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凡庸なSEが、大規模SIerの集団でできること - DevLOVE甲子園 2013
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Minoru Yokomichi
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2013年の DevLOVE 甲子園で発表したスライドを発掘したのでアップロード。当時は某 SIer に所属。当時の上司、先輩、同僚、後輩に感謝しています。
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凡庸なSEが、大規模SIerの集団でできること - DevLOVE甲子園 2013
1.
2013/11/10 - DevLOVE甲子園
1回表 凡庸なSEが、 大規模SIerの集団でできること [チーム団] よこみち @ykmc09_dev
2.
自己紹介 • 単独1万人ぐらいのSIerに所属(部:約100名、課:約30 名) • 「石橋を叩いても渡らない」といわれる会社 •
凡庸なシステムエンジニアです。 • 最近やったことはrootユーザで mv /* /hogehoge • 社内ではまったく言う機会の無い、名ばかり認定スクラム マスター • 2013/03/06 DevLOVE「We energize us - 明日の現場 を高揚させるアプローチを探す-」 に登壇(というかお悩み相談さ せてもらいました)。
3.
今日 話すこと • 熱病にかかってしまった凡庸な若手SEが、SIer現場の 前進のためになにに取り組んできたか。 •
現場と向き合うにあたって、なにを心に留めるのか、 を語らせてもらいます。 • 前を向いている人たちと鼓舞しあい、切磋琢磨できる 機会になればと思います。
4.
かつてのストーリー
5.
感じるこう着 • なんとなく降ってくる仕事をこなす日々。 • 枯れたシステムを、顧客や上司から言われたとおり に保守。 •
なんかもっといい方法ありそうだけど、今んとこお 金にもなってるみたいだし、まいっかな。 • 「過剰な線引」 • 「過去への固執」 • 「起こりつつあるパラダイム・シフトへの低意識」 • 「変化することへの恐れ」 Photo by Tjflex2
6.
大海をしる • 知り合いに誘われ、DevLOVE、デブサミなどへ • え?!ホッテントリの世界って実在すんの?!(← •
アジャイル開発!?CI!?DDD!?UX!?HCD!? DevOps!?なにそれ超かっこいい!!衰退業態 SIer!!(← • しかもなんかみんな目がキラキラしとる!(← • 現場に足らんのはこれやー!(← Photo by A.Davey
7.
やっ(てしまっ)たこと。 • どやどや勉強会の開催 「世界の中心はこれや!どや!現場で使え!」 • どやどやメール一斉配信 「このホッテントリ読まん訳ないやろ!どや!知っと け!」 •
どやどや報告会の開催 「こんな勉強会行ってきたど!どや!荒ぶれ!」 Photo by www.guigo.eu
8.
折れる心 • もちろん、リアクションなんてほとんどなし。 • まったくひびかない。 •
俺はこんなにがんばってるのに! これだからSIerはさ・・・。(← Photo by vincent.chen
9.
思い出されることば、かけられることば • ふとかつて出会った言葉が頭をよぎる 「伝わらないのは、伝える側のせい」 • 同志の後輩の言葉 「アプローチはいくらでも工夫できると思うんです。」 Photo
by Moyan_Brenn
10.
ほんとうの思い • はてさて自分の、現場に対する真の思いはなんだった んだろう? • 「新鮮な興味のはけ口なの?」「上から目線で見下ろ したいの?」 •
いいやちがう。「絶え間なく皆で前進する現場にいた い」という思い。 • 「今いる現場は、自分の求めている場所じゃない?」 「私は理想の現場のためになにをやったの?」 • できることをもっと見つけたい。 2013/3/6 DevLOVE We energized us. 。 Photo by Moyan_Brenn
11.
決めたこと
12.
理想の現場を探し求める前に、 今いる場所を理想の現場にする Photo by MDphotography
13.
取り組んだ(でいる)こと
14.
1. 学ぶことを当然とする風潮をつくる。 (「学んで進む」ことの恐れをなくし、当たり前に) Photo by
bibliothekarin
15.
学ぶことを当然とする風潮をつくる (「学んで進む」ことのおそれをなくし、当たり前に) • 若手向け勉強会の立ち上げ • 本当に「いま知りたいこと」をやるべくアンケートを集め、そ れをもとに開催。 •
まずはこちらから一方的に発表する場。参加も自由。現場です ぐに活用できなくったっていい。(ハードルを極力低くし、学 ぶことの大切さ、楽しさを知ってもらい、習慣化することを目 的とした) • 2回目で、8割の参加者が題材書籍を自主購入。 • 水面化で開始し、少しずつステマする。噂を聞きつけて参加す る中堅社員。部の公式な活動としないか、という打診など。 • いまでは若手がみずから進んで独習し、それを発表する場になっ た。ざっくばらんな飲み会勉強会へも発展中。
16.
学ぶことを当然とする風潮をつくる (「学んで進む」ことのおそれをなくし、当たり前に) • マネージャ向けアジャイル開発勉強会の立ち上げ • 「多様な可能性を知る」「新しいことを取り入れる」を取 り戻してほしい。 •
アジャイル開発を導入することを目的とはせず、まずは価 値を理解してみること、今でもすぐ取り込めるエッセンスを 探すことを目的とした。 • こちらも私が事前準備、資料作成をすべて行い、手ぶらで きてもらう。 • 議論も白熱し、2回目以降は、皆興味を持っていろいろ調べ てきてくれる。 • 課内ではKPTが浸透。PRJでインセプションデッキを作っ てみるマネージャも登場した。
17.
学ぶことを当然とする風潮をつくる (「学んで進む」ことのおそれをなくし、当たり前に) • PRJ内読書会の立ち上げ • 朝会の後、毎日15分だけ時間をもらう。(忙しくても、 一日15分ならリフレッシュがてらと思ってもらう。) •
興味が最大化しやすいように、PRJの工程に沿った本 を選ぶ。今は製造工程なので「リーダブルコード」。 • これも私がひとりで準備をするところから。 • 最初は面食らったようだが、昔いたPRJの話をしてく れたり、毎日楽しみにしてくれている。 • 技術紹介会の開催(現状の地続きにある技術紹介、デ モ。(JavaEE7、WebSocket、HTML5、 Bootstrap))
18.
2. チーム意識を高める。 (手を差し伸べあうチームへ) Photo by
Ranaet
19.
チーム意識を高める (手を差し伸べあうチームへ) • 課の月例会議改革 • 30人がただなんとなく連絡事項だけで時間を過ごし ている会議を、課の一体感、方向感をはぐくむ活動 にしたい。 •
「チーム力を高めることを目的に、内容の刷新を皆 で検討しませんか」と提案。実際の活動内容案はメ ンバー同士のディスカッションから生まれた。 • 改めて自己紹介LT、自由テーマプレゼン、組織課 題のディスカッションなどなど。 • 今は後輩に会議主導役を引き継ぎ。連鎖が確実につ ながっている。
20.
3. 若者の主役感を育てる。 (未知のパワーを信じて) Photo by
FurLined
21.
若者の主役感を育てる。 (未知のパワーを信じて) • かつての私も同じく、大組織の中ではどうしても主体性へのお それがでる。それを払拭し主役感を芽生えさせたい。 • まずは、気負わずざっくばらんに思っていることを話してみる 場を。 •
部の若手20人全員から、内に秘めたる思い(不安や悩み)を ヒアリング、ダイアログ。(「考えがまとまってなくてOK」 「ふ∼ん、へ∼でもOK」「結論はださなくてOK」) • 悩みは千差万別あれど、「現場をもっとよくしたい。でも踏み 出せない」という共通の思いと悩みを確認。現場の改善を競う イベント「若手カイゼンGP」を開催。(イベント化する=「やっ てもいい」という枠組みを提供。) • 部課長などから、それぞれが高く評価されたことで若手の成功 体験に。
22.
取り組んだ(でいる)結果 • 「勉強会/読書会」への なんぞそれ感
は確実になくな り、有用性を見出してくれている。 学ぶことの定着化 も。 (「スクラムの本、ひとりで読んだことはあったけど、こうしてみなで話しあうとい かに 読めていなかった かに気づいた。」「次回私が調べてきて主催します!」) • 若者を含めたみなのベクトルがすこしずつ同じ方向を向 き始め、チームへの貢献を考えてはじめている。 (「これってチーム力につながるか?」「こんなことしてみようと思いますがみなさ んどう思います?」「こんなに良い課になってきているのに、異動が無念・・・」) • この火を燃やし続けること、そしてこの火を真の現場の 前進のエネルギーにする必要がある。まだまだ道はは じまったばかり。 もっとビジネスにつなげるには?価値につなげるには?
23.
私がこころに据えていること
24.
1. いまを受容する Photo by
Chris Erwin
25.
1. いまを受容する • どこの現場でも(思いの多寡の違いはあれど)それまで築き上 げてきたものがあり、それらすべてを否定してしまう 理由はない。 •
従来のSIerには苦難となるパラダイム・シフトが起 きる、起きているのは事実。 • いま進んでいないことが恥ではなく、いまから進も うとしないことが恥である。 • これまでが恥の人生だっていい。これからやればい い。
26.
2.『いま+1℃』を考える Photo by zaimoku_woodpile
27.
2.『いま+1℃』を考える • 無理に一気に革命を起こそうとしない。保守的になりがちな 業界組織で、条件反射の壁はどうしてもある。 • 現場、相手の温度を冷静に読み取り、寄り添う。正論/理想論 /持論をかざしすぎたり、無理強い、突っ走りはしない(「熱 い=うざい、迷惑」という等式を植え付けてはいけない。) •
相手の話を聞く。琴線を探す。(100の現場、相手がいれば、 次なる一手も100ある) • いまの現場、いまの構成技術、いまの相手の+1℃はなに か?それを実現する手段がなにかを考える。 • ターゲットにする範囲もすこしずつでよい。最初は"隣の席の あなたを"。 • 温度の上昇幅は自ずと漸次増加する。
28.
3. 覚悟をきめて踏み出す Photo by
rabbot
29.
3. 覚悟をきめて踏み出す • 結果的に「報われなかった」と思ってしまうシーンも 多い。献身性を持ち、評価されない覚悟も持つ。 •
ひとのためと同時に自分のため。connecting the dots. • 小さな成果、副次的な効果をみつける。小さな幸せ を大切にする。 • だめだったらたまにはおもいっきり愚痴る。(できれば 関係ない人に) • それまで以上に本業の仕事をちゃんとやる。(当た り前だけど。付け入られる隙だけは与えない。)
30.
4. 夢破れてしまわぬよう、 仲間を見つける Photo by
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31.
4. 夢破れてしまわぬよう、仲間を見つける • やっぱり一人はこころが折れやすい。鼓舞し合い、 時には傷をなめ合える仲間は必要。(先の事例、仲間をみつ けてからやったものも多いです) •
まずは組織内に仲間を探してみる。可燃性のありそ うな人や、思いに共通性のありそうな人をターゲッ ティングし、熱い思いを吐露してみる。 • 最高のパターンは、仲間に加えて「パトロン」。(所属長など、パトロンと なりうる方とよく話をし、熱い思いを理解してもらう。その方の理想と、自 分の理想の共通点を見出す。) • 仲間が見つからなければコミュニティ(DevLOVE!)を 活用。
32.
おわりに
33.
凡庸なSEが、大規模SIerの集団でできること • 自分の真の思いを確かめ、いまを受け入れ、考え、一 歩を踏み出す。たったそれだけ。 • すごくリーダーシップが必要なわけでも、すごく技術 力が必要なわけでもない。 •
きっかけがあれば燃える人は、想像以上に多い。その きっかけになるだけ。(「自燃型」5∼10%、「可燃型」80∼90%、 「不燃型」1∼2%、「消火型」1∼2%、「点火型」5%) • 今日ここで鼓舞しあい、さらなる一歩を。
34.
同時多発 Energize しませんか?
35.
ありがとうございました [チーム団] よこみち @ykmc09_dev
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