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clu2cは64ビットOSでも使えます (OSC 2012 Hiroshima LT用資料)
1.
clu2cは64ビットOSで
も使えます CLU動態保存整備士 東平洋史
2.
CLU関連の私の略歴を 1988年4月
東京工業大学第1類に入学 1989年4月 東京工業大学理学部情報科学科に配属 1990年4月 情報科学実験第二(木村泉先生担当)受講 →CLU、ncluと出会う 1991年4月 木村泉研究室に入る →clu2cの開発始まる 1991年9月末 卒業論文のテーマ決まる 1994年3月 東京工業大学大学院博士課程前期修了 →CLUから離れる 2009年11月頃 京都御所へ行くついでにKOFへ行くことにし、 そういえばclu2cもオープンソースだよなあ、と 思い出す。→これが活動開始のきっかけ。
3.
CLU(くるう)とは何ですか? プログラミング言語 •
MITのBarbara Liskov考案(1974) ← 結構、古い • 強い型付 • コンパイル時に全てのオブジェクトの型が決まる • でも、任意の場所で変数宣言可能 • 抽象型(cluster)を定義可能 • 継承はできない • 複数の戻り値が可能 → Rubyもパクった取り入れた a:int, b: real := type$procedure(c, d) • 変数の値は全てヒープ上のオブジェクト • Garbage Collection • イテレータ → Rubyのブロックになった • 例外処理 → Rubyもパクった取り入れた いわばRubyの先祖です
4.
CLUのプログラム例 start_up = proc()
stdout:stream:= stream$primary_output() stream$putl(stdout, “Hello World!”) end start_up • 変数は使い始める場所で宣言 – 変数名: 型名 – 変数名: 型名 := 初期設定値 • 型$手続き名 という形で手続きを呼び出し
5.
clu2c(くるーつーしー)とは何ですか? プログラミング言語CLUの処理系 • プログラミング言語CLUで書かれたプログラム
をCで書かれたプログラムに変換(CLU to C) • Cで書かれたプログラムを実行形式(a.out)に コンパイル CLUの clu2c Cの プログラム プログラム 実行形式 clulink a.out ライブラリ
6.
稼働確認済みの環境 • Cygwin
• CentOS 6.3 • Ubuntu 12.04.1 – i386 – i386 • Fedora 17 – amd64 – i386 • OpenSUSE 12.2 • FreeBSD 9.0 – 32bit – i386 – 64bit • NetBSD 5.1.2 • OpenIndiana 151a5 – i386 – i386 • Vine61 • Solaris 11/11 – i686
7.
デモ
次のどれかで動かしますよ • Cygwin • OpenIndiana 151a5 • Ubuntu 12.04.1 – i386 – i386 • Solaris 11/11 – amd64 • CentOS 6.3 • OpenSUSE 12.2 – i386 – 32bit • Fedora 17 – 64bit – i386
8.
clu2cの実行例 CLUで書いたプログラム
Cのプログラム(一部) 赤字は2バイト文字使用部分 int AFstart__up() { start_up = proc() if (OFstream_Dprimary__output() == SIG) { 標準出力:stream:= stream$primary_output() goto except0; } for i:int in int$from_to(1, 5) do LV_X49383d603d504e4f = 標準出力!putl(”No. ” || retval_area[0]; i!unparse() || for (t1 = 1; t1 <= 5; t1++) { ” Hello World!”) OFint_Dunparse(t1); end (略) end start_up } }
9.
方針 32ビット環境でも 64ビット環境でも 吐くコードは同じ
10.
どう やる?
11.
整数型とビット数 データ
システ char short int long long ポイ モデル ム long ンタ ILP32 Win32 8 16 32 32 64 32 LLP64 Win64 8 16 32 32 64 64 LP64 64bit 8 16 32 64 64 64 Linux ILP64 8 16 64 64 64 64 ILP32…ポインタは32bit → long LLP64、LP64、ILP64…ポインタは64bit → long long
12.
なので
13.
ヘッダファイルを修正 プリプロセッサで判定
#if defined(__LP64__) || • 64ビット環境 defined(__LLP64__) || ポインタ(object型)を defined(__ILP64__) long longで宣言(64bit) typedef long long object; • 32ビット環境 #else ポインタ(object型)を typedef long object; longで宣言(32bit) #endif ほぼこれだけで済みました
14.
15.
clu2c現在の状態 開発自体は終了 • 木村泉先生退官により木村泉研究室消滅 • 東工大
理学部 情報科学科での公開は終了 →フランスのFTPサーバからソースを回収 • 現在は「動態保存」 • こちらでソースを公開中 – http://touhei.sakura.ne.jp/clu2c/ – http://sourceforge.jp/projects/clu2c/
16.
clu2cに残る課題 いずれもプロジェクト終了後に発生したもの • UTF対応 –
ISO-2022-JP、Shift_JIS、EUC-JPには対応済み • ドキュメントの日本語化
17.
clu2cプロジェクト参加者 •
江原善(初代リーダー) プロジェクト終了後 • 木原誠司(コンパイラ実装) • 前田修吾さん • 地引昌弘(デバッガなど) – Linuxへの移植およびPorts化 • 孫音(ライブラリ実装) • 東平洋史 • 牛嶋哲(二代目リーダー) – 前田さんの改造をCLU使用部 分に反映 – 日本語文字使用部分実装 – Cygwin、Ubuntu 9.04への移植 • 富沢伸行(ライブラリ実装) – 64bit環境への対応 • 浦野幹夫(ライブラリ実装) • 野澤義雄(ライブラリ実装) • 林智子(ライブラリ実装) • 森村健司 – Human68k、MS-DOSへの移植 • 森玲人(デバッガ担当) • 東平洋史(最適化など) など
18.
参考文献 • CLU Reference
Manual – Liskov, B., Atkinson, R.R., Bloom, T., Moss, E.B., Schaffert, R. and Snyder, A. 著 – http://publications.csail.mit.edu/lcs/specpub.php?id=793 • CLUとその仲間たち – 久野靖 著 – 共立出版 bit 1989年5月号~12月号 – http://www.oreilly.co.jp/books/9784873113630/#files • 開発効率と移植性を重視したCLU言語処理系の作成 – 江原善 著 – 東京工業大学理工学研究科情報科学専攻 修士論文 – http://touhei.sakura.ne.jp/clu2c/clu2c-thesis.tar.gz
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