Kanagawa lib(20130302)

民間からの政策提言
－これからの県立図書館像
岡本真（アカデミック・リソース・ガイド株式会社）

神奈川の県立図書館を考える会第1回政策提言シンポジウム
1 「民間からの政策提言－これからの県立図書館像」
2013年3月2日（土）、於・さくらWORKS＜関内＞、文責・岡本真（mokamoto@arg-corp.jp）

問題の基本的な整理
 複数館への疑義へ他都道府県にみる
都道府県立図書館の複数館体制
 横浜：社会・人文系リサーチライブラリー東京：中央、多摩
埼玉：浦和、熊谷、久喜
 川崎：科学と産業の情報ライブラリー千葉：中央、東部、西部
 特異ではない複数館体制と役割分担
 二重行政批判へ
 県立：調査・研究、専門情報提供に特化
 市立：上記に加え、読書支援も重要な役割
 神奈川県と横浜市、川崎市それぞれの役割
 県の存在意義へ
 県内自治体数：33（内訳：19市12町2村）
 図書館未設置自治体数：4
（内訳：開成町、山北町、中井町、箱根町）
 全県的な配慮の必要性

これからの神奈川県立図書館像
－1. 類縁機関との機能的連動の確立
 県立図書館と類縁機関の機能的連動の可能性
 たとえば、以下のような類縁機関が存在
 神奈川近代文学館（横浜市中区）
 約40万点の文学資料
 神奈川県立かながわ女性センター図書館（藤沢市）
 山川菊栄文庫等を中心に女性関係資料
 神奈川県立金沢文庫（横浜市金沢区）
 歴史的文書資料等
 神奈川県議会図書室（横浜市中区）
 議会資料等
 神奈川県県政情報センター（横浜市中区）
 約5万点の行政資料
 神奈川県立総合教育センター教育図書室（藤沢市）
 約8万点の教育資料
 神奈川県立保健福祉大学図書館（横須賀市）
 保健福祉資料


－2. 川崎図書館の機能強化
 科学と産業の情報ライブラリーとしての成功の評価
 神奈川県資料室研究会（神資研）との連動
 約100の企業図書室、大学図書館等による組織
 施設老朽・移転問題への対応
 川崎での存続（大田区との連動を考慮）
 背景：全県域からのアクセス性の向上
 産業政策としての川崎図書館
 中小企業の情報基盤としての図書館
 中小企業と連携する大企業の間接支援
 加えて、川崎に留まらない全県域の産業支援


－3. 横浜図書館のミッションの再定義
 社会・人文系リサーチライブラリーの現状
 社会・人文系の情報サービス
 神奈川に関する情報サービス
 全県域での図書館サービスの向上
 上述「1. 類縁機関との機能的連動の確立」
を踏まえつつ、
 より広範な専門的リサーチネットワークの拠点化
 図書館未設置自治体、市町村図書館
＋
 県立に限らない学校・専門・大学図書館
との連動強化
 迫り来る課題としての施設老朽と移転
 「横浜」を前提としない議論と、
機能別・テーマ別で拠点を設置する可能性の議論
との両立


－4. 県民的な論議と合意のための仕組み設置
 現行の意見集約の方法
 神奈川県庁内での検討
＋
 県下市町村へのヒアリング
 県民や利用者（県外・海外を含む）の
期待との乖離リスク、そして各所での逸失リスク
 方針変更による時間コストの逸失
 民間検討による県民総生産の逸失
 解決策としての「図書館協議会」（図書館法第14条）
の再設置（1955年～2001年）
 県職員、専門家、県民らの議論による
検討課題の事前スクリーニング効果
 公開制による議論の見える化効果
 参考：東京都立図書館協議会
 同時に協働すべきプレイヤーとの対話
 神奈川県立・県下以外のさまざまな図書館ほか


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