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人工股関節全置換術における統計アトラスに基づく手術計画自動立案 (神戸大学 大学院工学研究科 学位論文公聴会 2012.2.6)
- 1. 博士後期課程 公聴会
人工股関節全置換術における
統計アトラスに基づく
⼿術計画自動⽴案
大学院工学研究科 情報知能学専攻
博士後期課程3年 多田研究室
音丸 格
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 3. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 4. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 6. コンピュータ支援整形外科⼿術(CAOS)のあゆみ
⼿術の質が外科医の
経験と勘に依存
3次元⼿動⼿術計画
+ロボット・ナビゲーション⼿術
適切な⼿術計画⽴案の
2次元⼿動⼿術計画 重要性が増大
+マニュアル⼿術
〜1994 (B.C. = Before CAOS) 1994〜 (A.C. = After CAOS)
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- 7. 現在の⼿術計画⽴案システムにおける問題点
調整すべき項目
骨に設置する 骨に設置する
骨を切除する断⾯ 人工関節のサイズ 人工関節の位置
医師の
負担大
ORTHODOC system (R. H. Taylor et al.)
人工関節における 人工関節設置後の
骨との位置関係
骨との適合性 関節機能
考慮すべき項目
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- 8. 本研究の目的
目的:
本研究の目的は,⼿術計画⽴案を自動化し,外科医の
負担軽減と⼿術計画の質を安定化することである.
アプローチ:
目的を達成するため,本研究では,
「統計アトラス」に基づくアプローチを提案し,
熟練外科医の⼿術計画⽴案⽅針をモデル化する.
研究対象:
本研究では,「人工股関節全置換術」を対象とする.
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- 9. 本研究のアプローチ | 統計アトラス
多数の学習データをもとにその学習データが持つ特徴量(形状
バリエーション・画像濃淡値分布など)の統計的傾向を表現したもの
統計解析
学習データセット
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 統計アトラス
- 10. 研究対象 | 人工股関節全置換術
大腿骨側
インプラント
(ステム)
骨盤側
インプラント
(カップ)
股関節
動作 術後
術前
シミュ
レーション
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 12. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 13. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 15. システム概要 | ⼊出⼒
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 16. システム概要 | 提案システムの構成
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 17. システム概要 | 統計アトラスに基づくアプローチ
学習データ …
セット
統計的
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 19. 学習データ …
セット
統計的
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 21. コンセプト | ステムの設置
大腿骨
骨頭
髄腔
大腿骨内部の柔らかい部分を髄腔と呼ぶ.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 22. コンセプト | ステムの設置
大腿骨内部の柔らかい部分を髄腔と呼ぶ.
ステムは,大腿骨骨頭を切り落とし,髄腔を削ることで,
設置される
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 23. コンセプト | ステム⼿術計画⽴案のポイント
‐3 0 3 [mm]
(Penetration) (Gap)
最も重要視されるのは固定性.
ステム表⾯‐髄腔間の距離値が⼩さいほど固定性が⾼まる.
単に距離値を⼩さくするだけでなく,バランスの取れた距離値
分布が重要.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 24. コンセプト
学習データから,距離値分布の統計的傾向を表す
「統計的距離値マップ」を構築する.
⼿術計画自動⽴案では,距離値分布の平均的傾向に
もっとも近くなるステム⼿術計画を探索する.
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- 25. 統計的距離値マップの構築
平均値マップ・標準偏差値マップの2種類から構成される
平均値マップ 標準偏差値マップ
学習データ
セット
-3 0 3 mm
0 1.5 mm
• dij: i 番目の学習データの j 番目のステム表⾯点
における距離値 ( i =1, …, n, j= 1, …, m)
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 • n: 学習データセットの数
- 26. ⼿術計画の⽴案
-3 0 3 mm 0 1.5 mm
大腿骨 dj: 現在の⼿術計画パラメータにおける, ⼿術計画
3次元形状 j 番目のステム表⾯点の距離値 ⽴案結果
平均値マップ・標準偏差値マップとの距離値分布との差異を
最⼩化するように,ステムのサイズ・位置・角度を最適化.
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- 27. 実験 | 実験⽅法
提案⼿法と従来⼿法の間で⽐較を⾏なった.
1. 提案⼿法
2. 従来⼿法1(Otomaru et al., 2008)
3. 従来⼿法2(Viceconti et al., 2003)
4. 従来⼿法3(従来⼿法2の改良版)
変形性股関節症40例に適用し,leave‐one‐out交差
検定によって学習データと評価データを分離した.
熟練外科医計画とのサイズ・位置・角度誤差を
評価した.
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- 28. 実験 | 選択サイズ誤差
25
20
提案⼿法
Statistical-DM
症例数
15
従来⼿法3
Optimal-RP
10
従来⼿法1
Manual-DM
5
従来⼿法2
Random-RP
0
-3 -2 -1 0 1 2
熟練外科医計画との選択サイズ誤差
提案⼿法は,40症例中21症例で選択サイズが⼀致した.
また,38症例で選択サイズ誤差1サイズ以内だった.
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- 29. 実験 | 位置誤差 0.01 < p < 0.05
p < 0.01
p < 0.01
15 p < 0.01
位置誤差 [mm]
10
5
0
提案⼿法 従来⼿法3 従来⼿法1 従来⼿法2
提案⼿法は,従来⼿法1・2と⽐べて有意に位置誤差が
⼩さかった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 30. 実験 | 角度誤差 p < 0.01
0.01 < p < 0.05
p < 0.01
0.01 < p < 0.05
Orientational error [deg.]
15
10
5
提案⼿法 従来⼿法3 従来⼿法1 従来⼿法2
提案⼿法は,従来⼿法1・2と⽐べ有意に誤差が⼩さかった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 31. 実験 | ステム設置結果例
Size error 0 ‐2
Positional error 2.3 mm 9.1 mm
Angle error 2.3 deg. 11.7 deg.
提案⼿法 外科医計画 従来⼿法2 外科医計画
提案⼿法では,外科医計画と同じサイズを選択した上,
位置誤差・角度誤差が⼩さかった.
⼀⽅,従来⼿法2では,全項目で誤差が大きかった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 32. 考察とここまでのまとめ
ステムを対象として,統計アトラスに基づく⼿術計画
自動⽴案⼿法を提案した.
従来⼿法に⽐べ,有意に性能が向上した.
ほぼすべての症例でサイズ誤差±1サイズ以内だった.
この性能は臨床上実用的な⽔準である.
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- 34. 学習データ …
セット
統計的
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 36. コンセプト | カップの設置
臼蓋
大腿骨と接し,股関節を構成する部分を臼蓋と呼ぶ.
カップ設置は,骨盤を掘削し,臼蓋にはめ込むことで⾏なわれる.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 37. コンセプト | カップ⼿術計画⽴案におけるポイント
カップサイズ・位置・角度を カップサイズ・位置・角度を
決めるのは⽐較的容易 決めるのは困難
臼蓋の変形が⼩さい症例 臼蓋の変形が大きい症例
いずれの場合においても,ポイントとなるのは,
1. 骨盤とカップの相対的な位置関係が適切に保たれること.
2. 骨盤掘削時に⼀定の骨の厚みが確保され,カップが
骨盤を突き破らないこと.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 38. コンセプト
カップ⼿術計画⽴案における2つのポイントに対応して,
本研究では2種類の統計アトラスを構築する.
1. 骨盤とカップの位置関係を表現するアトラス.
(骨盤‐カップ結合統計形状アトラス)
2. カップの残厚分布を表現するアトラス.
(骨残厚マップ)
2つの統計アトラスを組み合わせて,⼿術計画を⽴案する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 39. 統計アトラス構築 | 骨盤‐カップ結合統計形状アトラス
主成分
分析
骨盤‐カップ結合
学習データセット 統計形状アトラス
統計形状アトラスは,医用画像処理において臓器の形状
バリエーションなどを表現するために,広く使われている.
本研究では,骨盤とカップをまとめて統計形状アトラスを
構築することで,骨盤形状バリエーションとそれに対する
カップ設置位置のバリエーションを表現する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 40. 統計アトラス構築 | 骨残厚マップ
(Thin) 0mm 5.0 mm 10.0 mm (Thick)
平均値マップ
学習データセット
0mm 10.0 mm
標準偏差値マップ
ステム計画における「距離マップ」と同じ考え⽅に基づく.
カップは,骨盤を掘削することで設置される.
カップ表⾯各点における骨盤の骨残厚の,平均値マップと
標準偏差値マップを構築する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 41. ⼿術計画の⽴案
形状アトラス 最終的な
3次元骨盤形状
当てはめ結果 ⼿術計画
1. 骨盤3次元形状が与えられて,骨盤‐カップ形状アトラスが最もよく当てはまる
ように,形状パラメータを最適化する.
2. 形状アトラスによる当てはめ結果を初期位置として,骨残厚マップとの差異
が最⼩となるようにカップサイズ・位置を調整する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 42. 実験 | 実験⽅法
以下の2つの⼿法を⽐較した.
1. 統計アトラスを用いない従来⼿法(鍵山他,2008)
2. 提案⼿法
実験条件
変形性股関節症28症例に適用した.
Leave‐one‐out交差検定によって学習データと評価データを
分離した.
評価項目
熟練外科医計画とのサイズ・位置誤差
突き破りが発生した症例数
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 43. 実験 | 設置誤差・突き破りが発生した症例数
提案⼿法 従来⼿法
突き破りが発生した
1 0
症例数
平均サイズ誤差 [mm] 3.9 4.3
平均位置誤差 [mm] 1.4 2.1
提案⼿法では,サイズ誤差・位置誤差ともに従来⼿法に⽐べ
誤差が⼩さかった.
⼀⽅,従来⼿法では発生していなかった突き破りが
提案⼿法では発生していた.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 44. 実験 | カップ設置結果例
0mm 5.0 mm 10.0 mm
(Thin) (Thick)
サイズ誤差 8 mm 0 mm
位置誤差 6.4 mm 2.5 mm
従来⼿法 外科医計画 提案⼿法 外科医計画
従来⼿法では,外科医計画とは異なるサイズを選択し,
骨残厚分布も異なっていた.
提案⼿法では,外科医計画に似た骨残厚分布が得られた.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 45. 考察とここまでのまとめ
カップを対象として,統計アトラスに基づく⼿術計画
自動⽴案⼿法を提案した.
カップ⼿術計画⽴案におけるコンセプトに対応して,
2種類の統計アトラスを構築した.
サイズ・位置誤差は,従来⼿法に⽐べ⼩さかった.
⼀⽅,「骨残厚マップ」だけでは突き破りの防⽌には不
十分であったため,明示的な制約条件が必要である.
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- 47. 学習データ …
セット
統計的
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 人工股関節サイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 49. コンセプト | 股関節動作シミュレーション
左右脚⻑差
カップ計画・ステム計画 関節可動域 選択された
解候補の全組み合わせ
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 ⼿術計画
- 50. コンセプト
仮に,最適化すべき股関節機能が1つだけであれば,単に
その値が最適となる⼿術計画を選択すればよい.
しかし,実際には,最適化すべき股関節機能は複数あり,
それらをバランスよく満足する⼿術計画を選択する必要がある.
そこで,「股関節機能正常度アトラス」を構築することで,
股関節機能の正常度を正規化する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 51. 股関節機能正常度アトラス | 構築⽅法
Histogram of ROM
学習データにおける関節可動域解析結果 Low 20 40 60 80 High
学習データを解析することで,ある関節機能の値がどの程度
あれば,正常と言えるかをモデリング.
学習データから,関節機能のヒストグラムが得られる.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 52. 股関節機能正常度アトラス |構築⽅法
Low 20 40 60 80 High High Low
関節可動域の値 [deg.]
70 60 50 40 30 20
関節可動域の値 [deg.]
ヒストグラムの値を,平均0,分散1の半ガウス関数にマッピング.
横軸0からの距離が,理想的な状態からどの程度離れているかを
定量化する.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 53. ⼿術計画の⽴案
股関節機能正常度
アトラス(関節可動域)
+
解候補の組み合わせから
最も適合度が⾼いものを
選択
股関節機能正常度
アトラス(左右脚⻑差)
+
…
カップ計画・ステム計画 股関節機能正常度アトラス 選択された
解候補の全組み合わせ
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 による適合度計算 ⼿術計画
- 54. 実験 | 実験⽅法
変形性股関節症37症例を使用し,leave‐one‐out
交差検定によって,学習データと評価データを分離した.
⽐較した⼿法
1. 股関節機能正常度アトラスなし
2. 股関節機能正常度アトラスあり
⽐較項目
関節機能度(脚⻑差・関節可動域)
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 55. 実験 | 脚⻑差・関節可動域⽐較
p = 0.001
p = 1.0×10-6
9 70
8
60
7
50
6 骨格‐インプラントアトラス・
従来⼿法・外科医計画と
5 外科医計画よりも 40
⽐べ,やや改善
4 有意に改善 30
3
20
2
10
1
0 0
A
最適化なし B
提案⼿法 外科医計画
外科医 最適化なし
A 提案⼿法
B 外科医
外科医計画
脚⻑差 [mm] 関節可動域 [deg.]
A:股関節機能正常度アトラスなし
B:股関節機能正常度アトラスあり
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 56. 実験 | 自動計画⽴案結果例
A:股関節機能 骨格インプラントアトラス・
正常度アトラスなし 外科医計画よりも
B:股関節機能 脚⻑差が改善
正常度アトラスあり
脚⻑差 8.3 mm 0.1 mm 2.5 mm
骨格インプラントアトラス
よりも⾼く,外科医と同程度の
関節可動域を実現
関節可動域 19.4 度 31.9 度 29.4 度
A B 外科医
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 57. 考察とまとめ
股関節機能正常度アトラスありの場合となしの場合で
は,
前者が優位に性能が⾼かった.
提案⼿法では,全ての解候補を網羅的に試⾏している
ため,最適解の⾒落としがなく,症例によっては
熟練外科医を上回る成績を発揮したものもあった.
臨床的有用性を評価するためには,定量的評価だけで
はなく,熟練外科医による定性的評価も必要である.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 59. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 60. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 62. 学習データ …
セット
統計的
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 インプラントサイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 63. • 現在,患者骨格の3次元形状を得るため,
学習データ …
3次元CT画像の使用を前提としている.
セット
• しかしながら,国外では3次元CT画像の
3次元
撮影が日本ほど⼀般的ではない.
統計的CT画像
⼿術計画 -3 0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 インプラントサイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 64. • そこで,2次元単純X線画像を⼊⼒として
利用できるように改良を⾏なう.
学習データ …
セット
• 2次元単純X線画像からの3次元骨格形状
再構成⼿法(Zheng, 2009)を用いる.
2次元
統計的
単純X線画像
⼿術計画 • -3 今回は,カップ⼿術計画⽴案を対象とする.
0 3
[mm]
アトラス -3σ Average 3σ
カップ⼿術計画
自動⽴案 股関節動作
シミュレー
ステム⼿術計画 ション
自動⽴案
患者骨格 インプラントサイズ・
3次元形状
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011 位置・角度
- 65. 提案⼿法の概要
2次元単純 抽出された 再構成された ⼿術計画
X線画像 骨盤輪郭線 3次元骨盤形状 自動⽴案結果
1. X線画像が与えられて,live‐wireを用いることで半自動的に骨盤輪郭線が抽出される.
2. 抽出された輪郭線に骨盤統計形状モデルを当てはめることで,3次元骨盤形状が
再構成される.
3. 統計的⼿術計画アトラスを用いることで,カップサイズと位置が自動的に決定される.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 66. 実験 | 実験⽅法
評価のポイント
Zhengらの⽅法では,3次元骨盤形状の大きさ(スケール)を
パラメータとして⼊⼒する必要がある.
スケール成分を正しく推定できるかどうかが,精度を左右する.
実験⽅法
スケールが既知の症例を用い,スケールが正しく推定できた
場合,±5%誤差がある場合,±10%誤差がある場合を⽐較し
た.
実験条件
28症例を学習データ6症例を評価データとした.
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- 67. 実験 | 熟練外科医計画との誤差⽐較
p < 0.05
16 p < 0.01
14 サイズ誤差 [mm]
p < 0.05
12 位置誤差 [mm]
10
8
6
4
2
0
‐2 ‐10% ‐5% 0 +5% +10%
2D‐3D骨盤再構成 3次元CT
スケール誤差が+10%の場合,3次元CT画像上で⽴案された
自動⼿術計画と⽐較して,有意に誤差が大きかった.
スケール誤差が± 5%以内の場合,カップサイズ誤差には
有意差は⾒られなかった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 68. 実験 | ⼿術計画⽴案結果例
サイズ誤差 48mm 50mm 48mm 52mm
位置誤差 2.7 mm 2.3mm 2.7 mm 11.0 mm
3次元CTから スケール誤差: 3次元CTから スケール誤差:
再構成 ‐5 % 再構成 + 10%
スケール誤差が ‐5%の場合,3次元CTの場合とほぼ同じ位置に
設置された.
スケール誤差が+10%の場合,3次元CTの場合と⽐べ,外側に
偏位した設置位置をとった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 69. 考察とまとめ
本研究では,2次元単純X線画像を対象として,
3次元カップ⼿術計画自動⽴案を⾏った.
実験結果から,スケール誤差が±5%程度であれば,
3次元CTと同程度の性能を発揮できる可能性があると考えられる.
現在,スケール誤差±5%の精度を達成するためのスケール
キャリブレーション⽅法を検討中である.
また,今後さらに多くの症例を用いた解析を⾏う.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 71. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 72. 1. 序論
2. 統計アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案
3. 将来的な機能追加に向けた基礎的検討
4. 結論
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 74. 本研究のまとめ
本研究では,人工股関節全置換術を対象として,統計
アトラスに基づく⼿術計画自動⽴案⼿法を提案した.
学習データを統計解析することで,熟練外科医の
⼿術計画⽴案⽅針を表現する統計アトラスが構築された
ステム・カップ・股関節動作シミュレーションに対応する
サブシステムをそれぞれ構築した.
将来的な拡張として,2次元単純X線画像を利用可能な
⼿法を構築し,基礎的検討を⾏なった.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 75. 達成点と課題
達成点:
熟練外科医の専門知識が,統計アトラスとして
モデリングされた点
従来⼿法では,試⾏錯誤的にアルゴリズムを定義する
必要があったが,提案⼿法では,学習データを与えるだけで,
自動的に統計アトラスが構築される.
課題:
実際に⼿術した結果との⽐較が⾏なわれていない点
より現実に近い評価を⾏なうためには,術後CT画像から
実際に⼿術された結果を取得する必要がある.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011
- 76. 今後の⽅向性
今後の⽅向性:
1. 異なるインプラント製品への適用
現在は,1種類のインプラント製品のみ評価しているため,
デザインが異なる他の製品に適用する.
2. 術後CTを用いた性能評価⼿法を確⽴
3. 全てのサブシステムを2次元単純X線画像対応化
本研究の成果をもとに,さらに有用なシステムとして
発展させてゆくことが可能であると考える.
Copyright © Osaka Univ., Kobe Univ. 2011