Global CCS Institute

1. COP20の成果と意味
Climate Experts / PEAR Carbon Offset Initiative
松尾 直樹
n_matsuo@climate-experts.info
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2. 気候変動枠組条約の意味
 気候変動枠組条約 (1992年合意, 1994年発効) の意味
 共有する概念の確立
 共通だが差異のある責任，究極の目的，コスト効果的な対策，...
 先進国と途上国を固定化せざるをえなかった...
 プロセスの確立と組織立て
 毎年の COP/SB 交渉プロセス＋アドホック会合
 Financial Mechanism, Technology, Adaptation, ...
 各締約国の自主性に基づき，対策を促進する
 排出規制や目標設定を行うものではない (cf. 京都議定書)
 定期的な報告とレビュー
 国別通報/隔年報告書 (これが義務事項) とそのレビュー
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UN Framework Convention on Climate Change

3. 歴史的経緯（スタンスの大きな流れ）
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自主性重視
• UNFCCC
• Pledge &
Review
• まず枠組みを
• 先進国と途
上国の固定
化
• GHG
Inventory
• 手探り
• 促進型
排出規制
• 京都議定書
• 先進国のみ
対象
• 排出量目標
(目標レベル
は自主的)
• 米国, 途上国
の参加が難
(Copenhage
n)
• 排出権市場
の活用
(MRV)
自主性重視
• すべての国
が対象
• 途上国も
定量化
• NAMA
(~’20) →
INDC
• Pledge &
Review
(MRV)
• グローバル
目標の認識
• 適応の重視
Copenhagen 2009
(COP 15)
Kyoto 1997
(COP 3)
Rio 1992
(UNCED)
オゾン層破壊問題等の成功例では「自主型」→「規制型」

4. ロードマップ
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2021202020192018201720162015201420132012201120102009
▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲ ▲▲
ダーバンカンクン ドーハコペン
ハーゲン
ポズナンバリ
AWG-LCA
▲
各国の批准のための期間ADP
新合意
発効
2008
▲
Review
IPCCAR5
各国⾃⾃主
プ
レッジ⽬⽬標 /活動の達成/実施の責任
［先進国: 数値⽬⽬標，途上国: NAMAs］
気
候
変
動
枠
組
条
約
京
都
議
定
書
COP13 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 2714
CMP 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
AWG-KP
第１コミットメント期 第２コミットメント期
移
⾏⾏⾏
？
新合意
採択
ワルシャワ リマ パリ
2020年1月から？ ↓
いかに ambition を強化するか？

5. COP20
—成果と明らかになったこと—
 成果
 ADP のプロセスを(一応)前に進め，パリへの道を拓いた
 GCF に 100億ドルのプレッジ → 新ファイナンスのベース
 明らかになったこと
 CBDR (共通だが差異のある責任) の考え方の整理
 Historical + Capability + National circumstances
 適応とロス&ダメージの重視
 途上国と先進国の関係の新しい動き
 中国（と米国）: 責任感と調停役
 GCF にペルー, コロンビア等が拠出
 グループ・意見の細分化
 NAMA は実態がまだ伴っていない
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米国： 2025年までに 2005年比 26–28% 削減
(GHGs)
中国： 2030年までにピーク．
再生可能エネルギーと原子力比率を 20%に

6. 2015年合意パッケージの構造
（想定）
 合意（国際協定; 各国で批准プロセスが必要）
 本体： (I)NDC (自主目標) プロセスを動かすための仕組み
 Governing Body （京都議定書ではCMP）
 各国の通報/レビュー/改訂，全体の軌道修正 などの強化サイクルとタイムフレーム
 コンプライアンス と ファシリテーションの仕組み
 Annex： 「固定」しても問題ないもの
 注目点： グローバルな目標（排出経路，カーボンバジェット等）を組み入れるかどうか？
適応，ロス&ダメージ をどう組み込むか？
 COP Decisions (よりフレキシブル) @ COP21
 (I)NDC の要素
 2020年までに決めておくべき項目（例： 市場メカニズム）
 COP Decisions (Follow-up) @ COP 22 and beyond
 (I)NDCs
 市場メカニズムの設計 等
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7. (I)NDC とは？（想定）
 ベースは mitigation
 世界のすべての国が独自の（定量化された/できる）目標を設定
 タイプ［先進国は総量目標，途上国はさまざま（LDCは定量化は不
問）］
 タイムフレーム，REF点/基準年，カバレージ（ガス，セクター，LULUCF），
ベースライン/方法論と前提条件，排出削減量想定，Accounting/MRV，
長期排出経路，国際排出権利用の可否，国際サポート条件付き追加アク
ション，既存/今後のアクション，公平/野心性
 タイムフレーム： 5年（もしくは10年）毎に原則「強化」
 Ex ante consideration (INDC (draft) 通報後の国際検討プロセス)
 Comparability; Level of ambition; Fairness (?)
 Consultative process とそれへの各国の対応
 世界全体で aggregate した場合の効果を参照しつつ... (Review)
 Adaptation, Loss & Damage, Finance, 技術, 能力開発 も
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(Intended) Nationally Determined Contribution
総量，原単位，BAUからの乖離，...
NDC は，KPの数値目標
のような 法的拘束力の
ある目標ではない
約束草案
COP 21までのプロセスでは
落ちてしまった...

8. AD HOC WORKING GROUP ON THE
DURBAN PLATFORM FOR ENHANCED ACTION
ADP.2014.5.InformalNote
Annex
Suggestions and context for a cycle of contributions
This graph attempts to illustrate the main suggestions by Parties for a cycle of contributions in 2015-2030, and provides context by identifying relevant existing
processes that have been put in place by past decisions. This is without prejudice to any future decisions that might affect the character or timing of such processes.
Evolving (I)NDC Process
Image
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9. ADP: パリ合意への道（決定事項）
 INDC/2015年合意
 2015年5月までに 2015年合意の交渉テキストを用意 (with a view to)
 2015年合意の「要素」はすでに用意 (38 pages)
→ 86 pages Negotiation Text (Feb 2015)
 各国は2015年の最初の四半期までに INDCを通報 (invite)
 透明性・明確さ・理解促進のため ［← これは最終版でなくてもよい（はず）］
 各種背景となる情報 (may)
 途上国の INDC 提出準備のため 先進国等はサポートを (call)
 事務局は 11/1 までに（~10/1 提出分の）統合報告書作成
 Pre-2020 Ambition
 Pre-2020 の ambition 拡張
 技術的なポテンシャル検討を引き続き行う
 テクニカルペーパー作成 (SPMも)
 毎年，ハイレベル会合を開催 (encourage)
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Lima Call for Climate Action
事前の相互分析プロセスが
落ちてしまった

10. NAMA → INDC
 NAMA:
 途上国の MRV付き Nationally Appropriate Mitigation Action
 マクロ目標 〜 プログラム 〜 個別プロジェクト まで形態は制限がない
 （とりあえず）2020年まで
 先進国からのサポートが期待される
 INDC/NDC:
 すべての国の MRV付き マクロ目標（セクター以上のイメージ）
 2020年以降
 GCF を含めた大きな先進国からのサポート（2020年に合計1000億ドル/年）
 問題意識
 いかに NAMA を INDC に繋げるか？
 逆に INDCに繋げるように いま NAMA を実施/支援するか？
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11. NAMA と INDC Now
 NAMA
 100案件以上 登録されている（が実施されているわけではない）
 NAMA Facility (独/英) が突出している
 その他に先進国からの実施面の財政サポートはかなり少ない
 総額もかなり限られている
 Seek Financial Support: 64億ドル強(FCCC/CP/2014/INF.1)．
 実際にサポートされたのは 0.3億ドルのみ（日本: 100万ドル）
(FCCC/SBI/2014/INF.24)
 INDC (途上国)
 3月中に出せる国は少ない
 コロンビアが非常に進んだ準備をしている
 日本の得意先： インドネシア＞ベトナム＞タイ
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12. Climate Finance の今後
 Green Climate Fund
 Fund にアクセスするための実施機関の Accreditation プロセスはじまろうとしている
（各国フォーカルポイント/NDAを通して）
 Mitigation : Adaptation = 50 : 50 を目指す
 さらに，Adaptation中，SIDS, LDCs, Africa で半分
 長期ファイナンス (1,000億ドル/年 in 2020)
 パリ会議成功の重要な要素に？
 今後の課題
 公的資金を 民間資金のレバレッジのため 各種金融手法を適材適所にデザインできるか?
 例： 交通部門（年間1.4–2.1兆ドル，先進国は3/4）の58%が民間．
途上国では公的資金が多い．
 複雑なファンド間のコーディネーション
 新しい手法の活用
 Output/Results-based Financing (www.gpoba.org)，
（将来の）地価に応じたファイナンス(都市鉄道に関する小林モデル)，...
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13. その他
 市場メカニズム
 2020年までに FVA, NMM などの交渉は動かない
 CDMはほぼ死に体
 Fragmented な市場が動いているが 将来は不透明
 多国間評価プロセス（NC/BR の各国のプレゼンと評価）の開始
 INDC の PDCA プロセスの雛形になりうるか？
 その他
 京都議定書ドーハ改正の発効の確度
 技術メカニズム関係が動いてきた (TEC & CTCN)
 Financial Mechanism とのリンク問題が今後の交渉課題
 REDD+，都市/自治体，適応，災害リスクマネージメント，技術
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14. 日本...
 自国 INDC 検討の行く末が見えない
cf., EU [–40% @2030年 cf. 1990年]
US [–(26~28)% @2025年 cf. 2005年]
中国 [ピーク @2030年], ...
将来のベースとなる INDC 国際プロセスに対する強い意見や取組，
戦略的途上国サポートもない (e/g., 多国間評価プロセス)
 JCM (~2020年) は将来像が見えない（ない）
 FVA交渉は合意の兆しなし
 Point of No Return は過ぎた...
 戦略性がない（見えない）...
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15. 今後のキーポイント
 INDC の作成サポート ◁
 INDC 策定のグッドプラクティス ◁
 INDC につながるように，NAMA のサポート ◁
 GCF の運営と実績．2020年長期ファイナンスへのロードマップ
 信頼醸成
 Adaptation, Loss & Damage の強力な促進策 ◁
 パリ交渉のキーポイント
 国際協力＋ファイナンスに関する新しい手法の提案・実践？ ◁
 Σ(INDCs) と 2℃目標との非常に大きなギャップが明らかになったと
きの対応
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