え 、 老 朽 化 し た 同 市 狐 禅 寺 に あ る 一 関 清 掃 セ ン タ ー と 大 東 清 掃 セ 一 い る 。 こ れ ま で の 迷 ン タ ー を 統 合 し 、 新 た 一惑 施 設 を 覆 し 、 国 内 な 一 般 ご み 焼 却 施 設 を 一で 最 高 水 準 の 施 設 に す 建 設 す る 計 画 も 提 案 。 一る と 説 明 。 焼 却 施 設 40 年 間 使 用 す る 予 定 の 一か ら 出 る 熱 エ ネ ル ギ ー 最 終 処 分 場 も 設 置 し た 一を 利 用 し た 複 合 施 設 を い 考 え だ 。           一建 設 し 負 担 軽 減 を 図 る 00 年 に 前 市 長 と 狐 禅 一考 え 。同 市 狐 禅 寺 の し 寺 住 民 と の 間 で 、 ご み 一尿 処 理 施 設 は 廃 上 し 、 焼 却 施 設 を 今 後 建 設 し 一他 地 区 へ 移 転 す る 方 針 Q 鼎 汚 離 錬 み と 稲 わ ら 、 堆 肥 、 シ イ タ ケ の ほ だ 木 の 汚 染 廃 棄 物 を 混 ぜ て 1 日 当 た り 50 ン ト 程 度 燃 や す 。 国 の 計 画 で 、 県 内 他 市 町 村 の ■ 計 当 た り 8 千 づ 超 の 稲 わ ら 馘ぃ境龍畦ノ、交師円屍こ一だ鷹部市長は 他の地一 な っ た 。 長 年 受 て き た 住 民 は で 犠 牲 に な ら な い け な い の か を 隠 さ な い 。 勝 都 市 長 は 承 知 の 上 で お 願 な ど 70 ン ト も 焼 却 。 焼 却 灰 は 持 ち 込 村 が 持 ち 帰 る 決 (追加資料1) 2014.4.29 岩手日報 該当一関市狐禅寺地 区の説明会が 4.18∼28 まで 5 地 区で行われました。 私 た ち の 会 で は 4.18 説明会初日の 午後一関市議 7 名に 事情を説明しその危 険性を訴えることが できました。 住民の方々の反対の 大きな論拠は 2000 年に一関市と「ゴミ 焼却場を今後建設し ない覚書を取り交わ していたこと」のよ うでした。 環境基本法(抜粋) 第一条 現在及び将来の 国民の健康で文化的な生 活の確保に寄与するとと もに人類の福祉に貢献す る こ と を 目 的 と す る 。 第二条(環境の恵沢の継 続と享受の継承等) 第三条(環境への負荷の少 ない持続的発展が可能な 社会の構築等) 第四条(国際的強調による 地球環境保全の積極的推 進) ※上記第二から第三条を 基本理念としています。 第六条 国は基本理念に のっとり、環境の保全に関 する基本的かつ総合的な 施策を策定し、及び実施す る責務を有する。 第七条 事業者は基本理 念に則り事業活動を行う に当たっては、これに伴っ て生ずるばい煙、汚水、廃 棄物等の処理その他の公 害を防止し、又は自然環境 を適性に保全するために 必要な措置を講ずる責務 を有する。
  • 7. 7 (追加資料2) 放射性物質による汚染がれきの焼却処理等に関する質問主意書 131205 提出 1213 受領 川田龍平参議院議員提出 質問主意書並びに答弁、コメント一覧表 【質問の主旨】 東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)により、放射性物質に汚染され たがれきが福島県を始め、大津波被災県や関東の都県で大量に発生した。この放射性物質による汚 染がれきは、 福島、宮城、岩手、茨城などの各県の一般廃棄物の焼却施設において焼却処理されて いるところであるが、個別の焼却データを見ると、放射性セシウムの回収率について、当初言われ ていた九十九パーセントからはるかに低いものが散見されている。このことは、第百八十回国会に おいて提出した質問主意書で憂慮してきたとおり、汚染がれきの焼却により、大気を通して放射能 汚染が広がっている可能性が懸念されるものである。原発事故から三年が経過しようとする現在、 放射性物質による汚染がれきの焼却処理方式を見直し、新たに埋設などの他の方式を検討すべきで はないかと考える。 これ以上国土を汚染させることなく、人々を被ばくさせることなく、将来世代 に対し安全で安心な国土を引き継ぐため、具体的な焼却施設データ等について、以下質問する。 【質問項目】 1 福島県鮫川村における汚染物の焼却処理の放射能回収率について 平成二十五年八月六日付けの環境省指定廃棄物対策チームの報告書で、鮫川村の焼却炉において七 月行われた負荷運転では放射能に汚染された牧草や稲わらを焼却した結果、放射性セシウムの回収 率が七十五パーセントになっている。これは環境省が九十九パーセント以上の回収率と周辺住民へ 説明し、焼却を推進してきたこととあまりに異なる結果である。 1)この結果をどう説明するのか政府の見解を示されたい。 2)報告書によると、二十五パーセントが大気中へ放出されたことになり、焼却をいったん中止し 再検討すべきでは。 3)岩手県宮古市の焼却炉においても、市民グループの計算では回収率が八十四パーセント程度で あると聞く。他の焼却炉における報告書のようなデータを集約しているのか。 4)汚染がれきを焼却している各焼却炉において、報告書と同じデータを集約すべきと考えるが、 政府の見解を示されたい。 2 バグフィルターによる排ガス中放射性セシウムの除去について 1)汚染された牧草等を燃焼処理した場合に発生する燃焼ガスの煙の微粒子の直径の分布割合(粒 径分布)を示されたい。 2)環境省の HP で、バグフィルターで〇・一ミクロンまでの微粒子を除去可能とあるが、根拠と なるデータを示されたい。 3)全国の一般のごみ焼却場で使用しているバグフィルターで捕捉される粒径はどの程度か、各事 業所における除去最小径について、最大値、最小値及び平均値を示されたい。 4)放射性セシウムは燃焼させると煙の微粒子にどの程度付着するの か、その割合について科学的 根拠を示されたい。 3 焼却による排ガス中の放射性セシウムの測定について 1) 現在測定に用いられている方式は、いつ、どこで決められたのか。また、その際に課題に挙げ られた事項を示されたい。 2) 排ガス中の放射性セシウムを含む微粒子が集められたろ紙によって、どのよ うに放射性セシウ ムを測定するのか、その検出限界値はどのような条件で、どの ように決定されるのか。 3)ろ紙を通過した排ガスを水に通過させた場合にどの程度放射性セシウムが水に抽出されるか、 水への抽出割合に関する科学的根拠資料を示されたい。 4)現在の排ガス中の放射性セシウム濃度測定方式は十分信頼できるものか。 5)今年二月試験焼却が行われた岩手県宮古市の焼却炉の場合、現在の排ガス検 出限度では、バグフィルター前の排ガスですら送風量の関係で検出限界値以下に なる。これでは最
  • 8. 8 初から不検出がわかっており意味がないのではないか。地域の人々をあざむくものでないのか。 6)濃度規制に加え、厳しい総量規制を取り入れるべきではないかと考えるが、政府の見解を示さ れたい。 4 焼却場の排ガス中における放射性セシウムの基準がそれぞれ原子力施設の基準を当てはめるよ う指導されているようだが、原子力施設ではない一般のごみ焼却場の排ガスや周辺環境にこの基準 値を用いることは、環境汚染防止の観点から納得できない。各自治体が自らの裁量で設定すること は何ら問題ないと考えるがどうか。 5 福島県や周辺県で汚染調査重点地域に指定されているところでは、様々な場面で被ばくが予想 される。これに加えて更に焼却による汚染まで加えることはあまりに配慮に欠けることになるので はないか、政府の見解を示されたい。 【答弁書 国の姿勢、コメント⇒】 1について 福島県鮫川村において行われた放射性物質により汚染された稲わらなどの焼却処理に関する、環境 省指定廃棄物対策チームの報告書の内容に基づき、放射性セシウムの回収率を計算したところ回収 率が75%であることがわかり質問したもの。 このことは、大気中へ25%も放射性セシウムが放 出されていることになり、重大な問題です。この問いに対して、「お尋ねの趣旨が明らかでないた め答えることが困難だ」と質問の仕方がおかしいと相手に責任を転嫁する回答でした。 それなら ば直接議員に趣旨を問合せ確認すべきではないか、それが公僕たる官僚の仕事のはず。 このことは、この回収率計算を否定することができず、困った挙句のすりかえ答弁と言わざるを えません。報告書 表1のようなデータを各清掃工場で取得することにより各工場での回収率がわ かるのですが、実際の回収率わかると焼却処理を推進してきた手前、引込みがつかなくなるからで しょう、ノーコメントで逃げて済まそうとしています。事の重大性に向きあい真摯に対応しようと していません。 2 の1について バッグフィルターで排ガス中の微粒子を 0.1 ミクロンまで除去できると言いながら(事業所によ っては1ミクロン、0.5 ミクロン等まちまち)、対象となる燃焼排ガスの微粒子の粒形分布を調べて いないとは非科学的。気体中微粒子の粒形分布測定装置はさまざまなメーカが製造しており、調べ ようとするならば簡単に測定できるはず。このような基礎的資料も把握せずに焼却を進めることは あまりに無責任です。 バグフィルターによる放射性セシウムの除去について ・排ガス中に移行した放射性セシウムは、ダ イオキシン類生成抑制のために冷却され、約 200℃以下で制御されているバグフィルター付近では、 主に塩化セシウムとして凝縮し固体状態になり、他の物質と一緒に凝集してばいじんになると考え られます。よって、ばいじんを除去できれば放射性セシウムも同時に除去可能です。ばいじんの平 均粒径は数十 µmであり、バグフィルターでは 1/10µmオーダーの粒子をカットできることから、 ほぼ完全に放射性セシウムを除去できます。 」とあります。焼却ガスの微粒子の径がわかっていな ければこの理屈は成り立ちません。「測定していない」これが国の答えとは驚き呆れます。 2 の2及び3について 岩手県滝沢村にある医療用放射性廃棄物処理工場RMCに設置されているHEPAフィルター(バグ フィルターよりも高性能)では 0.3 ミクロン以上の微粒子を99%除去可能とのこと。ふつうの清 掃工場のバッグフィルターで 0.1 ミクロンまで除去できると聞いたことがありません。 全国のご み焼却場に設置されている各々のバグフィルターで捕捉される粒形については「メーカー仕様書の 意味がわからないので答えられない」と逃げています。公表したくないのか、調査していないのか 知らせたくないことがわかりました。 2の4について 「放射性セシウムは煙の微粒子にどの程度付着するのか、その科学的根拠を」との問いに答えてい
  • 9. 9 ません。 3の1及び4について 災害廃棄物安全評価検討会の第 10 回、第 11 回検討会は非公開で行われました。議事録は要旨のみ 公開。排ガス中放射性セシウムの測定関連としては、サンプリング方法の件と、測定機器の取扱に 関する質問がありましたが、排ガス測定原理等に関する質問は出ていませんでした。ちなみに委員 は行政関係研究所から3名、大学教授が5名の計8名です。放射能について詳しい委員はみな国の 機関の職員であり、“原子力ムラ”の構成機関代表委員が主導しています。オブザーバーも同様です。 「測定方法について問題点の指摘がなかった」との回答は、各委員の誠意や専門性の欠如を疑わせ るものです。 「測定方法は信頼できるのか」との問いには「適切な方法であると考えている」とのすりかえ答弁 でした。 3の2について 測定方法の細部にわたる質問です。 排ガス中の放射性セシウムについてろ紙部・ドレン(水)部の各々についてセシウム 134 と 137 両 核種の検出限界を国は1m3あたり2Bq と定めています。仮にセシウム137が検出限界の半分の 濃度1Bq/m3 の気体が、毎時 20000m3 で 24 時間バグフィルターを通り大気放出されたならば1日 48 万 Bq もの放射能が環境に放出され、しかも不検出になるのです。検出限界を下げることは可能 であるにかかわらず高く設定し、不検出とするように仕組んでいるとしか考えられません。ちなみ に福島県の焼却施設の排ガス分析においてセシウム 137 の検出限界が 0.007,0.06,0.6,1Bq/m3 とさ れている例がありました(第 11 回検討会資料9)。 3の3について 排気ガス中の放射性セシウムの分析については JISZ8808「排ガス中ダスト濃度の測定方法」に準拠 し定められましたが、新たな“放射性セシウム”という未知の物質について分析解説がないのはあま りに不親切です。 水に排ガスを通過させその排ガス中の放射性セシウムがどの程度水に移行するのか問うた答「抽 出割合に関しては承知していない」とは基本的な問題が検証されないまま分析することであり、道 理が通りません。これはもう科学的分析ではありません。 3の5及び6、四並びに五について よほど面倒になってきたのか、以下の質問を全てまとめた答弁になっています。 岩手県宮古市の焼却炉の場合、焼却したフィルター前の排気ガス中の放射性セシウムが2Bq/m3 以 下の検出限界以下になるケースがありました。このようなやり方は「地域の人々をあざむくもので ないのか」との厳しい指摘に対し、あるべき反論はなく、これについても「趣旨が明らかでない」 と答弁を避けています。 そして以下の三つの問い ・ 3 の 6 放射性セシウムの大気放出に係る厳しい総量規制を取り入れるべきでは。 ・4 一般のごみ焼却場に原子力施設の放出基準を当てはめている問題。関連し各自治体の上乗せ基 準の設定について認めるべきでは。 ・5 汚染地の人々にさらに大気汚染により放射能被ばくを上乗せしてはいけないのではないか。 上記の各疑問の答えは一括して、「被曝量は「年間1ミリシーベルト以下であり問題ない、自治 体の独自に厳しい基準の設定を行う必要はない」というものでした。これが環境省の回答かと、驚 くべきものでした。 環境省は原子力施設がある自治体で人々との間で結んでいる協定や国の指針を理解しこのような 回答をしているのでしょうか。 例えば核燃料サイクル施設が密集している青森県六ケ所再処理工場周辺の人々の放射線量は年に 0.022 ミリシーベルト以下という条件のもと住民と合意しています。 また、原発では「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」によると「発電用軽 水炉施設の通常運転時における環境への放射性物質の放出に伴う周辺公衆の受ける線量を低く保つ ための努力目標として、施設周辺の公衆の受ける線量についての目標値(線量目標値)を 実効線量で 年間 0.05 ミリシーベルトとする。」とあります。
  • 10. 10 岩手県滝沢村の RMC では国の放射性物質基準の10分の1の値を公害防止協定として採用してい ます。 原子力施設はいずれも民家から離れたところに建設されているに関わらずこのような年 1 ミリシ ーベルトをはるかに下回る線量目標値が設定されています。しかるに一般のゴミ焼却場は民家に近 いところに設置されており危険性が増しますが 1 ミリシーベルト以下だから問題ない、各自治体の 現地に合わせた裁量をも認めないとはあまりにも無責任、無神経であり、環境省の本来の役割を投 げ捨てた姿勢に驚きを禁じえません。 【答弁からわかったこと】 ・福島県鮫川村の焼却施設において放射性セシウムの主灰・飛灰への回収率が 75%であり 25%も 大気へ放出されていた環境省のデータに基づく事実の指摘に 反論できず、質問の趣旨が不明と逃げ た。焼却の見直しについても回答せず、環境省はこのような大切な問題に真摯に取り組もうとする 姿勢がない。 ・排ガス中の燃焼微粒子の粒径分布、微粒子へ放射性セシウムの付着割合、排ガス中放射性セシウ ムの水への移行割合等については 調べていない、科学的根拠を示さない。バグフィルターでどれだ け放射性セシウムを除けるか、排ガス測定の信頼性にかかわる基礎的 データを示すことができない。 国の災害廃棄物検討委員会ではこの点論議されていないらしい。 ・排ガスの検出限界を2Bq/m3としているがその根拠が不明。それ以下の検出限界も可能。限界値 を上げ混焼ゴミの量を調節し送風量を増すことなどの操作により濃度の高い汚染物の焼却をしても 排ガス中の放射性セシウムを不検出にすることができる。 ・放射性セシウムの大気放出の総量規制は考えていない。 ・原子力法の規制値をそのまま焼却炉に当てはめ規制すること、上乗せ規制値決定の自治体裁量、 汚染重点調査地域などに居住する人達へ被ばくへの配慮については、施設周辺の住民の被ばくは年 に1mSv 以下であるので問題ないとする姿勢である。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【おわりに】 2012 年 6 月の環境基本法、原子力関連法の改正により放射性物質による環境汚染防止の主務官庁は 環境省と環境省の外局に設置された原子力規制庁に移管されました。 既得権益に囚われない国民 本位の環境行政が行われるものと期待しておりました。 しかし6月に堤出した「環境基本法に基づく厳正な「放射性物質による環境汚染防止のための措置」 と関連個別法の整備に関する質問主意書の回答同様、今回も環境基本法の理念(環境の恵沢の享受 と継承等、環境の負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等、国際的強調による地球環境保全 の積極的推進)が雲散霧消したかのような回答です。 今回の質問の回答として「焼却炉施設周辺の年被ばく限度は1ミリシーベルト以下であるから問題 なし」とする姿勢はこれが環境省の回答かと我が目を疑うものでした。人里離れた原子力施設そし て、原発設置の際の周辺の線量目標は 0.05 ミリシーベルトに定められていることを知っているので しょうか。放射線は微量でも発がんや遺伝的影響があるということは ICRP も認める世界の常識で す。人々の健康を守る環境省がこのような安易な姿勢で放射能汚染問題を捉えていることは国民に とり重大な問題です。このような姿勢のため、放射能汚染を拡散する焼却処理は各地で行政と住民 の対立をうんでいます。 放射性物質による内部被ばくについての影響や組織・器官への影響は未だ 科学的にも不明なことだ らけです。不明ならば予防原則に徹するべきです。人々の健康、特に子どもたちを守る立場ではで きるだけ放射線の被ばくを避けることが第一です。年 1 ミリシーベルトの被ばくまでは良いのだと は決して言えないはずです。 環境省・原子力規制庁は環境基本法の原点に戻り、環境法の理念をもう一度噛み締め初心に立ち返 り、環境と国民の健康を守るための行政に徹するべきです。そのためまずは放射能汚染物の焼却処 理を中止し、見直すことです。 川田龍平参議院議員にはいつも、質問主意書堤出など運動にご協力頂き感謝しています。(永田)