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ヤンキー経済 消費の主役・新保守主義の正体
- 2. 1.本の概要 「「若者がモノを買わない」時代、唯一旺盛な 消費欲を示しているのがヤンキー層だ。だが、 ヤンキーとはいっても鉄パイプ片手に暴れ回る 不良文化は今は昔、現在の主流はファッション も精神もマイルドな新ヤンキーである。本書で は密着取材とヒアリング調査により、「悪羅悪 羅系残存ヤンキー」「ダラダラ系地元族」に分 化した現代のマイルドヤンキー像を徹底解明。 「給料が上がっても絶対地元を離れたくない」 「家を建ててはじめて一人前」「スポーツカー より仲間と乗れるミニバンが最高」など、今後 の経済を担う層の消費動向がわかる一冊。 （「BOOK」データベースより引用）
- 3. （１）マイルド化するヤンキー 従来のヤンキー＝「自販機やコンビニの前でウ ンコ座りする怖い不良」「リーゼント」「スケ バン」「悪羅悪羅系」「輩」「チーマー」… ! マイルドヤンキー →地元から出たがらない大多数の「地元族 +少数の残存ヤンキー ! ◎特徴 ・活動範囲が5㎞四方 ・地元の仲間、家族との絆を重視 ! ・車やバイク、ギャンブルに興味があり、 消費意欲が旺盛。 ・性格はマイルドで優しく、所謂「不良」 ではない ・活動範囲が5㎞四方 ・地元の仲間、家族との絆を重視 ・車やバイク、ギャンブルに興味があり、 消費意欲が旺盛。
- 4. （2）地元から絶対に離れたくない若者たち 兵庫県加古川市出身で現在その隣の高砂市在住の「地元族」 神戸 ! ・加古川から高砂へ離れるという決断が、人生で一番のアドベンチャー ・「東京に行く意味って何かありますか」 ・「そうしてもダメな場合にのみ、本当に嫌々ですが、神戸まで車で買い物に行く場合もあります」 ・「よっぽどの用事がない限り、加古川から出ません」 !!! 都会に憧れを抱かず、絶対に地元を出たがらない →ただし、地元から離れないのは、郷土愛ゆえではない。 ・著者の行った「なぜ地元が好きか」という地元族へのインタビュー調査の結果
- 5. （3）マイルドヤンキーの成立 80年代－「腐ったミカン」の不良たち ・自己顕示欲が高く、反管理社会的 ・地元での活動が主流で高い縄張り意識 ! 90年代～ゼロ年代前半－「自分探し」のチー マーたち ・渋谷など「中央」で活動 ・集団で活動し、自己顕示欲が高い。 ! ゼロ年代後半－反抗心がないマイルドヤンキー ・ＩＴインフラの整備等で中央に出る必要が なくなる ・バブル崩壊後の親世代の姿を見ている →安定を好むようになる ・上京志向のなさ ・所得は少ない
- 6. （4）ヤンキー135人徹底調査 ・ギャンブルとの親和性が高い →趣味はパチンコ、パチスロ… ! ・意外にも「趣味はアニメ鑑賞」 →著者はyou tubeなどの無料動画サイトの普及が分析ではないかとのこと ! ・高級ブランドへの憧れは顕著 →ルイヴィトンや高級車への憧れ ・ホスピタリティ優先の車選び →「車はリビングの延長」、仲間をもてなすために広ければ広いほどいい ! ・仲間うちしか通じないＳＮＳ →自分のＳＮＳが他人に見られているという意識が希薄で、仲間うちしかわからない言葉や 仕事の愚痴が多い !
- 7. （５）これからの消費の主役に何を売るのか ・高級ブランドがおトクに変える、かわいいアプリ ・初期投資は安め、アレンジ前提の大型車 ・ハロウィン、外車…手軽な非日常を探せ ・「仲間とくつろげる場所」がほしい …etc
- 8. 3.本書に対する感想 ! マイルドヤンキーとは何か、その定義がはっきりしない。本書では、マイルドヤンキーなるもの の特徴をいろいろと挙げていたが、安定志向、おとなしいなど、現代の若者の傾向として一般的に 言われているものも特徴として挙げており、マイルドヤンキーとはなにか、よくわからなかった。 また、この層が消費者の中でどれだけの割合を占めるのか、本書からではよくわからなかった。 ! また、本書の書かれた目的は、あとがきや最終章である第4章の内容から、消費をしなくなった 若者の中にあって、消費意欲が旺盛な「マイルドヤンキー」なる層にどのような傾向があり、どの ような商品を購入するかということを分析することであると考えられるが、マイルドヤンキーを分 析する過程において、調べた情報をうまくまとめられておらず、またインタビュー調査の結果に偏 重している感があり、読みずらく、説得性が弱い面があった。 ! ただ、 ・活動範囲が5㎞四方 ・地元の仲間、家族との絆を重視 ・車やバイク、ギャンブルに興味があり、消費意欲が旺盛。 ・性格はマイルドで優しく、所謂「不良」ではない を特徴とする層が台頭しつつあるというのは、実際に生まれ育った地元を生活圏とする人間として、 納得するところがあった。
- 9. 4.「マイルドヤンキー」層を対象とした社会起業について ! 所謂「マイルドヤンキー」層を対象として社会起業を行 う場合どのような事業を行うことができるだろうか。 ! （例）強い地元性に着目 →地方に無い、あるいは乏しいインフラの提供。 ・資格取得のための支援事業 →資格取得講座の開設など。所得が少ないとされる「マ イルドヤンキー」層が地元をでなくても、所得増加を 実現しやすくする。